パゴス


1966年の特撮作品『ウルトラQ』に登場する怪獣。別名「地底怪獣」。
地底を掘り進んで自由に移動し、食物であるウランのある所に現れる。
口からは分子構造破壊光線を吐くことが可能で、この分子構造破壊光線は人間の眼には金色の虹のように見える。
劇中で語られた設定によると原始生物の1種で、北京郊外に出現しウラン貯蔵庫を襲ったことも数年前にあったようである。
原子力発電所を襲い、発電所付近の産業都市を破壊し暴れ回ったが、
頭上でネオニュートロンミサイルを爆発させられ、ネオニュートロン液によって粉々に砕け散って風化し倒された。
動きは素早くはないが、ゆっくりとして重量感と巨大感があり、
土を跳ね飛ばしながら大地を割って出現するシーンも特撮ファンからは迫力満点と評価されている。

着ぐるみは東宝映画の怪獣バラゴンの改造で、
バラゴン→パゴス→ネロンガマグラーガボラという着ぐるみ改造の過程の一体である。
後の『ウルトラマン』にも脚本段階では「パゴス反撃指令」というタイトルで出現予定があったが、
パゴスの着ぐるみが既にネロンガへと改造されていたため、
その着ぐるみをさらに改造したガボラが代わりに登場する「電光石火作戦」へと話が変更されている。

余談だが、パゴスの登場する18話「虹の卵」には第1話「ゴメスを倒せ!」に登場したゴメスが再登場する予定だったが、
ゴメスの着ぐるみが既に東宝へ返却されゴジラへと復元されていたため、パゴスに変更された。

また、『ウルトラマンマックス』への再登場が考えられていた怪獣の1体でもあった。
第29話で登場予定だったのだが、パゴスの話を描いた当時の脚本家が故人となっていたため、
29話の脚本を担当した小中千昭氏の「本人の了解も得られぬまま登場させるのは申し訳ない」という判断によって、
バラゴンの身体を持つオリジナルの怪獣がデザイナーに依頼され、ネロンガそっくりの怪獣・ゲロンガが登場することになった。

+ 『Q』以外での活躍
2019年の『ウルトラマンタイガ』で『ウルトラQ』以来53年ぶりに登場。初めてウルトラマンとの戦闘を見せる。
普段は四足歩行だが、戦闘時には二本足で立ち上がることもあり、状況に応じて二つの姿勢を使い分けながら戦っている。
また、本作では分子構造破壊光線の他に背中から頭部にかけての突起を順に発光させた後、ドリル状に収縮した光線を放つ能力が新たに描写された。
しかし監督のtwitterによれば本来はゴモラの超振動波と同様、あくまでも攻撃ではなく地中を掘削するための能力らしい。

劇中では主にウルトラマンタイタスと戦い、彼に「マッスルマッスルスーパーマッスル」と言いながら殴られたり、
両足で首を挟まれながらマッスルポーズを決められたりと翻弄されていたが、なおタイタス本人は真面目に戦っているつもりである
新技であるドリルビームで彼の不意を付き、タイタスは回避しきれず、脚を負傷し交代を余儀なくされる
(ちなみに足だけでなく背後のビルまで貫いている)。
その後交代したウルトラマンフーマにドリルビームの隙を付かれ、腹部を切り裂かれて涙を流しながら石化して死亡した。

とある事件の原因と間違われて倒されてしまったが、実際は真犯人に生活圏を追われて地上に飛び出しただけであり、
パゴスもまた被害者の一人に過ぎなかった。
そのため倒された直後に出現したギマイラが真犯人だったと分かった後には、主人公達からも同情と哀悼の意を表されている。

なお戦闘面では事実上のギマイラの前哨戦だったわけだが、それまで毒などの搦め手以外で碌にダメージを受けたことが無く、
パゴス自身の攻撃も全く通用しなかった程頑丈なタイタスにドリルビーム一発でまともなダメージを与え、
交代せざるを得ない状況に持ち込むという大金星を上げていたりする。
その直後に行われたギマイラ初戦でも、このタイタスの負傷が戦闘に響くこととなった。

ちなみに着ぐるみは既存怪獣の改造ではなく新造されたものであり、
パゴスと同じく元はバラゴンから改造され、現在は新規の着ぐるみも作られているネロンガとの同時登場を期待する視聴者もいるとか。

『ウルトラマンZ』でも第18話「2020年の再挑戦」で登場。
突如桐元市郊外の地底から出現したが、ストレイジの特空機と交戦中に突然姿を消してしまった。
実は、パゴスは同時刻に活動していたケムール人の消去エネルギー源で人間を電送する際に発生する電磁波の影響で地上に現れてしまっただけであり、
ケムール人に計画の邪魔として拉致した人間同様に消されたのであった。
ケムール人が倒されると同時に他の拐われた人達共々地上に戻ったが、
パゴス自身は何が起こったか理解しておらず、怯えて混乱しながら地中に逃亡した。
こちらの個体も特に害意は無く、状況が状況だけに討伐されることも無かった。

第23話「悪夢へのプレリュード」でも登場。ただし、HPによれば第18話とは別の個体らしい。
特空機4号「ウルトロイドゼロ」の起動実験の影響で目覚めた怪獣の一体であり、
ウルトロイドゼロに搭載されている「大量破壊兵器D4レイ」を本能的に自分達及び地球の脅威と見なし、
同様の理由で出現したデマーガ、ゴメスと共に興奮状態で破壊を試みようとしたが、
最終的にD4レイの攻撃を受けて3体まとめて消し飛ばされてしまった。
これまで人間達が徒党を組んで自分達の脅威となる怪獣に立ち向かうのがシリーズのセオリーだったが、
同回はその構図をひっくり返した、「人類(の兵器)が怪獣に脅威と見なされた」皮肉な展開となっている。

『ウルトラマントリガー』では第24話にてメガロゾーアにより世界各地のエタニティコアが暴走し、
地球が危機に瀕していることを本能的に悟り避難する怪獣の中にパゴスが確認できる。
『ウルトラマントリガーエピソードZ』では新生GUTS-SELECTと戦ったが上記の個体と同一かは不明。
また、直接の続編である『ウルトラマンデッカー』でも巨大地下空洞に生息する怪獣の1匹として登場。
人間の超臨界メタル採掘を縄張りへの侵攻と見なし、地上で暴れ回った。


パゴス、放射性物質を捕食

放射性物質捕食禍威獣と改名

映画『シン・ウルトラマン』では冒頭にて「放射性物質捕食禍威獣パゴス」として登場。
元は「地底禍威獣」とカテゴライズされていたが上記の習性により修正されたらしい。
CG班の負担を抑えるために、原典でスーツを使い回したのと同じくガボラのモデリングを流用することが決まっており、
デザインはオリジナルとは大幅に異なる、「ヒレが無くツノが1本のガボラ」のように大胆にアレンジされている(通称「シン・パゴス」)。
ガボラと同じく放射性物質を捕食して放射性物質を含んだ光線を放出する能力があり、
禍特対の指揮によって原典と同様に身体を風化させられて駆除されるが、
放射能汚染で甚大な被害を出して政府や禍特対にトラウマを植え付けており、
後のガボラ出現時の際にも名前が挙げられている。


MUGENにおけるパゴス

muu氏が製作したパゴスが存在する。公開日は2014年2月8日。
ワンダースワンソフト『ウルトラマン 光の国の使者』のネロンガドットを改変して作られている。

四足歩行の怪獣で屈んだような姿勢なので身長が低く、打点の高い攻撃が当てにくいので相性が出やすい。
また常時体力が自動回復するが、理不尽な勢いでもなく一般キャラでも削り切ることは可能だろう。
パゴスというと重量感があり動きが鈍いイメージがあるかもしれないが、
このMUGENキャラはジャンプ力があり、後述の地中移動でかなり素早く動き回ることが可能で、
むしろ素早いキャラと言える性能になっている。怪獣ファンならバラゴンに近いと言えばイメージが伝わるかも。

技は少な目だが、尻尾攻撃や噛みつき、角攻撃といった技が搭載されており、しゃがみ、ジャンプ攻撃ともに揃っている。
必殺技の地中移動は、地底に潜って相手の攻撃を回避しつつ相手の後ろに回り込んだり距離を取れる便利な技である。
他にも超必殺技として1ゲージ消費で口から遠くまで届く光線を吐く分子構造破壊光線が搭載されている。
威力は3割程度だが発生が早めで、使い勝手がいい。

ここまでの特徴と技構成は同作者のガボラに似ている(ただしモーションやリーチ、威力などが大きく異なる)が、
通常攻撃の1つである角突進がジャンプして相手に飛び掛かる移動技になっていること、
必殺技の1つが相手に目がけて放物線を描きながら飛んでいく岩石を飛ばす岩石攻撃になっていること、
ガボラにはできないパワー溜めができることなどの点で、ガボラとは性質が異なっている。
操作するときにはこれらの技を活かしてガボラとの違いを見せてやるといいだろう。
またガボラとは違い、ガード中の削りダメージは普通に受けるのでそこにも注意。

AIもデフォルトで搭載されており、大体一般キャラ寄りと言える性能。
ただし背の低さから打点の高い攻撃を当てにくく相性が出やすい、
無敵のある地中移動と体力自動回復があるため相性次第で勝負が長引いてグダることがある、
体力自動回復が動画的には一般キャラに見えにくいなど、
AI戦で普通の格ゲーキャラと戦わせる場合には動画映えのする試合にならないこともあるので注意が必要。
かといって凶キャラなどと戦えるような壊れた性能ではないので運用が難しいだろう。
性能が噛み合うキャラとは普通の試合になるので、うまく相手を選んで戦わせたい。
プレイヤー操作で戦う分には、ガボラに比べて火力などがマイルドで戦いやすい面もあるので、
腕に覚えがあるなら挑戦してみるのもいいかもしれない。

出場大会

出演ストーリー

ネクサスまてぃっく(EX4話に登場)


最終更新:2023年05月20日 20:35