シャドームーン



「勝負だ! ブラックサン!!!」

+ 担当声優
寺杣昌紀(現・てらそままさき)
『BLACK』『BLACK RX』『仮面ライダーワールド』『オールライダー対しにがみ博士』、『クライマックスヒーローズ』シリーズ
『レッツゴー仮面ライダー』、『ライダージェネレーション』シリーズ、『スーパーヒーロー大戦』シリーズ
『ガンバライジング』『スーパーヒーロージェネレーション』『バトライド・ウォー創生』『クライマックススクランブル ジオウ』
『TTFC産直シアター 仮面ライダーセイバー』『ガンバレジェンズ』
塩沢兼人
『仮面ライダーSD』
黒田崇矢
『正義の系譜』

  • 月影ノブヒコ
大浦龍宇一
『オールライダー対大ショッカー』

信彦役の俳優は堀内孝人氏だが、諸事情で後に『仮面ライダー電王』でキンタロス役を演じるてらそま氏が演じた。
もっとも、この当時まだてらそま氏は新人だったのであまり注目されず(『メタルヒーローシリーズ』に散発的に出演したりはしたが)、
キンタロス役で出演した事で、シャドームーン役であった事が改めてクローズアップされるに至った。
ちなみにキンタロスと同じ声の人とは思えない程の爽やか声である。
2000年代以降てらそま氏は声優としての活動が主になっている事もあり、
現行のゲーム作品ではライダーは代役が多い(徐々に本人キャストも増えてきたが)中、シャドームーンに関しては専らてらそま氏が演じている。
ただ流石にてらそま氏の年齢もあってか、声はキンタロスに近い。
一方で『スーパーヒーロージェネレーション』では、当時に近い演技となっておりファンを歓喜させた。

1987年に放送された特撮作品『仮面ライダーBLACK』に登場した、世紀王ブラックサン(仮面ライダーBLACK)の宿敵。
続編の『仮面ライダーBLACK RX』にも引き続き登場し、後に各種映画作品にも出演している。
それまでにも仮面ライダーシリーズにはライダーの宿敵怪人や偽者のライダーは登場していたが、
初の「仮面ライダーの姿をした、ライダーと全く同格のボスキャラ」として印象深い存在である。

元々は秋月信彦と言う名の裕福な大学生で、仮面ライダーBLACKこと南光太郎とは親友の間柄だったのだが、
19歳の誕生日に世界を影から操る「暗黒結社ゴルゴム」によって、
寿命の近づいたゴルゴム現総帥「創世王」の後継者候補世紀王シャドームーンへと改造されてしまう。
その結果、シャドームーンは自分が信彦であった事を「知っている」が、信彦の意識・人格は失われてしまっている。
そのため、上記の台詞にもあるように友人・南光太郎はシャドームーンを「信彦」と呼びかけ続けるのだが、
彼は(面と向かっては)光太郎をゴルゴムの敵としての名「仮面ライダー(BLACK)」、
もしくはもう一人の世紀王としての名「ブラックサン」としか呼ばない*1
(ただし、倒したBLACKに止めを刺さないなど、信彦の意識が完全に失われてはいないという描写も散見される
 また、人類の文明を滅ぼしても実の妹だけは助けてやるという台詞を放った事もある)。

 「信彦……?そんな名前は忘れたな」

BLACKとは同格の存在でありながら、(復活の経緯からか)基本のステータスは戦いを重ねてきたブラックをより上回っており、
デザインも黒に対する銀・赤に対する緑・生物的なブラックに対して金属の鎧のような体……と尽くBLACKのアンチテーゼとなっている。
しかし腕や足の突起を除くとシルエットはBLACKと全く同じ。ここら辺は見事なデザインと言える。
その姿も能力もBLACK同様に仮面ライダーそのものと言っても申し分ないスペックなのだが、
昭和ライダーには「悪の仮面ライダー」という概念は無かったため、彼は分類上は「仮面ライダー」扱いにはされていない。*2

武器は世紀王の証である魔剣「サタンサーベル」、BLACKのライダーパンチやライダーキックより強力な「シャドーキック」と「シャドーパンチ」、
またライダーでは珍しい光線技「シャドービーム」やテレポート、霊体化 、念力など全ライダーの中でも珍しく強力な技も操る。
ブラックと同様に体内にキングストーン(月の石)を持っている為、
その気になればBLACKの得意技「キングストーンフラッシュ」も「シャドーフラッシュ」なる技として使用可能。影なのか光なのかハッキリしろ
実際に劇中では、世紀王専用の僕である生体バイク「バトルホッパー」をこの技で操り騎乗、ブラックへと襲いかかった
(しかし、これまでの戦いでBLACKとバトルホッパーの間に友情が芽生えていたため、精神までは支配できなかった)。
また「ジャキィッ」という独特の金属的な足音も印象的。
後年、この方の足音の演出を聴いてシャドームーンを連想した少年達は結構いたのではないだろうか。

+ 原作ネタバレ
番組開始時に秋月教授の乱入の際 深いダメージを負ったため光太郎と共に脱出する事ができず、
そのまま捕らわれ長期の治療が必要となり、ゴルゴムの三神官(幹部)達がシャドームーンを復活させるために、
自身の力の源である「天、海、地の石の力」を使う事で復活。
それまでBLACKを苦しめていた強敵「剣聖ビルゲニア」を(手傷を負っていたとはいえ)一撃で倒し、世紀王の脅威を知らしめた。
それ以降はブラックサンを倒し正式な次代のゴルゴム総帥となるべく、怪人達を率いて光太郎達を襲う。
そして最終的に日本全土を壊滅状態に追い込み、一時はBLACKとの決闘に勝利し光太郎の命を奪うまでに至った。
悪の組織が勝ってしまったのである。10人ライダーは何をやってたとか言ってはいけない

その後に蘇生したBLACKにゴルゴム神殿で最後の決戦を挑み敗北。

「ブラックサン、俺は死ぬ。だが、勝ったのだと思うな。
 お前は一生苦しむ事になるんだ。
 親友の……この信彦を抹殺したのだからな……!
 一生後悔して生きていくんだ……!!」

無二の親友を手にかけたBLACKを嘲笑い、サタンサーベルを握ったまま地面に倒れ伏した。

その後、創世王を倒すためにBLACKがサタンサーベルを求めている事を知り、光太郎の名を呼んだ後サタンサーベルを手放す。
そして創世王を撃破した後、崩壊する基地から光太郎はただ一人脱出。
世界は救われたが、光太郎は友を殺した事で深い孤独に沈むという苦い結末を迎える事になった……。

しかし続編『仮面ライダーBLACK RX』第21話において復活。次の話で光太郎と再会する。
全ての記憶を失いながらもBLACK(=光太郎)に対する闘争本能だけを頼りに各地を彷徨い歩いていたが、
クライシス帝国に召集され、BLACK RXと戦う事となる。
予めRXの能力を調べており、RXやロボライダーはおろかあのチート能力で有名なバイオライダーさえも完封し追い詰めるも、
自分たちの立場が危うくなる事を恐れたクライシス幹部・ゲドリアンがRXとシャドームーンを葬ろうとする。
罠を張った怪魔異生獣・アントロントはRXが倒し、邪魔が入った事で一時休戦を申し入れシャドームーンは一旦引き下がる*3

そして第27話で再登場。自らの邪魔をしたクライシス帝国への復讐も兼ねて行動するようになり
手始めに作戦実行中の怪魔異生獣マットボットを力で服従させ、
作戦を破綻させると同時に仲間割れさせて幹部も纏めて始末しようとする。
成功を確信したシャドームーンは、その仲間割れに居合わせたRXと再戦を挑む。
新武器シャドーセイバーによる二刀流で挑むが(上掲の画像)、クライシス幹部とマットボットは生きており、
子供を人質にとって作戦を実行しようとしていた。
RXからは「あの子供達を見て何も感じないのか」と説得されるが、シャドームーンはなおも戦いを続ける。
そして激闘の末にリボルクラッシュでベルトを損傷、二度目の敗北を喫する。

その後、シャドームーンはクライシスの計画をRXに伝え、自らは満身創痍で子供達を救出に向かう。

「我が名はシャドームーン……
 いずれ再び蘇り、仮面ライダーBLACK RX、お前に勝負を挑む!
 誰にも……お前の首は渡さん……!!」

「シャドームーン……頼んだぞ、子供達を!」

マットボットを倒し、計画を失敗に追い込んだ光太郎が戻ってくると、
そこには救出した子供と花に囲まれたシャドームーンの亡骸があった。

光太郎は最後の瞬間、シャドームーンは信彦の心を取り戻したのだと信じた。
それを示すかのように光太郎に抱きかかえられた彼の亡骸は信彦の姿に戻っていた……。

+ その他作品のシャドームーンと信彦
外部出演は『仮面ライダーBLACK』時のサタンサーベルを持っている姿が殆どで、
『仮面ライダーBLACK RX』時のシャドーセイバーを使用している作品は少ない。

+ 映像作品
3D映画『仮面ライダーワールド』において再び復活を果たし、再生怪人軍団を率いて世界征服を企んだが、
仮面ライダーJ仮面ライダーZOの前に再生怪人は全滅。自ら巨大化してダブルライダーを追い詰めるが、
ジャンボライダーとなったJのジャンボライダーキックを受け、遂に完全に倒される事となった。
……尤も、『RX』での最期が最期なだけに、結局悪側のボスとして倒される扱いに不満気なファンも少なからずおり、
一部では(後述する)「正体は創世王じゃね?」と解釈する声も。

映画『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』にも登場し、秋月信彦ではなく「月影ノブヒコ」なる人物が変身した。
+ ネタバレ注意
中の人は違うが、相変わらずリサーチ済みの相手には滅法強いようで、その前にバイオライダーに勝利していたディケイドと、
パワーだけなら平成最強のクウガライジングアルティメットの強敵相手に互角以上に戦う。
しかしその後、突如現れた仮面ライダーWに完全に完封され、歴代ライダー24人がかりのライダーキックでKOされた。
まぁ、明らかに袋叩きってレベルじゃない24ライダーはともかく、
Wは2人で変身し初期の状態で9フォームもあるというそれまでのライダーに考えられない奴なので、*4
対策なんかできるわけないので仕方ない。
なお、ボス繋がりもあってか『ガンバライド』第7弾ではディケイド・コンプリートフォームと共にEXボスとして登場した。

ちなみにJは映画、Wは製作発表と公式プロモーション映像で登場したばかりで、
両者とも設定の根底に「自然」が関係している共通点がある。
ひょっとして、シャドームーンは自然の力に弱いのだろうか?

なお、同作品のコミック版ではWは登場せず、
ディケイド、クウガライジングアルティメットフォームと戦い、追い詰められた所で逃亡しキングダークと融合した。
こちらでは少しだけRXと絡むシーンが存在する。

映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』では、暗黒結社ゴルゴムの幹部として、
ショッカー同盟の会議に出席している。終盤の決戦では何故かてつをではなくディケイドと戦うシーンがあった。

映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』でも大ショッカーの一員として登場。
ジェネラルシャドウとダブルシャドウというコンビを組み、戦隊ヒーローの粛清を行っていた。
終盤の決戦ではジャーク将軍と組んで仮面ライダーBLACK・光戦隊マスクマンと激突。
この際、BLACKから「信彦」と呼ばれるという演出もあった。直後に容赦なく倒されたけど

映画『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』ではスペースショッカーの大幹部として登場。
宇宙犯罪組織マドーの軍師レイダーと結託し、魔法の暴走現象を加速度的に進行させていた。
特命戦隊ゴーバスターズとの戦いでは相手が疲弊していたとはいえ三対一でも圧倒。
最終決戦での獣電戦隊キョウリュウジャーとの戦いも猛威を振るうが、
隙を付かれキョウリュウレッドにサタンサーベルを奪われその斬撃で大ダメージを負い、
直後の「獣電ブレイブフィニッシュ」と「シャドービーム」の撃ち合いに敗れ敗北した。

アトラクション用3D映画『仮面ライダー3Dバトル FROMガンバライド』及び『FROMガンバライジング』では、
最初は外部作品では珍しいシャドーセイバー&エルボートリガー装備で、
仮面ライダーオーズと交戦するも爆死…したかと思いきや、なんと直後に大量のシャドームーンが出現
ただ一人赤い鎧の「レッドシャドームーン」に率いられたシャドームーン軍団と2期ライダー達の戦闘となる。
銀色の通常カラーの方は再生怪人バリの弱体化を起こしたものの、3体ほど巨大サイズのものも出現。
レッドシャドームーンもリーダー格だけあり本来のシャドームーン相当の戦闘力に高速移動能力まで持つ強敵のため、
ウィザードや鎧武の援護がなければ押されていた可能性が高い。
最終的に銀のシャドームーン全てと一体化し「巨大シャドームーン」となるものの、
核であるレッドシャドームーンをW・オーズ・フォーゼのトリプルライダーキックでブチ抜かれ、さらに頭部だけで襲いかかるも、
ウィザードのウィザーソードガン・ガンモードによる曲げ撃ちと、鎧武の大橙一刀の直撃を受け爆散した。

後にゲーム『仮面ライダーバトル ガンバライジング』『仮面ライダー バトライド・ウォー創生』にも逆輸入され登場している。
3分56秒頃に注目

+ 漫画作品
原作者・石ノ森章太郎氏の萬画版では光太郎と義兄弟に近い関係で共に誘拐されたという設定は踏襲しているが、
中盤で信彦もゴルゴムから脱走してきたとして秋月家に帰還。一時的に光太郎たちとの日常を取り戻す。
しかしゴルゴムの策略によって自らも改造されている事を知り、幾度か光太郎と戦わされそうになる。
光太郎は未来世界を滅ぼした上に支配している「魔王」が信彦ではないかと疑い続け、
それを阻止しようとゴルゴム基地を信彦と共に潰していくが、
未来の魔王と直接対決した光太郎が戻ってきた1995年時点で、信彦は完全にゴルゴムの思想に染まってしまっていた。
信彦がいつからゴルゴムの思想に染まっていたのかは明かされていないが、
彼が初めて変身したエピソードのラストシーンで不敵な笑みを浮かべており、最初から光太郎と戦う意志を固めていたのかもしれない。
なお、こちらの信彦は光太郎と全く同じ黒いバッタ怪人に変化する。
瓜二つなため光太郎の協力者が「どっちがどっちだか分からなくなった」と言うコマもある。
やはり額に「賢者の石」が埋め込まれており、戦闘能力も光太郎と同一。

90年代のTVシリーズ空白期に複数のメディアで展開された仮面ライダーSDでは、
グランショッカー八鬼衆の一人*5で、ゴルゴム軍団指揮官として登場。
TV版では剣聖ビルゲニアのマシンだったヘルシューターを愛機としている(デザインは三神官が作っていたデスランナーに近い)。
その中でもコロコロコミックで連載されていたマンガ『仮面ライダーSD 疾風伝説』では、
珍しくシャドーセイバーを武器に用いるシャドームーンが見られる。
この漫画では八鬼衆の中で唯一軍団を持たない存在として描かれており、その分個人の戦闘力がずば抜けて高くなっている。
そのチートっぷりは凄まじく、全パワーを解放した2号とチャージアップ状態のストロンガーが同時に挑んでやっと互角、
しかもこの時は舐めプでシャドーセイバーを一本しか使っておらず、全力ではなかったと言うオマケ付き。
まあ、またしてもクライシスの横槍で勝負は流れてしまったけど
本作はV3が主役である関係から、V3のライバルポジションに収まっており、本来の宿敵であるRXとの絡みはほぼ皆無となっている。
連載およびコミックスではグランショッカー壊滅後姿を消したが、
2004年に発売された復刻版ではV3との最終決戦が描き下ろしで追加された。
V3の得意技である疾風弾を封じるために両腕を使用不能に追い込んだまでは良かったが、初披露のV3疾風キックを受けて敗れ去った。
どの世界でもデータに無いキャラや技には弱いらしい

コミックボンボンに掲載された『仮面ライダーSD マイティライダーズ』では、語尾に「ム~ン」を付けて話す。
アホなためRX共々三神官からは世紀王と認められておらず、
グランショッカーが三神官が持つ三つの石を奪い取るという話になった時は、RX共々三神官の事を覚えていなかった。
石が手に入り用済みとして八鬼衆が消された時、ゴルゴム三神官に認められ、王冠・マント・付け髭姿で浮かれるRXに対抗して、
将棋の王将の被り物で挑戦に行っていたため難を逃れ、最後まで生存した。

漫画『宇宙の11 仮面ライダー銀河大戦』では、宇宙からの侵略者マーダーの一員として蘇生され、
外宇宙の惑星で戦うRXの前に姿を現す。こちらでも武器はシャドーセイバー。
実はマーダーは、TV本編での最期の言葉通り蘇った創世王が作り上げた組織で、
シャドームーンもそれを知ったうえで打倒RXとゴルゴム再興のために戦っていた。
しかし創世王が不用意に漏らした一言にプライドを傷付けられ、最終決戦の最中に離反、一瞬だけとは言えRXと共闘している。
ちなみにこのマーダー、あらゆる有機生命体を機械に変えるマーダー聖水を保有しており、
これを使ってバイオライダーの体を機械化する事で液化能力を封じ、敗北寸前にまで追い込んでいる。
創世王が余計な事さえ言わなけりゃ……。

コミックボンボンに掲載された岩田和久版『仮面ライダーBLACK RX』では、
「今起きた」と記憶を取り戻すとガテゾーンを倒し、姿を消した後命と引き換えにクライス要塞を破壊し、
マリバロンを除くクライシス帝国幹部を全滅させる。
確かに本編でシャドームーン単騎を指して「クライシス帝国全体に匹敵しうる強敵」と呼ばれてたけど……
復讐に燃えるマリバロンがボスを務めるが、そこでも窮地のRXをシャドームーンの魂が救う展開となる。

てれびくんに掲載された青木たかお版『仮面ライダーZO』では、ドラスとの戦いが終わった後新たな敵として登場。
正確にはシャドームーンの遺体に憑依したジャーク将軍が光太郎と玲子を襲撃するがZOに妨害される。
最後には信彦の意識が覚醒してジャーク将軍の動きを封じ、
ゲル化の応用で杭となったバイオライダーをZOによってキングストーンに突き刺されて敗れる。

+ ゲーム作品
ディスクシステムの『仮面ライダーBLACK 対決シャドームーン』ではラスボスとして登場。
しかし、TVでのシャドームーン登場前の作品だったため、姿は仮面ライダーBLACKの色違いとなっている。
原作設定を踏まえると、正しいと言えば正しいのだが……。

その強さだが、こちらの仮面ライダーBLACKが非常にノロマで劣悪な操作なのに対して、シャドームーンは異常に素早い。
その上こちらと全く同じ技を扱う、いわば完全上位互換。パターンに嵌めやすいが、難易度は高い。
そしてこの戦いはコンティニュー不可能で、負けるとシャドームーンに世界が支配された旨の文章が流れるバッドエンドになってしまう。
しかし、エピローグはTV版に先駆けてロードセクターで脱出、さらに石ノ森氏の萬画版を想わせるテキストが出てくる事から好評。

SFC『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』では、何故か通常エンカウントするザコとして登場。
ちなみに、彼に限らず同作ではサザビーゼットンといった名だたる強敵達もザコとして湧いてくる。何かが間違っていると言わざるを得ない。

PS『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では、シナリオの上での共闘はできないが、
敵を捕獲して味方にするアイテム「パーセル」で隠しダンジョンにザコとして出没するシャドームーンを捕獲する事で、
ブラック・シャドームーン揃い踏みを擬似的に再現する事はできる。当然、話にまるで影響はしないのだが。……空しい。

PS2『仮面ライダー正義の系譜』では、仮面ライダーBLACKの時代(シャドームーン復活の二ヶ月後の設定)に登場。
成り行きからBLACKを救う事になるが、直後にラスボスの「邪眼」に捕らわれてしまう。
時を超えて集結した4大ライダーにより「邪眼」が撃破された後は、捕らわれた際の自身の負傷もあり、BLACKを見逃してその場を去っていった。

データカードダス『仮面ライダーバトル ガンバライド』では、7弾にて宿敵であるRXと同時参戦。
素手・サタンサーベルの他、かなり珍しいシャドーセイバー&エルボートリガー装備も登場している。
また、前衛登場時は周囲が暗くなり、緑色のマイティアイが光る演出もあるなど中々凝っている。
必殺技は「シャドーキック」。こちらも再現度はなかなか。
7弾のLR、8弾のSRの2枚が非常に使い勝手がよく、また低レアでもベストパートナーグループ入りしているものが早期からあったため、
安定志向のデッキを組むと結構な確率で使用されている強カードであった。排出枚数も下手をすると昭和主役ライダーより多い。

続く『仮面ライダーバトル ガンバライジング』では1弾から登場。
長らくR止まりだったが、ナイスドライブ3弾でCP(ライバルセレクション)で初の高レア化。シャドーキックも実装された。
その後何度かSRやCPで登場。
ズバットバットウ4弾ではRX版のシャドームーンがSRで登場。ガンバライジングではこのカードが唯一のRX版だった。
専用必殺技としてとして劇中の動きを元にした「シャドーデュアルスティンガー」が実装。
リリリミックス3弾では50th anniversaryに選ばれライジング初のLRで登場。
表技で「シャドーパンチ」が実装され、バースト技はそれまでムービー技だった「シャドーキック」が改めてリアルタイム技でリメイクされた。
本作ではBLACKおよびRXも本人ボイスとなったので、オリジナルキャストによる2人の世紀王揃い踏みも可能。
また、3D映像に登場した「レッドシャドームーン」も参戦。当初はPRカード限定だったが、ナイスドライブ2弾でSRで収録された。
こちらは専用必殺技「レッドシャドースティンガー」を使える。

『仮面ライダー バトライド・ウォー 創生』ではラスボスとして登場。
次期創成王に乗っ取られ、赤いシャドームーンとなり、巨大化する。

+ リブート作品
2022年にAmazonプライムビデオで配信された『仮面ライダーBLACKSUN』では、
「銀殿様飛蝗怪人シャドームーン」、及び二段変身を果たした「仮面ライダーSHADOWMOON」として登場。
上記の通り、シャドームーンは仮面ライダーかそうでないかは見解が分かれていたが、
本作では仮面ライダーとされており、細部は異なるものの、BLACKのそれを左右反転したような動作の変身ポーズも存在する。

変身者は秋月信彦。演者は中村倫也氏。
原典同様光太郎の幼馴染であり、揃って改造されたのも同じだが、光太郎が実年齢ほどではないにせよある程度老化しているのに対し、
ある事情から怪人の老化を遅らせる「ヒートヘブン」を定期摂取させられていたため御歳70歳でありながら若々しい容姿を保っている。
また、世紀王として野心や本能で戦っていた原典と異なり「秋月信彦」としての人格を保ったままであり、
本作では少数者・社会的弱者の種族として描かれる「怪人」の為に戦う、「もう一人の主人公」的なポジションを獲得している。

当初は50年前の戦いで対立したゴルゴムに幽閉されていたが、50年の時を経て脱獄。
人間社会ともゴルゴム上層部とも相容れないレジスタンスとして、怪人の為の世界を実現するべく行動を開始する。

+ 『S.I.C HERO SAGA』のシャドームーン(以下MUGENキャラの元ネタ)
小説『S.I.C HERO SAGA』のBLACK RX編では、シャドームーンのRX形態に相当する白いRX(アナザーRX)が登場。
その正体は信彦本人ではなく、埋葬された信彦の死骸を乗っ取る形で復活を遂げたゴルゴム創世王
クライシス帝国との戦いを終えた南光太郎の前に姿を現し、シャドームーンの姿に動揺する彼をBLACKに弱体化する等の策で翻弄、
更にはBLACKのキングストーンを奪い、二つ揃ったキングストーンの力でアナザーシャドームーンへと変貌するが、
信彦の霊魂と思しき力の作用でキングストーンを取り戻されてしまい、最終的には無様に命乞いをする醜態を晒した末に、
太陽光の力で復活したBLACK RXによって完全に止めを刺された。


前述の通り、アトラクション映画『仮面ライダー3Dバトル FROMガンバライド』及び『FROMガンバライジング』にて、
このシャドームーンがレッドシャドームーンの名前で登場している。ただし外観はS.I.C準拠ではない。


MUGENにおけるシャドームーン

zektard氏による手描きのシャドームーンが2014年3月16日に公開された。
上述の『S.I.C HERO SAGA』に登場した「白いRX」準拠でのデザインとなっており、
名義も独自に「仮面ライダーシャドーRX」となっている
(なお、原作のシャドームーンは本来ならば上記の通り「仮面ライダー」の一員扱いにはされていない)。
創世王ではなく、信彦の自我を取り戻しつつあるシャドームーンが進化した形態というイメージを想定しているとの事。
つまりは名義通りに「仮面ライダー」としてのifのシャドームーンであると思われる。

氏の他のキャラとは違いしゃがみ、空中技も搭載されており、リボルケインやRXキックなど、本家BLACK RXに相当する技が揃っている。
必殺技としては空中から飛び蹴りを放つシャドーRXキック、敵にリボルケインを突き刺す移動投げリボルクラッシュが搭載されており、
どちらも高い威力を誇る強力な技に仕上がっている。
デフォルトでのボイスは『仮面ライダー 正義の系譜』の黒田崇矢氏のものであり、AIは未搭載。

2014年4月29日の更新により、仮面ライダーBLACK RXを呼び出し共にRXキックを放つ
新超必殺技、ダブルRXキックが追加された。
クリティカルヒットすれば並のキャラであれば一撃KOするほどの高威力である。

かぢゅみ氏により本体の公開より僅か一日後に、てらそままさき氏のボイスパッチが公開され、
更に上記のダブルRXキック追加ヴァージョンにも対応したものに現在は更新されている。
改変は自由という事であり、他にもRXキックやリボルクラッシュがよりアクティビティに調整され、
更に最新更新版において「シャドーライダーキック」という新技も追加された改変版なども公開されたので、
自身の好みに合わせて利用してみるといいだろう。
コルクボード氏によって外部AIも公開中、導入すると無敵と高威力の揃った強力な技性能と、
高いライフを活かした凶キャラとして暴れまわってくれるようになる。
なお本来のシャドーRXのパラメータは「LIFE1500、ATK150、DEF200」というボス仕様なのだが、
氏のAIの方ではマスターギースと同じ「LIFE2000、ATK100、DEF100」にマイルド修正されている。
この状態でも十分強いのは確かだが、出場させる試合のランクによって、パラメータを適切に設定し直すと良いだろう。

ドットスプライトのデータも公開されており、新たなシャドームーンの誕生にも期待される。


この他、過去には別作者による実写画像を使用したシャドームーンも公開されていたが、現在は入手不可能。

出場大会



あれは、幻だったのだろうか?南光太郎は思った。
いや、違う。あれは幻などではない。
最後の最後で、シャドームーンは信彦に戻ったのだ。
南光太郎は、そう信じた……


*1
ブラックサン="BLACK SUN"(黒い太陽)別に敬称を付けている訳では断じて無いし、アイサツが大事な訳でもない。

*2
シャドームーン自身は偽物として登場するショッカーライダーに近い。
系列的にはライダーのではない事や、後にブラックと共闘する2号ライダーになる案もあったため「仮面ライダー」と言う名を付ける事も考えられていたが、
ラスボスとしてのキャラ付けが確定した時点で「悪役に仮面ライダーの名は付けられない」となった。
その後時代が下り、「悪の仮面ライダー」が一般的になっていくにつれ、
公式側もたまにシャドームーンをライダー側のカテゴリに区分することも出てきている。

*3
この時RXに「傷を治しておけ」と言っているが、どう見てもそのシーンのRXは無傷で普通に戦えそうであった。
正確に言うと罠から脱出した後、バイオライダーから元に戻った時点で明らかに傷が全て消えている
(他の話でもRXはフォームチェンジや、キングストーンやサンバスクの力で完全回復を何度もやらかしている)。
このため「傷を治させてくれ」「(直前の必殺技決めポーズで頭に当たった岩による)傷を治しておけ」等とネタにされる事も。
ついでに「今ここにいるのは、クライシス帝国と並ぶもう一人の脅威」とシャドームーンに対する光太郎の心情を説明するナレーション、
アントロントの罠で二人を閉じ込めただけで満足する幹部の反応(おまけにライドロンの介入だけであっさり潰されてしまっている)、
リボルクラッシュ後の決めポーズおよび倒れるアントロントの後ろで全力ダッシュで逃走する幹部の姿など、
この回の演出や台詞はツッコミどころ満載でネタにされやすい
(幹部の全力ダッシュに関しては、役者が本当に爆発に巻き込まれる恐れがあったためらしいが)。

なお、シャドームーン自体も姿こそ変わっていないが、死線を潜り抜けてRX相当に強化されているため、
「クライシスに一人で張り合えるRX相当=一人で帝国に並ぶ」としたナレーションはあながち間違いでもないかもしれない。
そんなシャドームーンをこんなしょうもない罠で敵に回したクライシス帝国はどうしようもなく愚かと言わざるを得ない。
下手をしたらRXとシャドームーンのダブル共闘で先に帝国が滅ぼされる所だった

*4
『ディケイド』までのライダーの中で最もフォームの数が多いのはクウガ
『オールライダー対大ショッカー』のライジングアルティメットも含めると12フォームが登場している。
しかし、ライジングやアメイジングが使えるようになる前の基本状態で使えたのは、
エネルギー切れを示すグローイングと禁じ手のアルティメットを含めても6フォームである。
(ディケイドは26フォームだが、これはカメンライドで歴代の平成ライダーのフォームに変身できるため。
 ディケイド自身のフォームは2つのみ)。
その後も強化フォームが増え続け、最終的には12フォームにまで増えた(単独変身除く)。
なお、強引なやり方とは言え序盤の時点で幹部クラスの怪人・ナスカドーパントを退けるなど、W自身の性能もそれなりに高い。

まあ更に次回作の仮面ライダーオーズではフォーム数が物凄い事になるのだが……。

*5
グランショッカーとは、過去に滅ぼされた悪の秘密結社の構成員たちが魔神大首領の手によって蘇り誕生した組織で、
中でも各組織から選抜された八名の幹部は「八鬼衆」と呼ばれ絶大な権力を誇っている。
八名という辺りで察しが付くと思うが、各組織と言いつつスルーされた組織がいる
当時の最新のライダーであるRXがBLCAK込みで2枠貰ったのはともかく、栄光の七人ライダー従兄弟ネタが使えるZXに挟まれて
敵組織がスルーされたスカイライダーとスーパー1は泣いても良い

『仮面ライダーディケイド』に登場した大ショッカー、スーパーショッカーの走りとも言うべき組織で、
八鬼衆のメンバーは全員がディケイド以降の平成シリーズに再登場している。
その実力は大ショッカー・スーパーショッカーをはるかに凌いでおり、
『疾風伝説』においては最終的に倒されるも、11人ライダーの内5人が戦死するという大きな犠牲を払うものであった。
ちなみに魔神大首領の正体はお馴染みショッカー首領……ではなく、まさかの死神博士である。
下剋上されてしまった首領は泣いても良い。
尤も、大首領は傀儡を使う事でもお馴染みだけど



最終更新:2024年04月05日 13:39