ベジータ



「フリーザはオレたちサイヤ人の底知れぬ可能性を恐れている…」

概要

鳥山明の漫画『ドラゴンボール』と関連アニメシリーズにおける主要登場人物で、言わずと知れた孫悟空のライバル。
初登場時は敵でありサイヤ人編のラスボスで、あまりそう見られることはないが、フリーザセル魔人ブウと並ぶ『ドラゴンボールZ』のボスキャラの一人である(サイヤ人編~フリーザ編は一続きと見られる場合もあるが)。
声優は『GS美神』の横島忠夫、『聖闘士聖矢』のアンドロメダ瞬、『銀英伝』のラインハルト、『機動戦士ガンダム0083』のコウ・ウラキなどの役を演じた 堀川りょう (『ドラゴンボールZ』放送当時は堀川亮)氏。

サイヤ人の王子でありプライドが高く高飛車。生え際が危うい(M字)。
そして背が低い(164cm)…。漫画版やアニメ版から見ても、悟空(175cm)よりもやや低い。
フリーザの宇宙船で戦闘服を新調しようとした際にも他にサイズの合うものがなく旧型のものを着用している。
しかし悟空とフュージョン出来ることから悟空よりそれほど低くないと思われる。

初登場時の性格は冷酷で残忍。
長年連れ添った側近のナッパでさえ、役に立たなくなったという理由で殺す。*1
サイヤ人絶滅の理由がフリーザの仕業とわかっても、故郷の仲間が殺されたことにさえ無感動であり、(自分がナッパを殺したことで)唯一残った同じサイヤ人である悟空も「落ちこぼれの下級戦士」として見下し、躊躇い無く殺そうとしていた。
だがその後、下級戦士に分類されるはずの悟空がサイヤ人の王子である自分を大きく上回る強さを身につけた事でプライドがズタズタにされたことから意識の変化が生じ始める。
その事態を何かの間違いだと考え、悟空を上回る力を得て再戦と復讐することに執着。
しかしその過程で悟空がさらに自分以上の大きなパワーアップを何度も遂げて成長し差が縮まらない事実と、悟空が幾度もの戦いを経て自分にも手が出せなかったフリーザなどの怪物たちを打ち破っていく姿を見て、自分とは根本的に異なる彼の「甘さ」に反発しながらも、彼の実力に対する認識を改めていった。

性格の方も大きく変わっていき、主人公達とつきあっていくうちに丸くなっていった元悪役の元祖とも言えるキャラクターとなった。
それにしても、ここまで性格が変化したキャラも珍しいのではないだろうか。
ちなみにCV担当の堀川氏が言うには、ベジータも元々はナッパ同様に速攻で死んでしまう予定だったとか。
もし予定通りだったらドラゴンボールの内容は大きく変わっていたかもしれない。

ニコ動内ではサイヤ人の王子である事から通称「王子」と呼ばれる。
この愛称は、ベジータと同じ声を持つキャラKuandoの愛称としても用いられている場合がある。
稀に、立場が同じく王子の勇者が居るのでこちらのことを示す場合もある。
一方、半分はベジータであっても悟空と合体したキャラについてはベジータ分が薄いので王子と呼ばれることはまず無い。
また、ブロリーMADなどでは クズ と呼ばれることも多い(アンチ的な蔑称ではなく、ブロリーに岩盤に叩きつけられたときの「所詮クズはクズなのだ」という台詞から)

劇中の活躍

原作ではサイヤ人編のラスボスとして初登場。
悟空を除く地球人側の戦士は誰一人として相手にならず(ベジータ以前に部下のナッパに敗れており、ベジータはそのナッパを一撃で粉砕している)、またこの時点で彼は既に界王や閻魔大王といった善側のトップ集団よりも強いとされていた。
最終的に悟空はベジータに勝利したものの、これもラディッツとの戦いで死んであの世で修行した上で、さらにクリリン悟飯、ヤジロベーたちの力を借りてのもの。
しかも決着時には悟空は既に瀕死の状態であり、決め手となった攻撃は悟飯の大猿化のため、実質的には悟空勝利したとは言えない。

激戦の末大猿になった悟飯に押し潰され瀕死の重傷を負い、クリリンにトドメを刺されそうになったが、悟空がベジータとの再会、再戦を強く希望した為(私利私欲の無い悟空をして「一生の頼み」とまで言っている)見逃される。
これら一連の出来事は後に尾を引く事になるが、ギニュー特戦隊と戦うまではまだまだ格下であるとの認識をしており対抗意識も薄かった。
また活躍の程もかつてライバル(自称)であったキュイを汚い花火にしたり、敵幹部であるドドリアザーボンを圧倒する(ザーボンには一度は圧倒されたが)等、都合上遅れて出発した悟空を差し置いて、実力では遥かに上であるフリーザを上手く手玉に取っていた。

「サイヤ人は戦闘種族だ!なめるなよ~~~っ!!!」

が、その後、転落。

悟空が自身がボコボコにされたリクームを瞬殺し、さらにリクームと同程度以上の強さを持つ特戦隊メンバーを圧倒する様を目の当たりにし、悟空をライバルとして強く意識するようになる。
その後はベジータ自身も徐々に力を増し、人造人間編では悟空・トランクスに続き自身に対する怒りで超サイヤ人にも覚醒。
しかしナメック星編では強さで劣る悟飯とクリリンには出し抜かれ、フリーザには超サイヤ人になれたと勘違いして自信満々で挑みかかるもその更に上をいく圧倒的な力に泣く程の恐怖を味わい*2、セル編でも第2形態へと進化したセルを倒せる程の力を得ていながら完全体への進化を手助けし、結果ボコボコにされている。
サイヤ人は死の淵から蘇る度に強くなるという設定も仇となり、ボスの強さを見せるの役割を受け持つことが多くなる。
また、自信過剰な性格は変化しておらず、「サイヤ人の王子だから」というエリート意識に、「より強い奴と戦いたい」というサイヤ人の本能、そして悟空への嫉妬・コンプレックスが重なり、結果状況を悪化させることも少なくない。

しかしながら、そういった点も合わせて愛されているキャラクターだと言えよう。
逆に言えば、戦闘力のインフレの激しいDBに置いて最終決戦まで 戦力として参加できた数少ないキャラ でもある。
最後の方ではピッコロ以下の連中ははかませ犬としてすら力不足であったので、これでも立派な活躍と言える。
なお原作及びアニメの公式ストーリーでは超サイヤ人3にはなれなかったが最近のゲームではなる事が可能になり、
『GT』の最終決戦では悟空に続いて超サイヤ人4になっている。
その状態で、同程度の実力が必要となるフュージョンをしているため、最終的な戦闘力はやはり悟空と互角*3と思われる。
また、直接戦闘で倒した相手はボスの前座的キャラが殆どだが、かめはめ波の撃ち合いをしているセルの気をそらしたり、悟空が元気玉を作る時間を稼ぐために魔人ブウの足止めをしたりと、間接的にはちゃんとボス撃破にも貢献している。
さらに劇場版においても、悟空に気を分け与えたり悟空とフュージョンしたりとボス撃破にかなり関わっている。
なのでベジータが居なければ勝てなかったであろう(少なくとも苦戦した)戦いは結構多かったりする。

+ 劇場版では…


魔人ブウ編~

フリーザとの戦いの後、成り行きで地球で暮らしていく内に冷酷さは徐々に影を潜めていき、地球で暮らし初めてから約10年が経った魔人ブウ編では、カプセルコーポーレーションで妻であるブルマと息子であるトランクスと一緒に生活や修行をするなど、修行は怠らないものの、以前の彼からは想像できないほど穏やかな生活を送る。
トランクスと悟空の息子である悟天の試合では、優勢なトランクスを見て「どうやらトランクスの勝ちらしいな…ふっふっふ」、悟天がトランクスとの約束で試合では禁止ということにしていた超サイヤ人になって窮地を脱した時は「き きたないぞカカロット!!」、トランクスが悟天を倒して優勝したときは悟空の肩を叩きながら「はっはっは おい!残念だったな どうやらオレの息子のほうが血統がよかったらしい」など 親馬鹿丸出し な発言もしている。
悟空との戦いへの執着も復讐や憎しみではなく、自分と同等以上の天才である彼の力を認めた上で、命を奪うことにこだわらない「決着」を付けることへと変化し、彼への敵視もほとんどなくなって会話や食事も普通にしている。
またトランクスが修行中にベジータの目の前で超サイヤ人になり、悟天もなれる事を知った時には
「……まるで 超サイヤ人のバーゲンセール だな……」と簡単に覚醒する息子たちへの複雑の心境と、
同時に地球にかなり馴染んできた事が伺える名言(迷言?)を残している。

しかし、こういった自分の変化にジレンマを感じており、そのジレンマから自らバビディに操られる。
だがその際は自身の高いプライドによって完全には支配されず、悟空との再戦を望み、悟空もそれを承諾。

「オ…オレは…オレは……昔のオレに戻りたかったんだ!!!
 残忍で冷酷なサイヤ人のオレに戻って、
 何も気にせず貴様と徹底的に闘いたかったんだ!!!」

操られたときにさらなるパワーを引き出されており(と言うより、それがわざと操られた目的の一つ)、
悟空の超サイヤ人2と互角の強さとなっていた(なお、勘違いされがちだが超サイヤ人2自体はバビディに操られる前からなれる)。
しかしそのハイレベルな戦闘力の拮抗をエネルギーとして利用され、ブウ復活の引き金としてしまった。
復活したブウの強大さに責任を感じたベジータは、家族を守るために結果として悟空との決着を放棄してまで単身ブウに立ち向かう。
そしてトランクスにブルマの事を託すと、ブウを完全に消滅させるために自爆するという手段にでた。
これはセルゲームにおける悟空が取った「愛するものを救うために我が身を犠牲」という行動をなぞったものとも言える(自爆した側は逆だが)。
最後に息子に母親の事を託す旨の発言をしているところまで同じだったりする。

「トランクス……ブルマを…ママを大切にしろよ……」

「さらばだ…ブルマ…トランクス……そして…カカロット……」
そしてブウの肉体を木っ端微塵に吹き飛ばすが、ブウは異常な再生能力を持っていたため粉々になっても復活、結局犬死にになってしまった。*4

生前基本的に善人だった悟空と違い、地球に来る以前に大勢の罪無き人々を殺す等悪行を重ねたため死後は肉体も残らず記憶も消され転生するはずだったが、ブウの強大な力であの世をも破壊される事を恐れた閻魔大王により、
特別に魂・肉体が維持され、悪のブウにより悟空達が劣勢になっていた状態で再び現世に舞い戻る。
その後は合体戦士ベジットとなってブウを圧倒したり、元気玉やドラゴンボールを駆使して悟空をサポート、ブウを倒す事に成功した。

この頃にはかなり人間が丸くなっており、ブウ編での戦死後は事あるごとに自身を「悪人」と称している。
このためドラゴンボールへの「“悪人を除いて”生き返らせる」という願いで自身も復活した事には驚いていた。
ちなみに「悪人を除いて」という条件を出したのは他ならぬベジータ本人である。
つまり、ベジータは自分が生き返れない事を承知の上でこの条件を出したはずなのでそりゃ驚くだろう。
またブウと互角に戦う悟空を見て、彼は遂に自身が悟空に勝てないことを素直な気持ちで受け入れるに至っている。
「がんばれカカロット、お前がナンバーワンだ。」
この時こそベジータは完全に吹っ切れたものと思われる。
後に完全版で追加されたページの最後のセリフでは
「そのうち必ず勝ってみせるからな、カカロット…ふん!」
と追加されたので意味合いはかなり変わったが、これはこれで非常にベジータらしい描写となっている。
なお、この台詞の追加により、原作版ドラゴンボールはベジータが最後を締めることとなった。

+ その後のベジータ

+ 劇場版『神と神』での活躍

『ドラゴンボール超』~

放映当初の『神と神』編及び『復活のF』編に於いて大まかな流れはほぼ同じ展開であり、『復活のF』編で悟空に続き「超サイヤ人ゴッド超サイヤ人(=超サイヤ人ブルー)」に覚醒している。以降は自身を鍛える為ビルス(というよりウイスが教師)の基で修行の日々に尽くしている。


余談

ドラゴンボールでは自分で必殺技を開発するよりも誰かに教わったり無断で借りたり真似たりすることが多い(悟空は殆どの技が他者考案な事で有名)。このため、「自分で名前を付けた技」はかなり少ない。
そんな中、ヤムチャの「繰気弾」、クリリンの「気円斬」、悟飯の「魔閃光」などに対し、ベジータだけ「ビッグバンアタック」「ファイナルフラッシュ」など、微妙なネーミングを思いついている。
冒頭の「超ベジータ」と名乗る場面もその後の展開(笑えよベジータ)と合わせてネタ扱いされやすい。
こういった振る舞いも王子としてのプライド故なのかもしれないが。

初登場時はサイヤ人らしく尻尾が生えており腰に巻きつけていたが、地球で悟空たちと戦った時にヤジロベーに斬り落とされた。
地球で負った傷をメディカルマシーンで治療した際は、尻尾が再生しなかったことについて「かまわんそのうち生えてくる」と言っていたのだが、原作中では 最後まで 生えることはなかった。
ヤジロベーの刀は特別製だったのだろうか…。魔族や戦闘服も斬ることができるほどなので、あり得るかもしれない。

ところで「生える」といえば、彼は生え際が危ないとよく言われているのだが、ゲーム『Sparking! METEOR』ではスポポビッチとこのような掛け合いがある。
「そこのハゲ!額にMとはどういう意味だ!? 貴様…俺を馬鹿にしているのか!!」「何の事だ!?」
……どうやら物凄く気にしているらしい。 自分だって後で額にMを付けるのに
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1899160

ちなみにベジータ曰く「純粋なサイヤ人は頭髪が生後から不気味に変化したりはしない」との事で、つまりこの髪型は生まれつき
ただし幼少期のベジータは前髪があり、あのナッパも若いころは髪の毛が生えていた。
つまり髪型は生後の髪型から崩れることはないが、髪の毛自体は一度毛が抜けてしまえばそれまでということになる。*5
なお悟飯やトランクスは混血なのでちゃんと髪は伸びる。

MUGENにおけるベジータ

本名か「王子」が通称となっている。ネタにも事欠かさない存在で意外と愛されている。

+ 超神氏製作のベジータ
+ 五五七氏製作の超ベジータ
+ バルバトス氏製作の超ベジータ
+ Balthazar氏&Cybaster氏製作のベジータ
+ supermystery氏製作のベジータ
+ Sustina氏製作のベジータST
+ Sustina氏製作のB-Vegeta

海外産のベジータは他にも多数存在するが、supermystery氏製と同じような理由で、こちらも動画で見る機会は少ない。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm507270

ニコMUGENでの扱い

MUGENではkaiman氏が製作した「スーパーマーケットベジータ」というステージもある。
このステージの影響か、ストーリー動画に出演する際にはスーパーマーケットの店長(店員)としての出演率がやたらと高い。

出場大会

+ ...

出演ストーリー

+ ...

*1
この事から、後のゲームで「もしベジータがナッパを仲間として大切にしていたら」というifストーリーが出来てしまった。
ナッパの事かぁぁぁぁ!!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1324779
しかし、ナッパを殺された怒りとかではなく、「お前と一緒にいたらあのサイヤ人みたいにすぐ死ぬ」と突っ込まれて超サイヤ人に覚醒するというなんとも言えない展開である

*2
本当に余談ながら、後にこのシーンのベジータのフィギュアがプレミアムバンダイで発売された。 バイブレーション機能つきで
台座にバイブレーターが仕込まれており、スイッチを入れてやる事で「心の底から震えあがるベジータ」を再現可能…という一品。お値段は涙にあわせて4949円也。
当然ながら宣伝担当者と東映アニメーション担当者からは「何も実際に震える必要はないのでは?」という反応が来た模様。

*3
ベジータは自力では超サイヤ人4に変身できず、ブルマが開発した超ブルーツ波発生装置を使って変身するため、厳密に言えば互角ではない。
パーフェクトガイドによると、「大猿の力がベースとなっている超サイヤ人4に変身するためには、本来はブルーツ波を浴びるしかない」とされている。
「悟空はブルーツ波が無くても超サイヤ人4になれる特異体質らしい」とも書かれており、自由に超サイヤ人4に変身できるのも悟空特有の能力らしい。
しかし一方で、「最初から大猿状態でも理性を保てる上級戦士のベジータなら、本来なら悟空よりも楽に超サイヤ人4になることができたはずではないか」という意見もある。
ベジータ本人も「俺が大猿になっても理性を失わんのは昔からだ。しかし何故超サイヤ人4にならない」と疑問を抱き、それに対してブルマが「多分、孫君流に言えば修行が足らなかったって事かしら」と答えている。
べジータはパワーボールを使うことで人工的に満月を作り出せるが、尻尾がないベジータは満月では大猿になれないので、超ブルーツ波発生装置の代わりにはならない。
『GT』中盤において界王神界で悟空の尻尾が復活したのに対して、ベジータは尻尾を失ったままであったことが決定的な差になったというところか(尻尾があればパワーボールを使うことで大猿に変身できるため、超ブルーツ波発生装置を使う必要はなかったと思われる)。

ちなみに「ファイナルシャインアタック」はゲームなどでは超サイヤ人4専用技として設定されているが、本編では超サイヤ人の状態でしか出しておらず、超サイヤ人4専用技ではない。
『GT』で追加された技であることから、超サイヤ人4専用技として扱われているのだろう。

*4
結果として復活はされたものの、パワー自体は敵を粉砕できるという描写はセル編でのファイナルフラッシュにも見られる。
「単純な破壊力だけでは敵を倒せない」という事態を表現することに使われている……はずなのだが、後にそれらの敵を倒した方法は結局それ以上に強烈な単純攻撃」であった。そのあたりは単純パワーバトルものであるドラゴンボールのお約束なのか…。

*5
ヤングジャンプの桂正和氏との対談では、
桂氏がベジータを「Mッパゲ」という旨の発言をした所、作者の鳥山明氏は強く否定している。