クジンシー


「私の技は見切ることは不可能。
 なぜなら、受けた者は必ず死ぬのだからな。
 親父と兄貴のあとを追え!」

        
スクウェア(現・スクウェア・エニックス)のRPG『ロマンシング サ・ガ2』に登場するキャラクター。
遙か古代に魔物と戦い伝説となるが、現在では彼ら自身が魔物と化し世界を荒らす「七英雄」の一人。
名前の由来は山手線の「新宿駅」の逆読みなので、もっぱらファンからの愛称は「新宿」。

爬虫類の尻尾のような下半身をしており、足は無い。
腕は筋骨隆々で、不気味な顔の付いた剣を所持。
後の第二形態では、顔半分が白骨化した巨大な美女の顔を従えている。

「嫌われ者のクジンシー」と揶揄される、七英雄きっての嫌われ者。
多分吸収対象が「あらゆる世界の死神」なのもまずいと思う。死神に近寄られたくないだろ…
追放した古代人はおろか、仲間の七英雄からも嫌われている。七英雄であるにも拘らず小物臭いセリフが特徴的で、
明らかにクジンシーより数段弱いであろうボクオーンの手下からさえも「(七英雄の中でも)小物」呼ばわりされる始末。
挙句に彼は他の七英雄と違い「世界征服」という、あまりにも低レベルな野望を抱いている。
(基本的に他の七英雄の目的は自分達を嵌めた古代人への復讐である。一部、「そんな事はどうでもいい」とか言ってるのもいるけど
 なお、古代人とは言うが不老に近い上、異世界へと逃れている)。

そんな彼は、当時弱小国家だったバレンヌ帝国に目を付け、手始めに近隣にあったソーモンの町を占拠。
その後、帝都アバロンを急襲。街を預かっていた皇帝レオンの長男ヴィクトールを、「流し斬り」を決められながらも殺害。
敵討ちのために現れたレオンをも殺害する。
しかし、この時レオンは自身の命をかけてクジンシーの技を見切るという手段に打って出ており、
自身の得た技や能力を、志ある人にそのまま引き継ぐ秘法「伝承法」を用いて、次男のジェラールに託していた。
こうして見切りを得たジェラールはクジンシーを打ち倒したのである。

その後、最終皇帝の代で復活。わざわざ手紙で決闘を挑むという古臭いやり方をしてくる。
この挑戦状を無視すると、ラストダンジョンで「このオレの挑戦を無視したな!後悔させてやるぞ!」と襲ってくる。
でも、見切りを覚えていれば対処は比較的楽なので、最後まで残す人は多いかもしれない。

上記のように物語が始まるきっかけを作った人物であり、最初に戦う七英雄である。
父と兄を殺した事でジェラールから要らぬ恨みを買い、「七英雄VSバレンヌ帝国」という決定的な構図を作ってしまった。
そして最終的に七英雄は目的を果たす事なく帝国に敗れ、全滅する。結果論ではあるが、クジンシーは他の6人の足を引っ張った事になる。

そんな彼の代名詞とも言える技が「ソウルスティール」である。
前述のヴィクトールやレオンの命を奪ったのも、そのレオンが命を犠牲に見切った(見切り、つまり100%回避能力を得た)のもこの技。
というのもこの技、通常はどんなことをしても1ずつしか減らないというLP(生命力、0になるとキャラ消滅)の原則を大幅に無視し
対象のLPを全て奪って即死させ、復活不能にするというとんでもない反則技なのである。
格ゲーで例えると、(見切りなしでは)不可避で以降の全ラウンド勝利扱いになる一撃技のようなもの。理不尽極まりない。
正直、この見切りが無ければバレンヌ帝国はあっさり滅亡していた事だろう。
ただ、最終決戦においては「動くな」(マヒ効果)→「ソウルスティール」のコンボが決まると、この見切りを持っていても回避不能になる。
なおその代名詞以外の技では、剣技の他に「ペイン」などの冥術を主に使用する。

+ クジンシーの外部出演
アーケードトレーディングカードゲーム『LORD of VERMILION II』において他の七英雄と共にゲスト参戦している。
種族としてはボクオーン同様「不死」だが、コストは七英雄中で最も安い15。
ゲーム中のクジンシーは原作の得意技である『ソウルスティール』を使用可能である。
効果は移動速度低下と効果時間中に倒した敵の復活カウントを延ばすもの。
復活カウント増加は約5カウントと微々たるものだが、移動速度の低下は異常に強力で、ほぼ動けないに等しいレベルになる。

また、七英雄はゲスト参戦に伴って夫々の七英雄となる前の職業や目標、吸収対象が判明している。
クジンシーの場合、七英雄になる前は会社員であったことや、
吸収対象は別世界の死神であったことが判明している。
他にも趣味が賭け事だったり、夢がロックブーケを思い通りにする事だという事も書かれている。

さらに、2011年7月にアップデートした『Re:2』にもレアカードとして登場。
この時のイラストは当時キャラクターデザインを手掛けた小林智美氏が描き下ろしたものなのだが、
このクジンシー、恐ろしくイケメンなのだ。…いや、前例はあるんだけどね。
+ そのイラスト
小林智美氏によると、
「ゲーム上ビジュアルはモンスターですが。私もやっぱりモンスター。貴族っぽく。
 薬草毒草をあしらって、ヴェネツィアのカーニヴァル風にデザインしました」
とのこと。すいません。意味が分かりません…
しかし、この絵には第二形態を思わせる女性の顔と骸骨が描かれており、
ある意味でクジンシーらしさの出ている絵だとも言える。

また、2012年9月からGREEから配信されている『エンペラーズ サガ』にも登場。
こちらでは「破壊するもの(本作の当面の宿敵。元は『ロマサガ3』のラスボス)」の忠実な手先として、
皇帝はもとより、場合によっては他の七英雄(特に主人公に味方するロックブーケなど)とも戦う事がある。
こちらでも主人公「白銀の皇帝」の父親を殺害したため、ストーリー上は主人公から仇として憎まれる立場
(ただし基本的にはカードゲームなので普通に味方としてクジンシーを使うこともできるのだが)。
+ ……と、思われていたが(ネタバレ)
後に期間限定イベント「血闘!七英雄と共に!」にて、タイムスリップして過去の時間軸に飛んだ主人公達は、
七英雄達が「破壊するもの」の封印を解き放とうとする何者かを止めるため進軍している場面へ到着する。
そこでの過去のクジンシーは本編が嘘のように紳士的な性格で、主人公は仇の姿を脳裏に重ねながらもそのギャップに戸惑う。
後に、深い闇に侵されて瀕死状態になった主人公のお供のキャットとエメラルドを救うため、
他の七英雄が見捨てようとする中、彼は自らを犠牲にして彼女達の闇を自分の体に取り込む。
そして闇に染まり暴走したクジンシーは、そのまま何処かへと姿を消してしまい……後に主人公の父親を殺害する。
この事を知った主人公は「自らの弱さが巡り巡って父を殺したのか…」と苦悩しつつも、闇を倒すことを誓うのだった。

2015年6月から配信された『インペリアル サガ』及びその続編『インペリアル サガ エクリプス』にも登場。
嫌われ者の小物という点はほとんど変わっていないが、曲がりなりにも七英雄の一員として戦い続けたことは確かであり、
自分でも驚くくらいには強くなっていたという設定になっている。


MUGENにおけるクジンシー

餅投げ氏によるものが公開中。
原作のドットを上手く加工して格ゲーキャラに落とし込んでおり、元が一枚絵とは思えないほどよく動いてくれる。
なお、通常の姿は第一形態のものだが、後述のソウルスティールを使う時だけ第二形態に変わる。
通常技飛び道具の「ペイン」と「ポイゾナスブロウ」と、足元から発生する「イルストーム」、そして接近攻撃の「二段斬り」。

超必殺技扱いの「ライフスティール」は投げ技で、与えたダメージのおよそ3分の1程度を回復するものになっている。
飛び道具を放つ「カマイタチ」は空中でも出せる上、コンボにも組み込んで使える。
代名詞とも言える「ソウルスティール」は5ゲージ消費の即死技で、
「流し斬りが完全に入ったのに」のくだりの再現か、攻撃を受けると発生する当て身技になっている。
なにぶん消費量が多いので出せる状況は限定的だが、戦局を簡単に引っくり返せる。
AIは簡易的なものがデフォルトで搭載されている他、蜂百合氏による外部AIも公開されている。
プレイヤー操作(7:45~)


「俺を置いていかないでくれ!」クジンシーは叫んだ。
「はっ、虫けらが」ダンターグは軽蔑して唾を吐いた。
「お前は戦力にならん」ボクオーンは相手にしなかった。
「やめてよ、寄らないでよ」ロックブーケは気味悪がった。
「お前は来なくていい」スービエは厳しく言った。
「君は十分働いた」ワグナスの優しい声には拒絶があった。
「頼むよ。俺にも力をくれよ」クジンシーはノエルにすがりついた。

出場大会

プレイヤー操作

アルで昇華(part99)


最終更新:2022年08月18日 01:06