ガンダムF91




     分類:汎用試作型モビルスーツ
     形式番号:F91
     開発:サナリィ
     所属:地球連邦軍
     全高:15.2m
     本体重量:7.8t
     全備重量:19.9t
     動力:熱核融合炉
     ジェネレーター出力:4250kW
     スラスター総推力:88400kg
     装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材
     主なパイロット:シーブック・アノー、ベルフ・スクレット

「F91、ガンダムは…シーブック・アノーでいきます!」

1991年に公開されたサンライズの劇場用アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場する主役メカ。
同作の主人公、シーブック・アノー(CV: 辻谷耕史 )が搭乗する。
この時代では既に「アムロ・レイとガンダムの伝説」は歴史の中の一コマとなっており、この機体がガンダムと呼ばれるのは、
見た目が昔のガンダムに似ている事からスペースアークのクルーがニックネームとして付けたに過ぎず、
正式名称はあくまで「F91」である。*1


機体概要

地球連邦軍の研究部門であるサナリィの小型MS開発計画「フォーミュラ計画」により建造されたモビルスーツで、
第2次ネオジオン抗争から30年後の宇宙世紀0123にロールアウトしている。*2
+ フォーミュラー計画について
本計画で製造されたMSはフォーミュラシリーズと呼ばれ、小型MSであるという点に加えて下記の分類がなされている。
  • F5シリーズ - AFV(装甲戦闘車両)型*3
  • F6シリーズ - 局地戦用格闘型(コードナンバーのみで廃止)
  • F7シリーズ - 中距離支援機
  • F8シリーズ - 汎用量産機(コードナンバーのみで廃止)
  • F9シリーズ - 高性能試作機
フォーミュラー計画の機体番号は各シリーズの製造順で設定され、F91とはF9シリーズの(0から開始して)2番目の機体を意味する。
このルール上、仮にF99の次の機体が製造されても番号はF100にはならない。
その場合F910、もしくはF9X(ローマ数字で10)などが予想されるが、11機目以上に進んだFシリーズの機体は登場しておらず、実際の所は不明。

ちなみに、F91の前身のF90は「F90II」(F90セカンド、F90の改修型)や「F90X」(F90のX仕様)など、
フォーミュラー計画のナンバリングと混同しそうな機体番号を持つものがあるが、
これらはあくまで「フォーミュラー計画に則って設定された機体番号であるF90」+「改修やミッションパックの種類を示す表示」という形式である。

UC100年代までのMSはザクに代表される第一世代からΞガンダムに代表される第五世代に至るまで世代を経るごとに多機能化、重武装化していき、
戦災復興を為したい連邦政府の思惑と裏腹に、これらが徐々に巨大化していった事で補給、整備における費用面で多大な負担がかかる事が問題視されていた。
「フォーミュラ計画」はその見直しを図った物であり、その結果本機は15.2mとそれまでのMSと比べて大幅に小型化している
(連邦はアナハイム・エレクトロニクスにも小型MSの開発を命じたのだが、上記の多機能化で利潤を得ていた同社は本計画に乗り気ではなく、
 提示したヘビーガンは「小型化しただけのジェガン」と、連邦軍の求める水準に満たなかった)。
このように小型化したMSはそれまでのMSと区別して第二期MSと区分される。*4

また、制御系にバイオセンサーサイコフレームといった、従来のサイコミュ系技術からスピンオフしたシステムであるバイオコンピュータを搭載している。
このシステムは元来障害者用の義肢制御技術として開発された物で、操縦者の意思をダイレクトに機体に伝え、
逆に機体側が得た情報をパイロット側にフィードバックする機能を持つ
(「F91」本編のラストシーンでシーブックが宇宙に投げ出されたセシリーを発見出来たのもこの機能の賜物である)。
このバイオコンピュータは、その構成パーツが有機素材で構成されている故に熱負荷に弱いので、最大稼動時には顔のマスク部分など各部が展開し排熱を行う。
それでも装甲が薄く剥離してしまうといった副作用(MEPE効果とも呼び、これも排熱の作用はある)を免れなかったが、
劇中では「質量を持った残像」として敵を撹乱する効果を発揮した。
後のハリソン・マディン専用量産型F91は、排熱機能の向上やバイオコンピュータの改良により、MEPE効果を起こさずに最大稼働状態になる事が出来る。

(眉唾物の話ではあるが)試作段階のミノフスキードライブが補助的に搭載されていたという話まであるが、
当時の設定制作時の混乱などの事情を鑑みて「ガイア・ギアの頃のワードを間違えて使った」か「ミノフスキーフライトの誤記」説が有力であった。
しかし、近年の媒体では瞬間加速システムとして、ミノフスキードライブが搭載されている可能性も示唆されるようになった。
一説には、F91の試作型ミノフスキードライブ搭載の背景はMSA-0120のメガブーストに対抗するためと言われている。

+ F91の武装一覧
  • バルカン砲
頭部に2門搭載。
  • メガマシンキャノン
胸部に2門搭載、バルカン砲よりも大型で高威力。
  • ビームサーベル
ヴェスバーの所為もあり、背中ではなく左サイドアーマーに2本収納されている。結果的に取り回しが楽になったとも
(そもそも現実世界で剣を背負う理由は腰に下げられない大きさの物を仕方なくなので、
 実体剣ではないビームサーベルを背負う理由はカッコよさ以外に無い)。
作中では手首ごと高速回転させる事でバグを薙ぎ払った。
この使用法はF91独自の機能ではないが(既にプラモ狂四郎や格ゲー版のゲルググが使っている。ただし原作でのゲルググはバトントワリング式)、
印象深い活躍だった事もありゲームの攻撃モーションで再現されている場合がある。
  • ビームライフル
一般的な射撃兵装であるが、機体本体の小型化に合わせビームライフルも性能を維持したまま小型化されている。
  • ビームランチャー
大型高出力のビーム砲。本編では当初は装備していなかったが、最終戦では携行していた。
非使用時は後腰部にマウント出来るが、その状態ではV.S.B.Rを展開するのにランチャーが明らかに邪魔になっている
  • V.S.B.R
「ヴェスバー」と読む。「Variable Speed Beam Rifle(可変速ビームライフル)」の略。バックパックに左右一対2基搭載されている。
可変速の名の通り「メガ粒子ビームの速度と収束率(とそれに伴う威力等の性質)を無段階連続帯域的に自在に調整して使い分ける事が出来る」
という機能があり、低速・低収束状態で威力を重視した場合、最大出力で放てばこの時代の戦艦の主砲にも匹敵する威力になり、
高速・高収束状態で貫通力を高めた場合は、この時代では最先端の防御技術であるビームシールドすら容易く貫通してしまう。
使用時は脇の下から回して構える他、接続したまま角度を変えて背後に撃つという芸当も可能。
高出力の兵器という事もあり、機体本体に接続して直接エネルギー供給を得た状態で使用するのが基本だが、
大容量メガコンデンサ*5を搭載している事から機体から分離した状態でも数発は発射可能である
(この分野においてはSNRIに一日の長がある様で、F91の事実上のコピー機であるアナハイムのRXF-91「シルエットガンダム」や、
 ブッホ・エアロダイナミクスのXM-07G「ビギナ・ゼラ」は本体からの分離機能を持たない)。
が、欠点として「着脱機構を有するせいで他機体の接触程度で脱落喪失するケースが有る」「他形式のヴェスバーに比べ照準がブレやすい」
といった弱点も抱えている。
また、武装としてだけでなくAMBAC肢としての機能も持つ。
  • ビームシールド
メガ粒子ビームを板状に展開した「シールドビーム」を用いる事で盾としたもの。左腕に装備している他、発生器の予備を右サイドアーマーに収納している。
仕組み自体はビームサーベルを広げただけと言う単純なものであるが、ビームの発振量が多いために当然ながらエネルギーの消費も大きい。
そのため、MSが小型化し大幅に軽量化された事で出力に余裕が出来た第二期MS以降になってから、標準的な搭載が可能になった。
なお、F91のものはヴェスバーと同じく大容量メガコンデンサを搭載しているので、腕から外しても短時間ならビームの発振は可能であり、
手裏剣のように投げ付けて使われた事もある
ただし、燃費以外にも「光って目立つ」「電磁波障害が大きい」と言う理由から、第二期MSでも偵察機等では不採用になっている。

劇中ではコスモバビロニアの戦闘部隊クロスボーン・バンガードのサイド4・フロンティアサイドへの襲撃に際し、
地球連邦軍の練習艦スペースアークに収容されていた本機にシーブックが(周囲から半強制的に乗せられる形で)乗り込み応戦。
クロスボーンの最高司令官カロッゾ・ロナの駆るモビルアーマー・ラフレシアとの戦いにて中破するも、これを撃破している。
以後の続編的作品の描写によると、コスモバビロニア紛争においてはシーブックは最後まで本機で戦っていたようである。

+ F91のバリエーション
  • F91バックキャノンタイプ
ヴェスバーが完成しなかった場合を想定して立案されたプラン。
4連ビームガトリングガンと対艦連装ミサイルランチャーを組み合わせたウェポンユニット「バックキャノン」をヴェスバーの代わりに装備しており、
肩アーマー部もミニスラスターやフィンが変更されている。
なお、旧称は「パワードウェポンタイプ」。変更の理由は公式には発表されてはいないが、
「パワードウェポン」ではパワーアップ・強化機体の類と勘違いするためと思われる。
  • F91ツインヴェスバータイプ
ヴェスバーをさらに2基搭載したバージョン。追加されたヴェスバーは肩越しに展開される。また脱着機構はこちらの仕様には無い。
ついでにビームシールドも両腕装備になったとする場合もある(現在は『MG』や『METAL BUILD』で見られるように片腕装備の方が主流)。
これらの装備の増設に伴いジェネレーターも改良され、バックパックが新型になっている。
非使用時の計4基のヴェスバーはH字、もしくは二重のハの字の形で収納される。
  • ガンダムF91RR
ガンダムトライエイジに登場するオリジナルMS。
強化ユニットを組み込み火器(ヴェスバー)やビームシールドが増設されているが、半面機体は当初のコンセプトに反して大型化してしまっている。
詳細は『ガンダムトライエイジ』の項を参照。
  • 量産型F91
その名の通り量産型のF91。『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の舞台である宇宙世紀0133の時点で制式採用されていた。
胸部にV字のマークが追加されている事を除けばオリジナルと同形状である。
いくつかの機能がオミットされているそうだが、一般兵でも扱えるための仕様なので別にデチューンと言うほどでもない。
そもそもオリジナルのF91の時点でバイオコンピューターにリミッターが設けられていて平時は最大稼働状態が抑えられている事もあり、
通常時の性能は量産型でもそれほど違いはないようだ。
宇宙世紀では珍しい、試作機からほぼ性能据え置きでの量産機である。
また、主兵装であるヴェスバーは未だにMSが持つ火器としては最強クラスの存在である。
なお、量産機のカラーリングはゲーム等では白い部分がややクリーム色がかっていたり、試作機では青だった部分がオレンジになっていたり、
またはオリジナルと変化がなかったりと解釈は様々だが、原作ではモノクロだったので正確な所は不明である。
活躍等の詳細は『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の項を参照。

+ F91の関連機体
  • ガンダムF90
MSの小型化を提案したサナリィの作成した初の小型MSでありF9シリーズ最初の機体。
小型化に対してあまりやる気のなかったアナハイム製のMS、フリーダイヤルMSA-0120に対してコンペで圧勝。
小型化MSの有用性を証明して見せた。
技術検証用の実験機としてミッションパックと言う名の多数のオプション装備を換装出来るハードポイントシステムを持ち、
その内のV(ヴェスバー)タイプを基に開発された機体がF91…と一般には言われている。
とはいえF91の開発自体はF90の作成後からスタートしており、
「F90による小型MSの有用性の実証→「現時点でのMSの限界性能の達成」を目的としたF91の開発開始(新世代テストタイプのF90Nタイプがベースらしい)
 →設計段階のF91の装備の先行テストとしてF90用のVタイプオプションを作成→F90Vの運用データも反映してF91の実機完成
 →遅れて開発されたバイオコンピュータを搭載」というのが実際の開発の流れになるらしい。
ちなみにF9シリーズはF91以降も存在するが、シリーズ自体が「高性能実験機」という位置付けのため機体コンセプトも毎回違っており、直接の関連は薄い
(基礎的な技術は引き継いでいるだろうが)。
事実『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の主役機・F97は近接戦特化でヴェスバー等の大火力火器は搭載されていないし、
F99は完全な速度重視(しかも母艦無しで地球から木星に行ける(パイロットの耐久や機体の維持管理などを無視した理論上の話ではあるが))で、
武装は最低限である。
また、この流れでF91映画にも登場したF71は数字に反してF90より新型であり、基本性能もF90より上なんだそうな。
と言うのも、F90S(サポート)の試験データを元に「中距離支援機F7シリーズ」のF70が開発され、
それをアナハイムでOEM生産するためにデチューンしたのがF71だから
(F90はジェネレーターが軌道レーシング衛星用の流用品な上、換装システムの所為でエネルギーロスも多いので、
 基本性能だけならF70より低性能なF71よりも下。
 実際「F90火星独立ジオン軍仕様」は(機体のみを強奪したので、ミッションパックを持ってない事もあり)
 換装システムをオミットしたおかげで機体性能が上がったとされる)。
以下に、F91への関連のあるミッションパックを記載する。
+ ミッションパック
  • Jタイプオプション(Jacket/ジャケット)
重装仕様であり、胸部装甲に搭載されるマシンキャノンがF91の固定武装としてフィードバックされた。

  • Nタイプオプション(Next/ネクスト)
F91のベースになったとされる仕様。
ミッションパック兼航宙戦闘機のハルファイターとドッキングする仕様であり、
合体状態ではサイコミュを用いて機体本体を含めた制御を行い、高い性能を発揮する事ができる。
この機体のサイコミュ制御の技術が、従来のサイコミュの発展型であるバイオコンピューターを用いた機体制御を前提とした、
F91開発の基礎になったと考えられる。

  • Oタイプオプション(Officer/オフィサー)
指揮官仕様として通信機能を強化したバックパックを装備しており、
それに伴いビームサーベルの設置場所を後のF91同様左サイドーアーマーに移している。
また、専用の強化ビームライフルの外観、展開機構がヴェスバーに類似しており、Oタイプの方には可変速機構は無いものの、
高出力ビームライフルとして技術的に何らかの繋がりがあると考えられる。

  • Qタイプオプション(Quick/クイック)
機動力向上仕様であり、全身にバーニア/アポジモーターのユニットが追加されている。
これにより得られた機動性に関する運用データ、特にアポジモーター増設によるデータがF91の開発に大きく貢献したそうだ。

  • Vタイプオプション(V.S.B.R/ヴェスバー)
新型火器試験仕様として、上記のようにF91の装備の先行テストで製作されたミッションパック。
ヴェスバーだけでなくビームシールドの搭載、およびビームサーベルと予備のビームシールドをサイドアーマーに設置と、全体的にF91に近い構成。
ただし、放熱フィンが肩だけでなく脚にも付いている事や、出力等の問題でビームシールドの展開が不安定になる場合があるなど、
F91に比べて完成度は劣る。

後述の『F91』前日譚を描いたSFCゲーム『フォーミュラー戦記0122』では、前半の主役機としてF91にバトンタッチするまで活躍。
なお、ゲームバランス調整上とにかく速攻ヴェスバーで敵機をぶち抜いて全滅させないとヤバいという戦況になる事が極めて多く、
ヴェスバー使用率が跳ね上がっていくため、結果的にVタイプオプションを中心としたF91が完成するのも納得といった流れになっている。
またさらにその前日譚である漫画『機動戦士ガンダムF90』では、オールドタイプのデフ・スタリオンが本機を駆っており、
ニュータイプ神話から脱却した『F91』以後に連なる物語の嚆矢、その象徴的なMSとしての役割を担っている。
そして開発史を描いたUC112の『F90FF』から『鋼鉄の七人』のUC136年に至る二十四年を戦い抜き、
必ずパイロットを生還させる宇宙世紀屈指の名機となった。

  • F90II
F90の改修型(F9-0-2)であり、強奪された後に撃破・回収されたF90火星独立ジオン軍仕様がもとになっている。
その際にロールアウト済み(バイオコンピューターはまだ未搭載)のF91のデータを反映されており、
外観的には頭部アンテナや胸部形状への影響が分かりやすい。
また、F91に先駆けてバイオコンピューターが搭載されている。

  • クラスターガンダム
F90III(F9-0-3)クラスターガンダムはF91の完成後に建造された機体で、
F91の技術がフィードバックされた結果、メガビームバズーカを腰のハードポイントに接続すると簡易ヴェスバーとして使える機能を持っている。
余談ながら、漫画版ではコアブロックシステムを持つF90IIIに対し、
「いつの日か、コアファイターそのものがガンダムと呼ばれる日がくるかもしれないな」という、
後のVガンダム(コアファイターにガンダムの頭が内蔵されている。手足は投げ捨てるもの)の登場を予感させる台詞がある
(メタ的にはVガンダム放映中に掲載された事も一因だろう)。

  • F89
F8シリーズの機体、ではなくはF90のプロトタイプ。
フォーミュラー計画のナンバリングルールから外れているが、これはあくまで現場が独自に付けた社内呼称であり、正式な機体番号ではない
(そもそも社外に発表されていない機体のため正規の機体番号は付けられていない)。
サナリィにはもともと本格的なMS開発経験が無く、小型MS開発の前にまず通常サイズのMS開発を行い技術を蓄積した後、
本命のF90の開発に進んだという経緯がある。
この時点で通常サイズのMSの完成形を目指して製造されており、その結果完成したF89をダウンサイジングする事でF90が開発された。
当時は小型化に際して再現し切れなかった機能もあったが、F91も含めた機体の性能を比較するとF91>F89>F90となっており、
F91製造時点では小型化技術が成熟している事が窺える。
バックパックのみだがF90のように換装機構を備えており、換装パックの中にはヴェスバーの試作タイプであるビーム・キャノンを備えたものもあった。
ただしこれは3発撃つと機体本体ごと機能停止してしまうというとんでもない欠陥品であり、F91の同装備との完成度は比べるべくもない。
『ファステストフォーミュラ』ではF90と並行して運用されたが、ザンスカール戦争以降を描いた『クロスボーンガンダムDUST』では、
技術レベルの衰退という状況下で、流出した純正パーツを苦心してかき集めたり足りない部分はジャンク品で補う等して二機が建造。
うち一機が同作の主人公機であるアンカーとして改修された。

  • Gキャノン
F71の型式番号を持つ機体。
F90の項に記載されているようにアナハイムでOEM生産されたため、一部の技術が合法的にアナハイムへと伝わっている。
バリエーションにヴェスバー装着型が存在しており、肩の上に張り出す形(ガンタンクの主砲のような感じ)でヴェスバーが装備されている。
当機はヴェスバー取り付け位置の確認程度の運用試験にのみ使用されており(そのため装備しているヴェスバーも低出力の非実戦的なもの)、
肩上の装備では重心が上に偏る事から、F91のヴェスバー取り付けは背面-脇下に展開という形式に決定された。

  • シルエットガンダム
コンペでサナリィのF90に惨敗したアナハイムが失地回復のために極秘に行った「シルエットフォーミュラプロジェクト」において、
サナリィから合法(F71のOEM生産時)、非合法(連邦軍が態と漏らしたとも)を問わず、
パクったF91(正確にはF90Vやバックキャノンタイプの様な開発初期の物)のデータを基に、技術検証用として作成されたアナハイム版F91と言うべき機体。
なので計画名が「フォーミュラの影(=模倣)計画」、型番もRXF91とまんまである。
本物のF91と比べると、バイオコンピュータやヴェスバーのメガコンデンサなど解析し切れていない点もある一方で、
アナハイム独自の技術も組み込まれており、総合的には互角と主張している。
ただし、あくまでも技術検証用で実戦を想定していない機体のため、継戦能力に関してはF91よりも低い。
後に試験運用中に偶発的な戦闘で損傷し、修復を兼ねて改修されてシルエットガンダム改となった。
ヴェスバーも新型になり火力が向上した他、スラスターも追加されて機動性強化の機能を持たされている。

  • ビギナ・ゼラ
アナハイムとの裏取引によって、さらにブッホ・コンツェルン(クロスボーン・バンガード)側へ流れたF91の技術を基に、
ヴェスバーを搭載したビギナ系の機体。
ヴェスバーにはシルエットガンダム同様脱着機構は無いが、
下記のビギナ・ギナIIの「フレキシブルウィングノズル」の仕様を盛り込んだサブスラスター類の増設や、
センサーを増設した事での照準精度が向上など、総合性能はサナリィ純正のヴェスバーを凌ぐとされている。

  • ビギナ・ギナII
ビギナ・ゼラと同じく*6、ブッホ・エアロダイナミクスがAE経由で入手したF91の技術を用いて作成された機体。
頭部形状や肩部フィンなど、外観的にもF91との共通項がある。
ただし、F91のデータを盗用した機体としては珍しく本機にはヴェスバーは搭載されていない。
背部に搭載されているフレキシブルウィングノズルの形状が似ているため誤解される事もあるが、これは純粋なスラスターユニットである。

+ パイロット、シーブック・アノーについて

「逃げ回りゃ、死にはしない」

コロニー「フロンティアIV」のフロンティア総合学園工業学科に通う普通の高校生であったが、
宇宙世紀0123年3月16日のクロスボーン・バンガードによる襲撃に遭遇し、友人達と共に避難した先のコロニー「フロンティア」において、
練習艦スペース・アークで整備されていたモビルスーツ、ガンダムF91のパイロットとなり、クロスボーン・バンガードと戦う事になる。

母親のモニカ・アノーはサナリィに所属するバイオコンピューターの研究者であった。
仕事人間のモニカは家に帰らず、父親のレズリー・アノーは金属工学の権威だったが、家族の傍に居るために溶接工の仕事をしている。
シーブックと妹リィズは、母親に対してわだかまりがあるが、リィズが母親から教わっていたあやとりの技がF91起動の鍵となった。

若さ故の失敗や脆さを見せる事もあり、MS戦による火花を「宇宙を乱す物の怪」と表現するなど、感受性の鋭さを思わせる台詞も随所にあった。
優れた素養を持つニュータイプである事は、歴代のガンダムパイロットと変わりなく、
人手不足からやむを得ず搭乗する事になったF91での初陣で、3機のMS撃墜という大きな戦果を挙げる。

スペース・アーク内ではクルーにニュータイプパイロットとして期待され、戦闘を重ねる内やや自信過剰となったシーブックは、
独断専行でクロスボーン・バンガードに連れ去られたセシリーを助けようと「フロンティアIV」に潜入。この際父親のレズリーを死なせてしまう。
この時は深く悲しんだが、すぐに立ち直り、その後の戦闘中に再会したセシリーを説得し、母親とも和解して、自分とセシリーがニュータイプなら、
自分達が道しるべになってスペースアークを救ってみせると言うなど、精神的な逞しさを見せた。
なお、これらの経緯を見ると分かると思われるが、父親と不仲ではなく、母親とも無事和解するという、
両親とすれ違う程度なら普通、父親が愛人作ってたり別に不仲でなくても死に別れたり(あるいはそれ相応の悲惨な目に遭う)
本人も気付かぬ間に毒親の操り人形にされてたりとっくに行方不明だとか死に別れたりしていて描写さえなかったり
本当に酷い例だと洗脳されて自分で両親を殺しているガンダム主人公の中では、
(父を不慮で亡くしてしまいはしたが)両親に恵まれた異例の人物だといえる。
なおガンダム以外の富野作品の主人公も家庭環境に関しては荒れている場合がしばしばあり
ここまで恵まれているのは『リーンの翼』のエイサップ・鈴木くらいのものである
(『Gのレコンギスタ』のベルリも現環境に関してはかなり恵まれているが、過去はハードなものであった)。
一方富野監督以外の宇宙世紀ガンダムだとこの辺に関して取り沙汰される事は殆どない。主人公が正規軍人の場合が多いせいだろうか

母親のモニカがF91のバイオコンピューターを設計しただけあって機体との相性が良く、
ごく短期間でF91に順応し、カロッゾの駆るMAラフレシアとの戦闘では、F91の限界稼動を引き出す程の操縦技術を発揮。
「質量を持った残像」でラフレシアを撹乱、撃破に成功する。
そして、その戦闘で宇宙空間に投げ出されたセシリーを、F91のバイオコンピューターで感応力を高めて感知し、見事救って見せた。

以降のコスモ・バビロニア建国戦争期の行動、戦果などの詳細については不明であるが、
後の作品によると、レジスタンスのエースパイロットとして活躍したようであり、宇宙世紀0133年の時点で歴史の教科書にその名が登場している。

「でも、ニュータイプって、人類の革新、新たな進化だっていう説もありますよね。
 だったら、僕達がきっかけになって、人類全部がニュータイプになる方法を考えるのも悪くないんじゃないですか」

+ そして、UC133年

「おれはそんなベラの力になると決めた。それが独善でも偽善でも、おれには関係ない!
 たとえ自分のしていることで地獄に落ちようとも──おれは彼女を守り続ける! それだけだ!」

その後の消息については、『F91』の10年後の物語として語られている。
空白の10年について作品として語られてはいないが、宇宙世紀0128年のバビロニア・バンガードの事故で、
公式にはクラスメイトのセシリー・フェアチャイルド共々死亡した事になっている
この事故の真相は、彼らを危険視していた木星帝国のテロのようである。

これによりセシリーは、再びベラ・ロナとして宇宙海賊クロスボーン・バンガードを興し、木星帝国の脅威に対し立ち向かう決意を固めるが、
シーブックも共にクロスボーン・ガンダムX1を駆り、木星帝国と戦っている。
その際、シーブック・アノーは公的に死んだ事になっていた事から、彼も「キンケドゥ・ナウ」と名乗る事となる。
しかし、実際にはセシリーが「ベラ・ロナ」に戻った事から、それに付き合うために名乗ったというのが真相だったようである。
ちなみにキンケドゥ・ナウには「今だけの戯れ」という意味があり、真相の理由の一つとなっている。

MS戦ではX1の特性を活かした戦法や奇策などを使い、木星帝国や地球連邦の優秀なパイロット達を打ち破っていった。
しかし、木星帝国へ寝返ったザビーネ・シャルに敗北して瀕死の重傷を負い(この時にコックピットをビームサーベルで貫かれ、右腕を失った)、
大気圏に機体ごと突き落とされるもビームシールドを用いて突入に成功すると、海上を漂流しながらも生還するという「奇跡」を引き起こしている。
その後、失った右腕をエピテーゼ手術で取り戻してパイロットとしても復活を遂げ、ザビーネと決着を付ける。
紛争終結後はトビアに機体を譲り渡してセシリーと共に再び本名へ戻り、揃って姿を消した。

「おかえりなさい…シーブック」
「……おかえり、セシリー」

『F91』から続いた彼らの物語は、紆余曲折を経てここで完結した。
後日談の『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』ではセシリーと結婚して1児の親となり、パン屋を営んでいる事が判明する。

その後、『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』では、再建された木星帝国による「神の雷計画」阻止のため、
トビアが助力を請おうと訪問に向かったが、パン屋としての評判も上々に第二子を得て平和に暮らす姿を見た彼は、会わずに去る。
このため、「神の雷計画」はもとより木星帝国の再来も知らないまま終わった*7
本格的な登場こそしなかったものの、その生き様はトビアへと受け継がれ、物語は『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』へと続いていく。

その『ゴースト』でもわずかに登場。既に50歳近い立派な中年のはずだが、見た目はそれほど変わっていない
(メタ的には読者がすぐにシーブックだと認識できる必要があったため)。
ザンスカール戦争の影響でパン屋を休業して避難所暮らしだが、それでも時折パン屋に戻って避難民のためにパンを焼いて生活している。
パイロットとしての腕も衰えておらず、既に型落ち気味のクロスボーン・ガンダムX0で数に勝るベスパとも渡り合った。
戦いに怯えて逃げ出してきた主人公・フォントに助言したり、
ヒロイン・ベルにパン作りを教えたりあと皆察してたけど明言されてなかったカーティスの正体をぶっちゃけたりと、
登場シーンは少ないながらも印象的な活躍を残した。
最後にはカーティス=トビアに、「シーブックではなくキンケドゥから」としてパンを届けるように頼み、
フォントを見送る所で彼の物語は本当に幕を閉じる。

ちなみに、ゲーム作品で声を演じるのは当然の事ながらシーブックと同じく辻谷耕史氏なのだが、
氏はキンケドゥがシーブックの成長した姿だと知らず、『SDガンダム GGENERATION-F』の収録現場で初めて知らされたらしい。
そのため、「知っていたら、もっと役作り出来たのに」と自分の演技に不満があったようである。

(wikipediaより抜粋、一部改稿)
このように安定した人物なのでシー(見る)ブック(本)を捩ってファンから「見本」と俗称されることもある。

+ 『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』
劇場版の1年前を描いたゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では物語終盤に登場。
主人公のベルフ・スクレットが兄弟機であるF90から引き続いて搭乗し、
ジオン公国軍残党の流れを汲むテロ組織オールズモビル(とそれを操っていたC.V.)の討伐を果たした。
この時点ではバイオコンピュータが搭載されていない(従来既存の教育型コンピュータ搭載だったと言われている)未完成機状態であり、
戦闘終結後にフロンティアサイドに搬入、バイオコンピュータを搭載され劇場版に続く事になる。

本作品はゲームシステム上と原作再現のためか、友軍が非常に頼りない存在であり、
ゲーム開始からクリアまでに主人公一人で(F90での戦果を含め)敵機の大半を倒す事になる。
エンディングでF90及びF91の引渡しが行われる際、これで未完成品という事を聞き、
実際に乗り回し(ゲーム上仕方ないが)規格外なスコアを叩き出している主人公自ら「どんなバケモノになっちまうんだ?」と本機の事を語っていた。

一応友軍に関して擁護すると、本作で鎧袖一触される立場のジェガンは初配備から既に30年経過しているロートル機なのに対し
敵として出て来た「RFシリーズ」は外見こそザク等を模しているものの、
性能的にはかつてのジェガンのライバル機ギラ・ドーガより更に一回り上の機体である。
勿論ジェガンも長い年月の中で適宜改修が加えられ、オールズモビル討伐軍には優秀なパイロットも多数配属されていた
(実際漫画版F90ではRFシリーズと互角に戦っていた)が、そこはオールズモビル側の執念と言うべきか。
…とはいえ、それらRFシリーズさえ第二期MSであるF90、F91の二機に無双されてしまうあたり、技術の進歩恐るべしと言った所であろうか…。

+ 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』
劇場版から10年後の宇宙世紀0133を舞台にした漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』ではF91の量産機が登場する。
この時代においてF91を最も知り尽くしているパイロットであろうキンケドゥ・ナウ曰く、機動性と白兵戦ではクロスボーンガンダム(F97)に分があるが、
火力と射撃戦ではF91が上回っており総合性能では互角。「当代最強」と言われた性能は10年を経ても未だ色褪せていない事が分かる。
…が、そのキンケドゥによってF91部隊は単機で壊滅させられてしまった。
彼の言を借りるならば「マシンの性能が良くても、パイロットが性能を引き出せなければ!」という事なのだろう。

事実、その直後に接敵した「青い閃光」の異名を持つ連邦側のエース、ハリソン・マディン大尉を相手にした際は、
辛うじて勝利こそ収めたものの、ビームシールドを二枚とも失うという損害を受けている。
なお、ハリソンは終盤の決戦時に再登場し、キンケドゥ達クロスボーン・バンガードと共闘している。
彼のF91は青地にイエローのラインというパーソナルカラーで塗られており、シーブック機とはまた違う印象を与える機体となっている。
『クロスボーン・ガンダム』のその後を描いた短編集『スカルハート』においてもハリソン共々再登場。
本作からパーソナルカラーが青と白のツートンカラーに変わった。
主人公であるトビア達クロスボーン・バンガードとは要所要所で交錯し、時に敵として相まみえ、時に共闘するという奇妙な関係になる。
さらに続編である『鋼鉄の7人』にも引き続き登場。
事情を汲んだハリソンによって「調子が悪いような気がするので置いていく」という口実の元貸し出され、
ハリソンの元教官であり先代・青い閃光のミノル・スズキの乗機となった。

木星決戦においては量産化の際にオミットされていた機能を復活させ、オリジナルのF91と同様の性能となって参戦。
こちらはミノルの部下であり、F99のテストパイロットを務めていたミッチェル・ドレック・ナーが搭乗した。
最終決戦では作中最大の強敵に対して最大稼働状態を引き出す事で機動力で圧倒し、
ヴェスバーすら防ぐIフィールドの死角を突いて致命打を叩き込む事に成功している。

尤も撃ち込んだ時点でパイロットも限界だったらしく、相手パイロットが生身ではなかった事もあってか、
相手に反撃を受けてしまい相打ちに終わるという結果になっているものの、ラスボス機の片割れを実質的に撃破するという大金星を挙げている。

+ 『ガンダムビルドファイターズ』
ガンプラで戦うアニメ『ガンダムビルドファイターズ』では、22話にて「ガンダムF91イマジン」というガンプラとして登場。
他の世界大会決勝進出ガンプラが原型を留めないような大幅な改造を施されているものも多い中、
見た目は赤を中心としたカラーリングが施されているだけシンプルなもの。
が、その実態は最大稼働モードの変形排熱ギミック完全再現(実際のHGガンプラでは差し替え&未再現)、
その副次効果であるMEPEも再現(実際にガンプラを動かして戦う本作のガンプラバトルの性質上、実際にバトル毎に塗装が剥がれている可能性大)、
更にフェイスオープン後の口腔部分にビーム砲を追加(前述の通り本来ここにあるのは放熱機構であり「原作を知っているほど騙される」初見殺しである)と、
細かい部分が作り込まれた、正に「化物」である。

操縦者は「最もメイジンに近い男」と呼ばれた青年ジュリアン・マッケンジー。
世界大会準決勝にて因縁ある三代目メイジン・カワグチが駆るアメイジングエクシアと、
「MEPE対トランザム」という分身対決を披露、三年のブランクを感じさせない技量でメイジンと互角の勝負を演じた。

また、11話ではガンダムF91ハリソン・マディン専用機も登場している。
メイジン・カワグチのケンプファーアメイジングにあっさり倒されてしまったため、どのような改造が施されていたかは不明。

+ SDガンダム
SDガンダム最盛期に最新のガンダムだったため、コンパチヒーローシリーズ含め多くの作品で活躍している。
『SDガンダム外伝 円卓の騎士』では「灼騎士(バーンナイト)ガンダムF91」として登場。
後に新生円卓の騎士の一人になった際に、「灼熱騎士(バーニングナイト)ガンダムF91」としてパワーアップする。
円卓の騎士メンバーの中でもかなり優遇されており、FC版では登場時に特別なデモが存在し、
次回作『聖機兵物語』では第1章の主人公を務め、再登場時に「幻影騎士(シルエットナイト)ガンダムRXF91」になる。
RXFはパチモンで弱体化じゃないかって?SDガンダムではよくある事
携帯アプリ版では、「黄金騎士の兜を打ち直した幻影の兜をアムロから授かる事で幻影騎士となる」という流れなので、パワーアップも妥当なのだろう。
また、「もしF91がガンレックスに乗り続けたら」というIFの存在として、
「紅の真聖機兵ガンレックス」と新たな強化形態「灼熱卿(バーニングロード)F91」も存在する。
携帯アプリ版ではスペリオルドラゴンの要請で灼熱卿が魂の半分を捧げる事で、動けなくなったガンレックスを紅の真聖機兵として蘇らせた。
因みにパイロットのシーブックも『聖機兵物語』に登場する。

『SD戦国伝 地上最強編』の第二章で「武者衛府弓銃壱(ムシャエフキュウジュウイチ)」として登場。
名前の通り剣術だけでなく弓・銃の扱いは天下一品と言われる。
大蛇飛駆塞虫(オロチビグザム)を倒し、最終章で他の章の主役と合流し、大光帝を復活させている。
次回作『伝説の大将軍編』で武者修行により剣術とトンファーなどの拳法を組み合わせた全く新しい格闘技「剣勢拳」を編み出し、
烈光の鎧を得て「烈光頑駄無」と名を改め、さらに新世大将軍となり、その後の大将軍家の祖となった。
二作続けて主人公を務めた唯一の武者である。

戦国伝で武者が登場する前に、『超戦士ガンダム野郎』にてBB戦士F91を改造した千生将軍が登場し、こちらも多数のバリエーションを持つ。
本編との関連は不明確だが、後に戦国伝で作中人物から「千生将軍と似ている」と言われる武者が登場するので、戦国伝には二人のF91がいるようだ。
レッドウォーリアと似たような境遇であるが、実際F91版レッドウォーリア「RF91」や、レッドウォーリア版千生将軍「赤鯱将軍」も登場している。
BB戦士では千生大将軍が100、衛府弓銃壱が101で同時期に発売している。

三国志をモデルにした『BB戦士三国伝』においては生姜姜維ガンダムの演者となっている。
当初は機駕(魏がモデル)の武将であったが、闇に支配され誇りを失う機駕を見限り翔(蜀がモデル)に付く。
闇との戦いが終わったあとは正常化した機駕に復帰し、蚩尤に飲み込まれていた司馬炎ザクを養子に引き取っている。
コミックワールドでは、彼が陳寿に『三国伝』を編纂するよう提案する場面で幕を閉じる。

一頭身のシリーズ『タマロイド 超Cガンダム』でも「きゅ~いち」として主人公を務めた。
通常形態では角が一対でヴェスバーやフィンもないが、覚醒するとF91準拠になり、
連載が進むに連れて、フェイスオープンやハイパー超C族などの更なる進化を遂げていく。
尚、最終形態ではヴェスバーのデザインがRXF91準拠になる。SDのRXF91は何故F91の強化版扱いなのか…。

+ 外部出演
+ ヒーロー戦記
ヒーロー戦記』では、同作の発売が劇場版公開の翌年であったためか最後に仲間になるという大盤振る舞い。
最初は中盤あたりに訪れる市の工場で展示されているが、工場の襲撃事件の際にシーブックの手で守られており、後にパイロットとなって仲間になる。
加入当初はレベルも低く戦力にならない(意図しない限りこの状態で戦う事はない)が、
一旦離脱後、ラスダン前にやたらとレベルが上がって再加入する。
というか普通に進めた状態のメイン3人より強い。それでもラスダンの雑魚敵には苦労するのだが……。
F91自身の能力は素早さが高いが、バルカン以外の全体攻撃を持っておらず、雑魚敵の殲滅に苦労するという3人いるガンダムキャラでも珍しいタイプ。

普通に進めて行けば彼が最後の4人目枠となるのだが、隠し要素としてある条件を満たすと、
ラスダンの途中でサイバスターorグランゾンのどちらかを仲間にする事が出来る。
だが、彼らを仲間にした後はF91に戻す事は出来ない。加えてどっちも加入時にはレベルが99になっているため、
即戦力の面で見れば彼らの方がよっぽど優秀。ついでに機体性能的にも負けている。
何より、『OG』シリーズでの描写を見る限り、この作品でラスボスとサイバスターが戦っている事が正史となっていると言っても良いため、
この事実を知った後で進める場合、大抵サイバスターに変えられて最後まで参加出来ないという悲劇が起こる。F91は泣いて良い。

+ 『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』
ロールプレイングゲームである『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』にはアムロの初期搭乗機として登場しているが、
冒頭のイベント戦闘でランバ・ラル隊のグフザクに撃墜され、しばらく使用不能になってしまう。
本来のパイロットであるシーブックは中盤に登場し、F91も終盤で使用可能になる。
ただし、シーブックはRX-78、νガンダム、F91の3種類で乗り換え可能なため、選択されない事も……。
ボンボンの漫画版などでもアムロが搭乗していたため、一部では「F91=アムロの機体」という認識の人もいるらしい。]
こちらではイベント戦の前の戦いで被弾しており、
急遽撤退が決まったので整備が不完全なまま出撃したために性能がかなり落ちていたと説明されている。

+ 『バーサスヒーロー 格闘王への道』
格闘ゲームとしてはコンパチヒーローシリーズのGBゲーム『バーサスヒーロー 格闘王への道』に出演。格闘スタイル相撲
…小型軽量のF91とは対極じゃないかって?騎士ガンダムが空手やっててウルトラマンタロウが忍者のゲームですから。

+ 『SDガンダム Gジェネレーション』
初代から登場している常連機の一体。
機体性能が比較的高く、適正はCながらも空を飛べる、ヴェスバーで範囲は狭いがMAP攻撃可能と非常に高い汎用性を持つ。
そしてテンションシステムが導入された『ZERO』から超強気状態になる事で、最大稼動モードが発動するようになる。
最大稼動モードになると武装が変更されるのだが、最大の特徴はビームライフルが4連射になる事。
威力はそのままで4連射なため、単純に4倍の火力。そこに超強気のダメージ上昇補正+100%クリティカルが合わさるのである。
ビームコーティングやIフィールドなどの対ビームアビリティを持たない機体では、全弾喰らえばばただでは済まない。
この特徴を持つため、『ZERO』や『F』では最強機体の一つとして挙げられるほどの高性能っぷりであった。
…が、原作で分身して撃破したラフレシアには、Iフィールドがあるのでビームライフル4連射が全く通用しないという、とんでもない穴があったりする。
ラフレシアは懐ががら空きなので、一応ビームサーベルが最適解となる。
そのためにはラフレシアの(サイコミュ兵器持ちなので)長い射程を掻い潜り、
さらにはマップ兵器でバグを飛ばされるのを覚悟しなくてはならないが…。
『SPIRITS』以降は最大稼動時にビームライフルの威力が減少するようになったが、代わりにヴェスバーが通常武装としても使用可能になっている。
ヴェスバーはダメージは半減してしまうものの、Iフィールドなどを貫けるため
(また、クリティカルの仕様変化で半減はあるがビームライフル×4でIフィールドを貫ける)、
以前は苦手としていた相手ともある程度渡り合えるようになった。
『OVERWOLD』では最大稼動モードを失うものの、最大稼動モードを再現した「M.E.P.E」が武装として追加。
アビリティにダメージを左右されにくい特殊攻撃であるため、ますます相手を選ばず戦えるようになっている。

なお、『Gジェネ』だと量産型F91は限られた作品にしか出てこない、あるいは出てもハリソン専用機だけという事が多いので、
量産型が出ない作品でクロスボーンのシナリオを再現すると…オリジナルのF91が大挙として出現、
こちらの戦力はX1とバタラ数機だけという恐ろしい事になる。

ぶっちゃけ、ハリソン機を倒せばイベントが進むのでハリソン機狙いにすればいいのだが、
原作を再現しようとF91部隊全滅を目指す場合、直線上に立つとMAP兵器が飛んでくるので相当キツイ。
マシンにマップ兵器があればパイロットが性能を引き出せなくてもどうにでもなった
ちなみにこの展開になる『F』では、この戦闘でのキンケドゥの台詞が全部対ハリソン用に集約されたため、
ハリソンがキンケドゥから「マシンが良くてもパイロットが性能を引き出せなければ」と言われる。ひでぇ。
しかしハリソン機はマップ兵器がなく、最大稼働形態もないのでむしろマシンが悪い
『DS』ではクロスボーン枠で参戦。宇宙世紀ルート、平成ガンダムルート共に中盤で出てくる(スペシャルゲームでは本編中にトビアが参戦する)。
登場以後は本編ストーリーでは会話ぐらいしか出番がないが、
宇宙世紀ルートの逆襲のシャア編、平成ガンダムルートのエンドレスワルツ編をクリアするとクロスボーンルートが始まる
(アナザールートでは本編終了後にクロスボーンルートが始まるが宇宙・平成の両方とは少しだけストーリーが異なる)
ストーリーの内容は原作のダイジェスト版といった感じ。そのためクロスボーン組はザビーネを除いていつの間にか仲良くなっている。
まあオリジナルストーリーありの『Gジェネ』では良くある事
機体はX1、X2、X3が出演。この内1と2はクロスボーンルートで改になり、X3はクロスボーンルートで参入(いずれもスペシャルでは本編中)する。
いずれの機体も一線級の働きをする。X2は原作通り裏切るので改造などはしなくていい
F91と量産型F91は改造で手に入れるか、フリーバトルで鹵獲するかで入手可能。
中々の働きをするが、ファンネルありの機体よりは弱いため、図鑑コンプリート目的以外ではわざわざ作る理由がない。

+ 『スーパーロボット大戦』
『スーパーロボット大戦』では当時の最新のガンダムであった事も手伝い、ゲームボーイの第1作の時点で早速参戦している。
宇宙世紀の時系列的にもVガンダム等に次ぐ新しい機体というのもあって、基本扱いは良く、
シリーズを通して、ニュータイプ能力を必要としない強力な武器であるヴェスバーと、分身回避能力を持つMSとして地
位を確立している。
原作での飛行能力は再現されない事が多いが、これは飛んでいたのが地球上ではなく、
重力の少ないコロニー内のみだった事もあってと思われる。

『第2次』では乗り換えられてしまう1stガンダムを除けば唯一、主役級MSでは遠隔武器を獲得しない(基本同作では隣接しないと攻撃できない)ものの、
唯一(なぜかこれもであるが)一定確率で被ダメージを減らすシールド防御が可能となっており、
「遠隔攻撃無効」を持ち隣接攻撃しか受け付けない終盤のボス戦要員もこなす事ができる。
また『EX』ではヴェスバーがなぜかビーム兵器扱いではなかったため、ビーム吸収持ちの敵に対しても無力化されずに戦う事が出来た。
NT用のサイコミュ兵器を搭載していないため、ガトー等強いオールドタイプパイロットを活躍させるのにももってこい。
なお、本来のパイロットであるシーブックは貴重なニュータイプであるため、ファンネル搭載機に乗せられる事が多かった。

『COMPACT2』からは、原作でのラフレシア戦のバイオコンピュータフル稼働による攻撃を再現した「MEPE攻撃」が実装。
(なおこの『COMPACT2』の時点では「分身ビームバズーカ」という名称だった。使っていたのはバズーカではなくランチャーなので誤りである)。
『第2次α』以降はこれにニュータイプ能力が必要になったので、シーブックをそのままか他のNT勢を乗せておくのが無難という事になった。

『α』シリーズでは一作目から参戦。『α外伝』でこそ欠席したが、『第2次α』にて続編の『クロスボーン・ガンダム』も参戦したため、
量産型F91も登場しており、MEPE攻撃こそ使えないものの分身はあるので、非NTパイロットを乗せる分には十分活躍させられる。
敵としても出てくるのだが、分身もヴェスバーも使用には一定の気力が必要。大抵の場合、使用条件を満たす前に落とされるので、
まさしく「マシンが良くてもパイロットが性能を引き出せなければ!」状態だった……。
オリジナルのF91もキンケドゥが序盤で使用する……のだが、F91当時と違い『クロスボーン』の彼は格闘型パイロット。
原作通りクロスボーン・ガンダムX1の方が相性が良く、主人公であるトビアも格闘型なので(原作通り)鹵獲したベズ・バタラの方が相性が良い。
おまけに乗り換えた後は特に存在に触れられないため、プレイヤー次第では存在を忘れられ倉庫で眠っている事もしばしば。
他の主役ガンダムに見劣りしない高性能機なので、νガンダムの受領が遅いアムロに回すなど利用価値はあるのだが……。

余談だが、『α』から『第2次α』への移行に際してシーブックが『クロスボーン』版(キンケドゥ)になっているため、
例によって「ちょっと見ない間に老けた」と言われる。
安彦絵から長谷川絵になった事で逆に童顔化した感もあるが

なお、『第3次α』では『クロスボーン』未参戦の煽りを受けて量産型F91は戦場から姿を消している。
代わりに大量生産されたのが贔屓目に見ても平凡なストライクダガーだったので、
仕方がないとは言え納得のいかないプレイヤーもいたのではないだろうか。せめて105ダガーにしてくれれば
+ こういう考察もある
同作では秘密裏に木星をブラックホール爆弾にする計画が進められていたので、
その結果産出元が木星であった核融合炉の燃料になるヘリウム3(ヘリウムの同位体)が使えなくなることが危惧され、
バッテリー駆動によるMS開発に移行していった…という考察もある。
(なおヘリウム3は一応月面でも採取可能なので、主人公部隊程度のMSなら賄えるレベルかもしれない)

『第2次α』を最後に長らく従来のスパロボ作品に参戦していなかったが、
Mobageで配信されていたソーシャルゲーム『スーパーロボット大戦Card Chronicle』では、
ELSが地球に接近している最中にクロスボーン・バンガードが地球に対して宣戦布告」という無茶苦茶な状態から始まり、
クロスボーン・バンガードが『リーンの翼』のホウジョウ軍と手を組んだり、バグでELSを虐殺したりと、
原作を超える無茶苦茶っぷりにザビーネ達は呆れて離反し自軍に合流、という展開。
なお『クロスボーン・ガンダム』は参戦しなかったが、『破邪大星ダンガイオー』の敵勢力バンカーと相対した際に、
宇宙海賊に興味を持ったシーブックにザビーネが「もしそうなったら私がお前を撃つからな」と忠告するというネタがある。
いや、お前も一緒に宇宙海賊になるんだよ?


そして、初代のHDリメイク版にも勿論参戦。そこには、基本的な人格は劇場版のシーブックだが、
キンケドゥやボンボン版のシーブックの台詞を使いこなすF91がいた。なんてカオス。

『V』では久しぶりの『クロスボーン・ガンダム』参戦に伴って、原作終了後のキンケドゥと共に量産型F91が参戦。
ちなみに、本作でのキンケドゥ達はアムロ達他の宇宙世紀勢とは良く似た歴史を辿った別世界の住人として登場する。
つまりここでもオフィシャルではございませぬ扱いキンケドゥ達の世界でのアムロとガンダムの伝説は、100年前の出来事となっている。
そのためF91という名称も「91年ぶりに新造されたガンダム」という意味合いに変わっている。
分身は無くなったが、ヴェスバーに「反撃で選択すると必ずカウンター(SRWでは先制攻撃の意味)になる」という特性が持たされ、
反撃戦法に心強い機体となった。
本作も格闘型のキンケドゥとF91の相性は悪い…と思いきや、今度の彼は射撃値も十分高い上成長も万能型で、
さらに移動を攻撃後に回せる技能「ヒット&アウェイ」をデフォルト所持と、遠距離射撃メインの量産型F91を十分使いこなせるようになった。
原作終了後だから「シーブックに戻っていた」というべきだろうか?
途中でフルクロスとは別にクロスボーンX1改が加入し(シナリオ上はフルクロスの方を別個に作っている)、
量産型F91から改造が引き継がれるため、安心してキンケドゥを量産型F91に乗せてあげよう。
肝心の量産型F91がいまいちパッとしないので、Ξガンダムとかを海賊らしく頂いていくキンケドゥがそこかしこで発生したが
…と思ってたらこの引き継ぎの際に何故かヴェスバー等の主力武器だけながら強化され、
同じくヴェスバーが強化されるカスタムボーナスも含めると、他のガンダム主役機と比べても遜色ない程度の火力が出せるようになる。
というかキンケドゥに返却後のX1改と同等な上、燃費もそこそこ悪くないので十分なくらい使える機体である。
ヴェスバーのカウンター特性がカミーユやジェ…某隠しパイロットのエースボーナスと高相性なので、
キンケドゥが他のMSを持っていくそばで彼らに持ってかれる可能性も

また、DLCでは連邦軍の名もなき兵士が量産型F91で奮闘する姿が描かれている。
ちなみにこの連邦兵、グラフィック(とパイロットデータ)は『逆襲のシャア』準拠なのだが、
出身は『クロスボーン』と同じ世界扱いになっている初参戦作品『宇宙戦艦ヤマト2199』の火星という、
三重にクロスオーバーされたキャラになっている。
その為『ヤマト2199』の火星出身者の特徴である赤い瞳の色を自分で言うのだが、正直目が小さくてわからん
なお、本作ではこちらも初参戦の『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞‎‎』から、
「ピレスロイド」というビルギットだけを殺す機械バグに酷似した対人用殺戮兵器が登場するのだが、
残念ながらキンケドゥで戦えるマップは存在しない。

『X』では久しぶりに『F91』名義でコンシューマ作品に登場。
グラフィックやアニメーションは量産型から描き直されている他、
同作発売時点でのバイオセンサーやサイコフレーム等に準じた「バイオコンピュータ」…ではなく「リミッター解除」によるパワーアップが導入された。
本作ではシーブックとセシリーがピレスロイドと対面する他、鉄仮面がバグの代用としてピレスロイドをけしかけて来る。
なお、ヴェスバーが反撃で必ずカウンターになるのが便利すぎたからか、
同作のF91の場合はカスタムボーナスで付与に変更された。…それでも十分と言えば十分だが。

『T』ではいい機体だな、トビア!と言わんばかりにX1改・改にキンケドゥがデフォルトで乗っており
(そもそも元々はキンケドゥの機体だが)、代わりにトビアが量産型F91に乗って登場する。
キンケドゥはデフォルト習得スキルが「ヒット&アウェイ」から移動力がプラスされる「ダッシュ」に差し代わり
(ちなみに今回の設定ではシーブックに戻らずのキンケドゥのまま)、『V』に比べ相性が若干低下。
火力面でも『V』のような強化イベントがないため他の同格クラスのMSに追い付かれ
(特に同じ遠距離武器が最強のガンダムMk-IIに至っては追い抜かれる)、とやや不憫な扱いに。
その分もう一機追加で手に入るのだが。おかげで乗る機体が余ってないガンダムチームの内二人のデフォルト機に

『X』発売後の2018年10月、残念な事にシーブック(キンケドゥ)役の辻谷耕史氏が急逝されたが、
翌年の『T』にてキンケドゥとして登場に際し再び新録台詞が追加されている。
心して聴こう。氏の最後のシーブック(キンケドゥ)を。

戦闘デモ
『第2次α』版
『IMPACT』版
『X』版

+ 『ガンダムVS.』シリーズ
『ガンダムVS.ガンダム』より登場。コストは中堅の2000。
ビームライフルとビームランチャー、及びビームサーベルを使う通常モードと、
主にヴェスバーを用いた砲撃戦が得意なヴェスバーモードという2つのモードを切り替えつつ戦う高機動型の万能機といった所。
MEPEも搭載しており、発動すると各種攻撃がキャンセル可能になったり、
相手の誘導補正を切る効果を発揮するのだが、発動中は被ダメージ2倍という重大なリスクもある。
小型で喰らい判定が小さく、足を止めずに撃てる射撃も多く隙が少ないが、その分バランス調整で耐久力が低い
低耐久力、換装、MEPEによりどちらかというと上級者向け機体とされる。
モビルアシストはビルギットが乗ったヘビーガン。
出現後、移動しながらビームライフルで攻撃してくれるのだが、命中率が低いためにダメアシスト扱いされている。
一時期は「敵のアシストを優先して狙っているのでは?」とも言われていたが、別にそうではないらしい。
ちなみに、アシスト出撃直後にアシストと味方が撃墜されると、
「ビルギット!」(アシスト召喚台詞)「迂闊だ、出すぎだ!」(味方被撃墜台詞)という原作再現が出来るが特に意味は無い。
だが、本作におけるF91の評価といえば、「偽援軍」が有名か。
これは、特に味方CPU機としてF91が出現する時に呼ばれる蔑称で、本作のCPUは攻撃の誘導補正が切れると「回避に成功した」と判断するため、
回避行動が疎かになってしまい、結果的に被弾する傾向にある。
よって、「開幕MEPE発動→被弾→被ダメ2倍&低耐久のため即瀕死→撃墜・再出撃→以下ループ」
という悪夢の連鎖が成り立ってしまい、次々に戦力を消費していくのだ。下手をすれば低コスト機よりも仕事をしない。
しかもF91は味方として出現する事が比較的多いため、プレイヤーの印象に強く残ってしまったのであった

次回作の『NEXT』では、MEPEが「開幕はゲージ0で始まり、試合中徐々に増加。一定時間後から使用可能になる」という風に変更されたため、
偽援軍の汚名挽回返上した。特に強くもないが
機体性能がバランス良く、プレイヤーの技量が反映される要素もあり、良機体と呼ばれる事が多い。

『EXTREME VS.』からは換装が無くなり武装が一本化された。
万能機、低耐久力、喰らい判定の小ささ、豊富な射撃、切り札MEPE(被弾時ダメージ1.5倍)といった点は大体同じ。
大きな変更点は、『NEXT』では最高コスト3000を含めた全機体の中でも上位争いをする高速機体だったが、
MEPEで機動力が上昇するようになった所為か、通常時の速度は初代ガンダム並の鈍速機になった。
あとビームの色が何故か今までの黄色(原作準拠)から緑(ガンプラカラー)に変更された
アシスト系武装として「ビギナ・ギナ 呼出」が追加された。

『EXTREME VS. FULL BOOST』で追加されたバーストアタック(超必殺技)は「武装切替攻撃」。
激しく動き回りながら射撃武器による連続射撃を叩き込み、最後にVSBR通常撃ちで〆。
アップデートにより取りこぼしが少なくなり、誘導切りも追加され、バーストアタックの中では安定してダメージを取りやすい技となっている。
そしてFULLBOOST内での評価は、二種に分かれて更に協力になった覚醒をローリスクで逃げれるMEPEや
コスト2000内では上位の射撃コンボに時間差でクロスが取りやすいビギナギナのアシストなど持っているもの自体は強力だが、
ビギナギナは撃ち切りリロード無しであったり。高速撃ち抜き武装や置き武装を持っていないF91は、
W0やリボーンズの待ちに対する牽制にはなり得ず時間がたつとビギナギナが切れたりと息切れを起こすため、
最終的には中堅下位に位置する評価となった。

『EXTREME VS. マキシブースト』にも継続参戦。
基本は同じであるが、『FULLBOOST』までとは違い機動力が上方修正され、通常時から比較的速めの機体となった。
機体の大きさと合わさって、キャンセルによる回避などのテクニックは無いものの、生存力は大幅に向上している。
また、ビギナギナがリロードするようになったため中盤や終盤の息切れも問題無くなったが、
最大の追い風はドライブの追加であった。
F91自身のドライブでの攻めはそこまで強力ではないが、「MEPE」によって3000のドライブでの攻めをローリスクでさばく事が出来たため、
F91以上にドライブ耐性のあるブリッツガンダムには一歩劣るもののコスト2000内で上位争いをする高評価になった。

『EXTREME VS. マキシブーストON』においては、
前作よりも全体の耐久が引き下げられた煽りを受けて、2000では破格だった射撃火力が全体的に下げられてしまった。
しかし前作で評価の低かった機体の火力は据え置きだったため、F91の火力での優位を奪われるだけとなってしまい、
また前作の覚醒とドライブがマイルドになって一体化した事に加え、E覚醒の追加によりF91でなくても覚醒を避ける手段が増えたため、
回避手段だけではなく継続的な回避と攻めの両立を低コストに求められるようになってしまい、
『マキシブースト』とは打って変わってシステムと環境に合わず、評価も中堅下位か下層の上位という低評価となった。

+ 『ガンダムトライエイジ』
トレーディングカードアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ』では「ビルドMS 8弾」から参戦。
パーフェクトレアと「U.C.コレクション」キャンペーンで登場。
パーフェクトレア版は低めのHPと歴代トップクラスのスピードという、F91らしいステータスを持つ。
アビリティは必殺技使用時に発動し、追加入力に成功すると強力な必殺技を放つ「M.E.P.E.」。初登場だが、効果は変身やEXAMと同じ。
キャンペーンカード版はパーフェクトレア版と比べるとスピードは劣るものの、それでも十分速い部類に入る。
アタックが高いのは共通な上に、「U.C.コレクション」でチームを組めばスピードの底上げも可能になっているため、こちらもこちらで強力な一枚。
アビリティは先攻時に防御効果を無視した攻撃を行い、さらに1対1だとダメージが増加する「闘気」。
必殺技は「ファステスト・ヴェスバー」。
ビームランチャーを2回撃った後後方宙返りをし、ヴェスバーを構えて撃つ。
M.E.P.E.の入力に成功したときは最大稼働モードを起動し、残像を出しながら敵を3回斬った後にヴェスバーを構えて放つ。
ゴッドガンダムなどと違い、上位技と変身演出技が別に用意されている。ゴッドらはどうしてこうならなかったのか。
何気にノーマルカードの時点で上位技と変身演出技が使用可能な、トライエイジ史上でも珍しい一枚だったりする。

パイロットのシーブック・アノーも同時参戦。こちらもパーフェクトレア。
突出したアタック上昇値と高レベルアタックバーストを持つパワーファイターだが、他の能力も決して低くないのがミソ。
HPがある程度減らされると能力アップが出来る「覚醒(ニュータイプ)」も発動可能。
パイロットスキルは地上ではスピードを30%増加、宇宙ではGパワー+2と必殺技コスト-1、と一粒で二度美味しいものになっている。
どちらも強力だが、水中・森林・砂漠ではスキルなしと同じなのが弱点。

また、同弾ではシークレットカードとしてクロスボーン・ガンダムX1(とX2)が参戦した事に伴い、
裏シークレット扱いのマスターレアとしてキンケドゥ・ナウも登場。
何故かキンケドゥもF91の専用機パイロットに設定されている。その逆もまた然り
(なお、ファーストのアムロとCCAのアムロ、ハサウェイとマフティーなど、同一人物だと専用機が共通になるのはいつもの事である。
 流石にシャア(キャスバル)とクワトロまでは行き届いていなかったが……)。
こちらはスピードが下がった分、アタック上昇値に磨きをかけている攻撃特化型のパイロットになっている。
その割に高レベルスピードバーストを持つため、スピードの遅さをある程度補う事も可能。
こちらも「覚醒(ニュータイプ)」が発動可能だったりする。
パイロットスキルはアタッカータイプのMSに搭乗すると攻撃時にクリティカルが確定する強力なもの。

更に、同弾ではオリジナルMSとして「ガンダムF91RR」が参戦。RRは「ダブルアール」と読む。
ビルドミッションの最終ボスとして登場。撃破する事でビルドモビルスーツとして使用可能になる。
+ 機体設定
小型MSのガンダムF91に、新開発のグローアップ・ユニットを組み込んだ総合重装仕様。
両手両足にヴェスバーと大型ビーム・シールドが追加され、肩関節部には白兵戦にも対応可能なヴェスバー・サーベルを新たに備えている。
いわゆる増加装甲(フルアーマー)ではなく、四肢の末端や関節部に対する根本的な機能付加という方向性は、
機体の体格を従来の大型規格へと再び引き戻す本末転倒なものであったが、
これは機体小型化への変革を良しとしない一部の連邦高官達の意向が強く働いたとされる。

(『ガンダムトライエイジ』公式HPより引用)
デザインはトライゼータやゴッドマスターと同じ大河原邦男氏。
F91に「グローアップ・ユニット」を装備した全身ヴェスバーとも言うべき総合重装仕様となっており、
その結果、小型軽量がウリだったはずのF91がデカくなってしまっている。素のF91と並べると嫌でもそのデカさが際立つ。
アビリティはラウンド開始前に攻撃しダメージを与えると同時にアタックを減少させる「超狙撃」。
チューンアップを重ねる事で先攻時スピード差に応じてダメージがアップする「突撃」、HPが0になると一度だけ撃墜を回避する「不沈」も選択出来る。
必殺技は「MEPE・RRコンビネーション」。
ヴェスバー・サーベルユニットを両手にトンファーの様に持ち、MEPEを発動して高速移動しながら敵を数度殴って突き飛ばし、
最後に全身のヴェスバーを一斉射撃する。
こちらも専用機パイロットはシーブックとキンケドゥが設定されている。

「ビルドG 2弾」ではカード化され、パーフェクトレアで登場。
アタックがやや高めのバランスの取れた能力値を持つ扱いやすい一枚。
アビリティはカードを動かしてロックオンした敵に残HPに応じた割合ダメージを与える「無双」。

更に更に、敵専用機体としてガンダムF91(ハリソン専用機)も参戦している。
こちらは期間限定配信のスペシャルミッションでのみ登場。
必殺技は「ブルー・フラッシュ」。
基本的な演出はファステスト・ヴェスバーと同じ。

前述のスペシャルミッションは、実は「ビルドモビルスーツ選抜戦」として配信されたものであり、
一定期間内における全国での撃破数が多かった機体が、後日ビルドモビルスーツとして使用可能になる仕掛けになっていた。
が、競合相手であるクロスボーン・ガンダムX2の撃破数に届かず惜しくも敗退。プレイヤー機体化は胡蝶の夢と消えてしまった……。
とはいえ、同じ境遇のプロトタイプガンダムや、ジム(ゴールドコーティング仕様)が条件付とはいえ復活している事を踏まえると、
案外再登場する日は遠くない…のかもしれない。

その後、「ビルドG 6弾」で「ガンダムF91(ハリソン・マディン専用機)」としてカード化されマスターレアで登場。
スピード重視のステータスと先攻時に防御効果を無視した攻撃を行うアビリティ「速烈」を持つ。
専用機パイロットとしてハリソン・マディンもレアで登場。
スピード重視のステータスと高レベルスピードバーストを持ち、先攻時に敵のディフェンスバーストを封印するスキルを持つ。

+ これでゲームオーバーだ ド外道ーッ!!!
コミックボンボンで連載された井上大助氏による漫画版では、真面目なシーブックが戦闘中に軽口を叩いたりする、
スーパーロボット物にいそうな熱血漢となっていた。
他のキャラも大筋での展開は同じだが、ノリが軽くなっていたり、九州弁を口走ったり、ワイルドになっていたりと、
岡崎優氏版ガンダムや、岩村俊哉氏版Vガンダムと並んで語り草となっている。
特にラフレシアのテンタクラーロッドを○ンポ○ユリ」呼ばわりしたりとか

増刊号に掲載された岩村俊哉氏による『機動戦士ガンダム シルエット・フォーミュラ フォーミュラ91の亡霊』では、
メガビームバズーカ2丁を腰のハードポイントに繋げて撃つF90IIIのシルエットがヴェスバーを構えたF91に似ている事で、
主人公を追撃していた部隊デス・ガンズが、「ザビーネが言っていたF91か」と口走ったのを聞いて、
追跡の途上でその通信を傍受したクロスボーンバンガードの増援部隊が「F91は大破したはずだ」、「(F91の)亡霊か…!」と慌て動揺する場面がある。
映画本編から24時間+α後と言う設定の話なので、ラフレシアとの戦いで大破しているという認識なのだろう。
つまりタイトルの「F91の亡霊」とはF90IIIの事である。
デス・ガンズが敗れると追撃部隊が撤退したのも、F91の強力さが轟いていた証であろう。
色々と変な漫画だが、F90IIIのプラモの説明書にも(あらすじのみだが)同じ内容が掲載されている
(F90やシルエットフォーミュラはプラモ先行の作品なのでプラモの説明書が公式設定と言える)。


MUGENにおけるガンダムF91

『スクライド』のカズマなどを製作した天田志朗氏のものが公開されている。
同氏のヘビーアームズなどと比べて、設定通り小さめにサイジングされている。
時間経過で回復する専用のスラスターゲージが存在し、これを消費してホバリングやダッシュ(空中版は上下方向も)が可能といった点は、
GBAの格闘ゲーム『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に近い。スプライトの改変元も同ゲームと思われる。
ヴェスバーは単発射撃の通常版と連射する1ゲージ版があり、
通常版はタメ撃ちにより弾速や威力が変化する仕様。最後までタメるか1ゲージ版なら例の台詞も聞ける。
また2ゲージ技としてバイオコンピュータフル稼働のMEPE状態への変形が可能。発動中はスラスター使用で残像が出るようになり、
攻撃モーションが専用のものに変化。どっかで見たようなのもあるが気にするな!この作者には前例もあるし
高速で飛び回りつつラッシュをかけられるようになる他、残像にAIの狙いやホーミングを誤認させ本体のダメージを肩代わりする効果も。
スラスターゲージが0になると終了となるため、終了間際に専用超必をぶっ放すのが有効か。
2Pカラーは『クロスボーン』に登場した量産型のハリソン機カラーになり、
MEPE発動中に残像が出なくなる代わりに発動時間が長くなるといった差異が出る。
7Pカラーは敗北すると次ラウンドで常時MEPE、11Pカラーは常時MEPE、12Pカラーは常時MEPEに加えて常時スラスターモード。

STG氏による改変版も公開されている。氏のキャラの例に漏れず狂ランク全般となっている。


「こいつは……強力すぎる……!」

出場大会



*1
……が、F91の兄弟機である「F90」は旧ホワイトベースのクルーであるジョブ・ジョンが開発に関わっており、
テストパイロットを始めとした開発スタッフからも「ガンダム」と認識されている。
また商売敵であるアナハイムも「あの機体をガンダムと呼んで欲しくない」と言いだす始末。
ガンダムの商標権や意匠権は連邦軍のものであってアナハイムの物じゃないはずだが…(そしてサナリィは連邦軍の下部組織)
そしてリアル20年も後に始まったサナリィsage目的の後付け設定では、サナリィ上層部による、
「ガンダムなんて商売敵の私兵組織(エゥーゴ)や一年戦争時代の愚連隊(ホワイトベース)の象徴のMSの名称やデザイン意匠なんて使うな」
というお達しを開発陣が意図的に無視したものとされており、
ジョブ・ジョンを開発責任者に据えてそれは無いんじゃないか?てか今の設定だと一年戦争時代でもガンダム8号機なんてあるのに今更?
当時そういう話が出なかったのは「サナリィに都合の悪い内容を削除改竄していたから」とされた。
やっている事がアナハイムと同じであり、要は宇宙世紀お約束の「どっちもどっち」設定である
ついでにF90とMSA-120の性能に大差は無く、コンペの結果はパイロットの差によるものだともされた。

富野監督が原作として参加している続編扱いの『クロスボーン・ガンダム』では、「監督の指示」と枠外に記されながら主人公トビアの同級生が、
「目が二つあって角が生えてりゃマスコミがみんなガンダムにしちまうのさ!」とぶっちゃけてしまい、
更にその続編の『鋼鉄の七人』では、SNRIの最新鋭機「F99レコードブレイカー」に対し、
「連邦に売る時は角を付けてガンダムって事にして売る」と更に酷い事を言っている
(言い換えると、サナリィ上層部がどう思おうと「連邦に売るにはガンダムである方が有利」だと言ってしまっている)。
なお、件の発言をしたF99の開発スタッフの名は「オーティス」であり
部下にミノフスキードライブの開発者「ミューラ」がいる
……後の「ビクトリータイプ」がガンダムに酷似している理由がなんとなく見えてくるが、
ただし『鋼鉄の七人』に富野監督は関わっていないので、これを真相と言って良いのかは不明である。

*2
資料によっては宇宙世紀0116の時点でハードウェアとしては完成しているが、
インターフェイスであるバイオコンピューターの開発が難航して未完成のままであった、とする説もあり、
これは後述されるフォーミュラー戦記0122でのエピソードと合わせての追加設定である可能性がある。

*3
本シリーズは『機動戦士ガンダムUC』に登場するD-50Cロト(勇者ではない。まぁ元ネタは同じだろうが)が始まりとされており、
特殊部隊向けの兵員輸送車としての側面を持つ。
多くの人員を輸送する為に全高も装甲も必要最低限のものに抑えられているものの、
独自開発した小型核融合炉の搭載により、ザクII並の出力を確保する事が出来た上、(破壊工作主体だが)ビーム兵器の運用も可能としている。
F91本編に登場する「ガンタンクR44」もこの区分だが、
R44は「戦争博物館館長のロイが44歳時に入手」と言う意味で付けたものであって正式なコードナンバーではない。
原型機のナンバーは「F50D」とされている。

*4
メタ的には「プラモが大型化(=高額化)して子供が買い辛くなっていたから」というスポンサー側の思惑である。
しかし、小型化した結果それまでの主力製品であった1/144サイズでは満足する精度が出せず、
商品の主力が1/100スケールに移るという結果を産んでしまい、逆に「主力商品がより高額化する」という本末転倒の結果になってしまった。
その反省から、『Vガンダム』以後の所謂「平成アナザー」である『G』『W』『X』では16m~17m台と少しサイズアップし、
『∀』以降は18~20m級の大型MSが主流に戻っている。

*5
「メガコンデンサ」はメガ粒子そのものを貯留する物で、E-CAPの上位機構。

*6
形式番号はXM-07Bの為、こちらの方が設計、開発はG型のビギナ・ゼラより早い可能性が高い。

*7
メタ的な話をすると、
『F91』の原作者である富野監督がシナリオを描いていた無印クロボンとは違い、『鋼鉄の七人』は作画担当だった長谷川氏単独作品であったため、
原作キャラであるシーブックを勝手に殺すわけにもいかず、かと言ってそれを読者に気取られたら戦闘に緊張感が無くなる、
と言う理由から参戦させない事にしたのである。
言い換えれば、無印クロボンが長谷氏単独作品だったらサビーネの扱いも良くなっていた(もしくは最初から登場しなかった)のかもしれない。


最終更新:2024年04月09日 20:33