アルヴァアロン


「そうさ、主役はこの、アレハンドロ・コーナーだ!」

サンライズのロボットアニメ、『機動戦士ガンダム00』に登場するモビルスーツ。
同作1期の一応ラスボス的機体。搭乗者は「大使」ことサボテン卿国連大使アレハンドロ・コーナー(CV: 松本保典 )。
良く間違えられるが「アルヴァアロン」であって「アルヴァロン」「アルヴァーロン」「アヴァロン」「アーマーバロン」「アロンアルファ」等ではない。
この項目初版でも入り乱れてたし
モビルアーマー時の「アルヴァトーレ」と合わせて「トーレ」「アロン」で覚えておくと良いかも。
ぶっちゃけ金ジムと言っておけば全く間違いはないが

疑似太陽炉搭載型の機体である。ちなみにGN粒子の色は大使の趣味に合わせて金色寄りになっている(通常の擬似太陽炉のGN粒子の色は赤色)。
一応ビーム兵器の威力を分散させる塗料らしいが、極めて限定的な効果であるため後にも先にも他には誰もこんな塗装はしなかったという。
武装は二挺のGNビームライフルと双刀型のGNビームサーベル。
ライフルは左右を連結する事で高威力のビームを発射出来る。
また、背中から生えた翼は強力なGNフィールド(要はバリア)を発生させ、
更に機体前方に展開する事でGN粒子を圧縮させる効果を発揮、ビームライフルの威力をアルヴァトーレの主砲並みに強化可能。

普段は大便器型モビルアーマーのアルヴァトーレの中に入っているが、
アルヴァアロンがコアユニットであり、アルヴァトーレはこの機体の強化パーツ扱いらしい。
頭の砲塔が変形して中から現れたのかと思いきや実は体育座りしたアルヴァアロンが背中の翼で前を覆い隠して
隙間から両手に持った銃を出していたのが立ち上がっただけ
というハリボテみたいな斬新な構造。頭隠せてないし。
固定もされてないのによく振り落とされなかったものである。

ファンからのあだ名は「金ジム」目が痛くなるほど全身金色、そして当シリーズでは珍しく初代ジムを思わせるゴーグル顔をしていたため。
ここまで来ての大ボスがジム系の(一般兵メカに良くある)面構えだったという点でも本機は相当な異彩を放っている。
設計思想そのものは悪くなかったようで、1.5ガンダム(特にバックパックに搭載されているバインダー内蔵武装の名称が「アルヴァアロンキャノン」)や、
リボーンズガンダム(『00 セカンドシーズン』のラスボス)によって受け継がれる事となった。


作中での動向

1期最終決戦の時に国連軍の援軍としてアルヴァトーレが登場。
桁外れの火力と強力なGNフィールドにものを言わせて戦場を引っ掻き回していたが、
刹那とラッセの活躍によりアルヴァトーレ部分が大破。
しかし、その中からアルヴァアロンが現れ仕切り直しとなる。
当初は大出力のビーム砲と強力なGNフィールドでエクシアを圧倒。
エクシアもトランザムを発動させて食い下がるが、それでもなお切り口を見付けられずにいた。
その最中、刹那の脳裏をかつてのロックオンの言葉がよぎる。
彼らの計画ではソレスタル・ビーイングを裏切ってガンダムを悪用する者の出現も想定されており、
エクシアこそがその対ガンダム戦を想定されて実体剣を装備した機体なのだと。
懐に飛び込んだエクシアのGNソードが機体を貫くとGNフィールドが消失、
丸裸になった所へセブンソードを叩き込まれて撃破される。



評価と外部出演

とまあ一応ボスっぽかったのだがこの機体、とてもネタ扱いされている。
まずアルヴァトーレ及びアルヴァアロンの悪趣味なまでの金色の見た目。
次に黄金の蟹っぽいモビルアーマー倒したら中から金色のジムが登場というインパクト。
さらにパイロットの声が黄金竜という謎の声優ネタ。
ラスボスっぽい登場だったのに試合展開はエクシアに切り刻まれボコボコにされるという圧倒的やられっぷり。
やられた後に実は味方だと思ってたキャラに騙されていた事が発覚、おまけにその相手に器の小ささを嘲笑された事で、
叫びながら相手の写ってたモニターを殴ったと同時に機体が大爆発して死亡というコントのような死に様。
そのため、モニターが自爆スイッチだの、パイロットがパンチ一発で破壊しただのネタにされる。
なによりこの後主人公のライバルキャラが登場し、残り放送時間数分なのに事実上の最終決戦開始*1という、
ラスボスというより実は中ボスだったという完全にかませ犬展開など圧倒的ネタっぷりを披露した。
撃破時に何本もの剣を次々にぶっ刺された様子から、「黒ひげ危機一発」と言われる事も。
更にオマケCDではガンプラが出ていない事を公式でネタにされる始末。
ただガンプラでは出ていないがROBOT魂では出ている。しかしメッキではなく黄土色の安っぽい成型色のためう○こ色呼ばわりである。哀れ。
付け加えておくが、ちゃんと黄金色に塗装され、砲塔からの変形も完全再現可能な台座が付いたDX版である、
「アルヴァアロンDX the core of アルヴァトーレ」も発売されており、画像検索でヒットするのはほぼDX版の方。
くれぐれもこちらをう○こ色呼ばわりしないように。
+ 比較画像
通常版
DX版

設定上は次作の「ラスボス機っぽいの」ことリボーンズガンダムの元になった1(アイ)ガンダムのデータが意図的にデチューンを施し流用されており、
外伝作品に登場する1.5(アイズ)ガンダムにはこの機体の装備する粒子収束機能付きウイングが逆輸入されている。
こんな所も実にジム(制作上は本機のデザインが他の機体と浮いていたために次作で整合を取ったらしいが)。

+ 映画での活躍
1期で死んだためどう考えても本編後の映画には出てこないだろうと思われていたが、
劇中劇「ソレスタルビーイング」にものすごくかっこよくなってラスボスとしてまさかの登場。しかもタテガミとどこかで見覚えのある尻尾が生えていた。

これは、一般人に戦争の真相を隠すという目的もあって彼がラスボスに仕立て上げられたものである。
本当の黒幕を出してしまうと色々と連邦に不都合な事も説明しないといけなくなるし。
アルヴァトーレに仁王立ちしながら一方的な戦闘を繰り広げるも、
ソレスタルビーイングの攻撃で動きを封じられGNソードの一撃で撃墜された。

余談だが、この劇中劇は特撮という設定になっており戦闘シーンは着ぐるみで撮影されている。
海賊戦隊ゴーカイジャー』第1話冒頭の宇宙戦が全編に渡って繰り広げられたと考えれば特撮視聴者とかにはイメージしやすいだろうか。
またアレハンドロ役はそっくりさんの俳優が務めており、見事に全ての黒幕という大役を熱演している
(同様に刹那ポジションのマイケル・チャンもマモー・ミヤノなる俳優が担当している)。
スーツアクターおよび出演者の方々、本当にお疲れ様でした。

その一方で、ダブルオーライザーのサブパイロットだった沙慈・クロスロードからは「戦争を美化しすぎ」「監督爆死しろ」等とボロクソに言われている。
この戦争で(主にアレハンドロの部下のせいで)恋人が人生を狂わされた沙慈をこの映画に誘った上に、大はしゃぎで同意を求めた友人もいい心臓である。

余談だが、『スパロボ』では劇場版参戦の度に作中で話に出てきている。
『UX』では『獣装機攻ダンクーガノヴァ』のエイーダ・ロッサが主題歌を担当した設定になっており、
『CC』では自軍が実際に映画を撮り、『第3次Z時獄篇』では前作『第2次Z再世篇』の戦いを映画化した結果、
マジンガーZゴッドマーズ鉄人28号グレンラガン、バルキリー等が出演しているのだが、
マジンガーが全長200mの光り輝くモブになっていたり、きぐるみなのでバルキリーがバトロイド形態しか出なかったりしていた
後に劇場作品で光り輝いて巨大化するマジンガーZが現れるのはここだけの話である
あと、映画の場面がシナリオデモで出てくるのでマイケル・チャン他もキャラ辞典に登録される
そしてキャラ辞典のアレハンドロの項がTV版込みの内容であるため、マイケルその他に比べてやたらと説明が細かい。
『BX』に至っては民間人出身者が多い事もあってか、実際のCBメンバーに対して映画の話題が引き合いにされる場面も散見される。

+ ゲームでの活躍
第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』で登場した。
しかし刹那の「ガンダムおよび太陽炉搭載機体への与ダメージ1.5倍」というエースボーナス能力のせいで、
あまり活躍出来ず原作通りあっさりやられて退場という扱いであった。
刹那がエースで、かつそこそこ鍛えていれば魂(一度だけダメージ2.5倍)を使って一撃で終了なんて事もザラ。
さらに刹那の技量をしっかり鍛え上げ、なおかつスキル「再攻撃」(相手より技量が一定以上勝っていれば一回の戦闘で2回攻撃可能)を習得させておけば、
魂無しのTRANS-AMからの追撃TRANS-AMでやっぱり一撃で終了も有り得る。
しかも何もしなくても数ターンでイベント進行で退場する。大使は泣いても良い。
本作でアレハンドロ諸共撃墜されたため次作『再世篇』には未登場だが、更に次作の『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』では、
先述した劇場版ソレスタルビーイングの再現としてユニットアイコンのみ出番があった。
戦闘台詞集

一方、『Gジェネ』では『WARS』から登場。
大した活躍の出来ないスパロボとは対照的の強機体。
無論、単純な数値の上ではアルヴァトーレの方が強いし、撃墜されてもアルヴァアロンに脱出出来ると生存性も高いのだが、
アルヴァトーレがその巨体故に移動に制限が掛かりやすいので宇宙以外では固定砲台になりがちなのに対し、
アルヴァアロンは機体サイズも普通で地形適正が宇宙・空中・地上でB(スパロボのA相当)と場所を選ばず、射程も7までカバーしていて隙が無い。
火力も中々に高く、防御面でもGNフィールドがあるので、防御をしていれば射撃攻撃をほとんど無効化出来る。
ただし、兵装が全てビームである為、ビームを軽減・無効化するIフィールド等を持つ相手には相性が悪い。
それを逆手に取ってビームを強化するパーツを複数盛れば全兵装の攻撃力がアップするという利点でもあるが。
まあ、パイロットである大使自身はあんまり強くない*2ので、原作通りに乗せると主力である圧縮粒子ビーム砲を外す事も多い。
『WARS』では『ガンダム00』だけでなく『ガンダムW』のシナリオにも登場。トレーズのトールギスIIに向かってリーブラの主砲が撃たれた際に、
原作のレディ・アンに代わって突如出現、アルヴァトーレのGNフィールドでリーブラの主砲を防ぎきるというムービーが挿入される。
冗談のような、そして大使の全く空気を読まないその光景に大爆笑したプレイヤーもいただろう。

ガンプラを題材にした『ガンダムブレイカー2』ではPG(ボス用の巨大機体)として参戦。アルヴァトーレもボスMAとして登場。
00二期に登場した衛星兵器「メメントモリ」を防衛するためにプレイヤーの前に立ちはだかる。
まずアルヴァトーレが登場し、それを撃破した次のステージではアルヴァアロンと何故か起動しているアルヴァトーレが現れる。
さらに後のステージではアルヴァアロン二機とアルヴァトーレが登場、
クリア後のステージでは何故かダブルオーガンダムと一緒に(流石にアルヴァトーレは無し)ボスとして立ちはだかる。
ガンプラを題材にしたゲームという事で既に察している方もいるかもしれないが、
残念ながらプラモキット化されてないアルヴァアロンはプレイアブル機体ではない
他のPG機体と違いプレイアブルサイズの本体パーツどころか武器もドロップしない。
ガンプラを題材にしているのでそれっぽい機体は作る事も出来るのだが…。
とはいえ『00』のラスボス機体すら出ていない本作にプラモ化してない癖にボス限定とはいえ出られるだけマシかもしれない。

+ 『ビルドファイターズ』では
ガンプラで戦うアニメ『ガンダムビルドファイターズ』には、第8話及び第15話にガンプラとして登場。
『BF』では権利の関係上、『00』2ndシーズン及び劇場版、『ガンダムAGE』の機体は出演出来ないため、
アルヴァアロンは「出演出来る機体の中では最後から二番目」という微妙にレアな立ち位置にいる
(前述の最終決戦の機体は改造機であるため、新型という意味では一番最後の機体ではある)。
現実ではプラモ化していないが、他にもまったくキット化されていない機体が多数登場しているため、
『BF』世界では普通に市販されているか、はたまた改造などで自作されたものと思われる。
第8話では、タイ代表を賭けた試合に赤紫色に塗装されたアルヴァアロンが登場。
Vガンダムに登場したアビゴルの改造機アビゴルバインのアッパーカットで吹き飛ばされて敗北した。
第15話では世界大会予選にてアルヴァトーレが登場。またしてもアビゴルバインによって撃破された。
一応補足しておくと、アビゴルバイン(と、それを駆るルワン・ダラーラ)は世界大会優勝候補の一角と称される程の猛者であり、
決してアルヴァアロンが弱いというワケではない。

『SDガンダム外伝』ではやっぱりと言うべきか黄金竜の関係者として登場。


MUGENにおけるアルヴァアロン

Z.A.I.氏によってエイプリルフールに公開されたものが存在する。
ドットは『第2次スーパーロボット大戦Z』のものを使用している。ボス性能らしく結構強い。
ただし、全行動にゲージを使うためゲージが無くなると大幅に弱体化してしまう。
……が、挑発動作にゲージを回復させる効果があり、食らい判定の付いていない実質全無敵状態であるため、
その気になればあっさり回復可能である。

また、パピット氏によるAI入りの改変パッチも配布されている。
適用するとサイズが変更されたり、ビームサーベルやビームライフルが空中でも使用可能になったりと様々な変更がされる。
上記の挑発の無敵等についても食らい判定の付いたものに変更可能になる。

この他、コン氏によりボイスを「 なーい 」仕様にするボイスパッチも存在。私、マリナ・イスマイール

出場大会



「リボンズ…君はまさしく、私の天使(エンジェル)だ」



*1
「戦争の中心人物が脱落し、事実上の最終決戦の相手は別に黒幕でもないライバルキャラ」と言う展開はこのシリーズにはよくある事だが、
専用機体に乗って現れた中心人物がこんな事になったのはTV放送されたガンダムシリーズでは初の事態である。

*2
ちなみに大使はかつてユニオンでMSのパイロットをやっていたという裏設定があるのだが、
TV版放送当時はそんな設定は明らかになってなかったため、政治家の癖にMAに乗って戦場に出てきたと突っ込まれた
(おまけに刹那の事を散々「未熟なパイロット」と言っていたので、まさに「お前が言うな」状態であった)。
そしてその結果、『Gジェネレーション ウォーズ』では固有アビリティとして素人を持たされてしまうのであった。
効果は消費ENが10%増加する代わりにクリティカル発生率が上昇し、レベルアップするほどクリティカル発生率が増加する。
……のだが、実は同作にはテンションが超強気以上だとクリティカルが確定する仕様があるため、生かし切れるかは正直微妙。
一応エリートも同時に持ってはいるが(こちらは入手経験値が増加する効果)。


最終更新:2023年05月30日 23:08