綿月豊姫


「地上の生き物への罰は…一生地上に這い蹲って生き、死ぬこと」

『東方Project』の登場キャラクター。
一迅社の各雑誌で展開していたメディアミックス作品『東方儚月抄』に登場するキャラクターの一人。
「Comic REX」で連載していた漫画版の作画は秋★枝氏、「キャラ☆メル」で連載していた小説版の挿絵はTOKIAME氏、
「まんが4コマKINGSぱれっと」で連載していた4コマ版はあらたとしひら氏が担当した。
種族は月人で、二つ名は「海と山を繋ぐ月の姫」。
名前の読みは「わたつきの とよひめ」。ファンからの愛称は「とよねぇ」。
妹である「綿月依姫(わたつきの よりひめ)」と共に月の使者のリーダーという地位に就いている。
八意永琳とは(人間風に言えば)又甥(甥の息子)の嫁にあたり、彼女たちの師匠でもある。

+以降、単行本ネタバレあり
生真面目な妹とは違い天真爛漫な性格で、大人しそうな見た目とは裏腹にかなりの御転婆娘。
作中でも窓から飛び降りてレイセンを踏み潰したり、妹がとっておいた桃を勝手に収穫して食べたりしている。

能力は「海と山を繋ぐ程度の能力」。
これはZUN氏によると「山は幻想郷、海は月を意味しており、どこでも移動できる能力であり、
重要なのは月の都と地上を移動できる点」との事(『求聞口授』巻末のインタビューより)。
彼女が月の使者のリーダーとして相応しい(但し性格以外は)と言われるのはこの能力のためであり、
いざとなれば大勢の兎の兵士を連れて一瞬で地上に移動することも可能。
ただし作中には「地上と月を繋げる数少ない能力者のひとり」
「大部隊を連れて一瞬にして地上に行く事が出来る数少ない月の民」ともあり、「数少ない」とある以上、
この能力は豊姫がだけの固有の能力ではなく、彼女の他にも何人か同様の能力を持った月の民がいるとも考えられる。

これだけの説明だとただのワープのように思えるが、の能力と似通った事も行っている。
ただ、スキマとはだいぶ毛色が異なるもので、スキマが空間に穴を開けてそこを通ることによってのみ成立するのに対し、
豊姫の能力は、入れ替えられた本人も全く気が付かないほど一瞬で、空間そのものを全く別の場所の空間と入れ替えてしまうものである。
実際これを使って、レイセンを月から地上へと転送したり、紫とが通ろうとしたスキマの行き先を変えさせており、
こと「空間操作」と言うジャンルに限っては、紫の境界を操る能力を遥かに凌ぐ規模の能力であると言えるだろう。

また、周囲を真空状態の「表の月」に塗り替えた際に一緒にその場にいたが、
紫の式神のカラスが窒息死しているにも関わらず、豊姫は平然としていた。
月の科学技術のお陰なのか本人の能力の応用なのかは不明だが、おそらくは宇宙空間に放り出されても死なないだろう。
ちなみに、公式で読者にはっきりと見える形で生き物の殺害を行った初めての東方キャラでもある。

ただ、『儚月抄』本編で良くも悪くもインパクトのある活躍をした妹に比べ、彼女が作中で行った行動はあまりにも少ない。
やった事といえば、地上で紫と藍と対峙して捕縛し、森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こすという扇子を突き付けて脅した事ぐらい。
この為、すごい能力は持つのだが、儚月抄本編での印象は薄い。
ただ、あらたとしひら氏による『東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡』では、天然キャラの要素がより前面に打ち出されて、
妹よりずっと目立っている。

+彼女と地上人との関わり
彼女と地上の人間との関わりは、本編より1500年ほど前から存在していた。

本編より1500年ほど前、瑞江浦嶋子(みずのえうらしまこ)と名乗る漁師が、
水面に映った青い星(地球)から、神隠しにより五色の亀に掴まり月の海に現れた。
本来なら、帰りたがれば豊姫が即座に地上に帰していたのだが、浦嶋子は栄華を極めた月の都に興味を持って
滞在を希望した為に、豊姫自身が地上人に興味を持っていたのもあり、永琳に内緒で匿った。
浦嶋子は月の都を蓬莱国(海の向こうの国)と思っていたが、月の都の存在を隠す為に豊姫は
「ここは蓬莱国ではなく海底の竜宮城である」と教えた。

暫くは都の空に見える光景(星空、なのだが前述の通り彼は海底だと教えられそう思っていた)や
星(これも魚達の踊りだと教えられた)に感動して過ごしていたが、三年ほど過ごした後帰郷を希望しはじめた。
帰すのはやぶさかではないが三年の行方不明期間から、彼の話を聞いた地上人が竜宮城、
つまり月の都の存在に興味を持つ事を危惧して豊姫は永琳に相談した。
永琳は最初に即断で「殺すのが良い」と言ったが、自分が匿ったせいもある事から豊姫がそれ以外の方法を求め
「300年の冷凍睡眠の後、玉手箱を持たせて地上に帰す」事を提案した。
300年後に冷凍睡眠から目覚めさせられて地上に帰らされた浦嶋子は、周りに自分を知る者の居ない悲しみから、
空けてはいけないと言われていた玉手箱を泣きながらすぐに開け、中に入っていた物質の影響で老人になった。

これにより、300年前の話を知っている上に竜宮城の事を話す彼は村で生ける伝説となり、その噂は時の天皇にも届き、
天皇は「竜宮城=蓬莱国」と考え、彼から直に話を聞きに行こうとしたが、その前に彼は老衰で亡くなる。
天皇は蓬莱国から帰還した功績を讃え、彼の為に神社を作らせて筒川大明神という神号を送った。
ただの人間だった彼は神の仲間入りをしたのだ。

いわゆる「浦島太郎」の物語であるが、求聞口授において本当に「竜宮城=月の都」であることが明らかとなっており、
こうした繋がりは生じていたとしてもおかしくはないのだろう。

+二次創作での扱い
二次創作の数が少ない事もあり、浸透した二次設定やカップリング等は殆ど無い。
殆どが妹である依姫か師匠である永琳、ペットのレイセンズとの絡みである。
たまに紫との絡みもあったり、桃繋がりで比那名居天子との絡みも。

漫画・小説・4コマの全てにおいて作中でやたら桃に対する食欲を示したり指摘されたりしていた為、
ルーミア西行寺幽々子に次ぐ第三の大食いキャラとして扱われる事も。
上記でも述べたが「月の都=竜宮城」なので、竜宮の遣いこと永江衣玖との絡みを指摘する声もある。
その他、東方では珍しい「 精神的に立場が強い姉 」ということもあり、レミリアさとり相手に「姉の威厳の保ち方」をレクチャーする等も。

二次創作における内容も数は多くないが様々で、中には『血を見ると興奮して巨大なサメの姿に変身する』という謎すぎるものもある。
これは、彼女の元ネタとなった豊玉姫(トヨタマビメ)の正体が『八尋和邇(ヤヒロワニ)』という名のサメである所から来ている。

ちなみに、求聞口授によれば龍神様は月在住でもある。そこから「豊姫=龍神」とする見方も出てきている。
要因としては、以下のものが挙げられる。
  • 豊姫の元ネタである豊玉姫は日本書紀の記述では龍であった
  • 結界を飛び越え月(海)と地球(山)を自由に行き来する豊姫に対し、天、海、雨の三つの「アマ」の間を自由に移動する龍神様。海と山を繋ぐという能力名が上述の三つの「アマ」と同じように水の循環を象徴している?
  • 龍神様の名前は不明であり、豊姫(というか月人全般)の本名は地上人には発音できない
偶然の一致と言われればそれまでだが、ここまで似通ったものを無視してしまうのもどうかといったところ。
あくまでも「もしかしたら?」といった程度のものであるが、元ネタの通り、龍神とまではいかないまでも
龍に近い存在であるのかもしれない。

戦闘力に関しては…妹もそれなりの体型である為、大差はない。
ただ、特に何か運動やら修行している描写がなく、能力も動き回るタイプでないということもあり、いささか妹よりぷにぷにしてたり。


MUGENにおける綿月豊姫

minoo氏の改変キャラクターが存在する。
キャラ性能としては遠距離攻撃が得意な砲台タイプ。うまくハマればその場から動かなくても勝利することができる。
中、遠距離の色々なタイプの技が揃っており、中段と下段の技の使い分けが容易。桃を食べて回復する事も可能。
反面、DEFが70とかなり低く、技の発生が遅い事もあって近接戦は滅法弱い。
ただ、ペースをつかめればかなりの強さを発揮するし、ゲージさえあれば大量の兵器を召喚可能。
minoo氏自身が示す通り、彼女を相手にする事は、月の軍隊そのままを相手にしていると言っても過言ではないのだ。

2014年2月17日にSilvan氏のAIが氏のサイトで公開された。5段階にレベル調整が可能。

出場大会

出演ストーリー