プレデター・ウォリアー


「狩リノ・時間ダ」

1987年から続くSFアクション映画『プレデター』シリーズに登場する、
宇宙の星々を渡り歩いて「強い獲物を狩猟すること」を種族的な趣味に持つ異星人の戦士。
当初は主役のシェーファー率いる特殊部隊を襲う未知のモンスターだったが、
シリーズが進む毎に擬人化や背景設定の追加が進み、徐々にストイックな狩人の雰囲気を纏うキャラクターへと完成されていった。

なお、「デザイン元はスーパー戦隊シリーズ電撃戦隊チェンジマン』の敵幹部「副官ブーバ」だと明言されている」
……という話が日本のネット界隈では広く流布されているが、実際にはソース不明の流説であり、
確認できる限りでは、公開当時に雑誌『宇宙船』で「似ている」と言及された程度で、この記述が広がる内に変形したものと思われる。
ちなみに『プレデター』の製作スタッフは、デザインについて「ジャマイカの戦士の絵を参考にした」と語っている。

地球人の視覚とは異なる感覚器官を持ち、赤外線を視覚化する(温度を視覚情報として捉えている)。
赤外線を反射しないガラスや石などに衝突したり躓かない事から、他に何らかの視覚情報を得ているようだが、詳細不明。
この「サーモグラフィによる襲撃者側からの視点」のインパクトは大きく、後発の創作においてもパロディ、オマージュされている。
肌に泥を塗って赤外線を遮断したり、高温の炎で視覚を遮られてしまったりする場合もあるが、
常用しているマスクで視覚情報の切り替えが可能で、これにより胎児や癌の有無、エイリアンに寄生されているか否か等まで判別可能。
基本的には光学迷彩による奇襲を仕掛けてくるのだが卑怯を良しとする本質ではなく、
拳に装備した鉤爪・リストブレードや槍、拳銃類による接近戦を好み、一対多の状況であろうとも臆することなく果敢に戦いを挑む。
しかも爆破などで一掃するのではなく、一人一人誘き出しては隙を突いて確実に仕留めていくという、
あくまで自分達の美学に則った「狩り」を行うことが目的(光学迷彩で隠れながら気に入った獲物を一方的に撃つ、という点では「ハンティング」に近い)。
故に単なる無秩序な虐殺者ではなく、武器を持たない相手や死病に犯された人間は狩らず、
武器を持っていても妊婦は胎児を無抵抗な人間と見なして狩らないなど、獲物としての価値の有る無しで対象を判別している
(ただし相手から攻撃してきた場合や、武器を持っている場合は容赦しない。
 『2』にて銃の玩具で遊んでいた子供を殺そうとして、ギリギリでそれが武器としての役割を果たさないと気付いて取りやめたり、
 逆に映画『エイリアンVSプレデター』では、死病を患っていた人物を一度は見逃したものの、
 その人物が攻撃を仕掛けて来たため反撃、殺害している)。
返り討ちに遭い敗北を免れなくなれば自爆して自らの痕跡を完全に消し去る
(自爆することさえ出来ず完全敗北した末、仲間立会いのもと切腹して果てた作品もある)など、徹底的な美意識も併せ持つ。

エイリアン他「手強い相手を狩ること」が至上の目的であり、成人の儀式などの社会的地位を得る方法でもあるため、
自ら他の惑星にエイリアンのプラントを作り、エイリアンクイーンを拘束・飼育していたりもする。
狩猟だけでなく強者と戦う事も楽しみとしており、真に手強いと感じた獲物は「勇者」として丁重に扱い、全ての装備を解除して対峙。
リストブレードのみで真っ向勝負の決闘を挑み、戦いの後は結果に関わらず自分の持つ武器を与え、健闘を称えることを礼儀としている。
また、気に入った獲物は頭蓋骨を抜き取ってトロフィーとして収集するのが、種族全体の習慣になっている。
『プレデター2』にてスタッフのお遊びで、宇宙船内にエイリアンに似ている頭蓋骨が飾られており、
ここからクロスオーバー作品である『エイリアンVSプレデター』(以下『AVP』)シリーズが生まれた。

高い身体能力を誇り、木々やビルの合間をジャンプして移動したり、人を腕の一振りで大きく吹っ飛ばすこともできる。
また拳銃弾程度では皮膚を貫くことすらできず、ショットガンによる至近射撃を何度も受けても応急処置のみで活動できる頑丈さを持つ。
この事から医療技術も発展している事が予測されるが、種族の流儀からか「麻酔」を使っている場面は見受けられない。

また高い知能と技術力も持ち、長さをかなり自由に変えられる万能槍、ガントレットに装備した鋭利な爪・リストブレード、
ウォリアークラスのエイリアンなら一撃で粉砕するプラズマキャノン、核弾頭並の威力を持つ自爆装置
人体を容易く両断するブーメランディスク、ワイヤーネットや光学迷彩など様々な装備を用いる。
人類が対物兵器を発展させたのに対し、プレデターは種族特性から白兵武器を発展させたのだと言われている。

そのため、『AVP』シリーズでは人類に英知を授けた存在でもある。ただし「より良い狩り場を構築するため」ではあるが。
人類の言語を話すことは出来ないが理解することはでき、録音した音声やジェスチャー、覚えた言葉で意思疎通が可能。
マスクを外されて素顔を見られ「醜い顔だ」と言われた直後に「醜イ顔ダ」と鸚鵡返しするのはシリーズのお約束となっている。
彼らから見れば、人類の顔が醜悪に見えるかもしれない。
また、目的が合致し戦士として認めれば人間と共闘することもあり、その人間と絆や友を結ぶなどの情緒も持ち合わせている。
エイリアンの飛び出し顎を使ってからかったりもするし。文化や思考こそ違えども、同じ知的種族──人類なのだ。
それまで侵略にやってくる地球外生命体と言えば、ロボット宇宙船などの超科学技術によるものが多かった中、
高度な科学技術を持ちながらも「狩り」という極めて原始的で野蛮な文化を持つ彼らの与えた衝撃は大きく、後の作品にも少なくない影響を与えている。
『Halo』シリーズの敵軍コヴナントのエリート族(サンヘイリ族)は、光学迷彩持ちな上に手強いと認めた相手にこそビーム刃による白兵戦を挑んでくるなど、
彼らの影響があからさまである。

ちなみに主食はプレデター(肉食獣)の名の通り肉。特に牛肉が好みである。
食肉加工工場に現れることを予測され、本編だけでなくバットマンなどにも罠を張られたことがある。
+ 『バットマンVSプレデター』

「ルールハワカッタ チャンピオンシップ…」

アメコミ版『エイリアンVSプレデター』を出版したダークホースコミック社が、ほぼ同時期に出版した。

ゴッサムシティ・ヘビー級タイトルマッチに勝利した新チャンプ、マーカス・キングが何者かに殺害され、
さらにキングに敗北して王座を奪われたベルサグリオも無残に殺される。
それぞれの選手を擁していたマフィアは互いに敵対する組織の報復だと思い血気に逸るが、
今度は彼らを姿なき狩猟者が襲撃した。
抗争を防ぐために監視していたバットマンが襲撃者を追撃するが、
襲撃者・プレデターの予想以上の実力に重傷を負い、敗走してしまう。
バットマンが動けぬ内に自警団を気取ったマフィア達が次々と犠牲になり、ゴードン警視総監も襲われて負傷。
もはやゴッサムを守る者は誰もいないのかと人々が絶望する中、
手負いの体を押して全身ハイテク装備に身を包んだバットマンがリターンマッチに立ち上がる。

ストーリーからも分かる通り、
「もし『プレデター2』の舞台がゴッサムだったら」といった感じの内容となっている。
自動操縦のバットモービルに二回も轢かれて「クソ・マタカ!」とプレデターが毒づいたり、
とどめの一撃がよりにもよって駄洒落だったりと見所が多い作品なので、
バットマンもプレデターも好きだという人にはおすすめの一作である。


ゲーム作品におけるプレデター


誇り高き異形の戦士 プレデター・ウォリアー

 得意武器:スピア
 ガンタイプ:ショルダーキャノン
 戦いを好む宇宙の戦闘種族。
 パンチ力、ジャンプ力共に並はずれた
 ポテンシャルを持つ万能タイプの戦士。
 (インスト説明より)

カプコンのベルトスクロールアクンションゲーム『エイリアンVSプレデター』ではプレイアブルキャラクターの一人として登場。
突如としてエイリアンが溢れ出した海上都市サン・ドラドにタイミングよく現れた異形の戦士で、目的はエイリアン狩り。
OPデモでは追い詰められたシェーファーリンの周囲のエイリアンを掃討し、
仲間のプレデター・ハンターと共に「狩リノ・時間ダ」「ツイテ・来イ」と促す。

なお、このゲームのデモシーンでは人類側ともカタカナ交じりの片言ながら、普通に会話して意思疎通している。
ただし何らかの機械による発声なのか、本人が喋っているのかは不明。
エンディングでは、共に戦い抜いたシェーファーとリンを勇敢な戦士と認め、礼儀として自らの武器(折れたリストブレードの刃)を手渡す。
その際、何故自分達を助けたのかというリンの問いには、プラズマキャノンのレーザーサイトを向けながら、
「イズレ・ワカル」「マタ・アオウ」と言い残して地球を立ち去っていく。
シェーファーは自分たちが彼らの次回の獲物として目を付けられたと理解し、リンは「次は敵どうしね」と呟くのだった。
…が、このアーケード版は「いずれ」どころか版元の都合で2019年に至るまでコンシューマ化すらされていないのだった。

+ 原作での性能
パワー、スピード、技性能の全てが高水準でまとまっている万能キャラ。
移動スピードこそ全体で3番目だが、ジャンプによる高い機動力でそれを感じさせない立ち回りが可能。
レバー↓↑+Bで出る突進技「ダブル・キック」の使い勝手が非常に良く、
単純なぶっぱに限らずコンボダメージの底上げ、包囲状態からの脱出などあらゆる局面で活躍する。
初期装備であるスピアもリーチ、振りの早さ共に優秀で、最も初心者向きのキャラと言える。

なお、相棒のプレデター・ハンターほどではないが彼もまた有り余るポテンシャルを秘めており、
上級者になるほど素手状態でのスピーディかつ制御がピーキーな高機動プレイが好まれる。
ただハンターと違いスピア装備状態でも十分以上の性能を誇るため、
熟練すれば武器あり・素手のどちらの状態であっても圧倒的な強さを発揮できるようになる。
本気になったプレデター・ウォリアー
※真似する時は安全のため指に包帯巻くか手袋をして、レバーぶっ壊したらお店の人に謝ってね!

この他、FPS版『エイリアンVSプレデター』シリーズでも自機として登場。
人類が陰謀企んでるしエイリアンも跳梁跋扈してるが、気にせず狩りの時間だ!
頭蓋骨を獲得する度に喜ぶプレデターの姿に萌えること間違い無しである。

また、日本未発売だがXBOX・PS2用のアクションゲーム『PREDATOR:CONCRETE JUNGLE』では、
一人のプレデターと、とある人間の一族との100年に亘る因縁を描くストーリーが展開する。
これまでの映画シリーズやコミックのポイントを押さえたファン感涙モノの再現度は必見。

2015年に発売された海外の格ゲー『MORTAL KOMBAT X』ではジェイソンと共にパック購入特典としてDLC参戦している。

+ 余談
『MORTAL KOMBAT X』でプレデターが配信開始した日は7月7日の七夕であり
奇しくもプレデターを放送した水曜シアター9のCMの有名なキャッチフレーズと一致した。

「七夕は、プレデター!」

ファミコンの『シュワルツェネッガー プレデター』ではプレデターが同一個体なのか別個体なのか不明だが何度も登場。しかしどれもやけに弱っちい。
ラスボスのプレデターに至っては何故か浮遊する頭部だけという奇妙な姿で戦う。


MUGENにおけるプレデター・ウォリアー


+ HSR氏製作
  • HSR氏製作
ベルトスクロールアクションである原作の性能を再現しており、普通の格ゲーキャラとは異なる部分が多い。
主な差異は…
  • ガード、空中受身ができない
  • キャラ同士の押し返し判定が無い
  • 敵が背後にいても自動で振り向かない
  • 緊急回避技のメガクラッシュを仰け反り中に発動可能
  • ガンゲージを消費して飛び道具を使用する
  • ダウンすると武器を落とす。落ちているディスクを拾って投げることも可
  • ジャンプはレバー操作ではなくボタン操作で行う。映画と同じく飛距離は凄まじく、ほぼ画面端まで一っ飛びで到達
  • 起き上がり時の無敵時間が長い
  • 歩き時に接触することで相手を掴むことができる
など。なお、設定を変更することで普通のキャラと同じような挙動にすることも可能。

ガードが無いため、防御は主にメガクラッシュに頼ることになる。
このメガクラッシュは技の間は全身無敵、さらに技が終わった後も無敵がしばらく持続するなど非常に高性能だが、
ガード・ヒット問わず敵に当たるとライフの16分の1を消費してしまうため迂闊には使えない。
前述のようにのけぞり中に出すことができ、コンボに割り込むことすら可能。
だが空中では出すことができないため、空中コンボを得意とする相手とは相性が悪い。
ガードがないのは一見すると大きな弱点に見えるが、飛び道具を含めた全体的な攻撃の隙の少なさ、高い機動力、
無敵時間の長いメガクラッシュなど立ち回りが強力で、ハンデを感じさせない程の性能を持っている。

映画でお馴染みの透明化も再現されており、プレデター自身の高機動と相俟って撹乱効果は非常に高い。
しかし、AI対戦メインのニコMUGENではこの手の擬態技は無意味…と思いきや無敵時間が設定されており、避けに使うことも可能。
ただし、使用中はガンゲージを常時消費するなどリスクも高い。

なお、スタートボタンを押しながら決定することでハンターモードになり、
必殺技プレデター・ハンターのライジング・アッパーやサプライジング・ロールに変化する。
ライジング・アッパーをオーバーヒートしたガンでキャンセルして攻撃を繋ぐ通称「オバキャン」も完備されていて、
元ゲーファンをニヤリとさせる仕上がりである。

AIも中々強いものがデフォルトで搭載されているが、2009年にガンホール氏が外部AIを製作。現在はJ・J氏のサイトで代理公開されている。
このAIはスライディングや三角跳びで画面内を派手に動き回り、
ライフ減少を恐れず切り返しにメガクラッシュを多用するなど攻撃面に偏重しているのが特徴的。
元ゲーそのままの素早い攻撃の固め、掴みによる崩しは中々強力。
また、攻撃的な通常モードの他にメガクラッシュで攻撃を避けまくる対応型のモードも用意されている。
こちらは隙が少なく、相性次第ではかなりの強キャラでも苦戦するだろう。
さらに更新によって常時クローキング(透明化)状態のステルスモードも追加された。

ニコニコでは中々姿を見せる機会が無かったが、主人公連合vsボス連合対抗多人数チームトーナメントでの活躍や、
AIパッチの登場で動画での出番も増えてきている。
またYouTubeでは主にEvil Kenシンプソン氏とタッグを組むことが多い。

+ 大会ネタバレ
リクキャラタッグトーナメントでは、試合中にまさかの最終兵器「自爆」を披露。
これによって画面内にいるキャラは全員死亡(もちろんプレデター自身も)
無効試合を引き起こすと言う異常事態を起こし視聴者にインパクトを与えた。

また主人公連合vsボス連合対抗多人数チームトーナメントにおいては、
次鋒としてアビスを一人で第三形態まで追い詰めた末に自爆することで見事チームを勝利に導き、その勇姿に多くの視聴者が涙した。
それからは、原作に倣い英雄と呼ばれるようになり、他動画でもその呼び名が定着している。
その漢らしい散り様は一見の価値有り。こいつとは大違いである

ニコMUGEN絵板保管庫 より、の~ま氏画。

その後も同大会にて度々名勝負を繰り広げ「魔のCブロック」における重要な立役者の一人となった。

+ sergeus氏製作
  • sergeus氏製作
海外製作者のsergeus氏によるもので、どうやら上記のHSR氏製を改変したものであるようだ。
HSR氏製のプレデター・ウォリアーはイントロでマスクを外すが、こちらは被ったままなのが大きな差異。
そのため小ポトレもそれぞれ異なっている(大ポトレの画像もよく似ているが実は微妙に違う)。
フォルダ名はHSR氏製が「predator_W」、sergeus氏製は「p_warrior」なので同時に導入する際も安心である。
HSR氏製のような複数のモードは搭載されておらず、割とシンプルな性能をしている。使い勝手は大きく違わないと思うが。
特徴的な技である「ハラキリ」だが、HSR氏製は文字通り自爆(自決)技であるのに対し、
sergeus氏製は何故か回復技になっている。どっかの宇宙カラクリ忍者みたいだ

AIはデフォルトで搭載されている他、ホルン氏による外部AIが公開中。
恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルに加え、食らい抜けメガクラッシュの頻度、腹切りを使うか否か、武器ゲージのオーバーヒートを設定可能。
これらの内、コンボレベル最大で永久あり、立ち回りレベル最大で透明化封印となる。想定ランクは強~凶上位との事。


“It's time to hunt!”

出場大会

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出演ストーリー



「強イ獲物ハ・狩ル 我々ノ・生キカタ・ダ」


最終更新:2023年10月10日 22:06