セイバーガンダム


「アスラン・ザラ!セイバー、発進する!」

  • 型式番号:ZGMF-X23S
  • 頭頂高:18.61m
  • 本体重量:77.23t
  • 武装:MMI-GAU25A 20ミリCIWS、MMI-GAU2ピクウス 76ミリ機関砲、M106アムフォルタス 収束ビーム砲
               MA-7b スーパーフォルティスビーム砲、MA-BAR70 高エネルギービームライフル、MA-M941ヴァジュラ ビームサーベル
               MMI-RD11 空力防盾
(HG 1/144 セイバーガンダム パッケージより引用)

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』において前作『SEED』からの続投キャラクターであるアスラン・ザラが搭乗するモビルスーツ。
名前の意味は「救世主(saviour)」であり、この人のような「剣士(saber)」ではない。
もっとも、(ソード)インパルスガンダムの武器に「エクスカリバー」なんてあるので、ネタにされる事もあるが。
「(メガ)エクスカリバー」を持った「救世主」であるガンダム」とか「救世主たらんとする剣使いのガンダム」もいるが、関係は無い。
ガンセイヴァーΖも、英語表記はGUN SABER Ζで必殺技も「天空の剣」なのでやはり関係無い。
アスランは前作終了後、オーブに亡命し「アレックス・ディノ」と名乗り、代表カガリ・ユラ・アスハのボディーガード(兼恋人)として活動していたが、
地球連合軍特殊部隊ファントムペインによる、ザフト軍新型MS強奪事件に巻き込まれたのを発端に戦艦ミネルバに乗艦、
その後デュランダル議長の説得により、FAITHとしてザフト軍に復帰した際に彼に渡されたMSである。
ユニウス条約締結後にザフトが開発した、試作MS群「セカンドステージシリーズ(セカンドシリーズ)」の1機であり、
前作のイージスやジャスティスを彷彿とさせる赤色の機体で、戦闘機型モビルアーマー形態への変形が大きな特徴である。

頭部機関砲、ビームサーベル、ビームライフルというガンダムとしては標準的な武装に加え、
背部に高威力のアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲、その同軸に連射性の高いスーパーフォルティスビーム砲を2門ずつ装備する。
二種類のビーム砲とMA形態の高速巡航能力を活かした一撃離脱戦法を得意とし、
MS形態、MA形態の双方を使い分ける事で、砲撃戦にも格闘戦にも対応可能な万能機である。

初登場時はMS形態だったが、すぐさまMA形態に変形して、プラント(本作におけるスペースコロニー)から地上のオーブ首長国へ突入、
そしてオーブ防衛軍と一戦交えた(ただしセイバー側は回避のみ)後に、オーブを追い出された戦艦ミネルバへ着艦した。
他の機体と同じく電池駆動のはずなのだが、上記の行動を無補給で可能な程の莫大な航続距離(稼働時間)を誇る
(搭載されているデュートリオンシステムは、「ミネルバの近くに居れば着艦せずに補給出来る」と言うものでしかない。
 後継のハイパーデュートリオン核エンジン併用なので実弾等以外の補給は要らないが)。

+ 劇中での活躍
主にカオスガンダムや連合軍の量産型MS、大型MAゲルズゲー、連合軍と同盟を結んだオーブ軍のMSムラサメなどと交戦。
前作主人公の一人でエースパイロットの新たな乗機という実力を遺憾無く見せ付けた。

……が


クレタ島沖の戦闘で多数の連合軍MSを撃破するも、戦闘に介入して来たキラと遭遇。
キラとは戦いたくないアスランは、キラの説得を試みるも、逆にキラの発言に動揺。
フリーダムガンダムによって瞬時に五体バラバラに分解されて大破、以上出番終了
あまりに一方的かつ呆気ないセイバーガンダムの最後に視聴者は驚愕した。
尚、アスランは高高度からコクピットごと海面に落下したが
(前述の通り乗機セイバーはバラバラの大破状態なので落下の衝撃を和らげる事も出来ない)、
セーフティシャッターによって一命を取り留めた。の事ながらセーフティシャッターすげぇ。
その後、コクピットのある胴体部はミネルバに回収されたが、ミネルバ艦内の整備員達からは「これ直せって無理だよ…」と嘆いていた為、
残った胴体部は破棄されたと思われる。

……上で述べた通り実際には結構活躍していたのだが、正直劇中では目立っていなかった。
というより視聴者の印象に残っていないというのが正しいか。
いつも画面内では不殺に近い形で並居る敵機をことごとく行動不能にするという、
前大戦のエースとして申し分のない活躍をしていたにも拘らず、ほとんどが乱戦の最中であり、部下の方が目立っていたし、
中ボス以上の敵との因縁も無く、魅せる攻撃も無ければ、一発の大きな武勲も無いせいで、誰も彼の活躍を覚えていないのである。
挙句フリーダムに落とされた直後、上述の整備員達から「流石のFAITHもフリーダム相手じゃ駄目か」と言われたり、
部下には「あんま強くないよね、あの人」と言われる始末である。この部下のすぐそばで数段上手の操縦技術を披露してきたはずなのに…。
一応、その部下からは直後にはまだ「しっかりしてくださいよ!」と発破をかけられてはいたが。
機体は高水準で安定しているもののどこか地味なせいでもあるのだろう。

ちなみに、イージスやジャスティスでの戦い方を見れば分かるが、アスランの得意な戦闘スタイルは高機動の接近戦…ではない
攻めてくる相手に対しての的確な対処能力と一瞬の隙を逃さず反撃を決める、
後の先を得意とする防御とカウンターの鬼が正しい。むしろ、高機動の接近戦はシンの方が近い
実際に作中でアスランから攻める描写は少なく、まともに自分から攻める行動はネームド相手にはほとんど無い大体この二機を相手にしてるせいだけど
キラは類稀な操縦センスで敵の攻撃を回避する、シンは機体性能を存分に活かして強引に対処する。
……これらに対し、アスランは相手の動きを読んで回避と防御を使い分け堅実に戦う事からより窺える。
高機動の接近戦が得意なイメージに関しても、次の後継機が近接戦に特化していた事に加え、
主に戦った相手がその戦法を得意としていながら実力で捻じ伏せた事が大きい相手の得意な土俵を潰したら、そりゃ勘違いされる
一撃離脱を行う事を得意とする本機体は防御からの攻撃手段が乏しい事から、アスランにとって相性が悪いと言えるかもしれない。
この機体をアスランに渡した議長に責任を問いたい所だが、まさか最強の戦士に匹敵する存在がお手本のような戦法*1を好んでいるとは想定外だったのだろう
実際にセイバー搭乗時もフリーダム戦まで一切被弾が無い上に、
フリーダムの方も盾を捨てた速攻戦でないと押し負けてた可能性が高かった事から、
アスランの操縦技能は間違いなく本物と言えよう。
絵的には映えづらい、地味な戦い方だから印象に残りにくいというのは否定出来ない所ではあるが

+ パイロット、アスラン・ザラについて

「戦争はヒーローごっこじゃない!自分だけで勝手な判断をするな!
 力を持つ者なら、その力を自覚しろ!」

キラ・ヤマトの親友にして、『SEED』における主人公の一人。CVは 石田彰 氏。
冷静沈着で頭脳明晰、理論的な性格だが、女性からの好意には鈍感。
コーディネーター(遺伝子操作によって生まれた人種)であり、ザフト国防委員長(後に最高評議会議長)パトリック・ザラの息子。
「血のバレンタイン」と呼ばれる、地球連合軍によるコロニーへの核攻撃で母を失っている。
ラクス・クラインとは許嫁同士であり、お互いに悪くは思っていない様子。
赤服と呼ばれるザフト軍のエリート部隊所属で、ラウ・ル・クルーゼの部下であり、『SEED』序盤においてはキラと敵対。
地球軍から奪取したイージスガンダムを駆り、キラ達アークエンジェル一行と戦った。
地球に降りてからはクルーゼ不在のため、隊長となる。
キラとは互いの友人を殺してしまったり、それが原因でキラと激戦を繰り広げ、殺し合ったりもした(この時イージスを自爆させてストライクを破壊)が、
カガリ・ユラ・アスハらの説得などもあり、最終的にキラと和解。
打倒連合どころかナチュラル殲滅を掲げる父及びそれを利用するラウ・ル・クルーゼから離反し、
キラやラクス、カガリらと共に三隻同盟の中心人物の一人として、作中における最大最後の決戦「第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦」を戦い抜いた。
ちなみに機械工学が得意であり、友人のキラといつも一緒にいる「トリィ」という鳥型メカや、ラクスのハロを作ったのは彼である。
おかげで『SDガンダムフルカラー劇場』のイージスが、ハロの生みの親である初代ガンダムにサインをねだったり、無意識にハロを大量生産した事もある。
+ その後(DESTINY)における動向

「作戦が成功すれば周辺の住民は圧制から解放される。成功の鍵はお前のインパルスだ。」
「詳しい説明は明日のブリーフィングでな。お前がエースだ。頼んだぞ」

前述の通り、紆余九節あってシン・アスカやルナマリア・ホークらミネルバクルーと行動を共にする事に。
ちなみに偽名はカガリが他者がいる時にうっかり本名を言ってしまったせいであっさりバレた
前大戦の大英雄というだけあって、ルナマリア、メイリンのホーク姉妹や、
「偽ラクス」ことミーア・キャンベルなど様々な女性から好意を寄せられている
(ただし、カガリに指輪を贈っているので、一応はカガリ一筋だったらしい。結局カガリの政略結婚騒動とかで有耶無耶になったが)。
Ζ』におけるクワトロ・バジーナのように未熟なシンを導く立ち位置かと思われたが、
アークエンジェル撃墜任務を課せられた際に、キラやラクスを死なせたくないばかりに、
敵である筈のキラ達を擁護する発言に終始し、挙句シンが(任務に失敗して)死んでも構わないと取れるような態度をとるなど、
軍人としては問題のある行動が多く、本人も「まだ迷いがある」という旨の発言をしているなど、実際は微妙な立ち位置だった。
(要はクワトロの「なさけなさ」(元恋人(?)談)を強調したような造詣である。
 (別時代の)クワトロにあった「復讐心や、その為に世界中を巻きこむ過激さ」は別人に取られちゃったしね)。
最終的にはザフトを離反、メイリン・ホークを連れて三隻同盟に復帰。
最終決戦ではルナマリアが駆るインパルスガンダムやシン・アスカの駆るデスティニーガンダムと交戦し彼らを退け、
デュランダル議長のデスティニープランを阻止した。
その後はオーブ軍准将として活動しているようである(ただし、監督によるとこれは作画ミスらしく、実際の階級は一佐のままなんだとか)。

また、最終的にはメイリンと結ばれたようである。そうなるとルナマリアと結ばれたシンは、アスランにとっては義理の兄と言う事に?
この結末については、ナチュラルとコーディネイターの隔たりを越えたアスランとカガリの恋という、前作から描かれた描写全てを否定するものであり、
更には脚本家が「勘違いの恋」(おそらく「吊り橋効果」の事)とまで言ってしまったため、一部のファンから不況を買ってしまった。
おまけにリマスターBOX3付属のドラマCDではキラもシンもアスランから離れていくと中の人に言われてしまった

また、インド洋にて連合軍に捕らわれていた現地人を助けるためとはいえ、
個人的な怒りに任せて連合軍の基地を壊滅させたシンに対し「戦争はヒーローごっこじゃない」と上記の台詞で激怒した事があるが
(逃亡しようとした現地人が射殺される場面を目撃したり、
 先に連合側がインパルスに攻撃を仕掛けてきたなどの事情もあるが)、
実は作中で一番ヒーローごっこに興じていたのはアスランだったと言う事実も問題視されている
(そもそも何度も陣営を変えている理由が「(自分の信じる正義を貫く為の)自分だけの勝手な判断」によるものである)。

上述の通り作中での女性人気は高いが、それは現実世界でも同じであり、有名な女性作家が彼のファンであると公言している例も複数あったりする。
他にも、『DESTINY』の物語をアスランの視点から見たものとして多少の改変も交えた(ので正史とは無関係であるのだが)、
『機動戦士ガンダム SEED DESTINY THE EDGE』という漫画が存在し、こちらでは実質的な主人公となっている。
このような扱いを受ける程には彼の人気が高いと言えよう。
+ トゥ!ヘアー!
ニコニコでアスランと言えば、 トゥ!ヘアー! が有名。
元は『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』(以下、エクバ)において、
「インフィニットジャスティスガンダム」(通称「隠者」)を駆るアスランのセリフ。
アスランは本来冷静沈着な性格で、激昂して声を荒げる事はあっても、気合いの雄叫びを上げるような人物ではないのだが、
『エクバ』では何故かトゥ!ヘアー!モウヤメルンダッ!!ヌォォォォォォォ!!と非常にうるさい
うるさいキャラといえば御大将ミスター・ブシドーなどがいるが、彼らは元からうるさかったのに対し、
アスランは元は超COOLクールな性格であったため、その強烈なギャップが際立つのである。

あまりの変貌ぶりに、「これはアスランじゃなくてトゥ!ヘアー!さん」などと呼ばれる事も。
そこに初期の隠者の微妙な性能も合わさってネタとして親しまれるようになってしまった。
アップデートで性能が改善され、コスト2500屈指の使いやすい機体となった後もネタは健在だった。
なお、家庭用ではボイスが再収録され少し大人しくなったが、続編稼働中の現在でもネタにされるには十分なレベルである。
令和最新版

また、作画の具合により額の面積が安定していなかった事から「アスラン・ヅラ」やら「デコ」やらの通称を頂いたりもした。
後の石田氏の出演でいかにも狙い済ましていそうな配役だったのも印象深いか。
デフォルメアニメ『たねきゃら劇場』では、公式で「デコピカ」キャラ扱いされたりしている。

+ 『スパロボ』でのアスラン
様々なロボットが共演する『スパロボ』では、『SEED』『DESTINY』通して重要人物であるため能力は高い。
特に『J』では特殊技能の「SEED」と「コーディネーター」の仕様上、気力最大時におけるステータスの総合値は全キャラ最高となるが、
小隊の指揮官だった事もあるのに、指揮官として目立った活躍をしなかったからか、指揮官技能を持っていないか、低レベルのままである。
ただし、『Z』での小隊長能力(隊長効果)は「小隊移動力+1」が含まれており、小隊の進軍を牽引する事が出来る。
部隊の最高指揮官ではなく、あくまで前線の指揮官だった事を上手く再現していると言えるだろう。
が、『UX』では『SEED』と『DESTINY』での隊長経験があったため、SEED勢唯一(と言っても四人しかいないが)の戦術指揮可能キャラとなった。
効果は「防御効果発動率25%上昇」、「格闘ダメージ+10%」、「バリア貫通」と中々強力。
しかし隠し条件に絡まない事や、二段階目までの効果が被る森次さんや公式チートな孔明リ・ガズィの存在により使用されるかは微妙な所。

…一方で、インターミッションの会話では割といじられやすい(特に『DESTINY』名義で参戦した時)。
『第3次α』では声優ネタで「歌はいいなぁ、キラ」とぶちかました程度だったが、
『K』ではキングゲイナーのアナ姫の蔵書から借りたものが理想の上司になるためのハウツー本だったり、
上述の女性関係から、キラが他作品キャラに「兄(声が同じ)に似ている」と照れられた際に「キラは女性の扱いがなってない」と茶化したら、
ルナマリアに「アスランは自分やメイリンにもやたらと親切にしてた」とカガリの目の前で暴露されて修羅場になったり、
『L』にて他の人が誰も覚えてない大地魔竜のブリッジ要員(女性)の顔と名前を覚えててルナマリアに微妙そうにされたり
(ただし、ハイネからは「指揮官なら(男女問わず全員の顔を)覚えて当たり前」と擁護されている)、
『第2次Z破界編』ではランカの護衛を決める際に、ランカの兄であるオズマから100万Gの男や女たらし軍団とセットで有害認定されて、
キラに「言われちゃったね」とトドメを刺されていた。
言ったキラも恋人持ちなフレイと寝たり、カガリを結婚式中に誘拐したりと大概だが(ただしカガリに関しては政治的な理由であって色恋沙汰ではない)
やはりDESTINY作中で実質5角関係(アスラン、カガリ、メイリン、ルナマリア、ミーア)を形成したのが原因だろうか
(と言ってもルナマリアとミーアはアスランにとっては単なるファンに過ぎない。手も出していないし。特にルナマリアはシンとくっついたわけだし)。
続編の『再世篇』でも引きずっており、キラにツッコまれている。また、ルナマリアやメイリンから「空気読めない人」扱いされてたりする。
『第3次Z時獄篇』では初の自軍部隊不参加となり、『天獄篇』で部隊に合流するも召喚ユニットへ降格、
本作でも有害認定を気にしていたりと扱いがすこぶる悪く、もはやネタキャラも同然となってしまった。

彼の名誉のためにも付け加えておくが、各作品でクワトロ・バジーナなど他作品キャラの叱咤激励もあって、完全に迷いを捨てる展開もある。
また、『L』ではシン達とは一貫して良好な関係となる最序盤からSEED発動して「最初から本気のアスラン」とプレイヤーに呼ばれる
『UX』では議会に乱入してシャアのダカール演説を丸々パロってあるキャラの悪行を暴露し、『スパロボ』史上最高にカッコいいアスランと評される等、
扱いは悪くない。むしろ原作より救われているかもしれない。おまけに『UX』では数話後に裸の幼女をおんぶするという役得まで……
ちなみに携帯機『スパロボ』シリーズでは必ずアレックス・ディノの偽名を使う。原作終了後の『UX』でもさも当然の様にアレックスとして登場した。

「…議会の方々には、突然の無礼を許して頂きたい」

「私の名は、アレックス・ディノ。そして、もうひとつの名は…」

「元プラント国防委員会、直属FAITH…アスラン・ザラ!」


愛機であるジャスティス系列は、単騎ではフリーダム系、デスティニー、アカツキ(シラヌイ装備)に比べると物足りない性能となっている。
この三機の性能がおかしいだけで十二分に強いのだが。
特に『K』と『L』では特性が噛み合い過ぎているデスティニーの女房役に最適だったりする
(『K』のディスティニーはシングル向きだが、一発の火力を求めるなら一考の余地はある)。
尤も、『』LにおけるSEED系トップ5機(上記4機+レジェンド)の最大の役目は相方の宇宙適応を上げる事なので、
デスティニーと組むのは勿体ないにも程があるが

『UX』に於いてはファトゥム00のマップ兵器版が追加されたが、代わりに遠距離武器が取り上げられたために汎用性が下がり、
更にストフリのみならず、デスティニーとまでコンビ相性が低下した。
また代名詞とも言える精神コマンド「正義(1ターンEN、弾薬消費なし)」も習得したが、やはり近距離特化かつEN回復持ちの隠者とは相性が悪い。
そのため、サブとしては優秀なガナーザクに乗せるというプレイヤーもいるのだとか
(火力不足はSEEDで補え、射程が長いため正義を使った反撃、援護戦法が隠者よりは使いやすいため)。
余談だがオーブとザフト両方に所属していたため信頼補正の対象が最も多かったりする(『K』では12人)。

ゲームボーイアドバンスで発売された同作の格闘ゲームでは隠し機体として参戦。
使用方法はSHOPで買えるMSを全て購入すると購入可能になる。
ビームサーベルとビーム砲を持っているので遠近どちらでも戦えるが、
「滑空斬り」と「飛行形態高速移動」で急接近し、近距離戦に持ち込むのが基本か。
「飛行形態高速移動」はダッシュの3倍近い速度で移動出来るが、
スラスターゲージの消耗も激しいので多様は禁物。
超必殺技「アストリア」は、飛行形態で一往復半のタックルしながらビームライフルを放ち、とどめにビーム砲を撃つ乱舞技
要するに『新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL』の「バードアタック」をビームを交えながら行う。
なおこのゲームではバーサクモードを発動すると、一部のキャラにはSEEDが弾ける演出があり、
実際にイージスとジャスティスのアスランは弾けるのだが、どういうわけかセイバーのアスランはSEEDが表示されない。
余談だが、ゲームが発売された頃のアニメ本編はまだユニウスセブンの粉砕を行っていた頃なので、セイバーは未登場だった。
その後アニメ本編でセイバーが登場するも、セイバー搭乗時のアスランがSEEDを発動させる事はなかった。
序盤のアスランがSEEDを発動しない事は、当初から決まっていたのだろうか。

外伝である『Astray』シリーズでは、プロトセイバーと発展型であるヴァン(風)セイバーが登場する。

+ 他ゲームにおけるセイバーガンダム
+ 『VS.』シリーズのセイバーガンダム
『連合VS. Z.A.F.T』(家庭版のみ)及び『II』に参戦。
初参戦となった『連合VS. Z.A.F.T』家庭版では、何故か他のセカンドステージを差し置いて最高コストである560として登場。
ただしこの頃は変形機体共通の「ブーストダッシュすると自動的に変形してしまう仕様」のせいで評価は低く、
家庭用限定での登場という事もあって、研究もあまりなされなかった。
研究が進んだとしても前格闘の追尾は次回作の水準以上であり、
よほどタイミングよくステップを切っていない限り吸い付くように誘導したりと優秀ではあるが、
横格闘が初段からダウン属性なので攻め継続能力は非常に低い、サブ射撃も発生に問題を抱えている、CSもシステム的に使い勝手が悪い等、
問題点があまりにも多く、どこまで研究してもジャスティスやフリーダムといった対抗馬には届きようがない武装構成であった。

『II』では、コストが他のセカンドステージと同じ450になり本格的に参戦。
変形機体共通の仕様変更のおかげで、ようやく他の機体と同じ土俵に立てるようになった。
劇中同様変形を生かした高機動がコンセプトであり、BRの他は太いビームを放つサブ射撃のアムフォルタス、
チャージショットのアムフォルタス照射と癖のないものが揃っている。
格闘も全体的に発生は遅いものの、凄まじい伸びを誇るN格闘、一瞬で強制ダウンを奪える前格闘、
そして出の早い主力技の横格闘と一通りは揃っている。

しかし、変形時の機動力は全機体中トップクラスだが通常ブーストダッシュの機動力が全機体中ワーストクラスという、
かなり無視出来ない欠点がある上に、耐久力が他の450と比べて550と一回り低いという大きな弱点がある。
同じ可変機であるガイアが600、イージスやレイダーに至っては630と標準クラスなのに対して、
BR一発分レベルの大きな耐久力差を開けられており、この大きな欠点のために使用率は伸び悩んだ感がある。
また、可変機体共通の弱点としてMS形態時のBD持続時間が万能機よりも低水準に揃えられており、広く動きながら戦う相手とは相性が良くなかった。

ただ変形時のゲーム中トップクラスの機動力、そして変形からのサブ射撃・前格闘による闇討ちなど他にない長所も有しており、
原作でのアスランの乗機という事もあってか、「乗りこなすと面白い機体」として一定の評価は受けていたようである。

『ガンダムVS.ガンダム』では、インパルスガンダムのアシストとして参戦。
MA形態で敵に突撃しながらビームを撃ってシンを援護する……のだが、性能が良いとは言えず、
アシキャンと呼ばれるテクニックのために呼び出される(コンボに使うのではなく、単なる隙消しでセイバーそのものは必要ない)事も。
『NEXT』ではインパルスのアシストはガナーザクウォーリア(ルナマリア機)に変更され、リストラされた。

『EXTREME VS. MAXI BOOST』でグフ・イグナイテッドのアシストとして久し振りに登場。
MS形態で登場し、レバーNでアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲、レバー入れで突撃して斬り抜け。
性能はそれなりだが、中遠距離の手数が少ないグフイグナイテッドにとっては貴重なアシストである。
『EXTREME VS. MAXI BOOST ON』ではガナーザクウォーリアのアシストとしても登場。
突撃して二段格闘を行う。また、突撃中は射撃ガード判定がある。
攻撃性能はイマイチで、射撃ガードの方が使い道があるとか言われたりする。

なお、何故かどの作品でもスーパーフォルティスは使用できない。
劇中ではアムフォルタスと同時斉射していることが殆どだったので印象が薄かったからだろうか……?

+ 『スパロボ』のセイバーガンダム
初参戦の『Scramble Commander the 2nd』では、セイバーに乗っている期間は敵方におり、操作出来る機会がないため印象は薄い。
一応データさえ入手出来ればフリーバトルで味方として使う事も可能だが、性能的には劣化ジャスティスでやはりパッとしない。
もっともジャスティスにない飛行形態での足はそれなりに速いし、HPはエース用機体らしくそこそこあるので、原作再現とはいえ、
奪ったグフ・イグナイテッドに乗って新型乗り換え直後で殺る気満々のシンとレイから逃亡するシーンでは、
「せめてそこはセイバーで逃げてくれよ!」と思ってしまう事だろう。
なにせ、進め方次第ではセイバーはフリーダムと交戦して撃墜されるのではなく、
「カガリと交戦して戦意を失い無傷で撤退」という大変アレな状況が最後の出番という場合もあるので…。
殺る気満々のシンにアロンダイトぶっ刺されたら焼け石に水?せやな

『Z』ではアスランの隠者入手まで長い期間お世話になる(特にセツコルート)が、セイバーは最強武器がALL攻撃なのに対し、
隠者は単体でALL攻撃を持たないため、アスランの育成に悩む事になる。集束攻撃を付けるか付けないかの違いではあるが。
ストーリー面でも原作通りフリーダムに破壊された後、廃棄された原作とは違って修理される事となった。
……が、その後デスティニーに改めて破壊されるというある意味原作より酷い扱いを受けた。
使える期間が原作より伸びただけマシというべきだろうか…。
ゲーム的にはセイバーが使えなくなる事の方が問題だから仕方ないが

携帯機においては、『K』では出番が無くアスランはムラサメに乗って自軍に参加する。
『L』ではインターミッションで受領したと思ったら、次にアスランが出た時にはミネルバを庇ってアンノウン(フリーダムではない)に破壊されていた
オマケに修理すらされず、仲間になったアスランはザクがデフォルト機という始末である。大抵はガイアに乗り換えるけど
あんまりにもあんまりな扱いに、携帯機スタッフはセイバーが嫌いなんじゃないかとネタにされる程。
ちなみに同じ扱いを受けた例として、アビスガンダムとそのパイロットがいたりする。
しかも、セイバーとは『K』で出番がなかったという共通点がある辺りに、この扱いの原因が見え隠れしている気がしなくもない
(『L』における『SEED DESTINY』のユニットのグラフィックは基本的に『K』の使い回しなので)。

そして本シリーズでも何故かスーパーフォルティスは使用できない。
『Z』に至ってはトライチャージ攻撃(小隊の一斉射)もあったのに、何故か変形しながら「ビームライフル(連射)」している。

+ 『Gジェネ』でのセイバー
『Gジェネレーション』シリーズでは、一言で言うと、強い。
単純な機体性能で言えばジャスティスやインフィニットジャスティスの方が高いのだが、
可変機の特徴であるMA形態での空中・宇宙適正の高さと移動力に加え、
火力面でも射程が長く威力の高いスーパーフォルテスビーム砲と、アムフォルタスプラズマ砲を備えている
MA形態時の接近戦も機関砲で対応出来るので、射程に穴が無いというのも嬉しい。
防御面はヴァリアブルフェイズシフト装甲によって実弾系に強く、エネルギーが切れてもデュートリオンビーム受信機のお陰で、
戦艦にデュートリオンビーム発信能力があれば、戦艦に戻らずにENを回復出来る。
『DS』では本編終了後のシナリオで入手(ただし平成ルートのみ)。まだ放映中だったため、『SEED』勢では最新の機体。
性能も中々良く、終盤でも充分活躍出来る。
しかしキラにはフリーダム、アスランにはジャスティス、スペシャル限定で参戦するシンもインパルス(戦闘中にシルエット換装可能)があるため、
この3人には不要。愛機が微妙なムゥかカガリを乗せると良い。事実上パイロット同士の相性補正の高いカガリ一択だが(SEED覚醒するし)
『OVER WORLD』では多くの可変機と同じように変形機能を失うものの、MS形態の空中適正がAに上昇し、空中戦能力に磨きがかかった。
変形を取り上げられた挙句空中補正皆無のイージスにも分けてやりたいくらい。設定的には正しいけど
武装はビームに偏っているが、それを逆手に取り、ビームの威力を上げるオプションを載せ、
相手の防御アビリティを無視するスキルを最初から持つ劇場版グラハム辺りが乗ると、かなりの強さを発揮してくれる。
また、同作ではパイロット繋がりでなんとジャスティスに開発出来るため、
セカンドステージとジャスティス・フリーダムへの橋渡し役としても活用出来る。
まぁ、そのジャスティスとフリーダムは最序盤で捕獲出来るストライクから開発3回で行けるけど
ガイア、アビス、カオスを経てインパルスへ開発出来るので、結果的にデスティニーも開発出来る。
まあ、インパルス自体も序盤で捕獲出来るけどね

+ 『SDガンダム』では
『新約SDガンダム外伝 救世騎士伝承EX』では、
キングガンダムV世(即位前は皇騎士ジャスティスガンダムだった)が一介の騎士に扮して同盟国への援軍に参加した際の姿として、
騎士セイバーガンダムが登場している。
ちなみに、同じカード内にはザクのマスクをかぶってミーアっぽい変装で同行する船長ラクスと、
サングラスをかけてMr.マリックに変装した操舵手アスランも描かれている。


MUGENにおけるセイバーガンダム

十六夜風丸氏によって製作されたものが存在。
氏のサイトは2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴い消滅してしまったが、OneDrive自体は健在なので現在も入手可能。
グラフィックはGBAの格闘ゲームの物が使われており、アスランのボイスが追加されている。
挑発でモウヤメルンダ!を聞く事も出来るぞ!
操作は原作と違い弱強パンチキック+ブースト+バルカンの6ボタンでRikard氏のフリーダムガンダムと同じ仕様である。
またPS装甲ゲージとスラスターゲージ、ガード崩し攻撃も搭載済み。が覚醒は体力一定以下で自動発動となっておりPSゲージ消耗は無く、
必殺技は覚醒中では無くても1ゲージ消費でいつでも発動出来る。
原作通りPS装甲ゲージが空になるとPSダウンを起こし、回復までビーム兵器攻撃力と防御力がダウンする仕様になっている。

またスタートボタンを押して選択すると戦闘中に氏オリジナルのプログレスセイバーへのモード変更を行う事が出来るようになり、
プログレスセイバーモードでは本来セイバーには搭載されていないビームブーメランやドラグーンの使用が可能になる等の特典がある。
ドラグーンは展開にPSゲージを消耗するリスクはあるが非常に強力。
MUGENにおいて、『スパロボ』などでの冷遇の鬱憤を晴らす事が期待される。
あと、女性関係やトゥ!ヘァー!ネタでいじられる事も

出場大会

  • 「[大会] [セイバーガンダム]」をタグに含むページは1つもありません。


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イージスやジャスティスなどトリッキーな機体を得意とするアスランだが、戦い方自体は非常に丁寧な傾向が強い。
イージス時代は種割れするまでは僚機との連携を主としており、ジャスティス時代はファトゥムで敵機の動きを揺さぶる連携攻撃を得意としている。
後に乗るインフィニットジャスティス(以降「∞ジャスティス」表記)は今までの動きから一転し近接武器を多く用いるが、
デスティニーの苛烈な近接戦に対抗する関係上、そもそも射撃兵装を使う隙があまりなかった事が要因である。
特に作中序盤にて、性能が勝るガンダム相手にザクウォーリア単機で防戦できたのも高い対処能力のお陰が大きい。
これらの事から変則的な武装や戦法を得意としているというより、搭載している武装を的確に使いこなす程に操縦技能が高いというのが正しい評価と言えるだろう。

それならば何故セイバーの活躍が乏しいかと言うと、行動択の狭さが問題だと思われる。
具体的に以下の点が挙げられる。
  • イージスと異なり、巡行形態で近接攻撃を行えない
  • 変形に盾が必要とされる事からイージスのように盾を投擲できない
  • 兵装に近中遠距離は揃っているが、役割がはっきりし過ぎていて素直な行動しかできない
  • ミネルバはオーブと交戦中だったのにアスランはオーブと敵対したくなかった事から本気を出せない
  • 上記の通りアスラン自身がやる気が無い上に、外様でもある事からミネルバクルーとは距離があったために連携を上手く取る事もできない
状況もそうだが、それ以上に拡張性の無い戦いしかできない問題点がアスランにとって痛すぎる。
イージス時代に大気圏内で自由落下してまでスキュラを撃つような戦法も使えなかった事から、当時如何に不自由であったかが窺える。
……そもそも大気圏内で変形する事自体が想定外?気にするな!

セイバーは確かに高性能機体だが、性能が余りにも素直すぎたが故に、
何でもできる優等生のアスランにとっては奇しくも最も相性が悪い機体であったのかもしれない。
そう考えると、後に議長がレジェンドを斡旋したのも間違いではなかったのかも……?


最終更新:2024年03月02日 11:12