霍青娥


「仙人は仙人ですよ。不老長寿、頭脳明晰、金剛不壊」

『東方Project』の登場キャラクター。初出は『東方神霊廟』の四面ボスとしての登場。
「壁をすり抜けられる程度の能力」を持つ、中国から来た邪仙。
三面ボスである宮古芳香の操り主であり、豊聡耳神子に道教を布教した張本人。

読みは「かく せいが」。通称「青娥娘々(にゃんにゃん)」。二つ名は「壁抜けの邪仙」。
専用BGMは「古きユアンシェン」。
また、四面道中曲の「デザイアドライブ」は第9回の人気投票にて神霊廟の楽曲では最高位の初登場15位にランクインした。

+ 詳細な原作設定
千年以上生きる数少ない仙人で、言い換えればその位に長生きしても天人や心霊に位を上げられなかった、邪な心を持つ邪仙。
善悪に無頓着で自分の利を最優先する、トラブルメーカー気質。自分の興味のままに誰でも気に入るが、恩義を感じる事は無い。
それでいて悪意は無いらしく、性格は陽気であり無邪気。
『求聞口授』では危険度:高、人間有効度:極高(人間好き)とされている。

仙人とは修行を積み超人的な力を得た人間。必要最低限の食事しか取らず、500歳を越えると霞を食べて暮らすようになる。
妖怪に匹敵する力と頑強な肉体を持ち、様々な妖術を操る。
常に鍛えなければ身体を維持できず、その肉は食すと格が上がるために数多の妖怪に狙われる。
更に地獄から死神が迎えに来るという過酷な環境に置かれる為、概して変人が多いという*1

彼女がかんざし代わりにしているのは「壁抜けの鑿」。
どんな壁にも瞬時に穴をあける事ができ、また穴は僅かな時間で跡形も無く元に戻る。一方で柔らかい壁は抜け辛いらしい。
彼女はこの能力で満足してしまい、他の仙術の修行には熱心でない。

宮古芳香は彼女が生み出したキョンシー。
芳香の頭に貼ったお札には「やることリスト」が書いてあり、それに従わせる事で完全に制御している。
死体は物扱いであり、要は彼女の所有物で、戦闘時もいわゆる肉壁として活用してくる。
とはいえ芳香がやられた際にせっせと修復する辺り、替えの効く道具扱いしている訳では無いらしい。

+ 来歴
幼い頃に道教にはまり山に篭ってしまった父が残した本を切っ掛けに、道士に憧れた人間。
名家である霍家に嫁入りするも夢を捨て切れず、本で用いた術を使って竹の棒を自分の死体に偽装し、俗世を捨てた。
彼女は憧れた仙人となり力を付けて不老長寿となるが、天に認められず邪仙となった。
仙人となる過程での人前では憚られるような行い、また家族を欺く事も厭わなかった性格が災いしたようだ。

中国には彼女と同じ位の力を持つ道士や仙人も珍しくなく、道教を広めるていで力を誇示するという趣味には不都合だった。
そこで仙人の居ないまだ見ぬ東の国・日本を目指した。
当時の日本は崇仏論争の最中で、つまりは大陸から伝わった仏教を支持する蘇我氏と、
古来からの土着神を信仰する神道を支持する物部氏の二派が派遣を巡り争っていた。
これを好機と見た彼女は豊聡耳神子に取り入り、表向きの政治では仏教を使って民衆を大人しくさせ、
裏では道教により超人的な力を身に付ける案を吹き込んだ。
神子はこの案を宗教敵であった物部氏において隠れて道教を崇拝していた布都に持ちかけた。
青娥のとの道教の研究により超人的な力を得た神子は現代に伝わる伝説を残し、そして尸解仙としての不老不死を目指した。
これが神霊廟異変の火種であり、彼女は今作における真の黒幕とも言える。

『求聞口授』に「主な活動場所:人間の里等」と記載される通り、
異変後は壁抜けの能力で幻想郷中を何にも阻まれる事無く往来している。
各地で力を持つ者に惹かれて飛びまわり、迷惑行為を繰り返しているらしい。
例えば年末にはクリスマスブームに便乗しての押し売りと泥棒という儲かる事間違いない商売……
というかまんまブラックサンタな所業をしでかしている。
飽きやすい性格だがあるEDで霊夢の力に惚れ込んでおり、その後も興味は尽きていないようだ。

(※以上、原作テキスト及びニコニコ大百科を参考・改変)

元ネタは、清代初期の作家・蒲松齢が執筆した短編小説集『聊斎志異』のエピソードの一つ「青娥」の登場人物。

+ 二次創作での扱い
二次創作では悪役、黒幕系の扱いが多く、因幡てゐや鬼人正邪と一緒に描かれる事もある。
また、豊聡耳神子との『せいみこ』や芳香との『せいよし』というジャンルもある。
そしてR-18でもイラストが多く、彼女の能力を活かした『壁尻』のイラストもある。やると思った
(『壁尻』について調べるのは自己責任で)
しかし青が清楚というイメージがあるせいか、何故か清楚ブルーと呼ばれる事もある。
本来清楚であるはずの茨木華扇は反対にピンクは淫乱と呼ばれてしまっている。
この華扇と一緒に書かれているイラストは『せいかせ』、
また数少ない仙人同士である事から『ふたりは仙キュア』とつく事もある。


MUGENにおける霍青娥

Moiky氏によるものが存在。2014年1月29日公開。
当初は同氏製作の宮古芳香にストライカーとして搭載されていたが、めでたく単体キャラとして独立した。
まだα版で、通常技特殊技で構成された3ボタン式。
常に浮遊していて立ち・しゃがみが無く、弱攻撃連打で所謂A連が使えたりと、『心綺楼』を意識した作り。
羽衣によるドリル攻撃、ダウン起き上がりでも使用するガオン壁抜き攻撃、クナイ弾やレーザーといった技を使用する。
以前とは逆に芳香をストライカーとして呼ぶ事が出来る。一周回って原作に則った形に。
また、何故か全画面攻撃の「ヤンシャオグイ」の際に謎の顔が映る。
AIはデフォルトで搭載されている。

出場大会

出演ストーリー



*1
寿命を越えて生きようとする者に地獄から死神が迎えに来るというのは実は死神が広めた嘘で、
実際はもっと恐ろしい者、地獄の鬼神長がやってくる。
『茨歌仙』では彼女の元に是非曲直庁からの刺客として水鬼鬼神長が差し向けられたが、
その際は幻想郷中の雨が凝縮され、彼女の周囲に何重もの水の壁が遥か高空まで立ち上った。
その水圧の高さたるや投げた石が砕け散る程で、現場に居合わせた霊夢や華扇も対処不能と語っている。
なお、彼女はその能力で地面を掘って脱出した。玄武の沢の河童達が迷惑を被る結果となったが
「この程度で死んでちゃ仙人にはなれないわ」と語る辺り、幾度と無く襲撃され、そして生還した経験がある事が窺える。


最終更新:2019年01月12日 01:49
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