ダーピーフーヴス


ハズブロによるアニメ作品、『マイリトルポニー』の第4シリーズこと、
『My little pony : Friendship is Magic』に登場するモブキャラの一人(一頭)。
英字表記は「Derpy Hooves」。
日本語吹替声優は 内山夕実 女史。

グレーのボディカラーに金髪、キューティーマーク(太腿の部分にあるマーク)は泡。
元々は製作スタッフによって「Ditzy Doo」という名前が付けられていたが、
後述する理由によって、「ダーピー(DerpyまたはDerphy)」という愛称でファンに呼ばれるようになり、公式もそれを半ば公認している。
もちろんダービー(D'arby)ではないし、バービーでもオービーでもない!二度と間違えるな…!
フルネームは「ダーピー・フーブズ(Derpy Hooves)」であるとされることが多い。

主人公トワイライトスパークルを筆頭にMane6と呼ばれる主役級のキャラクターたちとは関係のない、
舞台であるポニービルに住んでいるペガサスの女の子というモブ(背景)キャラクターのひとり。
当然物語にそれほど絡んでくるわけでもなく、背景キャラ以上の扱いを受けることはない筈であったが、
放送された第一話において彼女の目が作画ミスによって両目が別々の方向を向いてしまっていた事によって、
にわかに視聴者からの注目を集め、一気に話題のキャラクターとなった。
(動画:会話するトワイライトとピンキーパイの後ろにいるダーピーの目が左右別の方向を向いてしまっていたシーン)

何故か背景で変顔をしてしまっているというインパクト抜群のデビューを飾ったことで
インターネット上でファンたちによって"Derp顔"のポニーであるということで"ダーピー"という愛称で呼ばれる事になる。
しかし当初は製作陣としてもこれはあくまで一種の作画ミスであり、
特にそのようなポニーとして登場させたわけではなかったため、両目の向きがきちんと揃った普通のポニーとして数度登場していた……のだが。
ネット上では完全に「ダーピー」の状態のほうが有名になってしまい、第15話における一場面で遂に
ピンキーパイが持つ超感覚を調査しようとするトワイライトの頭上に、
花瓶、鉄床、藁数束、そしてピアノなどを引っ越し作業中に落としてしまうDerp顔のポニーとして再登場した。
この時には運送業者のペガサスたちと一緒に登場しており、うっかり配送中の荷物を落としてしまうという、
ドジっ娘……にしてはあまりにも業務上過失致死スレスレのキャラクター付けがなされている。
また、この頃から既に「マフィンが大好物である」というファンによる二次創作設定がかなり広まっており、
こちらに関しても後から公式が拾う形になっている(公式グッズのパッケージに印刷されるなど)。
マフィンに関しては第4話において新作マフィンに群がる(そして食中毒で倒れる)ポニーたちの中に居たというだけなのだが、
その際に彼女の口パクアニメが入っていた「マフィーン!」という音声と一致していた事が、
元でファンの間で妄想想像が拡がり定着したものである。

元々ファンが勝手に愛称で呼んでいただけであることや、爆発的な人気を獲得したとはいえ二次創作ベースであるということから、
本編ではそれほど目立った出番があるわけではなく主に画面の一部に突然現れる、背景を横切っていく、
さり気なく背景に紛れているなど一種のイースターエッグ的な扱いとなっており、
ファンにとってはそれを探すのも視聴の楽しみの一つとして盛り込まれていた。
何故か鶏小屋の中から顔を出している、収穫祭の仮装では何故か紙袋を被っているなど
かなり不思議な行動をしている事が多く、時にはスノーグローブの中に小さなダーピーがいたりとまさに神出鬼没である。

そしてその後、第2シーズン14話(第40話)においてMane6のひとりであるレインボーダッシュにはっきりと「ダーピー」と名前を呼ばれる、
始めて長いセリフを喋る、うっかりお尻でぶつかって村役場を破壊してしまうなど
ドジっ娘&天然っぷりで大いに視聴者の笑いを誘うと共にまさかのファンによる二次設定がまさかの本編採用。
公式が大きなお友達ファンによる愛称を拾ったという点でも大いに話題を呼び、
賛否こそあったもののダーピーという愛称とキャラクター付け自体はその後も概ね継続して登場し続けている。

ファンによるキャラ付けを拾う前から天然キャラでドジを踏むことが多いキャラ付けであったようで、
第14話において「Ditzy Dooが南の鳥を捕まえてくる手はずが間違えて北に言った」「去年は間違えて西に行ったのに懲りてないのか」
という会話が登場しており、毎年恒例の行事で毎年のように間違えて変な方角に行ってしまっていたようである。
各ポニーの得意なことや才能、好きな事を示すキューティーマークは彼女の場合「泡」であり、
これが何を意味しているのか、何の泡なのか、どうして泡のマークなのかは一切謎。
+ "ditzy"
ditzy:ドジな、天然ボケ(主に女性の形容として使われる)
名前にこうしたフレーズが盛り込まれている事から、
スタッフがこの公式ネームを付けた時点で彼女の天然ボケキャラはおおよそ定まっていたようである。
アメリカでは「美人でスタイルも良いが頭の悪い(もしくは極度の天然の)ブロンド女性」がとんでもないことをしてしまう
「ブロンドジョーク」という一連のエスニックジョークがあり、そうした文脈を踏んだうえで、
そうした女性の事を"ditzy blonde"と表現することもある。そういえば、彼女もブロンドヘアーである。

また、上述した運送屋としての仕事による連想などからか郵便配達員であるというファンによる二次設定も存在しており、
コミック版などでも郵便屋配達員としてアップルファミリーに手紙を届けているシーン等が存在する。
こうしたファン人気を汲んでか、コミック版での出番は比較的多めな他、
携帯アプリゲーム版マイリトルポニーではマップ中にランダムで隠れており、見つけると宝石などをくれる隠しキャラ的な扱いとして登場していたりもする。
この様にアニメ本編でフィーチャーされるようになった一方でファンによる人気も相変わらず非常に高く、
ファンアートや二次創作、あるいはファン製作のゲームでの登場率は非常に高く、
本編並みのクオリティを誇る彼女を主人公にしたアニメーションなども製作されていたりする。
「フーブズ(Hooves)」という姓が『ドクター・フー』シリーズに登場する10代目ドクターに特徴が似ているポニーで、
同じくファンによって愛称を付けられたモブポニー「Dr. Hooves」と被っていることから、
彼と何かしらの関係があるポニーであるという二次設定がついたものもある(婚約者である、彼のアシスタントである、家族であるetc)。
そのためドクター・フーシリーズのパロディ二次創作でもドクター・フー本人役で登場する彼に次いで登場率が非常に高い。

前述のようにファンからは絶大な人気を持つキャラクターであるが、元々愛称の元となった"Derp"がインターネットスラングであることや、
斜視、もしくはお馬鹿な顔、転じて知的障害のある人を揶揄するようなニュアンスとして使われることがあることから、
子供向けアニメのキャラクターの名前としてはあまり適切ではないという意見もあり、
配信媒体によっては前述したレインボーダッシュがダーピーの名前を呼ぶシーンではカットや差し替えが行われたり、
公式グッズ等の商品名でも「ダーピー」という名前を意図的に伏せて「スペシャルポニー」と曖昧な表現となっていたりする事もある。
+ "Derp"の経緯
正確に述べれば"Derp"という単語自体に本来中傷や差別的なニュアンスは一切なく、
アニメ『サウスパーク』の原作者が出演した映画において登場した「とんでもなくバカな事をした時」に思わず言ってしまった特に意味のない単語であった。
これが後に『サウスパーク』内で「くだらないギャグを飛ばしながらDerp!Derp!」と騒ぐ登場人物のセリフとして使われたことから、
Derp=くだらないギャグやわざと変な事をしたり変顔をして笑わせる時の掛け声として使われるようになり、
4chanなどの英語圏インターネットコミュニティ上で「DERP」のキャプションとともに写真の人物を変顔にしたコラが流行。
その中でも最も有名になり大量に転載された画像が両目が外を向いたロックマンの画像であったため、
「両目が外を向いているのが"Derp顔"である」という認識が広がり、心情を代弁するとぼけ顔のキャラであるDerpなども登場した。

こうした経緯から単に"Derp"と言った場合でも見る人によって様々なニュアンスとして捉える可能性があり、
場合によっては不快感を与える場合もあるため扱いには注意が必要なフレーズである。

また、ポニーの世界と平行して存在する人間世界を描いた劇場版MLP「Equestria Girls」においても、
ダーピーとそっくりの配色、更に両目が違う方向を向いているというモブキャラが手紙を持って横切っていく、
背景でマフィンを持っているなどして登場している他、スタッフロールにおいてもファンサービスとして登場したりしている。
バンドバトルをテーマとした二作目劇場版MLP「Equestria Girls:RainbowRocks」では友達二人とバンドを結成し、
カウベル、トライアングル、そして自分はミュージックソーというあまりにも前衛的過ぎるバンドを結成して
わずか数秒程度の出番で視聴者の腹筋を大いに崩壊させた
(余談ではあるが、画面右奥にいるのはファンによる二次創作に登場するキャラクター"Fluffle puff"であるという説もある)。



MUGENにおけるダーピーフーヴス

そのあまりの人気っぷりからか、モブキャラクターであるにもかかわらず複数の製作者によって製作されている。
下記では紹介しないが、1055273004氏によるButthenidied氏製作のレインボーダッシュのスプライト換えバージョンや、
AngryNoahs氏によるRockRage8962氏製作のレインボーダッシュのパレット・音声差し替えバージョンも存在している。

+ RockRage8962氏製作
  • RockRage8962氏製作
MLPキャラクター製作に定評のある氏によるダーピー。
基本的なスプライトやシステムは氏製作の他のMLPキャラクターと共通仕様となっている。
本編でのセリフが非常に少ないためか、
このキャラクター専用にBroadway Brittney氏によるものとBloo氏による2種類のボイスパックが存在しており、
好きな方を選べるようになっている。

+ HedgehogMac氏製作:手描きバージョン
  • HedgehogMac氏製作:手描きバージョン
氏による手描き。パンチ、キック、回転攻撃などの必殺技の他に、
何故か革新的な表現やゲーム内容で発売当時ゲーマー、
そしてゲーム業界に衝撃を与えたFPSの元祖とも呼ばれる『DOOM』や『Wolfenstein 3D』をパロディした技が多数搭載されており、
ピストルやガトリングガンなどを取り出して発射したりする。
+ AngryNoahs氏製作
  • AngryNoahs氏製作
上述したレインボーダッシュのパレット・音声差し替えバージョンとは別に氏が新しく製作したダーピー。
スプライトはファンの製作したゲーム『Derpy Delivery』のものと、一部それを改変して使用。
MvC EoHテンプレートに沿って制作されており、ボタン配置や操作はMvCスタイルとなっている。
4種類の必殺技と4種類の超必殺技を搭載。
+ SAYS氏製作
  • SAYS氏製作
RPGツクール用のポニー素材を元に書き足し・改変に加えて一部AngryNoahs氏製作のダーピーから
スプライトを組み合わせて製作されたもの。こちらもEoHテンプレートに沿って製作されている。
完成版として公開されたのは2014年だが、試合続行不能になるバグが幾つか存在する。
必殺技は彼女の大好物であるマフィンを使ったものが中心。

出場大会

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最終更新:2023年07月10日 11:06
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