IV号戦車D型改F2型

※MUGENではアニメ作品「ガールズ&パンツァー」に登場する個体(詳細は後述)のみ参戦しているため、本項でもその個体を中心に記述させていただく。

戦間期にドイツが実用化した中戦車。
最初の量産型であるA型は1937年、最終型のJ型は1944年に登場した。
第二次世界大戦の全期間で独軍戦車部隊の主力を担った唯一の装甲戦闘車両でもある。

電撃戦で有名なドイツ機甲部隊の創始者とされているハインツ・グデーリアンらの要求によって開発された。
当時機甲師団に配属予定だった戦車大隊は四個中隊編制で、二種類の装備器材によって充足される計画だった。
三個中隊に対戦車加農砲を備えた軽戦車、残る一個中隊に大口径加農砲搭載の中戦車を配備する構想を描いていた。
後者が結実して完成したのがIV号戦車(Pz.Kpfw.IV)で、前者はIII号戦車(Pz.Kpfw.III)に発展した。

F型までが搭載した24口径7.5cm砲は、徹甲榴弾によって装甲厚40mmの仮想敵戦車を射距離500mで撃破可能な性能を有していたが、
英軍のマチルダI/II歩兵戦車や仏軍のB1bis重戦車との交戦で貫徹力不足を露呈、60口径5cm砲や34.5口径7.5cm砲への更新が検討された。
その後ソ連軍のT-34中戦車相手にその程度の強化策では不充分と判断され、より長砲身の7.5cm砲と新型徹甲榴弾の導入に踏み切った。
それが初速が倍に近い43口径砲でF2型とG型に採用され、G型の途中からは更に砲身を延長して初速を高めた48口径砲に変更している。
これにより敵主力戦車に対抗し得る火力を確保し、北アフリカ戦線では英軍から「マークIVスペシャル」と恐れられる程になった。
(ただし24口径砲も威力を改善した成形炸薬弾の供給で、命中精度や内部破壊効果に難はあるものの対戦車戦闘能力が回復している)

以降は質的な面で限界を迎えたIII号戦車に代わって中心的な存在となり、車台は各種自走砲のベースとしても重宝された。
一時は生産停止の危機に晒されながらもグデーリアンの献策で回避し、V号戦車パンターの就役後も暫くの間は数的な主力で有り続けた。
IV号戦車も敵側戦車の改良や新鋭投入で陳腐化を免れなかったが、ベルリンが陥落して降伏を受諾する日まで活躍を続けている。


物凄くざっくり説明すると、戦車界隈におけるザク的な存在…というより、先方のオマージュ元の一つがIV号。

終戦のその日までドイツ陸軍を支え続けてきた主力ではあるのだが、映画や漫画などではどうしても
より洗練された中戦車である「V号戦車パンター」や、数々の伝説的な逸話を持つ重戦車「VI号戦車ティーガーI」といった
花形的な存在の影に隠れ気味になってしまい、「ミリタリーファンにはお馴染みでありながら一般層には全く知名度がない」
という、良く言えば通好み、悪く言えばややマイナーな戦車という立ち位置に居たのが本車である。

そんな大部屋俳優的な存在だったIV号戦車だが、とあるアニメで主人公の乗車に抜擢されたことで
一躍スターダムに駆け上がる事になる。そのアニメこそが以下で解説する『ガールズ&パンツァー』である。

Panzor vor(パンツァー・フォー)
(戦車隊、前へ!) パンツのアホー?!

戦車を扱う架空の競技「戦車道」を描いた2012年のテレビアニメ『ガールズ&パンツァー』に登場する戦車
主人公の西住みほ率いる「あんこうチーム」の搭乗する、いわゆる主役機として活躍している。
当初はD型だったが、戦車砲を換装してF2型風に(項目名にあるように、MUGENに参戦しているのはこの時期のもの)、決勝戦ではシュルツェンを追加してH型風に改装された。
史実でも古い型の車両が後方に戻された際に最新型に準じた装備の追加、変更が行われることは珍しく無かったのだが、
当車両はほぼ全体に渡って細かい改修が行われており、修理、改修を担当した自動車部(後のレオポンさんチーム)の
並々ならぬ腕前を垣間見せる仕上がりとなっている。

+ 原作アニメ『ガールズ&パンツァー』について

+ あんこうチームについて

+ 僚車紹介


MUGENにおけるIV号戦車D型改F2型

ゆ~とはる氏製作のものが公開されている。前述の『ガールズ&パンツァー』仕様で、乗員もあんこうチームのメンバー。
アニメで使った各種作戦の他、他の戦車をストライカーとして呼び出せる。
常時アーマーで弾数制限こそあるものの機銃や主砲の制圧力はかなり高い。
AIは入っていない。AI作成は許可不要だが、「AIを公開される時はメールか掲示板にてご一報をお願いします」とのこと。
また「動画でご使用の際は特殊なルールを設けていない限りはできるだけ最新版を使うようにしてください」とお願いしている。
プレイヤー操作動画

くねくね氏により、電光戦車に乗せる&簡易AIを追加するパッチが公開されていた。
現在は公開終了をしている。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm25242381 http://www.nicovideo.jp/watch/sm25249696

出場大会

出演ストーリー



*1
余談ながら、歴史ある武道とは説明されていても「武道としての起源」は複数の説が挙げられていてよくわかっていないようだ。
曰く「馬上での薙刀」「馬上槍試合」「古代戦車、すなわちチャリオットやそれに準ずるもの」などの説が有力であるそうな。
ちなみに女性に人気なのは「非力な女性であっても、戦車を用いれば強大な力を以て正々堂々と戦えるから」、
「日本に戦車が輸入された際、一対一で戦う武士道精神を重んじる男性には戦車は不人気であった(流石にこの辺は「創作上の嘘」であろうが…)」
という理由から。
かつての大戦時等は別として、劇中の時代では「戦車は男性が乗るものではない」という認識が一般的になっている。
例外的に、外部作品とのコラボでは「かの派出所警官」が戦車に乗り込んだ事もあり、
またラジコンマニアが戦車道ブームに乗っかって発展した「ラジコン戦車道」なる男性ユーザーの多い競技も存在する模様。

また、武道としての戦車道の理念として「礼節のある、淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子」が理想の戦車道女子であるらしいが、劇中にはひいき目に見ても淑やかで慎ましいとは言い難い人物、
あるいは(きちんと理由が説明されているとはいえ)礼節を欠いていると思われても仕方ない人物も登場している。 まあこの手のスポーツものには不可欠なキャラだからね
これは「高校生のスポーツ」という側面があり、競技人口が多いゆえの多様性によるものだろう。
また高校戦車道では相手校に対する諜報行為等も公式に認められている他、解釈次第でルールの抜け穴を突くことができるなどの描写もあるが

「戦車道は戦争ではない」

という精神に関しては、登場人物のほぼ全員が遵守している。外伝漫画の主人公は「戦車道が戦争でないこと」を嫌っているけど

*2
これ以外にも、競技用の特別な砲弾
(設定資料の記載に拠れば装甲を貫通せず、内蔵された電子チップと専用の判定装置を利用して被害判定を算出する特殊砲弾。
衝撃などで火災が発生している描写はあるが、劇中描写では戦車内にいる限りは着弾しても死傷するような事は無いと推測される)を使用するなど、
スポーツとしての安全性には最大限の配慮がされている、と説明されている。
おそらくだが史実では割と危険な代物であった「リベット接合組み立ての戦車」(被弾の衝撃でリベットが車内で吹き飛び、乗員を殺傷せしめる事例が多数報告されている。これにより溶接組み立ての戦車が発展した。近い事を狙って起こす弾頭、粘着榴弾との関係は不明)などもそれこそカーボン内張りなどで何がしらの対処がなされているのだろう。
また、後から特殊カーボンで補強する都合上、TVシリーズではマルダーシリーズやM10 GMCのような「オープントップ(戦闘室に開口部がある)車輌」は原則として参加できなかった。

その一方で(詳細は省くが) 「(戦車道に詳しいはずの)ある人物が、僚車が崖から転落し激流に飲まれたのを確認。試合中にもかかわらず即座に降車して様子を確認しに向かう」 というシーンがあることから、
劇中に登場しなかっただけでスポーツ傷害と完全に無縁とは言えない可能性もある。

*3
戦車という乗り物は基本的に外部の状況を確認し辛い(外部視認用の窓自体はあるが、かなり小さい)為、史実において優秀な戦果を挙げた戦車長の多くも同様の行為を行っている。
そしてその多くが爆発による破片や狙撃手による狙撃で命を落としている
あまりの死亡率の高さに旧ソ連では禁止令まで出た(そして守られなかった)程である。
戦車道では狙撃の心配はなく(戦車に搭載されている兵器以外での攻撃は禁止。ある意味当然だが)、砲弾も競技用の安全な物が使用されているが、建造物の破片等による危険は当然存在する。

*4
乗り換えたわけではなく、元々乗っていた38(t)戦車をヘッツァーに改造している。
実際のヘッツァーが38(t)戦車を参考に設計された事からの史実ネタである。
なお、厳密には設計がかなり違う別個の車両なので本作におけるヘッツァーはあくまでも『ヘッツァー風38(t)』という事になっている。
本来はグリーレ(38(t)の車体部分を流用した自走砲。オープントップなので先述のように戦車道にはおそらく使用不可)等のルール上戦車道に使用できない38(t)派生車両用の改造キットであるとの事。

*5
かのⅥ号戦車ティーガー…になりそこねた戦車。解りやすく言うとゲルググに対するギャン
「エンジンでモーターを駆動させるハイブリッド方式」という時代を先取りし過ぎた機構を採用した結果故障が多発、
Ⅵ号戦車には堅実な設計に徹したヘンシェル案が採用され、ポルシェ案は廃案となった。
そのため、実際のこの車両の名前は「VK4501(P)」、「ポルシェティーガー」は後年の(主に日本のファンによる)愛称である。
実際のポルシェティーガーは訓練車両に回された一部を除き全車がエレファント駆逐戦車に改造された
…というのが定説になっていたが、近年「実は数両が実戦に参加していた」事が判明し、戦車愛好家界隈が
大騒ぎになった事は記憶に新しい。
なお、その脅威の性能については宮崎駿の漫画「豚の虎」を読めば嫌というほど良く理解できるだろう。
ちなみに本作におけるポルシェティーガーの初お目見えシーンはこの漫画のパロディになっている。