テリー


「わるいな 先を急ぐんだ」

旧エニックスのRPG『ドラゴンクエストVI 幻の大地』の登場キャラクター。
テリーと言っても伝説の狼とか炎のジェントルマンではないし、正義超人虫好きの商人とも無関係。

「青い閃光」の異名を持つさすらいの剣士。17歳。
ストーリー中盤より何度か主人公達の前に姿を現し、後半にて仲間になる最後の人間キャラクター。
担当声優はCDシアターでは 緑川光 氏、『ヒーローズ』以降は 神谷浩史 氏、『ライバルズ』での『モンスターズ』仕様の少年期は 竹内順子 女史。


原作でのキャラクター

+ ネタバレ注意
アークボルトを訪れた主人公達の前に初登場。
洞窟に住み着いた魔物を倒す依頼を主人公達よりも先にたった一人でこなし、その強さを見せ付けた。
その後、伝説の剣を探す主人公達の前に再び登場。
錆びついて使い物にならなくなった伝説の剣に失望、主人公達には目もくれず去っていった。
伝説の剣に失望した所を付け込まれたのか、次に登場した時は敵の幹部デュラン(聖剣伝説の主人公ではない)の配下となっており、主人公達と戦闘になる。
これに勝利し、親玉のデュランを倒す事で、彼は自暴自棄になるも説得を受けて仲間になる。

元々はガンディーノという国の出身で、序盤に仲間になる夢占い師ミレーユの生き別れの弟。
この事実は、彼が姉のミレーユからの説得を受けて仲間になる際に初めて明らかとなる。
テリーが住んでいた当時のガンディーノは人身売買、奴隷制が公然と存在しており、
幼い頃にミレーユが奴隷として連れ去られるのを見ているしかなかった自分の無力さを呪い、力を求めるようになる。
そしていつしか姉を守る為として欲していたはずの力が目的と成り代わり、
飽くなき強さへの渇望に溺れてデュランの下に付く事になった。

エンディングでは、平和になった後も一人で旅をしている姿が描かれており、隠し要素のヒントにもなっている。


原作中の性能

ガチムチモヒカンや変な帽子メガネなどと比べイケメンでかっこいいキャラデザイン!
ストーリーでのやりとりから窺えるクールな性格!
そして非常に強力なドラゴンを1人で倒すその強さ!
きっと世の多くのプレイヤーが「仲間になったらどう活躍してくれるのだろう」と期待しただろう。ああしたとも。
だがしかし仲間になった彼の実態は…

不遇。
これに尽きる。
敵として戦う時もスクルト重ねがけで完封できるような強さでその前に戦うマジンガ様&ランドアーマーの方が強いのだが、
味方になるともっと不遇である。

+ 不遇の理由(SFC版)

仲間になるのが遅い割に、レベルが低い。

テリーが仲間になるのはストーリー終盤であり、他の仲間はレベル30を越えている事が多い。
しかし、テリーの加入レベルは23…。もちろん、ステータスにも見るべきものが無い。
特に最終ステータスにおける身の守りは人間キャラワースト2
力も男性陣の中で下から二番目で、彼より力が低いのは過去作品における僧侶・魔法使いタイプのキャラ達しかいない。

極めている職業が少ない。

ドラゴンクエストVIには「職業」というシステムがある。
このシステムによってキャラクターに呪文や特技を習得させるため、「職業」は極めて重要である。
プレイヤーによって差が出る所ではあるが、テリーが仲間になる頃には、
他のキャラクターは基本職を幾つかマスターし、上級職を途中まで進めていると思われる。
最速でマスターできる遊び人の「スーパースター」なら既にマスター済みの可能性すらある。

しかし、やっと仲間になったテリーは上級職のバトルマスターに転職したばかりの状態。
さらに、本来バトルマスターに転職するには基本職の戦士と武闘家をマスターする必要がある筈なのだが、
何故かテリーは戦士だけしかマスターしておらず、武闘家の職歴が全く無い。
武闘家は正拳突き・回し蹴りといった強力な特技を覚えられ、アタッカーにとって重要な職業なのだが……。
おかげで「職歴詐称」と揶揄される事に
(本来は主人公の勇者のように「才能があるので他人より緩い条件で上級職につける」ことを表現していると思われる)。

また、ドランゴ相手に使っていた「ドラゴン斬り」(のような技)なども習得していないため、そこもネタにされる一因。

微妙な成長曲線。

仲間になったレベル23のステータスは力以外のステータスが高レベルで高く、
同レベルならHP、身の守り共にハッサンより高い。素早さは圧倒的な差を付けており、実に高水準のキャラである。
しかし、その後は力以外のステータスはほとんど横ばいの成長曲線をとりあっという間に抜かれ
圧倒的に高かった素早さですらクリアレベルの40くらいには、他キャラに抜かれ始める。
40越えたあたりから停滞が終わり上昇し始めるが時既に遅し。レベルカンスト時には平凡なステータスで落ち着いてしまう。
他キャラも20から40あたりは停滞する傾向があるのだが、テリーは特に酷い物となっている。
一応、回避能力が高いという特性もあるのだが、デインに耐性を持つ主人公、炎・氷に耐性を持つバーバラ、
踊り・混乱を無効化するミレーユに比べるといかんせん地味で恩恵を感じにくい。
特に何の特性も持たないハッサンとチャモロもいるが、ハッサンが高火力・高耐久の優秀な前衛でガンガン戦える上、
チャモロに至ってはHP・力・素早さでテリーと互角な上にMPも身の守りも高いので完全にテリーを喰っている。
任意イベントで仲間になるサブキャラのアモスもハッサンに準ずるHPと力、人間キャラNo.1の身の守りを持っている。
ぶっちゃけどう成長させようとも結果的に主人公の劣化版のような性能になる(勝ってるのは素早さとかっこ良さのみ)。
『VIII』のククール(攻撃面で他3人に劣り、素早さが高いためタンバリン係筆頭候補)といい、
リメイク版『IV』のクリフト(AIが一定確率でザキ系を使う、回復優先順位がアリーナ最優先というネタ思考)といい、
制作陣はイケメンに何か恨みでもあるのか。
と言っても前者はメンバー固定の役割分担での結果だし、後者は役割が同じミネアより性能が良すぎるくらいだが。
一応、低レベルクリアを目標にしているのなら採用される事も多い。

ドランゴの存在。

ドランゴというイベントで加入する仲間モンスターの存在が大きい。
このキャラクターを仲間にする条件は「テリーがパーティーに加入している事」なのだが、このドランゴがまた非常に強い。
極めて高いステータスに加え、種族がバトルレックスだからか極めて強力な特技を覚える職業である「ドラゴン」に最初から就いている
(他のキャラが就くためには「ドラゴンのさとり」というアイテムが必要)。
トップクラスのHPと力を持ち、何故か自力でザオリクまで習得できる(普通のバトルレックスは使えない)。その他のステータスも総じて最高クラス。
欠点は強いて言えばMPと素早さが中の下くらいであるのと、かっこよさが低めである程度のみ。
装備さえ整えてやれば即戦力にする事ができ、そのまま最後まで第一線で戦っていけるのだ。
ゲームバランスを崩壊させるほどのチート級な強さなため、制限プレイでは敢えて封印される事もあるほどの実力者。

そのため、テリーはドランゴを仲間にするためだけに使われ、その後は装備を剥がされ、ルイーダの酒場送り……。
ドランゴ引換券という彼の不名誉なあだ名は、この流れから来ている。
上記の通り微妙な性能の為、戦力でだけ見れば引換券扱いが間違っていないのが悲しい所である。
テリーの初期装備防具はドランゴも装備できるのでテリーの装備を剥ぐ→それをドランゴに装備→テリーを酒場送りという様式美も生まれた。
雷鳴の剣も武器としては既に型落ち品だが道具として使える(ライデインの効果がある)ため、やっぱり引き剥がされる。
おかげで装備引換券と呼ばれる事も…。
これらを一纏めにして単に引換券と呼ばれる事も多々

ゲーム上の強さの演出との齟齬。

アークボルト城では最強の兵士と言われる兵団長ブラスト(実際に強い)をテリーが一人で倒したという話があったり、
旅人の洞窟でのドランゴの初登場シーンではテリーがカッコよくドランゴを撃破するイベントや
(しかもこの時、本来テリーが覚えていないはずの魔法や特技を色々使っているような専用演出がある)、
デュランの部下になった時、キラーマジンガより立場が上というイベントが有るため、
テリーがどうやってブラストやドランゴ、マジンガ様等に勝利したのかは今でも議論の的になる事がある
(敵のテリーなら、ボス仕様のHPに加えてマジンガ様が耐性を持たない雷鳴の剣による攻撃でキラーマジンガに勝つ事は可能で、
 実際の行動確率を加味しても凡そ五分~やや不利程度には勝ち目がある。なんでHP600対2500で五分以下なんだ
 ただし、これはランドアーマーがいなかった場合の話。あの亀がいればテリーの勝率はもっと下がる)。

ブラスト兵団長の息子は、
「ボクの父さん すごい 強いんだ!(中略)
 でも こないだ 旅の剣士の 兄ちゃんに 負けちゃったんだ。
 きっと なんか あったんだよ! 目に ゴミが入ったとか クツに ガビョウが入ってたとか……
と語っており、実際にテリーがそんな姑息な手段でブラストに勝利したのではないかと囁かれていたり
(ただし、この少年は主人公達が勝ってもあれこれ難癖を付ける)、
ドランゴの場合は出産直後で弱っていた説もあるが、卵を壊されて怒ってたのに後に仲間になるとテリーの事を「青い人間」と呼んで慕っており、
実は八百長だったのではという疑惑も。真相は不明である。

戦闘時のグラフィックが微妙。

敵としてテリーが登場した時、他のモンスターのような専用グラフィックは無く、
単にフィールド上でのドット絵をそのまま引き伸ばした荒いものになっている。
あくまのカガミというモンスターがモシャスでパーティのメンバーに変身するのだが、その時のグラフィックも、
フィールド上のグラフィックをそのまま拡大しただけであり、このモシャスのグラフィックが使い回されているのである。
勿論アニメーションなどもなく、ちょっと点滅して従来のものと同じく技を使った時のメッセージが流れるだけである。
『ドラクエ』シリーズでは人間が敵として出る場合、通常は人間に見えなくもないモンスターのグラフィックが流用される事が多く、
本作でも兵士と戦う際にデビルアーマーという甲冑の敵の色違いが多数出てくるのだが、テリーは特徴的な容姿なのでこれができなかったらしい。
人さらいの小悪党には専用グラフィックがあるのに…
さらにモンスター扱いのため「テリー 1ひき」という表記が涙を誘う
(誤解の無いよう付け加えておくが、ドラクエシリーズに登場する人間の敵は大体これである、悪役ですらない『IV』第2章の大会の選手でさえ…)。

唯一目立てるのはかっこよさ。

しかし男性キャラトップのかっこ良さを持っているのでベストドレッサーコンテストでは引っ張りだこである。
全キャラ最高値のヒロイン・バーバラや次点の姉がいるせいで活躍できるのは男性限定コンテストくらいだけど
ちなみに、人間キャラで唯一オリハルコンのキバを装備できる
まさか噛み付いているのだろうか…?
武器がオリハルコンのキバでも、職業をスーパースターにし、他の装備品を最高のものにすれば男性の大会で優勝できる
こんな物口に入れた男のどこがかっこいいんだ
……まあ実際そんな筈はなく、DSリメイクにてナックルダスターのように使っている事が判明した。

なお、デュランを倒した後彼をほっといて立ち去ろうとすると「おい!俺をこのままにしておくつもりか!?」とのたまう。…ツンデレ?

+ テリーの真価?
先程述べたように、テリーの能力はレベル23の時点では非常に高水準なのだ。
つまりゲームクリアするレベルが非常に低い攻略をする場合、テリーは非常に重要なキャラクターとなる
具体的に言うとRTA(リアルタイムアタック)。
RTAでのテリーは賢者の石を巧みに使いこなす非常に優秀な回復要員となっている。

+ そしてDSリメイク版では
彼のヘタレ扱いは堀井氏にとっては不本意だったようで、
真っ先にリメイク版製作チームへ「テリーを強くしてくれ」と言っていた。
さらに発売前のインタビューでも、「今度のテリーは強くなります!期待していてください!」と発言した。

そのためリメイクではテコ入れが入り、加入時のレベルが23→28に上がり、さらに武闘家もマスターした状態になった。
……が、成長率などの重要な部分は一切変わっておらず、単に初期値が底上げされただけなので実質的な強化にはなっていない。
一応加入時点での標準的平均レベルには追いつけるくらいになったので、なんとか使えなくもないが……程度。
逆に、レベルが底上げされた事で、他キャラと比較してのステータスの微妙さが今まで以上に明確に現れてしまっていたりする。
それ故に結局の所弱キャラ扱いを抜け出せていない。
その上、本作は人間キャラの特性が一律廃止された為、回避率が他のキャラと変わらなくなりむしろ実質的に弱体化となった。
が、それ以上に強力な耐性を持っていたキャラが弱体化した分、他の仲間との差が縮まったとも言えなくもない。
……元から大した耐性の無いハッサンや、オルゴーの鎧の強化時に耐性が消失するバグが直った主人公との差は開いただけの気がする。

一方で原作で強すぎたドランゴは弱体化されるどころかステータスの強さはそのままに、
耐性が同種族である敵モンスターのバトルレックスと同じにされた。
その結果、SFC版ではバギ系とデイン系に3割減の耐性を持つだけだったのが、
DS版はデフォでバギ無効、炎ブレス・ギラ・イオ系50%軽減、メラ系25%軽減、
守備低下・毒・猛毒・軍隊耐性25%、幻惑・混乱・休み耐性50%、
眠り・即死・破邪・吸収・マホトーン・麻痺・踊り封じ無効…と数々の耐性を得た。
つまりは元々強かった所へ新たに耐性が加わり、単純な強化となってしまったのである。
一応デイン系耐性が無くなりドラゴンぎりが弱点になるなど、弱体化している点もあるが些細な事である。

こうしてテリーとドランゴとの格差はますます広がり、人間キャラの特性が無くなった事でむしろドランゴ需要がうなぎ登り。
青い人間さんはさらなる引換券扱いを受けるのであった。
せめてドラクエ3の様に素早さが防御に加算される仕様だったなら……。
なお、敵テリーのグラフィックについては(他のキャラクターのモシャスと共に)専用グラフィックが用意された。

ただし、DS版では豊富な会話システムが追加されており、テリー、そしてドランゴもよく喋る。
特に本作ドランゴはテリー大好きな乙女っぷり(ドランゴの性別は???メス)を遺憾なく発揮しており、
会話要員としてテリーとドランゴを共にパーティーに入れる人も多いとか。
また仲間モンスターも削除され(スライム系がドランゴの様な扱いの仲間になる)、
テリーのライバルが大幅に減った事もパーティに入れられる理由になるかもしれない。
……あれ?これってドランゴ引換券からドランゴの付き人に転職したと言えるのでは?

【参考:ネット上でよく出回っているLV99時ステータス比較画像】
SFC版 / DS版
(※ただしDS版はステータス上昇値に関してランダム要素が強いため、画像の通りとは限らない)

+ なんとスマホ版では!
2015年6月発売のスマートフォン版は基本的にDS版の移植なのだが、上記の件もあったせいかテリーだけさらに超強化。
加入時点でLv28→Lv33に変更され、初期ステータスもDS版に比べて力が+10程度、すばやさが+40程度(従来の1.5倍近く)上昇。
これにより「青い閃光」の異名に恥じない素早さ(同時期のミレーユを大きく超える程)を手に入れた。
また、戦士・武闘家だけでなく、新たに魔法使い・僧侶も加えた計4職が最初から★8まで極められている。
なおドランゴや他キャラのステータスはDS版と同じで、テリーだけ(単なる初期値底上げではあるが)強化である
(人間の耐性消失やドランゴ超強化の修正は無し)。

最初から基本職が★8のため初期修得の魔法・特技が非常に豊富になった事に加え、
バトルマスターだけでなくいきなり魔法戦士・パラディン・賢者に必要に応じていつでもなる事ができる。
パラディンになれば24回戦うだけで「しんくうは」を覚えてMP消費なしで敵全体に120ダメージ与えられる。
魔法戦士になれば11戦で「バイキルト」修得可能。
このため即戦力どころかそれ以上の強さを誇っており、加入時点で充分パーティー内で活躍できる強さになった。

…ただし成長のヘタレさはそのまんまなので、ずっとトップだった素早さもレベル60前後で姉のミレーユに抜かされてしまう。
さらにレベルを上げると最終的にはバーバラにも抜かされる。
素早さに関しては普通にシナリオ攻略をしている分には、気になるレベルではないのだが、それでもそれ以外の能力値が気になってくる。
力の補正も正直気休め程度で、序列的に見ればドランゴ>ハッサン>アモス>主人公>テリーなのは相変わらず。
高い素早さと、前述の「しんくうは」や「がんせきおとし」などの固有ダメージ技によって露払いは得意なものの、
逆に言えば「ばくれつけん」や「せいけんづき」などの攻撃力依存技での高い火力は期待できない
(勇者やドラゴンなどの職を極めるとなると変わってくるが)。
そこできちんと活躍させるとなると魔法戦士や賢者の呪文を活かしたい所だが、やはりMPが低めのため終盤では息切れしやすくなってくる。

このため加入直後は大活躍できるものの、どこか器用貧乏感を拭い切れず、最終的にはやっぱりヘタレ気味になってしまうのはテリーたる所以か。
スタッフはテリーの成長曲線のヘタレさに大きなこだわりでもあるのか…もちろん以前に比べれば大幅に優遇されては居るのだけどね。

+ 敵ボスとしてのテリー
回避率が1/16と高く、通常攻撃は使用せずに特技のみで戦い、
「はやぶさ斬り」「火炎斬り」「真空斬り」「さみだれ剣」といった剣技に加えて「ルカナン」、
かつてアークボルトで入手したであろう雷鳴の剣を道具として使う。
デイン系と補助系に完全耐性を持っており、ギガスラッシュやギガデインは全く無効。後述のモンスターズ時のように動きを止められる事も無い。
ボスとしてはそれなりのように見えるが、彼の前に戦う敵が先述の通りあのキラーマジンガ様なのである。
海底宝物庫の時よりはパーティのレベルが上がっている事が多く、あの頃ほどの難易度では無いが、
それでもテリーと比べると、テリーはマジンガ様より攻撃力が100近く劣り、
マジンガ様はお供の亀を含めて毎ターン三回行動してきたのに、テリーは完全一回行動。
また、仲間になったらボスの時は2500もあったHPは減り、火炎斬り、さみだれ剣、ルカナンが使えなくなる。
バトルマスターと関係ない火炎斬りとルカナンは、魔法使い、魔法戦士にならなければ思い出してくれない。
デュラン曰く、「世界最強の男」らしいのだが…。

強く生きろ、テリー。『ドラゴンクエストモンスターズ』では君が主役だ。
+ ところが
GBソフト『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』はモンスターを戦わせる系のDQ外伝
(後にPSや3DSでもリメイクされている)。
同作は少年時代のテリーが主役なのだが、『VI』時代の青年テリーもゲスト出演(表記は「テリー?」)。
しかし「いかりのとびら」では本家同様にとびらの主・バトルレックスと戦闘し、伝説の剣がここにはないと知るや、
バトルレックスの子供(ドラゴンキッズ)の卵を全て叩き割り、親の怒りを全て少年時代の自分に押し付けた。
な、なにをするきさまー!!
この時、少年時代の自分を「剣も使いこなせない未熟者」とバカにしている。
なお、このバトルレックスのフロアは『VI』を再現したもので、BGMも『VI』のものであり、
GB版では倒したバトルレックスは必ず起き上がって仲間になってくれるのだが、性別は♀でデフォルトネームはドランゴになっている
ここで手懐けておいて後で八百長を行ったのか

さらに「かがみのとびら」では原作通りデュランの配下として登場。
デュランを倒した後、そのモンスターマスターが少年時代の自分だと気付いたようで、
その実力を認めて姉を大切にするよう伝えた後に姿が消え出し、「夢から覚めるときが来た」と告げると、ワルぼうに連れ去られた。

が、少年時代の自分に魔物の配下になった姿を晒した上、かつての自分がけしかけたモンスターにフルボッコされるならまだしも、
一回休み耐性が低い事を利用され、
モンスターに全身舐め回される・モンスターにつられて踊らされる・足払いを受けてすっ転ぶといった間抜けな面、
挙句の果てには♀モンスターの「ぱふぱふ」で魅了されるというあまりにもあんまりな醜態を晒す羽目に…。
もちろん、『モンスターズ1』の時点では女人型モンスターなんて皆無(本編だと数種類いるが、いずれも美女と呼べそうなのはいない)であり、
当時配合無しでぱふぱふを覚えるのはあろう事かリップス(たらこ唇のなめくじのような魔物)だけである。
自分に待ち受ける酷い未来を知ってしまったテリー少年の心境や如何に。

ただし、後のリメイク版『VI』と同じくこの青年テリーにも専用グラフィックが用意されている。
何故か雷鳴の剣ではなくどうのつるぎせいどうのたてという貧乏くさい装備をしていた
(元ネタはDQVI公式ガイドブックのイラストと思われる)。
仲間にする事はできないが、系統などはきちんと設定されており、????系(魔王クラスのモンスター)扱いになっている。
なお、リメイク版『VI』ではこの作品の設定が反映され、モンスターを競わせる場にテリーを連れて行くと昔の血が騒いでいる様子が見られたりする。

続編の『ドラゴンクエストモンスターズ2 ルカの旅立ち&イルの冒険』にも幼い姿で登場。
シナリオクリア後、一定条件を満たすと闘技場に現れ、戦いを挑む事が出来るのだが、
幼い姿でも台詞はキザだったり、『VI』で自身を配下にしたデュランを逆に従順な手持ちにしていたり
その後戦える姉の手持ちの方が遥かに強かったりと、やはりネタに事欠かない。

ちなみに3DS版モンスターズリメイクでは前述の出番以外にも、偶に連戦バトルに他のモンスターと一緒にしれっと混じっている。
なんなんだアンタ。
ただし、3DS版ではほとんどの扉のボスが撃破後自動的に仲間になるようになったのに対して、
GB版で必ず仲間になったいかりの扉のボス・バトルレックスは残念ながら逆に100%仲間にならなくなってしまった。
幼少時から出番を奪われる事を危惧してしまったのか
こちらでは去り際に「あの剣士、お前とどこか似ていた」と言い残して去っていく。
その為、3DS版でバトルレックスが欲しい場合は配合で手に入れるしかない。
また、元々仲間にならなかったかがみの扉のボス・デュランも仲間にならないまま。

また、DQFFいたストでは何故か本編の青年テリーではなく『モンスターズ』版の少年テリーの方が出演していた。
一方で本編・外伝のバージョン両方出た人もいたりするけど。

+ さらに(漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』ネタバレ)
ガンガンで連載されていた吉崎観音氏の漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』ではモンスターマスターとして活躍。
配合で様々な魔物を作り上げたが最終的に作り上げた魔神・デスタムーア(『VI』のラスボス)の力が彼のモンスターマスターとしての能力を超えたため、
デスタムーアに探求心を刺激され、邪の宝玉に触れてしまい見事に闇堕ちした何度闇堕ちしたら気が済むんだこいつ
その後はタイジュの精霊・わたぼうを封印し、宝玉の力を用いた「邪配合」により、さらに強力な魔物を作り上げる。

原作に登場した配合パターンによる邪配合で作り上げた魔物もいる(最初のボス「りゅうおう≒」や「しにがみきぞく」など)が、
中にはDQ2のラスボス・シドーと中ボス・バズズを配合させた「エビルシドー」というオリジナル魔物もいたりする。
ちなみにこの魔物は配下のひとつめピエロ・ピューロの独断により作られたもの。
4つの腕を使った1ターン同時四呪文など常識外れの強さを発揮し、
本作ではまさしくチート級の実力を持つロラン(ローレシアの王子)に致命傷を与えている。
その姿に「これは神の領域だ」と恐れるムドーを、ピューロは「ならば我々がすでに神なのだ」と一喝している。
ロランの死後、「次の魔物のベースにしてやる」と迫ったら「もう用はない」と言われ半身吹き飛ばされたが。
しかも、エビルシドーはサトリ(サマルトリアの王子)とルーナ(ムーンブルクの王女)の参戦によりあっさり撃破された。
ピューロの目的はこれをさらに邪配合で自ら取り込んで強くなる事だったようで、その事で最終的に「反逆者」とみなされ処刑されたが、
テリー曰く「究極に辿り着くため知っていて見逃していた」のだから恐ろしい。
終盤では『モンスターズ2』の魔物であるジェノシドーを連れていた。

……と、見事にラスボスの雰囲気を出していた彼だが、残念ながらエニックス時代末期の混乱の影響と、
ケロロ軍曹が人気を博して手が回らなくなった事もあり作品が打ち切られ、主人公・クリオとの直接対決もならず、
彼についてはミレーユが今後について軽く予想する程度のフォローが入っただけで終わってしまった
やっぱりこっちでも不遇だったか……。まあ、打ち切りでは仕方あるまい

一応フォローとして、復刻版コミックスにおける最終巻のラストに、追加エピソードとしてクリオと出会う後日談的な話が収録された。
しかしこちらは、本作のテリーが闇落ちする前に新たに出現した旅の扉の世界での話となっている。
この後日談では何故『+』のテリーが闇落ちしてしまったのかの説明として、モンスターマスターとしての頂点を極めた事で、
「これ以上は何もない」「もう冒険が続かない」という諦観と絶望に囚われた所を、魔王系モンスターの甘言に唆された事が示唆されている。
クリオ達が漫画本編終了後も冒険を続けた結果、その「+」になる輝きがわたぼうの所に届き、テリーに新しい旅の扉をもたらしたため、
これによって『ドラゴンクエストモンスターズ+』はハッピーエンドを迎えたといって良いだろう。

また『ドラゴンクエストモンスターズ』の考察の一つとして「本作こそテリーの見た『最強になる』という夢」というものがある。
実は『6』本編では「夢」世界のテリーについて、ほぼ一切の情報が登場せず、彼が夢世界でどう過ごしていたのかは謎に包まれているのだ。
そして『ドラゴンクエストモンスターズ』のテリーは、「最強になって攫われた姉さんを助ける」というテリーの描いた夢そのものである。
それを踏まえると「夢」のテリーもまた「最強になる」という現実の自分から逃れられずに闇に落ちそうになった所を阻止された事で、
『6』本編では登場する事も無かった「夢」、そして真EDでは最強の夢を捨て切れなかった事が描かれた「現実」双方のテリーが、
この『ドラゴンクエストモンスターズ+』の後日談でやっと救われた……とも言えるのだ。

+ かっこいいテリーが見たい方に
同じくガンガンで連載された『VI』のコミカライズ版『ドラゴンクエスト 幻の大地』では、原作とは違い、序盤から登場。
しかし、ボッツ(主人公)達とは原作通りアークボルトで会う事になる。
本作では原作に登場しない破壊の剣に魅入られ、操られてデュランの配下となったという経緯になっている。
また、本作では「バトルマスター」「魔法戦士」の両方になれるほど鍛えているとの事で、素手での格闘や魔法にも長けている上、
終盤では10万の兵を率いた強敵を一刀で倒すなど中々な優遇ぶり。
専用の外伝エピソードもある程である。まぁ、残念な事にシスコン度が上がってしまっているが

あと、これらの皺寄せがドランゴに回ってしまい。アークボルト城でテリーにやられるのは原作通りなのだが、
この時首をちょん切られそこだけ持っていかれるというむごい扱いを受けており、この後言及もされない所を見ると死亡したようである。
当然テリーを慕うどころか仲間にもならない。

「ジ・エンドだ……この世には恐ろしく強いヤツがいたってことをみやげに逝きな…」

+ 小説版では
基本的な所はあまり変わらないが、大分性格が丸くなっており、若干ツンデレ気味。
そして、バーバラとフラグを立てる。明確にくっつくわけではないが。
原作や漫画版でバーバラとフラグを立てるのは主人公なので、この変更はかなり賛否両論である
(一応原作でもバーバラはテリー加入の時に「ミレーユにこんなカッコいい弟がいたなんて私困っちゃうな」というので興味はあるようだが)。

モンスターバトルロードにおけるとどめの一撃は地獄の雷を呼び寄せる「ジゴスパーク」。
演出的にはギガスラッシュの地獄の雷版と言った所。
なんでこの技が選ばれたかというと、遊び人を極めて特技「あそび」を使うと「デュランに教えてもらった遊び」と称してコレを使うから。
素で使えたらよかったのに……。

無双アクション『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』にも登場。
いきなり闘技場で黒幕のヘルムードとタイマンを張っていた。
その際にヘルムードに「私とここまで戦える人間がいるとは」と賞賛されている。
性能は最強の剣士(笑)…ではなく本当に強い
本作は回復手段が少なめなのだが、テリーは敵に攻撃をヒットさせるだけで回復するようになるスキル「ミラクルソード」を持ち、
テリーに追従する残像を発生させる「はやぶさぎり」、射程距離が長くデイン系効果もある「稲妻雷光斬」など全てがそつなく高い。
なおハイテンション時の必殺技はお馴染み「ジゴスパーク」。
高威力に加えてミラクルソードの効果まで乗るので、大ダメージを与えつつ超回復というインチキじみた性能。
本作でも「最強の剣士」を自称しているが、その自称に恥じない強さとなった。

「ぱふぱふ。」

余談だが、一部では、
「ひたすら力を追い求め続けたテリーの成れの果てが『IV』『V』に登場する地獄の帝王エスタークやダークドレアムである」
というトンデモ説が囁かれている。
おれは引換券(にんげん)を止めるぞ!プレイヤー共ーッ!!そのエスタークも『V』はともかく『IV』だと…
無論、大した根拠はない考察にすぎないのでここでは詳しく紹介しないが、検索すれば色々出る程度には有名。

また、アニメ『ドラゴンクエスト アベル伝説』のアドニス(トビー)とはデザインと設定が酷似しているが、彼がモチーフになったかは不明。

ちなみに『ドラゴンクエストVI』の主人公は皆も知って居るように青いツンツン髪のあの少年なのだが、彼のボツデザインはテリーに似ていた
(髪はオレンジで髪型も異なるが、クールな感じやバンダナや剣を身につけた服装はテリーに似ている)。
何故ボツったのかというと「これは冷たい感じでプレイヤーが思い入れしにくそうだから、脇役で生意気なこと言わせた方が面白い」と、
鳥山明氏曰く「脇役向きだから」だそうであり、ひょっとしたらこの辺からテリーの不遇の歴史は始まって居たのかもしれない…。

大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』においては、カラーバリエーションの1つにテリーをイメージしたカラーリングの8主人公が存在する。


MUGENにおけるテリー

2体が確認されている。

+ DnGn氏製作 手描きドット(青年テリー)
  • DnGn氏製作 手描きドット(青年テリー)
KOF』風ドットの青年テリー。キャラ及びフォルダ名は「Terry_DQ」。
歩行モーション等を見るに、ドットのベースはウィップだと思われる。
現在はMUGENについて語るスレ用小物ロダで公開中。

剣士らしく『ドラクエ6』で使用できる剣技が必殺技の大半を占めている。
空中専用の必殺技「隼斬り」「五月雨剣」の存在もあり、地上と空中の両方からそこそこのリーチを生かした攻めが可能。
無敵のある必殺技は少ないが、ガードキャンセルブロッキングに近い打ち払いがあるため切り返しには困らない。

AIは2013年3月中旬の更新で簡易的なものが搭載された。
隙の大きい技もぶっぱするガン攻め思考でガードはほとんど行わないため、並クラス相当の強さ。
外部AIの製作は歓迎との事。
参考動画(3:23~)

+ 工場長2621氏製作 『テリーのワンダーランド』ドット(少年テリー)
  • 工場長2621氏製作 『テリーのワンダーランド』ドット(少年テリー)
2021年6月19日に公開された、GB版『テリーのワンダーランド』のドット絵を使用した少年テリー。
キャラ及びフォルダ名は「Terry(DQ)」。
歩行時のグラフィックを使用しているため、カンフーマンの膝ぐらいまでしか高さがないちびキャラ

性能も原作を再現しているためテリー自身は攻撃ができず、代わりにモンスターを使役して戦う。
場に出せるモンスターは原作通り3体までで、使役すると別のモンスターにランダムで入れ替わる仕組み。
登場するモンスターはなんとGB版に登場した215種類全てであり、
それぞれ原作で使用した技またはモンスターのイメージに合った技を繰り出してくれる。
攻撃・防御・回復・状態異常と色々な性能の技が揃っており、試合の度に違った戦いが楽しめる。
ラスボスクラスなど一部のモンスターは使役時にゲージを使用するが、その分攻撃は強力なものばかりで、
ゲージを消費しないモンスターを使役すればどんどんゲージは溜まるのであまり気にする必要はない。

対戦相手の種族を示す系統アイコンが画面に表示されるのも特徴。
分類は原作の8系統に準じているが、同じ系統でも相手の種族に応じてモンスターのアイコンが変わる。
例として、獣系の場合猿ならキラーエイプ、熊ならグリズリー、兎ならアルミラージといった具合。
対応数自体も非常に多く、初公開の時点で約3500体に対応しており、更新により更に増えつつある。・・・・すごい作り込みだ。

7Pカラー以降は強化カラーとなっており、高カラーほど次のモンスターを使役できるまでの時間が早まる、技の性能が上がるなどの強化が施される。
さらにcnsの記述を変える事で、攻撃中テリーが無敵なるか否か、強力な即死技であるザキの使用の有無、
一部の技の強化、モンスターの攻撃力、テリーの防御力を設定可能。

AIはデフォルトで搭載されている。
テリーが取れる行動(AIで制御できる行動)は少ないため、設定と使役したモンスターの種類が強さになる。
強力な技が出るかは運次第ゆえ、同じ相手でも勝率にムラが出る場合がある。
さらにテリー自身の喰らい判定は小さく打点の高い攻撃は当たりにくい一方、
一度ダメージを受けるとダウンするまで何もできず、目立った耐性も無いため相性が出やすい。
デフォルト設定で通常カラーの場合強さは強クラス相当だが、設定を強化して12Pカラーにすると狂中位クラスとも戦える。

出場大会



最終更新:2024年02月05日 12:10