ワードナ

コンピュータRPGの元祖『Wizardry』シリーズの登場キャラクター。
登場作品はシナリオ#1と#4。
長いひげを生やした老人の魔術師。#4の時点で100歳である。 たぶん宿屋でレベル上げようとしたら老衰でロストする
名前の由来は製作者の一人アンドリュー・グリーンバーグ(Andrew Greenberg)氏のファーストネームを逆さにつづったもの。(Andrew→Werdna)

シナリオ#1「狂王の試練場」におけるワードナ

狂王トレボー*1から魔除け(アミュレット)を盗んだ悪の魔術師。*2
アミュレットを盗んだワードナはトレボー城砦の近くに地下迷宮を建造して立てこもり、プレイヤーキャラであるアミュレット奪還の命を受けた冒険者達と戦う。
いわゆるラスボスポジションの敵である。*3

普通にゲームを進めると対決するのはおおよそレベル13前後。
このレベル帯だとワードナの唱える最強攻撃魔法「ティルトウェイト」の一撃でパーティーが半壊するほどのダメージを受ける上に、お供として引き連れているヴァンパイアロードとヴァンパイアも相当な強敵。
ただしこちらの魔術師もティルトウェイトを習得可能なレベルなので、ワードナよりも先にティルトウェイトを唱えられれば(呪文を無効化されてしまう可能性はあるものの)、相手を追い詰めることもできる。

ちなみにラスボスではあるものの、アミュレットを所持していない、あるいはクリアの証明である「称号」をもったキャラがいなければ、いくらでもワードナと戦う事ができる。
そしてアミュレットもその度に取得できるので、迷宮の入り口にアミュレット保管用のキャラを一名常駐させ、そいつにアミュレットを預けてワードナと繰り返し戦い、アミュレットを全員分揃えるなんて荒業が可能
(機種によっては称号を持っていてもワードナが出現し、アミュレットの量産が可能)。
なんでわざわざこんなことをするのかというと、彼の持つアミュレットは、持たせているだけで「毎ターンHPが自動回復」「全状態異常及びクリティカルヒット(即死)、エナジードレイン
(受けた者のレベルを下げる)に対する完全耐性獲得」「全モンスターから受ける物理攻撃の緩和」「テレポート呪文『マロール』が無限に使える」「SP解放でPT全員のHP全快(こちらも使用回数無制限)」という、まさに公式チートアイテムだからである。
アミュレットの力に魅入られ、それを手放すことなく迷宮を徘徊するようになった冒険者達は、もはや 第二のワードナ と言ってしまっても良いのかもしれない…………。

7:15頃 おじいちゃんの本気

いずれにせよ最終的にワードナは倒され、アミュレットも奪い取られることとなる。
しかしその遺体はいかなる手段を用いても破壊する事が出来ず地下迷宮に封じられた……。

シナリオ#4「ワードナの逆襲」におけるワードナ

「フッフッフッフッフ、墓守の諸君、
  復讐とアミュレットを求め、わしは今ここに蘇った!」

そしてシナリオ#4「ワードナの逆襲」ではなんと主人公として登場する。
死後もアミュレットへの執着が消えずに蘇り、アミュレットを取り戻すべく地下迷宮から地上を目指すというストーリー。
プレイヤーが魔王で、魔物たちを率いて勇者をやっつける」という構図のゲームは近年ではよく見られるようになったが、この作品はそうした作品群のルーツのひとつと言えるだろう。
復活したワードナは見る影もなく弱体化しており(しかも復活当初は HP1 、回復しても初期値は10)、冒険者たちは異常に強く、迷宮の謎はもはや異常という言葉ですら生ぬるい。
中でも「コズミックキューブ」と呼ばれる区画は、「階段を上がったと思ったら下の階に降りていた」なんてこともある、全RPG中でも屈指の攻略難易度。
その結果、せっかく復活したのに殺されるという悲惨な場面が続出した。復活時間20数秒どころか、下手すりゃ一歩動く前に殺されている。
しかしその遺体はいかなる手段を用いても破壊する事が出来ず地下迷宮に封じられた。*4
死後もアミュレットへの執着が消えずに蘇り、アミュレットを取り戻すべく地下迷宮から地上を目指す…… 要するにゲームスタートからやり直し。いっそ殺して。
業界一死にやすい勇者がこの人なら、こっちは業界一死にやすい悪の魔王である。


マルチエンディング制になっており、暴君として君臨したり、良き王として名を残したり、神の座に就いたり、様々な運命が 分岐はノーヒントで ワードナを待っている。
ベストエンドでは世界の真理を悟った賢者となって、アミュレットを創造者に返還すべく旅立っていく。*5
ただし、ベストエンドにたどり着くには日本人はまず知らない幅広い宗教知識を問われる上に、*6アミュレット入手時にも性質の悪い罠が二重で仕掛けられているため、一筋縄ではいかない。

PCエンジン版 PS版(ゆっくり実況)

なお小説版『ワードナの逆襲』では視点が一転、「地下迷宮から脱出せんと迫り来るワードナから逃げ惑う冒険者達」の物語となっており、ぶっちゃけワードナが凄まじく恐ろしい存在として描かれている。
これはこれで非常にかっこいいのだが、ゲーム本編と違いすぎる……

ちなみに本人ではないが、ワードナをモチーフにしたキャラはエンパイアシリーズやエルミナージュ等にも登場している。
……っていうか、グラがまんますぎてそれでいいのかと言いたいレベルなのだが。


MUGENにおけるワードナ

夫氏の製作したものが存在する。
元がRPGのキャラなので本体の動きは少なく、原作で使用した術などで戦うキャラ。
つまり同氏のさいごのスターマンと同じようなもの。性能はあそこまで無茶苦茶じゃないが……。
とはいっても即死級のダメージを叩きだす技を使ってきたりとまともなわけでも無かったりする。
また原作っぽさを出す為にライフや攻撃ダメージに乱数を使用していたり、一定時間ごとに回復をしたりと特殊な仕様になっている。

出場大会


*1
作品にもよるが、実はトレボーも狂王と呼ばれるだけあって大概だったりする。
その解釈も、「トレボーこそが諸悪の根源。実はワードナは悪人では無い」「幼いトレボーがワードナの父を(やむをえない事情があったとはいえ)殺害、それを知ったワードナがトレボーを付け狙うようになった」
「トレボーとワードナはかつて仲間だったが、トレボーは邪悪なアミュレットの力に魅入られ、ワードナもアミュレットを開放して邪悪な力を手にしようとする」とまちまち。
トレボーの強さについても、単なる無能な暴君からヤケクソに強い隠しボスめいたものまで存在する。人気なのは勿論ヤケクソに強い隠しボスバージョン。

日本で最も著名なWiz小説『隣合わせの灰と青春』ではトレボー邪悪説が取られており、ワードナはアミュレット封印のため迷宮を作ったのだが、
「アミュレットと合体して不滅の存在となり、自分を倒した冒険者にその一部を譲り渡すことで、長い月日をかけてアミュレットを封じる」という手法を取っている。
つまり アミュレットを持っていない限り何度でもワードナと戦える ことの理由付けが為されているのだ。

ちなみに、狂王トレボーの名はもう一人の作者ロバート・ウッドヘッド(Robert Woodhead)氏のファーストネームを逆さにしたもの。(Robert→Trebor)
おまけとして、みんな大好き(EXP的な意味で)マーフィーズゴーストはテストプレイヤーだった友人のポール・マーフィー氏からだそうだ。

*2
日本版『1』の説明書だと「戒律:極悪」と設定されている。
+ ウィズの有名テンプレ「道を渡るおばあちゃん」

『4』のパラメータ画面ではもちろん「悪」。
シナリオの進行によっては中立、そして善へと変化していく場合もある。

*3
ウィザードリィではモンスターが時々友好的であることがあり、その場合は戦わずにやり過ごす事が可能。
なのだが、ラスボスであるにもかかわらず友好的な場合がある。そして普通にやり過ごすこともできてしまう。
更には苦労して辿り着いたワードナの部屋の前には 「営業時間9:00~15:00(日本語版だと17:00の場合も)」 と書かれた看板があるなど、何かと突っ込みどころ満載のラスボスである
(システム的にはキャラの年齢を除いて時間の概念は無いので、時間外だから留守とかいう事は無い。ただし称号持ちのキャラがいると、看板が「不在」に変わっていたりもする)。
というのも、初期のウィザードリィ自体がパロディや軽いノリ、ばかばかしいジョークを盛り込んだ、今で言う「バカゲー」に近い作風だったりする。
しかし、それらジョークはイギリスのコメディ作品や、アメリカのフードプロセッサーメーカーなど日本人には理解できないものも少なくない。

*4
ウィザードリィの世界において、死からの蘇生に失敗すると死体は灰になってしまう。
灰からの蘇生はより高度な呪文が必要になるがそれも確実に成功するわけではなく、失敗すると灰は失われ(ロスト)もう二度と蘇生を試みることができなくなる。
つまり、「いかなる手段を用いても死体を破壊することができない」とは「 復活の可能性が常に残されている不滅の存在である 」ことを意味しており、
ワードナを封じるために作られた地下迷宮の難関ぶりの理由付けであるとともに、ワードナが世界の摂理を越えた超人的な魔術師であることの証といえる。

*5
公式の設定ではないが、この後に『5』に登場する世界の守護者ゲートキーパーになったという小説の設定が有名。
アレンジ版『4』では周回プレイによってワードナがゲートキーパーを召喚できるようになるけど

*6
具体的には、カバラ思想におけるセフィロト。隠しエリアに近いフロアを探索すると「生命の樹」が浮かび上がるので、最後の問いにこの単語を答える必要がある。
ただし、ウィザードリィ4の日本語版が出たのは1988年。今でこそカバラ思想は「真・女神転生Ⅱ」や「新世紀エヴァンゲリオン」などで取り上げられたため多少は広まってはいるが、それでも知っている人のほうが珍しい知識に分類される。
本作発売当時で、カバラ思想の知識を持っている日本人ゲーマーはほぼ存在しなかった。



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