仮面ライダーギルス


「俺は……不死身だ!」



   ■スペック
   身長:200cm
   体重:100kg
   防御力:硬度「5」
   パンチ力:約10t
   キック力:約20t
   ジャンプ力:一跳び50m
   走力:100mを約5秒
   必殺技:ギルスヒールクロウ(30t)

+他形態はこちら
「エクシードギルス」
 パンチ力:約15t
 キック力:約30t
 防御力:硬度「7」
 ジャンプ力:一跳び65m
 走力:100mを約4.2秒
 必殺技:エクシードヒールクロウ(40t)
     貫通攻撃(50t)




平成仮面ライダーシリーズ第2作『仮面ライダーアギト』に登場する仮面ライダー。
名前こそ「ギルス」と設定されているものの、物語中では一度しか呼称されておらず、
周囲はおろか変身者本人もこの名前を知らない可能性が高い。
アギトの不完全体、もしくは別のベクトルでの変身形態とされるが、本編中で明確な説明はなされておらず、
覚醒に至った経緯も含めて謎の多い存在。
ただ一度呼称された時には『闇の力』が敵視するでもなく珍しがっていたが、
この事についてスタッフはインタビューに「珍獣のようなものだから」と答えている。
+『ギルス』の出自
公式ムック『テレビマガジン特別編集 仮面ライダーアギト』に掲載された作中資料によれば、
太古の時代、獣を狩るようになった人類に怒った天使マラーク(獣の原形たるロード=アンノウン怪人)達が戦いを仕掛け、
人類側に与した『光の力』(火のエルロード プロメス)が人間との間に設けた子孫「ネフィリム」こそが
ギルスであるような事も示唆されている。
しかし増長したネフィリム達は人も獣も天使も無差別に喰らう暴虐の限りを尽くし、他のエルロード達が起こした大洪水で一掃された。
方舟に乗ることを許された人間の子孫にもネフィリムの血統が薄く混じっていたらしく、それが濃く現れたようである。
対してアギトは、ネフィリムの件の罪により処刑されたプロメスが、バラバラに砕かれた身によって
火の知恵と力を人類に分け与えたものであり、どちらも火のエルが起源であるが性質は異なる。

……とはいえ、これらの記述は本編中のセリフやイコンに記された内容とも微妙に食い違いがある部分もあるので、
あくまでそうした設定も考えてはいたが 現場は主にライブ感に任せて突っ走っていた 可能性がだいぶ高い模様。

アギトや後の平成ライダーに比べると『仮面ライダーアマゾン』や『真・仮面ライダー序章』を彷彿とさせる
生物的な容姿をしており、戦いにおいても手足に寄生させた生体鎧から展開する鉤爪「ギルスクロウ」や
触手状の鞭「ギルスフィーラー」を駆使しての接近戦を主体とする。
一方で、状況に合わせてフォームや武装を変えられる幅はアギトやG3に比べて狭いため、
飛び道具や飛行能力を持つ敵との戦いでは苦戦を強いられる上、後述の「エクシードギルス」への進化を手にする前には
純粋な接近戦闘能力で上回るアナザーアギトや水のエルに敗北を喫している。

必殺技は、踵の鉤爪を伸ばした状態で飛び上り、空中から踵落としを叩き込む「ギルスヒールクロウ」破壊力は30t。
敵の肩にヒールクロウを突き刺した状態で勝ち鬨の如き雄叫びを上げるのが彼の戦いのハイライトとなる。雄叫びが猫っぽい?放っといてくれ
また、てれびくんの応募者全員サービスで配布されたオリジナルビデオのみで「ギルスヘルスタッブ」という
頭上に投げ飛ばした相手を手刀で貫く必殺技が登場している。
「ギルスレイダー」という専用バイクを持っており、これは自我を持った半機械半生物のバイオマシンである。
劇中においては苦戦するギルスの呼びかけに応じて駆けつけ、自走状態で敵怪人を撥ねるという芸当を見せている。

初期状態でアギト・トリニティフォームを上回るスペックを誇っているが、
胸部のパワー制御器官である「ワイズマン・モノリス」が欠損した不完全な変身である為に変身者の体に強い負担がかかり、
変身解除後は一時的に急激な老化や衰弱といった後遺症が表れる。
(パワーの制御ができていない実例として、アギトは余剰エネルギーを放出する器官であるクロスホーンを必殺技使用時にしか展開しないのだが、
同様の器官であるギルスのギルスアントラーは最初から全力全開で常時エネルギーを垂れ流している……負担がかかるのも当然である)
また、その姿を構成する生体鎧が別個の生命体であるためか、独自の自我を持っているかのような描写があり、
劇中においては多大なダメージを受けて苦しむ涼が「立て」「襲え!」などといった幻聴に苛まれている。
変身の際も、ポーズをとった涼の背後から登場したギルスが並び立ち、同化するかのような演出が入る。

中盤で知り合った青年に宿っていたアギトの力を譲り渡されることで
進化形態『エクシードギルス』に変化する能力を手に入れた。
「ワイズマン・モノリス」が復活したためパワーの調整が可能になり、
角が一本増え全身に鉤爪が生えて戦闘形態を保てるようになった。
戦闘能力はアギトのシャイニングフォームに迫るほどに向上。
特に背中の触手「ギルススティンガー」による刺突の威力は50tと強烈で
これは数値の上ではシャイニングライダーキックの威力を上回っている。
(あくまで僅差の上アギトにはさらに強い武器必殺技がある)
勿論決め技のヒールクロウも健在で、両脚のエクシードヒールクロウを
同時に叩き込む荒技「エクシードダブルヒールクロウ」も披露している。
この大幅なパワーアップにより一度は敗れたアナザーアギトに雪辱を果たし、
最終回では仮面ライダーG3-Xとの連携でエルロードをも撃破している。
冒頭の台詞はその最終回のもの。

なお、元々ギルスの形態変化はスポンサーからの要請にはなく、
エクシードギルスは撮影スタッフのによって作られたものである。

デザインのモチーフはカミキリムシとのことで、エクシードギルス含め非常に禍々しい姿だが
子供からの人気が無かった訳ではなく、本作に『闇の力』の少年態役で出演した神木隆之介氏も
好きなライダーとして名を挙げている。
また、『アギト』という作品全体として東映の過去作品『イナズマン』へのオマージュが基調となっており、
ギルスもまたイナズマンをモチーフにした部分が多々みられる。
(頭の触角の形状、イナズマンの拘束技「マフラー稲妻走り」を思わせるエクシードの背中の触手「ギルススティンガー」など)

ギルス(Gills)の由来は、英語で魚などのエラ(日本古語ではアギト)の複数形を意味する言葉。
同時に「罪(Guilt)」とのダブルミーニングとなっている。

+原作における変身者・葦原涼
「どこへ行ったって同じだ。今は嘘になんかならない」

原作のタイトルこそ『アギト』であるものの、G3-X装着員である氷川誠同様、実質的には主人公の一人。
本作における「仮面ライダーになってしまった男」を担っている。演じたのは友井雄亮氏。
外見、物腰共にぶっきらぼうだが、心根は他人の痛みを誰よりも理解する優しい心の持ち主である。
ただし本編中において二度、警官殺害未遂をやらかしている *1

元々は城北大学に通う大学生で、将来を嘱望された水泳選手だったが、本編開始前にバイク事故に遭い、
この影響からギルスへの変身能力に覚醒してしまう。
当初は変身能力を制御し切れず、その異形の姿に恐れを抱いた水泳部のコーチや恋人に去られた事によって、
長らく孤独な日々を過ごす。
ただし、物語の切っ掛けとなった「あかつき号」事件関係者の一人である榊亜紀や、
敵怪人集団「アンノウン」に親を殺された少年など、涼の正体を知りながら彼を受け入れた者も少数ながらいた。

戦いの中で、失踪していた父親の不審な死を知り、その転機となった「あかつき号」事件の真相を知る為に、
父が遺したメモを頼りに事件関係者を訪ねていく。
この過程で津上翔一や氷川誠と遭遇するが、当初は互いの正体を知らなかったために度々激突した。
特に翔一とは、想いを寄せていた亜紀がアンノウンに殺害されたのをアギトの犯行と思い込んだために、
物語中盤に至るまで激しく対立している。ただしこれは変身後の事であり、
ギルスへの変身による後遺症に苦しんでいた時に看病して貰った経緯から、人としての関係は良好であった。
後に互いの正体を知った際も「翔一に人は殺せない」とあっさり誤解を解いている。
一方で、氷川とは立場上の違いや、上記の亜紀の一件からあまり良好な関係とは言えず、
正体を知った後も氷川の不用意な発言に怒りを露にするなど、翔一のそれと比べるとどこかギクシャクした関係が続いた。
(ちなみに不用意な発言とは「僕もアギトになりたいのかもしれません」。
 言うまでもなく、ギルスへの覚醒によって悲惨な目に遭ってきた涼にとっては、とんでもない地雷)
尤も、終盤においては共に戦う仲間と認め、最終回では見事な連携で強敵「風のエル」を撃破している。

「仮面ライダーになってしまった男」として、異形の姿に変身する者の悲劇を体現する役割を背負っていた為に、
恋人や恩師に拒絶される、物語中盤で死ぬ、信じた人間に裏切られた挙句殺されかける、
愛した女性はごく一部を除いて皆死亡するなど、終始(シャレにならないレベルで)不幸な目に遭い続けた。
一部のファン曰く「野上良太郎と違って、笑えない不幸」。
本編においても、翔一や氷川が(彼らなりに)幸福なエンディングを迎えているのに対して涼だけは何もかも失ったまま、
出会った子犬と共に夕焼けの中をバイクで走り去るという物悲しい締めくくりを迎えている。

その悲劇性や異形になった哀しみを最も体現した姿から昭和ライダーのコンセプトに近いと言われるが
メインライターである井上敏樹氏は書籍『語ろう!クウガ アギト 龍騎』のインタビューで
「半分後付だけどアギトのライダーは現在の翔一、未来の氷川、過去の涼」というイメージを語る一方で、
「最初は群像劇にしたいという考えだけだった」「ギルスはあまり昔のライダーを意識したことはない」ともしている。
また結末については「ようやく前向きになれたんだよ、最後の方で翔一に近づいた」と必ずしも悲劇で済んでいないことも示した。
その直前に「まあ、あいつはあの後、死ぬんだろうけどね(笑)。あいつと出会った女はみんな死ぬから、
きっとあの犬もメスなんだよ
」とか言ってるあたりいつも通りの井上だった訳だが。さすがリアルガチ厨二病。

+その他の作品におけるギルス
劇場版『PROJECT G4』ではエクシードギルス誕生の経緯が多少違っており、上級アンノウンとの戦いで腕を失い倒れた
ギルスが気合で復活すると同時にエクシードギルスへ変貌するという流れになっている。

PS2ゲーム『仮面ライダー 正義の系譜』ではアギト編のシナリオ終盤に二度ほど登場。
地獄大使の差し向けたシードラゴンを退ける活躍を見せており、アギトでラスボスを倒した際のEDにも登場。

仮面ライダーディケイド』ではアギトの不完全形態として登場。芦河ショウイチが変身する。
ただし、元のスーツが使用した塗料と素材の問題で腐食したため現存しておらず(アナザーアギトも同様)、
『ディケイド』のギルスは現存していた原作におけるギルス進化形態「エクシードギルス」のスーツが使用された。
原作でも変身者含めて幸の薄いライダーであったが、まさか終了後までこうなるとは……

2013年に発売された『小説 仮面ライダーアギト』(著:岡村直宏、監修:井上敏樹)では
ギルスに至るまでの経緯が多少異なり、幼少期はマグロ漁師の父の下で育ったことが判明している。
最終的には翔一や氷川同様にライダーとしてアンノウンと戦い続けながらも、ギルスに変身し続けた後遺症により
エピローグに登場した時点で老化現象が全身にまで及んでいたというTV版同様の不幸っぷりに陥っていた。

『HERO SAGA』ではアギト編にてアギト・G3共々幾度か出番が用意された他、
S.I.Cでのギルス発売に併せて連載されたギルス編では文字通りの主役ポジションで活躍している。
舞台はTV本編の戦いが終わってから十年以上経った(連載当時の)現在。かつて拾った犬に「ゴン」と名付け、
それなりに平穏に過ごしていたが、かつて死んだはずのアナザーアギトが彼の前に姿を現したことから物語が再び動き出す。

TCAG『仮面ライダーバトル ガンバライド』にはライダーカードとして参戦できなかったが、
『仮面ライダーバトル ガンバライジング』4弾でついに参戦。レアリティはレジェンドレア。
固有必殺技は「ギルスヒールクロウ」。


MUGENにおける仮面ライダーギルス


  • KEI166氏制作 仮面ライダーギルス"ギルスカヤ"(女性ver.)

ゴ・バダー・バアナザーアギトを制作したKEI166氏によるギルスが存在する。
ただし変身者は原作の葦原涼ではなく、氏のオリジナル設定に基づいた女性キャラになっている。
原作においても女性の沢木雪菜がアギトに目覚めているため、彼女と似たようなポジションか。
元々はエイプリルフール用のネタとして身内限定で制作されていたものを、完成度が高かった為に公開したとの事。
筋肉質な原作版ギルスに比べて華奢で手足が長く、上半身に襤褸のようなマントを纏っているのが特徴。
現在、氏のサイトにおいてギルスに覚醒するまでの経緯が小説形式で連載されている。

制作中の際のあだ名は「 ギルスカヤ 」(ギルス+ロシア系によくある苗字「○○スキー」の女性形)
原作版ギルスとの差別化の為かディスプレイネームはこの呼び名が使われている。
声は「攻殻機動隊」シリーズの草薙素子役等でおなじみの田中敦子氏。

+変身者
変身者は東ヨーロッパ出身の傭兵、エレーナ・サレンコ。この名前は少年兵時代に
強制的に名乗らされたものであり、本名は彼女自身にも一切の記憶がない。
旧ソ連崩壊と共に独立したドレチア共和国の反政府軍に所属する少年兵として七年にも渡る紛争を戦うが、
自身が最後の戦いと位置づけていた作戦において突如現れたアギトの介入に遭い、共に祖国を脱出しようと
約束していた仲間たちとは生き別れ、自身も瀕死の重傷を負うという悲惨な過去を持つ。
上述の経緯からアギトに対しては並々ならぬ憎しみを抱いており、人間社会に介入しようとするアギト
を殺すことに生き甲斐を見出している。

本来ならデメリットでしかない筈のギルスへの変身による後遺症を、警察の追跡を撹乱するために利用する、
(上述の通り外見が急激に老化する為、自分を老人だと思い込ませた)
標的に無言電話をかけて応答した相手の位置を特定するなど、理知的で計算高い性格。
一方で必要とあれば殺人や拷問も厭わず、敵対した相手は命乞いも意に介さず殺す等、
冷酷なダークライダーとしての側面も持っている。


アウトローの変身者という背景を反映してか、超必殺技の エグさ に定評があり
  • 蹴り飛ばした相手に跨り、両腕から伸ばしたギルスクロウで喉を搔き切る1ゲージ技 「ギルスクロウ・首狩り」
  • パンチを叩きこんだ相手の頭を自走するギルスレイダーの前輪に押しつける1ゲージ技 「ギルスレイダー・フェイスバスター」
  • ギルスフィーラーで絡め取った相手にヘッドロックをかけ、ギルスクロウで背後から貫く2ゲージ技 「百舌の早贄」
  • 飛び上がって相手の頭部を抱え込み、自身諸共地面に落下して叩きつける2ゲージ技 「ダイヤモンドカッター」
  • 上記から派生し、倒れている相手に踵落としを叩き込む 「ギルスヒールクロウ・追撃」

など、闘争心を前面に押し出した荒々しい肉弾戦を特徴としていた原作のギルスと姿・能力は酷似しながらも、
戦い方はよりテクニカルかつ冷血さを強調した禍々しいものとなっている。
DDTやパワースラムといったプロレス技、ベガでお馴染みのヘッドプレスといった技も搭載しており、
接近戦から中・長距離戦までオールラウンドに対応可能。

同作者製のアナザーアギトと同じく、独自ゲージで発動するバイク技を持っているが、
最大の相違点はその場から遠隔操作で自走状態のギルスレイダーを呼び出す所。
単に乗っての突撃に留まらず、相手の背後から呼び出して吹き飛ばしたり、空中で反転しながら呼び出したりと
非常に多彩な使い方が可能。

デフォルトで搭載されているAIもこの戦法を使ってくるため、決勝ラウンドで追い詰めたと思ったら、
背後から突っ込んできたバイクに撥ね飛ばされた挙句、超必コマンド投げの「ダイヤモンドカッター」で
地面に叩きつけられ、顔にヒールクロウを食らって爆死するという悲惨な目に遭う事もしばしば。

(オリジナル設定ではあるが)ギルスの参戦により『仮面ライダーアギト』のライダーは全員MUGENに揃うこととなった。
G4?ミラージュ?聞こえんなぁ

出場大会

出演ストーリー

HERETIC (主人公)


*1
これに関しては涼に限った話ではなく、翔一や薫もいざ戦闘となると結構容赦なくG3に攻撃を加えている。
涼にしても、機動隊やG3に攻撃を仕掛けたのは彼らから散々に銃撃を受けた後であり、端から殺すつもりはなかった。
尤も、この「アギト捕獲作戦」の件を根には持っていたようで、五ヶ月近く後のTVスペシャルにおいて
翔一を捕らえようとした北條に対し、「一度お前を殴りたいと思ってたんだ」と言うなり、顔面に拳を叩き込んでいる。
自業自得とはいえ、涼の正体を知らない当の北條からすれば「おまえは何を言っているんだ」でしかなかっただろう。