仮面ライダーZO






 ■スペック
 身長:193cm
 体重:83kg
 ジャンプ力:130m

「みんな一生懸命生きてる…愛し合いながら」

「これを壊しちゃいけない」

+ 担当俳優・声優
土門廣
『ZO』『仮面ライダーワールド』
小原雅人
『ライダージェネレーション』シリーズ

1993年に「東映スーパーヒーローフェア」で公開された映画『仮面ライダーZO』の主人公。『ZX』でも『ジオウ』でもない。
昭和から数えて14号にあたる仮面ライダーで(公式でBLACKRXを別にカウントしている為)、
『RX』から平成ライダーシリーズまでの間に発表された平成ライダーの始祖とも言える、
通称「ネオライダー」と呼称される仮面ライダーの一人(公式では昭和ライダーに分類)。
名前はシリーズ20周年記念作品である*1ことから「20」に見立てた「ZO」で、「Z」は究極、「O」は原点と言う意味も込めており、
仮面ライダーBLACK』や前作『真・仮面ライダー 序章』と別の意味で原点回帰を目指したライダーである。

変身するのは麻生勝(あそう まさる)1968年2月7日生まれ26歳
ただし劇場版の劇中では尺の都合で、一度も名前で呼ばれていない(カットされたシーンでは望月博士の父・清吉に名を呼ばれている)。
演じたのは翌年に東映のメタルヒーローシリーズ『ブルースワット』で主役の一人であるシグを演じた土門廣氏。
スーツアクターは『仮面ライダーBLACK』以降、本作の次作『仮面ライダーJ』まで主役ライダーを演じた岡元次郎氏。

勝はかつて、臨床遺伝子工学の権威である望月博士の助手を務めていたが、博士は完全な生命体『ネオ生命体』を生み出すことに固執。
徐々に狂気に駆られていった博士により、勝はネオ生命体第1号被験者として強引にバッタの遺伝子を組み込む改造手術を施されてしまった。
手術後、異形の肉体と化してしまったショックにより失踪した勝は、山奥で落雷に遭いそのまま昏睡状態に陥る。

それから4年後、勝はオルゴールの音と「ネオ生命体から望月博士の子を守れ」という謎の声によって目を覚ます。
その頃博士が作り出したネオ生命体・ドラスが街に現れ、博士の息子である望月宏(もちづき ひろし)を狙って暴れ回っていた。
勝はドラスを撃退し、更に幾度とドラスが送り込んでくる怪物を退け宏を助けるが、宏はこれが父の作り出した生命体の仕業だと知りショックを受けてしまう。

宏の持つ父からのプレゼントだったオルゴール時計を修復し、励ます勝だが、宏はドラスの送り込んだコウモリ怪人によって誘拐される。
その先は廃工場で、そこにはドラスによって機械と融合され囚われた望月博士がいた。
ドラスはその力を脅威に感じた博士によって、定期的に生体プールに浸からないと肉体を維持できないように調整されており、
博士を捕らえて完全にするよう脅していたが、それでも承諾しないため宏を狙ったのである。
昏睡していた勝を呼び起こしたのは博士のテレパシーだったのだ。
宏を追いかけて廃工場にやってきた勝はドラスと激しい死闘を繰り広げる。

前述したように、本作は原点回帰という意味がこもった作品であり、そのため主役である仮面ライダーも非常にシンプルなデザイン。
『BLACK』と同様マフラーがない、外骨格的・生物的なスーツで、全身に金色のラインが入った緑色のボディ、
また仮面ライダーのトレードマークともいうべきベルトも無く、ベルトのバックルにあたる部分に宝石が輝いているという姿をしている。
特徴的なギミックは、感情が高ぶると口の周りに三つの牙型の器官「クラッシャー」が現れ、
眼を光らせ頭から蒸気状の「気」を放出するというものぐらいである。
戦闘スタイルも非常にシンプルで、劇中ではテレパシーや時計の修復など戦闘以外で超能力の類を使う描写もあるが、
基本的にパンチとキックのみ、ライドルやリボルケインのような武器も有していない。
加えて変身ポーズも非常に簡素で、構えた右手をゆっくり下ろしていく、という動きだけ。
それでも改良が加えられた強敵・ドラスと互角以上の戦闘を繰り広げることができたのは、
腹部の宝石「レッドコア」が昏睡中に自然のエネルギーを吸収していたことと、何より熱い「人間の魂」を有していたからに他ならない。
その能力は、厚さ20cmの特殊合金を粉々に砕き自動車50台を瞬時にスクラップにできる打撃、その3倍以上の力のキック、
鉄柱をへし折れるチョップ、ジャンプ力130メートルなどといったスペックにも表れている。

デザインは石ノ森章太郎氏の原案を元に村上克司氏が仕上げている。村上氏曰く「これまでの仮面ライダーの完成形」との事。
また、村上氏はイメージボードも描いており、雷に打たれる仮面ライダー等のシーンが存在する。

とにかく「シンプルイズザベスト」を地で行くようなライダーだが、
前作と次作を含めて「ネオライダー」と呼称される20周年記念作品群では最も個性に乏しいと言われ
(なんせ前作はモロにグロテスクバッタ怪人のライダー、次作は巨大化だから仕方ない)、
肝心の必殺キックがその軌道から「ブランコ」「ダサい」などと揶揄され、
加えて敵対組織も存在せず、博士が作りだした二人の人造生物同士の対決と言う小さなスケールもあって、
ファンからは地味という扱いを受けることが多い。
ちょ、誰だよZOさんを「巨大化しない方」とか言った奴は!確かにJと似ているけど全然違うよ!*2

しかし作品自体は、雨宮慶太監督による「シンプルなZO」に対して「不気味で禍々しい怪人やドラス」というデザインの秀逸さ、
大量の火薬と東映のこれまでのノウハウを生かした美しい光学合成による演出、
岡元次郎氏のZOに高岩成二氏のドラスというライダーおよび東映特撮を代表するスーツアクター二人によるアクションシーン、
ZOの攻撃が当たると緑の閃光が走る」という演出やストップモーションと操演によるクモ怪人の動きなどの斬新な試み、
川村栄二氏による劇伴およびINFIXによる主題歌「愛が止まらない」と挿入歌「微笑みの行方」という良質な楽曲、
『仮面ライダーBLACK』『機動刑事ジバン』の杉村升氏による、「人間の感情」「家族愛」をメインテーマに据えた脚本……
と、全ての要素が高い質で48分という非常に短い尺の中*3ぎっしりと詰め込まれており、物語全般に渡って見ごたえのある作品である。
このためファンからの評価は非常に高く、ネオライダーのみならずシリーズ全体で本作を仮面ライダー最高傑作と推す声も多く、
本作コミカライズを手がけた島本和彦氏は「漫画版とTV版の1号ライダーを見事融合させたライダー」
「これは見終わったら拍手するしかないぞ」と絶賛している。

また、22年目だけど20周年記念作品の主役だったため2021年末の映画『ビヨンド・ジェネレーションズ』では、
1981年まで放送されたスーパー1、2001年(30周年)のアギト
2011年(40周年)のフォーゼ(とメテオとなでしこ)と並び立つシーンがある。
ちなみにネオライダーでは唯一の客演である。

+ 宿敵にして兄弟・ドラス
誤解されがちであるがドラス=ネオ生命体ではなく、あくまでネオ生命体の戦闘端末がドラスである。
まあごっちゃにしてもさほど問題はない(漫画版では本体が登場せず、戦闘端末がそのまま本体扱いで「ドラス」が正式名になっている)。
ネオ生命体の本体にあたる部分は輪の中に少年の上半身が埋まったような姿で、普段は廃工場のプールに浸かっている。
戦闘端末は球体の姿だが、あらゆる物質を取り込んで姿を変えることが可能。
劇中では粗大ゴミを取り込んでバッタ怪人を思わせる姿に変貌しており、
右肩の光線銃「マリキュレーザー」やロケットパンチにできる右腕、鞭になる左腕、
強力な打撃を見舞える尻尾…と、武器を持たないZOと対照的に武装の塊である。
その性質上高い再生能力も有する他、クモ女やコウモリ男といった怪人(映画では分身だが、小説や漫画では人間を素体に作る)を生み出して使役する。
さらには終盤の戦闘でZOまでも吸収し、赤色でよりバッタに近い姿の「レッドドラス」に変貌している。

また前述された通り、ネオ生命体のプロトタイプであるZOと完成体であるドラスは兄弟とも呼べる間柄である。
その為、ドラスはZOの事を「お兄ちゃん」と呼ぶ。
この呼び方からもわかるように、ドラスはその高い知能と戦闘力とは裏腹に精神面は非常に幼く、小学生の宏と同程度の精神年齢と推測される。
一人称は「ボク」、宏を「宏くん」、望月博士を「パパ」と呼ぶことも幼い印象を強くさせる一因。
創造主にして父たる望月博士を強く慕っており、彼に教えられた通り人間を感情に左右される未熟な生き物として淘汰し、
生態系の頂点に立つべく行動を開始したが、皮肉にもそれが望月博士が正気に戻るきっかけとなったことから本作の物語が始まることとなる。
深層心理では「家族」と父である望月博士からの「愛情」に酷く飢えており、作中での行動は全てこれらの感情に起因している。
詰まる所感情を超える生物として設計された」にも拘らず、実際は全く捨てられずにいる
対するZOはそれを全く捨てようとせず、また積極的に守るために戦おうとしたことが彼との違いであろう。

ノベライズ版の『仮面ライダーZO-闇の少年-』ではドラスの心情がより深く掘り下げられており、はっきりと家族と愛情への渇望が描かれている。
こちらでは中性的な色白の少年の人間体に変身できる為、より一層ドラスの悲哀が感じ取れる。
家族の愛に飢え、父からの愛を求めて行動したドラスは結局どの媒体においても家族の温もりを得ることなくZOに敗れ散っていく。

ここまで読んで頂いたらお分かり頂けるだろうがだいたい全部望月博士が悪い。
一時的に狂気にとりつかれていたとは言え、博士の行いによって勝は人生と運命を狂わされ、
ドラスは作り出した博士からすらも誕生を祝福されず、哀れな末路を迎えることになった……
というのが『仮面ライダーZO』の大まかな筋なのである。
しかも狂気に取り憑かれた理由は小説版では一応の説明をつけているが、映画版ではほぼ解説が入らないままで終わってしまい
漫画版に至っては理論を超えた能力を身に着けたZOに驚愕して狂気を再燃させ、ドラスを強化してしまうという暴挙に出ている。
しかし一度はZOを取り込みかけたドラスが、ZOの精神力に圧倒されて敗れると、がっくりと肩を落とし自らの不明を吐露する。

ドラスは…
完全体という名のそいつは…
私の……限界だったのか……
私の言った「完全」とは
「限界」が言葉を変えただけのものだったのだ…!!

ドラスは正に本作における最大の犠牲者であり、この悲劇性と『BLACK』のシャドームーンに続くダークライダーの先駆け的デザインから、
ファンからの人気が高く、また「悪のライダー」としての商品化の機会にも恵まれており、
映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』では事実上のラスボスとして登場するなど厚遇を受けている。
その扱いの良さに翌年の映画のネットムービーでZOが「俺より目立っている」と不満を述べていたが
前述した能力の特性と映画での扱いから「歴代怪人でも指折りの実力者」とするファンも多く、
劇中では完全ではなかったことと宏達の助けもあったとはいえ、ZOは事実上一人で撃破したというのも凄い話である。
漫画版ではドラスが完全体に強化された上に誰の協力も入らないのに、魂の力だけで打ちのめしているし。

+ 島本和彦氏による漫画版
「おれには……消すことの出来ねえ"これまで"があった」
「そしてな…思いえがいていた未来もあったんだよ それをよ」
「そのなんもかんもを この異形の体がぶち壊しちまったんだよ」

「おれの人生をぶち壊した体を…未完成体というひとことでかたづけられちまったらなあ」

「おれの立場がねえんだよーっ!!」

前述したように石ノ森章太郎ファンとしても知られる島本和彦氏が本作の漫画版を描いているが、その内容は、
「宏を狙うドラスと、博士によって無理矢理改造された勝が戦う」ぐらいしか共通点がないと言っていいほど映画と異なる
映画だとクールなイメージだった勝は、感情をはっきり表現する熱血漢へと変貌(顔には石ノ森氏の漫画版1号のように傷跡が走っている)、
映画でのキーアイテムとなるオルゴール時計は登場せず、
話の主軸は「家族愛」よりも「魂の力で『完全な生物』を乗り越える」ということに移されており、
そのためのオリジナルキャラ・ナオミ(原型となった人物は映画にも登場)の指導による特訓描写や、
ところどころに見られるコミカルなシーンなど、島本氏の作風が遺憾なく発揮された作品と化している。
現在はREXコミックスから完全版が発売中。同氏による仮面ライダーBLACKの読み切り漫画も収録されているので、気になる方は是非。

これら作風の違いは島本氏によると「映画で満足してしまったため、違う印象の話にしたいと担当と打ち合わせして決めた」
という裏事情に由来するもので、後に発売された完全版で描き下ろされたあとがきでは、
何故全然違う内容にしたのか答えられず「すみませんでした!!」と土下座している。

+ 小説「HERO SAGA」
ホビージャパンで連載されている小説作品群「S.I.C. HERO SAGA」では「ZO VS J」に登場。
本編から5年後、中学生になった宏の前に現れたドラスと死闘を繰り広げる。
ドラスは本編開始前に仮面ライダーJを倒して取り込んでおり、本来ならあり得ないはずのZOと赤ドラスの対決が実現した。
仮面ライダーJは救出された後もドラスの影響から逃れきれていなかったため、操られてZOと対決することになる。

タイトルどおり『仮面ライダーJ』とのクロスオーバー作品でもあり、
前述のようにドラスがJを吸収してJパワー(Jの力の源である大自然の力)を得てパワーアップしていたり、
究極形態となったドラスに敗れ一度は死んだ勝を地空人(瀬川耕司をJに改造した地底人)が助けるなどの展開が存在。
ZOとJが似ている理由も、地空人がZOをモデルにしてJを造ったためだと理由付けされている。

このエピソードのラスボスは両作品の宿敵が融合したフォッグ・ドラス。
このフォッグ・ドラスはJを奪還されたドラスがより強い肉体を求めてフォッグ・マザーの残骸と融合したものなのだが、
生きていたフォッグ・マザーに逆に取り込まれてしまい、ドラスは怯えながら人格が消滅していくという最期を迎えた。

「何かがボクの心に......入ってくるよ
 やめて
 こないで......ボクの心......侵さないで......
 やめ......て......」
「ふふふふふ......この時を待ち望んでいた
 遂にわらわは復活を果たした......
 今こそ新たな時代を築く時が来たのだ......」

+ 主題歌に関する余談
本作の主題歌はINFIXの「愛が止まらない」であることは既に述べたが、
実は本作の主題歌は同じくINFIXの「RIDERS FOREVER」という曲が採用される予定であった(INFIXのラジオ番組で公開されたこともある)。
しかし直前になって没となり、主題歌は『愛が止まらない』に変更、「RIDERS FOREVER」はそのまま埋もれていくことになった……
と、思われたのだが、この曲に『機動戦士ガンダム』シリーズの富野由悠季監督が目をつけ、
「歌詞がガンダムのテーマに合致している」という理由で、当時のTVシリーズであった『機動戦士Vガンダム』のEDに採用。
その際に歌詞の「RIDERS」を「WINNERS」に変更、「WINNERS FOREVER~勝利者よ~」と改題して発表され、
再び日の目を見ることになったという逸話がある。
歌詞は「自由と平和を求めて戦う戦士」を歌ったもので、確かにライダー・ガンダム双方に共通するテーマかもしれない。

こちらが「愛が止まらない」
こちらが「WINNERS FOREVER~勝利者よ~」

特撮ファンの間では有名な話で、ZOのMADに「WINNERS FOREVER~勝利者よ~」が使われることも多々ある。
ZOのED曲を「WINNERS FOREVER」に差し替えたMAD
「RIDERS FOREVER」カラオケバージョン

……曲自体の雰囲気はよく合っているが、歌詞に「再び悪夢が世界を包む時」など、『真』の続編企画を引きずってる感が無くもないのが没の理由だろうか。


MUGENにおける仮面ライダーZO

仮面ライダーBLACKを製作したway-oh氏によるものが公開されている。
スプライトは手描きで、ボイスは入っていない。
使うボタンは弱・強・投げの3種類だけ、レバー入力と組み合わせることで技が変化するという、至ってシンプルな仕様。
動きは全体的に素早く、また後ろ弱攻撃での打ち上げや前強攻撃のチョップによるバウンド等、
お手軽にエリアルコンボを決められるような技が搭載されており、非常にコンボ難易度は易しく仕上がっている。火力もそこそこ。
必殺技ゲージ消費によるもののみで、壁バウンドを誘発するライダーパンチやバイク「Zブリンガー」によるひき逃げアタック、
一定時間火力を上げる強化技や、その時のみ発動可能な原作の軌道をきっちり再現したZOキックを使用可能。
AIは未搭載だが、亜-人氏による外部AIが氏のアップローダーで公開中。
主な本体解説
外部AI適応版

+ 大会ネタバレ
小学生以下!並強タッグサバイバルにて、A軍として出場。
初登場早々からZブリンガーアタックを初めとした制圧力の高いゲージ消費技やコンボの拘束力を駆使し、
春映画でのぞんざいな扱いを払拭するかの如く暴れ回った。特にpart9での逆転劇はファン必見。
結果は10勝2敗。A軍内で優勝し、part6まで負け無しであった。
出番は0:31から


「お兄ちゃん!

 ……ライダー!!」

出場大会



*1
実際は仮面ライダー20周年は1991年であり、本作の公開は厳密には22周年にあたる。
なぜこのようなズレが生じているのかと言うと、
本作の前作『真・仮面ライダー序章』及び次作『仮面ライダーJ』が全て含めて20周年記念作品であること、
またウルトラシリーズと記念周年が重なってしまう(ライダー20周年はウルトラマン25周年でもある)ことから、
スポンサーであるバンダイの商業的な都合で仮面ライダーの方を1年遅らせたことによる。
本作が実は20周年ではないという話は、後に劇場版『レッツゴー仮面ライダー』の公式ネットムービーでもネタにされてしまっている。

なお、本作の前後はウルトラシリーズの方も『ウルトラマンG』などで新たな展開を見せていた時期でもあった。
そのような背景もあって企画されたのが『ウルトラマンVS仮面ライダー』である。

*2
とはいえ、『J』は元々本作の続編として考えられた企画であり、デザインや監督も同じ雨宮氏なので似通うのも仕方ない。
ちなみに体色が比較的暗く、全身に走るラインが金色なのがZO、体色が明るくラインが水色、変身前がティラノレンジャー・ゲキなのがJ。
覚えておくとオールライダー映画を見るとき役に立つ、かも。
『ZO』も好評だった『真』の続編企画を潰して生まれたライダーなので、ネオライダー達は妙な業を背負っているようだ。
『J』が正式に本作の続編となった場合、ZOはベルトを装着しグローブとマフラーを付けるという、
昭和初期のライダースタイルになる予定だったようで、『J』のDVDにて映像特典として設定資料を確認できる。

*3
この48分という非常に短く中途半端な尺だが、元々本作は単品での上映を予定して撮影されていた。
しかし興行のリスクを考え、冒頭で述べたように「東映スーパーヒーローフェア」で他の作品と共に公開することが決定。
視聴者へのストレスを減らすため「約50分のオリジナル映画+約25分のTV放映中の番組の劇場版2本」という形で公開されることになり、
本作の尺も減らされることになった。主人公の名前が呼ばれないのもその影響である。
結果シナリオもやや駆け足気味な展開になっているが、「尺が短いからこそ幕ノ内弁当のようにギッシリ詰め込みたかった」と雨宮氏は語っている。
本作と共に公開されたのは『特捜ロボジャンパーソン』と『五星戦隊ダイレンジャー』の劇場版。
ちなみに両作品ともニコニコで有料で視聴可能。

余談だが、本作の直接製作費は3億円とのこと。ハリウッドの映画スタッフが本作のクオリティと予算の差に驚愕したとか。
当時のレートでUSドルに直すと約230万ドル。所謂B級映画の類である。参考までに初代『ターミネーター』が640万ドル(約9億円)。


最終更新:2023年10月11日 13:32