ビッグボルフォッグ


「三身一体! ビッグボルフォォォォッグ!」

サンライズのロボットアニメ『勇者王ガオガイガー』に登場するロボット。
主人公の属する組織・GGGの諜報部所属ロボット「ボルフォッグ」が、
「ガンマシン」と呼ばれる二機のサポートロボットと合体してなる形態である。この合体は「三身一体」*1と称されている。

ボルフォッグ

フェラーリ・F50をモデルとしたパトカーに変形するビークルロボ。
機体色は全体的に紫色だが、パトカー時はちゃんと白黒のカラーになる。
所属先からも察せるように諜報活動を主任務としており、電子戦・偵察行動に優れた機能を有しているが、
攻撃能力では他のGGG所属機より一段落ちる。
このため戦闘ではワイヤー式の手錠「ジェットワッパー」や、煙幕や光学装備、
本作の敵・ゾンダーが発するバリアを分解する固有振動「メルティングサイレン」等の武装で、
ガオガイガーらをサポートする。
巨大手裏剣の「シルバーブーメラン」という武装もあるため、単独でもある程度は戦える。

多くのGGGのロボットと同じく超AI搭載型ロボであるが、一からAIを構築した氷竜達とは違い
内諜の犬神霧雄という人物の人格を元にAIが作られている。
彼はGGGへの転属が決まっていたのだが暗殺されてしまっており、その人材を惜しんでの事だったのだろう
(ちなみに彼以外にも同僚にあたるゴルディーマーグやマイク・サウンダース13世も、
 同様に既存の人物を超AIのベースにしている)。
犬神の記憶は封印されているとの事だが、諜報員らしい冷静さを持ち、敵に対してさえ丁寧語で話す
主人公の片割れの少年でGGG特別隊員となった天海護の警護も行っている。
そのついでで彼を隠し撮りして写真を売り捌いてたりするが*2
ゾンダリアン(ゾンダーの幹部)「ペンチノン」とは何かと因縁があり、東京決戦では海上自衛隊護衛艦はるなと融合したペンチノンと激戦を繰り広げた。
その後、戒道少年に浄解されジェイアークの管制A.I.「トモロ0117」として本来の任務に戻ったペンチノンと再会。
幾度も刃を交えた彼とは戦友の間柄となった。

なお非常に忍者っぽい外見なのであるが、別に忍者ではない
特別忍者に由縁があるわけではなく、開発協力者のロシア人が「日本の諜報員=忍者」だと思ってこの格好にしたのであり、
あくまでも忍者がモチーフと言うだけの話である(AI元の犬神が忍者だったという話も聞かない)。
もっともGGGの方も忍者と認識しているのかFINALでは「ウツセミ」という要人護衛用の新装備を装備していた。

担当声優は格ゲーでは『KOF』のマキシマ役でお馴染みの 小西克幸 氏。
本役が氏のデビュー作とされており、それ故か妙に忍者のが目立つ…ような気がする。

ガンドーベル、ガングルー(ガンマシン)

それぞれビッグボルフォッグの腕部を構成するビークルロボ。

右腕として合体するのが白バイに変形するガンドーベル、左腕が一人乗り小型ヘリに変形するガングルーである。
これらは超AI非搭載なので人格はなく、ボルフォッグの指示に忠実に動く。
どちらもGGG隊員の移動の足として貸し出される事もあり、ガングルーで偵察に向かった火麻作戦参謀が、
機内でヒートアップして通信機を握り潰すのはGGGの日常風景である。
ただし、遠隔操作で動くという事もあって、
ボルフォッグの性能以上のハッキングが可能ならば制御を乗っ取られる恐れがあり、
事実作中ではビッグボルフォッグに合体済みだったのに両腕だけ乗っ取られてしまった。
人型時はそれぞれ頭部が犬と鳥を思わせる形状で、言うなればボルフォッグの手足となる忍犬、忍鳥と言った所か。

余談だが、ガングルーの人型への変形は勇者シリーズでもトップクラスに凄まじく、
ゲッター線螺旋力でも使ってるんじゃないかというレベルの変形をする。
一番ぶっ飛んでいるのが脚部で、ヘリの細い尾部が縦に真っ二つに割れ、
更に半分に折り畳まれ脚(当然膝関節あり)になるという…これ立体で再現とか絶対無理ィ!
当時発売された玩具もビッグボルフォッグ時の頑丈さ優先で、劇中のようなスマートな姿はしていない。
そう思っていたらスーパーミニプラは、ボルフォッグとの互換性を捨て、ビッグボルフォッグ専用胴体を使用する荒技で、
プロポーションを維持しながらガンマシンとの変形合体を再現してしまった、技術の進歩すげぇ。
なおボルフォッグ以上の無茶変形をする光竜、闇竜は合体自体がオミットされた
まぁ、それ以前にサイズ比が可笑しいのだが(ガオガイガーの方も合体後の500系新幹線がかなり縮んでいる)。
この突っ込みに対し監督は「ブライシンクロンです」*3と返答した事がある。

ちなみに機動部隊では一際小柄なビッグボルフォッグだが、これはガオガイガー自体が他の勇者シリーズのグレート合体並の大きさのためで、
ビッグボルフォッグ自体は他の勇者シリーズなら合体済みの主役機並みの大きさである。

ガンマシンとの合体によって戦闘能力は向上し、ゾンダリアン等とも渡り合えるようになっている。
メルティングサイレンなどの特殊装備はそのままに、右腕のガンドーベルのマフラー部に内蔵された機関砲「4000マグナム」、
左腕のガングルーのローターを刃として使う「ムラサメソード(原種編でパワーアップ後は「ムラサメブレード」)」と武装も強化され、
ミラー粒子なるものを全身にコーティングして回転し粒子を飛ばし攻撃する「大回転魔弾」や
同じように回転して突撃する「大回転大魔断」という技も使いこなす。
また、瞬間的に分離・合体を繰り返し相手をかく乱しながら三体による同時連続攻撃を仕掛ける一種の奥義「超分身殺法」も強力無比。
ちなみに何故かビッグボルフォッグのみ『FINAL』では合体バンクが一新された。

+ 外部出演
『スーパーロボット大戦シリーズ』にも『ガオガイガー』参戦時に超竜神らと同じく皆勤で登場している(なお、ガンマシンは換装パーツ扱い)。
初参戦は『第二次スーパーロボット大戦α』で、『第三次α』にも引き続き参戦。
どちらの形態でもそこそこ避けるので加速要員として小隊に入れるのに重宝するが、『第二次α』最終話クリア時にビッグボルフォッグの状態だと、
次の周にPP(パイロットポイント)を持ち越せないという、周回プレイする上で大変深刻なバグを抱えていた悲劇のユニットである。
なお、このバグは次作『第三次α』で無事修正されたかと思いきや、こっちはこっちでボルフォッグの状態だと引き継がないバグがある
類似のバグを抱えた巴武蔵と車弁慶共々、このPP消失バグは当時のプレイヤーを震え上がらせた。
これとは逆に仲間から外れて復帰するたびにPPが物凄い勢いでインフレするバグ持ちの勝ち組もいたのだが、ほんの余談である。

『W』では「メルティングサイレン」に「バリア無効化」の能力が付加されており、これがどのようなバリアにも有効なので猛威を振るった。
普通のバリアならまだしもアーバレスト等の「ラムダ・ドライバ」やナデシコ他の「ディストーションフィールド」ですら、
メルティングサイレンの前では無力である。
というかバリアですらないフェイズシフト装甲ですら無効化してしまう。忍者パネェ
これらはバリア貫通属性の武装全般にも言える事でもあるが、メルティングサイレンの場合1ターンの間バリアが発生しなくなるという効果のため、
「最低勇者ロボ軍団」呼ばわりに拍車を掛けている。
最低勇者ロボ軍団って何だ?って人はこちらこちらを見ていただけるとよく理解できると思われ。
ちなみに『フルメタル・パニック』の作者である賀東招二氏も、自分の作品のキャラであるガウルンのあまりの強さにボルフォッグの助けを借りたとか。

酷いネタばっかりではなく『W』ではあるシナリオで兜甲児にガンドーベルを貸し出し、
彼の弟とマジンカイザーの救出に一役買うという見せ場もあったりする。
この流れでガンマシンなしのボルフォッグのままになってて次のシナリオでつい換装し忘れるのはご愛嬌。特にもう一方のルートに行ってるとありがち

『BX』では他の機動部隊と同時に参戦。常時ビッグボルフォッグで運用される。
今回はメルティングサイレンが武装ではなく特殊行動として実装されており、かなりの広範囲のバリアを無効化できるようになった。
ただ、流石にオールキャンセラー持ちのボス格ユニットには通用しないので、素直に『直撃』かバリア貫通・無効属性の攻撃が必要になる。あと「勇気」
また、地味にムラサメソードがシールドとして使えるようになったり、地味にパトカー形態での顔グラ(運転席のコンソール)が使用されたりしている。
……地味にいやだって今回の勇者ロボ軍団はみんな結構目立つ出番を貰ってたりするのにボルフォッグだけ本当地味なんだもん

ちなみにニコニコ動画でもよく見る「ビッグボルフォッグだーっ!」は『スパロボW』の主人公の妹ミヒロの発言。
二部構成シナリオの第二部でのビッグボルフォッグ初登場時の台詞なのだが、
少し前の話で主人公が復帰するまで兄が死んだものと思っていたためのかなりナーバスな状態であったのと、
かなりギャップがあるのもあってか、妙にネタにされている。
でもスパロボ以外の動画での書き込みは控えましょう。

『新世紀勇者大戦』でも常時ビッグボルフォッグ状態で登場。
こちらでは他作品の忍者系とは一線を画す火力を持ち、最大火力は超竜神以上
(忍者系で2番目に火力があるシャドーダグオンの大体1.5倍程もある)。
ただし本作は端的に言って「強力な技で殴れば殴る程回避率が落ちる」仕様のため、
高火力のボルフォッグは忍者なのに避けれない状態に陥りやすい。


MUGENのビッグボルフォッグだーっ!

GGG主催!スーパーロボット大戦トーナメントでの司会補佐として知られたが、当時はキャラ製作はされていなかった。

現在はもはやGGGの人としてお馴染みになってきた、ユグシック(旧名:なにー)氏が製作したものが公開されている。
バージョンはβ0.40との事だが、十分に対戦に耐え得る出来になっている模様。

前述の『スパロボW』のネタのせいかイントロでは『W』の主人公機・ヴァルホークが登場するパターンがあり、
そのまま戦おうとするがオリジナル勢力のザコメカに攻撃された所をビッグボルフォッグに助けられて後退、という一風変わったバイト風景が見られる。
その分長いイントロになっているが、コンフィグで発生率を変更して出ないようにもできるのでご安心を。

性能の方は一発の火力や防御力が低い分高い機動力やバリエーション豊富な突進技で画面中を飛び回るスピードキャラになっており、
例によって氏のガオガイガーキャラ特有の二種の専用ゲージも所有。
さらに試験的に「クリティカルヒット」・「カウンターヒット」と新要素を盛り込んでおり、専用ゲージで強化される仕様にされている。
また原作でよく見せたビッグボルフォッグから元の三体に分離、合体を繰り返す「超分身殺法」のように分離する技もあるが、
現状はボルフォッグ単体のモードが未調整のため緊急回避が主な使い道。
なお氏のガオガイガーとの対戦・タッグ時にはちゃんとガオガイガー側のストライカービッグボルフォッグが封印されるようになっている。


「貴方達の敗因は、戦力計算の甘さにあるようです。」

出場大会



*1
「さんみいったい」と読む。三位一体ではない…が、『スパロボW』ではそう書かれてしまった

*2
これのせいでボルフォッグがショタコン扱いされる事もあるが、他にも宇都木命(凱の彼女)の隠し撮りも行っている。俺にも売ってくれ
一応、GGGの資金捻出の為やむなく行っているというのだが、問題は売る相手がよりにもよって同じGGG職員。
要するに間接的に職員の給料をピンハネしているのである。お前それでいいのか…

*3
他社作品『銀河旋風ブライガー』に登場した主役ロボ・ブライガーの変形システム。
ブライガー用シンクロンでブライシンクロンである。続編の『銀河烈風バクシンガー』では合体時に「バクシンクロン合身」と言うことがある。
「多元宇宙論に質量保存の法則を適用した」シンクロン理論によって質量を含めた物体の拡大縮小を可能にしており、
言い換えれば「多元宇宙(異世界)なら質量保存の法則を無視して物体の大きさを自由に出来るんじゃね?」的な理論。
似たような理論としては『スタートレック』の「亜空間航法(ワープドライブ)」、『スターウォーズ』の「亜空間航法(ハイパードライブ)」等がある。
こちらは「亜空間(異世界)なら相対性理論を無視した超光速航行が出来るんじゃね?」というもの
(一方で『伝説巨神イデオン』の「亜空間飛行(デスドライブ)」は「亜空間を利用して近道を作る」タイプであり、宇宙船の移動速度自体は光速未満である)。
もっともビッグボルフォッグはともかく、キングジェイダーの腕は間違いなく巨大化しているため、
キングジェイダーに限ればブライシンクロンですと言われても納得できてしまうのだが
(実際には自己再生能力があるとの事で、それで腕を巨大に構成し直しているとも考えられる)。

なお、ガオガイガーがブライガーと共演した事は無い
『スパロボα』シリーズでは一応両方出たものの『ブライガー』は『α外伝』のみ、『ガオガイガー』はその次の『第2次α』以降と完全にすれ違っている
(一応『第3次α』で破嵐万丈がブライガーの存在を臭わす発言をするので、同じ世界にいる事だけは確かではあるが)。
そもそも『ガオガイガー』の監督がブライシンクロンと口走ったのは『ガオガイガー』放送中の話なので、
スパロボ参戦よりずっと前であり(『ブライガー』は更に15年前の作品)、所謂苦し紛れオマージュだというメタ的な話題である。

余談だがパロディ上等な遊戯王シリーズにも「ブライ・シンクロン」と言うカードが存在する。
アニメでの登場時はブライガー風の赤いロボが登場していたが、流石にヤバ過ぎたのかOCGとして実際に発売された際は緑色に変更された。
おまけとして遊戯王にはブライガーの続編である『銀河疾風サスライガー』を意識した「無頼特急バトレイン」と言うカードも存在する
(サスライガーの再販版玩具の名前が「バトレインC-3」。
 一方で「無頼」は当然として、フレーバーテキストの「お呼びとあらば即参上!」もブライガーの主題歌(の前口上)が元ネタ)。


最終更新:2021年10月12日 13:50