ケビン・ストレイカー

"…I READ YOU.
I'M ON MY WAY……."

 身長:180cm
 体重:160kg
 血液型:不明
 誕生日:2月15日
 出身国:アメリカ
 好きな物:正義 平和
 嫌いな物:パラサイト

カプコンが1990年に発売したファミコン用アクションゲーム『2010(ニイマルイチマル) ストリートファイター』の主人公。
公務員獣人の少年人工生命体でも、「ストライカー」でもない。

原作『2010』でのケビン

今ではもう過ぎ去ってしまったが発売当時から見たら約20年後の近未来であった2010年
他の惑星に移住した人間と異星人との社会で犯罪が多発、
肉体を強化する寄生虫を同化させた「パラサイト」と呼ばれる犯罪者が蔓延っていた。
その強力なパラサイト達に対抗するべく、ギャラクシーポリスはサイボーグ警官ケビンを送り出す。
作中では「MX-5」というコードネームで呼ばれる。

しかしパラサイトとの戦いを進める内にケビンの体には異変が生じていき、次第に自らの存在に疑問を持ち始める。
そして黒幕であるDr.ホセから、実はケビンの正体はギャラクシーポリスの作ったサイボーグなどではなく、
ケビン自身もまた脳改造前にギャラクシーポリスに救出されたパラサイトであった事を知らされる。
ホセを倒したケビンには次の指令が下されるが、真実を知ったケビンは冒頭の台詞(意訳:「了解した。今そちらへ向かう」)を返す。
……恐らく助かる方法は無い、バッドエンドと言える結末だろう。

このように、現在よく知られている格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズとはストーリー上の関連性は全く無い。
本流のストーリーと辻褄が合わないために葬り去られたどころではないのだ。
かの有名な『ストリートファイターII』が一大格ゲーブームを起こすのは『2010』が発売された翌年の事で、
製作・発売当時はストーリー上の矛盾が起きるとは予想もしていなかったであろう。

ゲームの内容は近未来を舞台にした高難易度のアクションゲーム。
詳細に解説している個人サイトもあるので、この不遇の作品について名前だけで判断されぬよう調べていただきたい。

と、日本ではこれで済んだのだが、一方海外では……。


海外版『2010』での「KEN」

このゲームの海外移植版ではストーリーや設定が一部異なっており、主人公はケビンではなく
『ストI』から25年後のケン本人という事になっている(グラフィック自体はケビンと全く同じ)。
また、海外版タイトルは『STREET FIGHTER 2010: THE FINAL FIGHT』と、
さらに『ファイナルファイト』まで混合されたようなタイトルになっている。

各デモのグラフィックや登場人物の姿は概ね日本版と変わりないものの、
ナレーションや台詞の字幕は日本版の英訳ではなく新たに作り直されており、
原作とはまた異なる別のストーリーになっている。
+ ケンに何があったのか。海外版ネタバレ
『ストI』で優勝した後、格闘家を引退したケンは科学者を志してバーガム大学に入学し、
そこで同じく科学者を目指す才能溢れる青年トロイと親友になる。
二人は長い年月をかけ、ついに宇宙開拓のために人体を強化する「サイボプラズム」という画期的な物質を発明する。
ケン自身は宇宙開拓に全く興味はなかったが、自分達の発明が社会の役に立つ事を心から喜んでいた。

ところがある日、親友トロイが殺された上にサイボプラズムの化学式を盗まれ、サイボプラズムが開拓地で悪用され始めた。
このサイボプラズム、適切に用いるならば人間のパワーを何倍にも強化できるのだが、
投与しすぎるとサイボプラズム自体が生命を持ち、宿主を乗っ取って凶暴な怪物と化してしまうという副作用があったのだ。
ケンは親友の復讐のため、各惑星の怪物と化したサイボプラズム感染者と戦いながら殺人犯の足取りを辿っていく。
その間、ケンの肉体には体の中を何かが這いずり回るような謎の痛みが起こっていた。

そしてついに犯人と思しき人物の元に辿り着くも、現れたのは死んだ筈の親友トロイその人だった(日本版のDr.ホセ)。
事件はサイボプラズムを悪用しようとしたトロイの狂言であり、
実はケン自身、親友(ラスボス)によって既にサイボプラズムの最初の実験体にされていた事を知る……。
といった感じのSFチックなストーリーになっている。

トロイは自分こそがサイボプラズムを完全にコントロールできると語り、
これまでケンが痛みを感じていたように、自分の実験体全てに苦痛を与える事ができるという。
そしてケンが綺麗事だけに発明を使うのを良しとせず、共に手を組んで宇宙を支配しようと唆すが、
ケンはそれを否定しかつての親友と対決。
ケン「子供なら憧れるよな、世界征服ってのは。でも、いい大人がやるのは馬鹿だぜ。」
友を自らの手で倒したケンの元へ「地球にも感染が広まってしまった」という救いを求める通信が入るが、
ケンはやはり冒頭の台詞を返す。こちらも恐らくバッドエンドと思われる。

以降のシリーズでは海外でもこの話はすっかり無かった事になっているようだ。まあそりゃそうか。
……と思ったらUDONがアメコミ化してたらしい。なんて事するんだ


パラレルワールドっぽく強引に考えてみると、
  • 『ストI』でリュウサガットを倒して優勝 → みんながよく知っている本編の歴史に
  • 『ストI』でケンが優勝 → 25年後、海外版『2010』の世界に
という分岐になるのだろうか。
実は『ストII』において、ケンは当初格闘技への情熱を失っていたが、リュウに触発されて再び格闘家に戻ったという設定がある。
つまり、もしもリュウが優勝せず、ケンがリュウに触発されなければ、ケンは格闘を完全引退してバーガム大学に入学、
科学者として『2010』への道を進んでいた可能性がある。
こちらの世界では(恐らく)サガットは胸に重傷を負わず、リュウも殺意の波動に目覚める事もなく豪鬼は肩すかしを食らい
ケン以外のキャラは割と平和だが、イライザと結婚して恵まれた人生を歩むはずだったケン(と地球人類)がとんでもない事になってしまう。
リュウが優勝して本当に良かった……。

また、リュウが優勝して『ストリートファイターII』に続いた場合の世界では誰がトロイを止めるのかという問題が残るが、
ケンがバーガム大学に入学しなかったため、トロイは大学でケンに出会う事がなく、
協力者がいないのでサイボプラズムの開発に成功せず(劇中でもサイボプラズムはケンによる発見とされている)、
結局2010年までに宇宙開拓が進む事も無かったのだろう。
シャドルー辺りに拾われている気がしてならないが
そう考えると「なぜ現行の『ストリートファイター』シリーズのストーリーは『2010』に繋がらないのか」という問題もクリアできる。
実は『ストI』におけるリュウの戦いは、文字通り世界の運命を決める戦いだったのかもしれない……。
『ストリートファイターV』において、リュウが優勝して『ストリートファイターII』に続いた場合の世界でも、
2043年あたりに冥王グランドマスターに世界征服される可能性が出てきたが、その点については置いておこう。



確かに「『ストI』と何の関係も無いのに『2010 ストリートファイター』って名前はどうなんだ」というツッコミもあるだろうが、
そうまでして無理に繋げなくても良かっただろうに。むしろゲームタイトルの方を変えるべきだった。
現に、このゲームより少し前に『ストリートファイター』の続編として開発され、
当初は『ストリートファイター'89』となる予定だったが、内容がかけ離れたため最終的に改題して発売された
ファイナルファイト』のような前例もあったのだが……。

一応『ストリートファイター』という名前がついているためか、
カプコンの『ストリートファイターV』公式サイト内「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」でも、
パラレル設定という前置きをしながら番外編としてDr.ホセ共々紹介されている。
日本版の設定をメインで紹介した上で、さらに余談としてアメリカ版の未来のケン達の設定も紹介しているという念の入り様。
ちなみに新たに設定されたケビン(日本版)の誕生日はケンと1日違いとなっている。

また、Dr.ホセの説明で「ケビン・ストレイカーとドクターホセって、ケビン・スペイシーとカイザーソゼに似てますね」と言われているが、
ここで言及されている名前は映画『ユージュアル・サスペクツ』の主人公ヴァーバル・キントを演じた俳優と、同映画の重要人物の名前である。
なお、同映画は『2010』発売の5年後である1995年公開なので、別にパクリの暴露とかではなく単に語感の類似をネタに挙げただけのようだ。


原作中の性能

FCのアクションゲームであるが壁への貼り付き・上り下り・壁の回り込みなどアクションは多彩である。
武装は手足から発射するソニックブリットで、初期状態では目の前で消えるが方向キーとの併用により打ち分けできる。
フリップジャンプというアクションで攻撃をすり抜ける事ができ、使いこなせれば自由度はとても高い。
アイテムによってソニックブリットの射程は伸び、背後にオプションが付き、フリップジャンプに攻撃判定が発生する
海外版ではケンなのにアクションがケンらしくない、と思うが、ブランクもあるし仕方ない。


MUGENにおけるケビン・ストレイカー

+ 他大勢氏製作 原作ドット
  • 他大勢氏製作 原作ドット
語るスレpart645で発表されている。name表記は「Kevin_Straker」。
アフロン氏のロックマンを改変しており、やはりファミコンキャラサイズで小さい。
ガードはできず、攻撃を受けるとしばらく無敵になるアクションゲーム仕様。

コマンドでパワーアップして戦うのだが、このうち背後に攻撃判定を持つオプションが付くものは、
後ろを向いているだけで攻撃判定が出っぱなしになるので敵が突然死する場合がある(さすがに永久ヒットではないが)。
ショットの挙動など原作と異なる仕様も多い。
またへの貼り付き・上り下りは持っているが画面端でしか使えず、回り込みは実装されていない。

+ crisk氏製作 原作ドット「KEN」(海外版2010)・格ゲーアレンジ
  • crisk氏製作 原作ドット「KEN」(海外版2010)・格ゲーアレンジ
ドットは原作のものだが、弱・強のパンチとキックの4ボタン形式で、アクションゲームの再現ではなく格ゲー風にアレンジされている。
原作での特徴的な動きは必殺技や超必殺技にアレンジされている。
海外の製作者が作ったので名前はもちろん「KEN」。フォルダネームも「ken_st2010」で疑う余地も無く『ストI』から25年後のケン
気になる人はダウンロードしたら「Kevin Straker」に改名しよう。
displaynameの方だけだと「KEN」に対する特殊イントロなどが発動してしまう恐れがあるためnameの変更も忘れずに。
AIは搭載されていない。

+ (ArcTheLad)氏製作 原作ドット「KEN」(海外版2010)
  • (ArcTheLad)氏製作 原作ドット「KEN」(海外版2010)
nameは「Kevin Striker」だがdisplaynameは「Ken」。
6ボタンを使用し、様々な方向に弾を撃ち分ける事ができるが、ファミコンサイズでキャラが小さく弾の射程距離も短く
弾の角度も大きく変化するわけでは無いのでどのボタンで撃ってもあまり変わらない。
必殺技は原作のフリップジャンプの他、地上からサマーソルトキックのように攻撃する技がある。ゲージ技は無い。
AIは搭載されていない。

出場大会

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最終更新:2023年07月14日 00:20