秘孔新血愁


「その男には三日間の命を与えた!!」

ラオウの究極奥義(超必殺技)。通称「シンケツ」「マント」
正中線上の第4肋間辺りに存在する。
この秘孔を突かれた者は三日間かけて徐々に肉体が破壊されていき、
三日後に全身から血を噴いて死ぬという。
「○秒後に死ぬ」秘孔自体はケンシロウも使っているが、そのタイムラグも長くても1分で、
三日という時間差は同系統の秘孔の中でも非常に長いものと言える。
レイがこの秘孔を突かれ、三日後の死ぬ直前のシーンではレイの肩パッドが出血の勢いで弾け飛んだということからも、その壮絶な死の有様が窺い知れる。

原作において「その男"も"秘孔新血愁をついてある!」というセリフが存在したことから、
ラオウは日常的にこの秘孔を使い、自分に歯向かう武道家に恐怖を味わわせてから殺していたことが推測される。
なお、AC版では「しんけしゅう」と言っているが、TVアニメ版では「しんけしゅう」と言っている。

作中において、南斗水鳥拳の伝承者として相当な実力者であるレイが放った南斗聖拳の究極奥義「断己相殺拳」に対し、
その目論みを察したラオウが馬上にて自分のマントを投げ付けて、レイの視界及び全身を覆い、
奥義を封じつつ反撃、レイを片手どころか指一本で一撃の元に下し拳王の力を知らしめた。

しかしながら、結果として人気キャラのレイを噛ませにしており、
「北斗と南斗は表裏一体、互角の拳法」とされる設定を見事にぶち壊した点は否めず、この演出を好ましく思わないファンも少なくないようである。
そのためか、アニメ版ではラオウが「レイは相討ちを狙っている。このままレイを普通に迎撃しても、自分もスライスされる」
とイメージするシーンが追加されており、ある程度アニメの尺を稼ごうとするレイの実力を擁護しようとする考えはあったのかもしれない。

作中では喰らった時には「解除する手立ては無い」とされていたが、
実際にはこれに対応する秘孔がただ一つ存在し、トキの突いた「心霊台」がそれ。
ただし、余命を僅かに延ばすだけで打ち消すことは不可能である。
僅かというのも本当に僅かで、原作ではレイが「心霊台」を突かれた直後にユダマミヤを人質に取り、
そのままレイと対決、その一回の死闘の決着が付いた直後に最期の時が訪れた
その上、南斗水鳥拳伝承者という実力者のレイが、時には痛みのあまり気絶してしまう程の新血愁による身体の痛みが更に数倍になるという副作用がある。
常人ならその苦痛によりその場で発狂して死んでしまうという危険なもの。
実際「心霊台」を突かれたレイはあまりの苦痛に白髪になってしまった。


ちなみに、「頸中」から「下扶突」の秘孔を突くことで新血愁と同じ苦しみを与えられる。
こちらは肉体の損壊はせず死ぬことはなく、解除も可能らしい。
レイを侮辱したダガール(ユダの副官、「おれを利用したのか~!!」の人)を、ケンシロウがこの方法で懲らしめた。

アミバの発見した新秘孔とは別の既知の秘孔ではあるが、およそ二千年もの長い歴史を誇る北斗神拳の中で、
対応する秘孔が僅かな延命効果のある心霊台だけしか存在しないことから、
この先も対応する秘孔が発見される可能性は低いであろうことが予測される。



ゲームでの性能


見た目としては対空投げだが、実際の内部的な処理はオーラガード・アジリティディフェンス含めて、
あらゆるガードが不能・且つ空中判定の相手にのみ当たる打撃判定の技となっている。*1
発生は4F(暗転前4F+暗転後0F)と全体的に出が遅いラオウの技の中では非常に早く、
前述のようにあらゆるガードを無効化してくれるため、
暗転時に範囲内に居ればほぼヒットするという非常に頼れる技となっている。
さらに判定もかなり大きく、ラオウの後頭部付近までカバーしており、めくりに対しても強い。
体が大きく、低ダを絡めた素早い攻めに対応しづらいラオウにとっては「無想陰殺」と併せて守りの生命線となる技で、
オーラゲージが一本あれば相手が不用意に低ダで攻めてこなくなるという、戦略的に非常に重要な意味合いを持っている。
ヒットさせた時の七星ゲージの減少は1。

ラオウの三つある究極奥義のうち、一つはこの技、そしてもう一つが「天将奔烈」、
そして最後の「無想転生」は攻撃技ではなく無想転生を付加する効果であり、
攻撃系究極奥義の天将奔烈の死に技っぷりから、「ラオウの超必」と言ったらこの技を指している場合もそこそこに多い。

威力の方も非常に高く、カウンターヒットなら半分近く持っていける。
サウザーなんかに決めると、マントをぶち当てた時点で体力が2割くらい減っている。聖帝様…。
そしてそこ、「なんで秘孔を突いた時のダメージよりマントで覆った時の方がダメージ大きいのか」とか言わない。
さらに出掛かりから発生後まで続く長い無敵時間もあり、対空技として優秀。*2
アーケードモードのボスとして登場するラオウのボス性能版である「拳王」の場合、
基礎攻撃力補正が掛かっているのに加えてオーラゲージが凄まじい勢いで溜まるため、
高難易度CPUともなると、低ダから崩そうとしても超反応でこの技を繰り出してくる。
難易度補正まで入ると、恐ろしい量の体力が一瞬にして吹き飛んでいく。

ダウン寸前の相手やほぼ真上にいる相手、めくってきた相手にもしっかりヒットするため、
単なる対空やぶっぱなしのみならず、補正であまり減らないがコンボの〆にもよく使われる。
なお、画面端で2CをHSCして新血愁を当てると特殊バウンドが発生し、もう1回新血愁を当てることができる(通称「Wマント」)。

さらに、当てた際の有利も非常に大きくヒットさせれば起き攻めにいったり、
「北斗呑龍呼法」でストックを稼いだり、「無想転生」をつけたり等の強化が主。
また状況によってはここから百烈、そのままバスケに持っていくことも可能。

ちなみに、原作通り「断己相殺拳」はこの技の前には無力である。
厳密に言うと、断己相殺拳の弾はレイが攻撃を食らうと全部消えてしまう。
そして断己相殺拳の発動は遅く、弾の飛行速度も遅いため、飛び上がり見てからシンケツ余裕でしたが可能なのだ。
但し、断己相殺拳はレイが飛び上がってから暗転するまでは完全無敵のため、レイ側が暗転してから新血愁を発動しないと逆に負ける
同様にトキの北斗砕覇拳でも撃墜できる。
無敵が無い空中技は何でも潰せてしまうため、この技で色々な技を潰すシーンが度々コンボムービー等にも収録されている
(実際には持続がかなり短いため、充分に引き付けて出さないと空振りして食らうことになる)。
原作再現&死ななきゃ安い(8:30~11:30あたり)
有志による家庭用北斗を用いての攻撃判定の検証動画

また、『北斗の拳』と開発元が同じ『戦国BASARA X』の信長も、「マントを使用する対空投げ超必」を持っていたりする。
…別に秘孔を突いたりはしないので全然似ていないのだが。


MUGENにおける秘孔新血愁

原作とさほど変わらない。
強いて言えば投げ判定なのでブロッキング系の防御に強いことか。
試合でも「ヒコウシンケッシュー」→「ヌヲォォォォ」(呼法)がよく見られる。

原作ではそれぞれのキャラにマントに絡め取られた時の専用グラが用意されているが、
MUGENにおいてはそうもいかないため、一部のデカキャラでのUNKNOWNたるのなかや、
シシーのカエルビームの檻のような四次元空間現象が起きる。
しかも、MUGENでは相手はうつ伏せのモーションではなく、通常のダウンモーションで喰らうため、
殆どの場合は相手の背中を突く事になり、更に相手のサイズによってはカンチョーにしか見えなかったり…。
相手の胸を突く技ではあるが、上記のような理由もあり、KING一撃と違ってセクハラ技としての扱いはほぼ無い。
まぁ、原作での状況や「ドグシャア」というえげつない効果音を顧れば当然か。

+ ...
あの食い逃げ少女はこの技さえ盗んでいってしまった。
秘孔どころか全てを貫く、その狂性能っぷりは使えば分かる。
なお、目隠しとして使われているマントの演出は無い。


関連項目:無想転生 天将奔烈



*1
そのためか、シンの「ムテキング」は解除できない。
恐らく一応は「オーラガードできない打撃(打撃投げ)」という扱いなのだろう。
実際、サウザーの究極奥義「彷翔十字鳳」をこの技で返そうとすると高確率で相殺する。

*2
地上の相手にも当たり、持続もそこそこあり、カウンターだとコンボの組めるという「強化マント」とも言えなくもないのが「北斗砕覇拳」である。
なのに当のトキは他の技が優秀であまり使われないというからやはり狂ってる。
ただ、秘孔新血愁の方が多少、発生が早く硬直が短い。また、落ちてくる相手の落下速度は一定なので各種バスケルートの始動に一役買っている。
加えて砕覇拳はトキの背中より後には攻撃判定が無く、標準サイズのキャラにめくられるとヒットしないが、新血愁はめくられてもしっかりヒットする。


最終更新:2018年12月11日 10:20