ジプシー・デンジャー


「自然の猛威と戦うことはできない。
 ハリケーンが向かってきたら、逃げなければならない。

     だが、イェーガーに乗ればハリケーンと戦うこともできるし、

     勝つこともできる。」


ギレルモ・デル・トロ監督の映画『パシフィック・リム』に登場する対KAIJU用巨大人型兵器「イェーガー」
(監督が日本のアニメ特撮の大ファンであり、「KAIJU」はそのまま日本語の「怪獣」を語源としている)。
開発国はアメリカ。既に旧式である第3世代イェーガーに分類されている。
全高79メートル、重量1980トン。自由の女神像の台座込みの全高と大体同じと覚えよう。

+ パシフィック・リムのストーリーについて。ネタバレ注意
2013年以降、次々と現れるKAIJUに対抗して2017年に稼働したのがジプシー・デンジャーである。
操縦者はヤンシーとローリーのベケット兄弟。学校では凡庸な成績だったが、路上喧嘩では負け知らずだった。
4体のKAIJUを撃破、補助出撃も数多くという戦績を持つが、2020年2月のKAIJUナイフヘッドとの戦闘で大破。
兄・ヤンシーが死亡し、単独で戦闘を継続した弟・ローリーもPTSDを理由に操縦者を引退。
そのまま放棄されていたが、KAIJUの出現元である海底の割れ目を破壊する作戦に参加するため、
2024年に改修を受けて前線復帰し、KAIJUとの最終決戦に臨む。
操縦者は復帰したローリーと、改修の担当者である森マコの二人となった。

2025年1月、決戦の為にイェーガーが集結した香港を、オオタチとレザーバックのKAIJU2体が強襲。
チェルノ・アルファとクリムゾン・タイフーンを破壊され、行動不能に陥ったストライカー・エウレカの援護をするため出撃。
改修後(そしてマコにとっての)初の実戦においてこの2体の撃破に成功する。

その後ストライカー・エウレカと共に割れ目の破壊作戦に参加。
ライジュウ、スカナー、さらに史上最大のKAIJUスラターンに襲われるが、
片腕を失いながらもライジュウを撃破し、ストライカー・エウレカの自爆による援護を受けて割れ目に突入。
KAIJUの発生源に辿りつき、原子炉による自爆を行いこれの破壊に成功。
ローリー、マコ共に脱出装置による生還を果たし、KAIJUとの戦いに完全勝利した。

なお題名は「環太平洋」と言う意味であり、本作では太平洋から出現するKAIJUに対する防衛ラインの事である
(逆に言うと、太平洋から離れている国にとっては半ば他人事らしい)。

本作におけるKAIJUは自然発生したものではなく、異次元からの侵略兵器である。
異次元人用環境改造を目的とし、人類には有害な汚染血液KAIJUブルーと、最弱個体でも核爆弾3発でやっと倒せるほどの強靭な皮膚を標準装備。
このような特性を持つKAIJUを核兵器の使用は勿論、体液の流出すら防ぐべく大質量による殴り合いで撃破する為に開発されたのがイェーガーである。
2015年に初出撃した試作型イェーガー「ブロウラー・ユーコン」がKAIJUを撃破して以降、
世界各国で次々と建造されたイェーガーとそのパイロット達は文字通り英雄的な活躍をもって人類を守り続けた。
一方でKAIJUは上記の他にも全ての個体間で知覚情報を共有できるという特性を持っており、これを活かして侵略者側も即座に対応を開始している。
つまりあらゆる戦術、兵器は即座に情報共有され、解析され、強化された次のKAIJUが現れるのだ。
容赦なくイェーガーのコクピット、操縦者を狙うのは当たり前。
重装甲相手には溶解液、機動性重視の機体には複数で、最新鋭機体には電磁波による制御コンピュータへの攻撃。
それに対しイェーガー側は必殺兵器を解析されるのを防ぐためにもトドメ以外で必殺兵器を使うわけにはいかない
次々現れるKAIJU相手にイェーガーが常に苦戦を強いられるのは、このためであり、
全盛期は30機以上あったと言うイェーガーも、長きに渡る戦いの中で1機、また1機と撃破され、物語冒頭の時点では、
「チェルノ・アルファ(ロシア製第1世代)」、「クリムゾン・タイフーン(中国製第4世代)」、「ストライカー・エウレカ(オーストラリア製第5世代)」
の3機に、大破のまま4年も放置されていたジプシー・デンジャーを加えた4機しか残っていない
(日本製イェーガー「コヨーテ・タンゴ」も回想シーンでマコを助ける活躍はあったものの、既に破壊されている)。
しかも一機あたりの開発維持費に国家予算レベルの金額が必要なため、新造はされなくなってしまった。
代わりに「命の壁」と言う巨大防壁が造られたが、呆気なく破壊された上に飛行可能なKAIJUの出現で無用の長物に……。

何故定期的に怪獣が出現するのか、何故怪獣は弱い順に現れるのか、何故人型兵器で戦うのか、何故必殺技を最初から使わないのか。
往年のロボットアニメ特撮へのオマージュ溢れる展開のみならず、
こうしたお約束への徹底的な理由付けもまた、『パシフィック・リム』の魅力の一つである。

そして一度敗北し、強化改良を受けて復活したジプシー・デンジャー。
本機はKAIJU相手に優位に戦える、唯一にして最後のイェーガーなのだ。

両腕に搭載されたプラズマキャスター、腕部ロケットを使った強力なパンチ「エルボー・ロケット」、
さらには改修後新たに作られたチェーン・ソードがあり、動力源の核リアクターを二つ持つ(第1世代を除く)唯一の機体。
そのため冷却液を噴射しての凍結攻撃という裏ワザや、胸部リアクターからの強力なエネルギー砲も保有する。
また香港での戦いではやたらに頑丈な「タンカーのようなもの」を武器にした攻撃も披露した
(これはローリーがストリートファイターであった為。コンテナを用いた凶器攻撃も繰り出している)。
エルボー・ロケットは日本語吹き替え版ではアフレコ時に急遽ロケットパンチに変更されたというエピソードが有名。流石本家本元は違った
あと中国版では何故か「ペガサス流星拳」と翻訳されていたとか。確かに中の人は日本語版に出てるけど

また余談だが、出撃ポーズはハリウッド初の特撮巨大ロボ映画『ロボ・ジョックス』主役機マツモト14号へのオマージュである
(なお『ロボ・ジョックス』の方は、敢えて言えばGガンな世界観(連合国家間の代理戦争)である。
 またマツモト14号は日本人のマツモト博士が開発したものとなっており、日本のロボットアニメの影響を示している)。
というか監督のデル・トロ氏は下手な日本人オタクよりも確実に濃い、真性のオタクである。

+ さらに余談
なお、日本語版のキャストはかなり豪華。
主役からして 杉田智和 氏に 林原めぐみ 女史。
腋を固めるキャラも玄田哲章氏、池田秀一氏、古谷徹氏、三ツ矢雄二氏、浪川大輔氏、土田大氏と錚々たるメンツである。


"ELBOW-ROCKET!"

《ELBOW-ROCKET……Engaged!》

" N o w ! ! "


MUGENにおけるジプシー・デンジャー

幽霊荘氏によるキャラが公開中。最新版は2014年9月30日更新。
スプライトはフィギュアをベースにしている。

巨体故に機動力が低めで、ダッシュは徐々に早くなっていく特殊な仕様。
プラズマキャスター、エルボー・ロケット、チェーン・ソード、胸部タービンを使った「ニュークリアヴォルテックスブラスター」、
冷却ガス、やたら頑丈なタンカーのようなもの、ラストシーンで見せたリアクターメルトダウンによる自爆も完備。
搭載装備や劇中で見せた技が一通り技が揃っている。
攻撃は打撃、射撃、ニュークリアヴォルテックスブラスター、自爆、冷却ガスの5ボタンで行える簡易仕様。
エルボー・ロケット、チェーン・ソード、タンカーのようなものはレバー入れ+打撃で発動できる。
ニュークリアヴォルテックスブラスターは発動までが遅いが威力が非常に高い。
なおこの技はPS3とXBOX360でプレイできるゲーム版では一撃必殺ポジションであった。

機動力は低めな一方でガード不能な技が多いのが特徴。
ダッシュ、攻撃時にはアーマーが付く。
またエルボー・ロケットのボイスは2種類搭載されている。

MUGEN界に存在する様々なKAIJU達との名勝負が期待される。

出場大会

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最終更新:2023年08月16日 11:42