ダーレク

"Exterminate!"
(抹殺セヨ!)

イギリスBBC製作の世界最長傑作SFドラマ「ドクター・フー(Doctor Who)」の悪役。
主人公「ドクター」の最大の宿敵であり、番組の人気を押し上げた名悪役である。
日本の特撮ウルトラマンで言えば、バルタン星人の人気・知名度とゼットンの強さを兼ね備えたような存在。
媒体によって「ダレク」、「ダレック」、「ダーレック」など表記揺れがあるが、単に発音上の違いであってどれも正解である。 でも「ダイレク」は間違い

+ 『ドクター・フー』という作品について

ダーレクは旧シリーズのシーズン1の"The Dalek"にて初登場し、番組のヒットの火付け役となっている。
日本で言うならばバルタン星人に近いインパクトを視聴者に与えた宇宙人であり、日本の子供の「バルタン星人ごっこ」と同様に
イギリスの子供も「ダーレクごっこ」をよくやる。

原作におけるダーレク

惑星スカロ(Skaro)出身のカレド族(Kaled)が突然変異によって変化したミュータント種族。それがダーレク(Dalek)である。
カレド族は元々は地球人のような姿をしたヒューマノイド種族だったが、同じ惑星に住んでいたサール族(Thal)との間の1000年にもわたる戦争で
放射線兵器を用いたことで肉体が変異し、その行き着く先を知ったカレド族の科学者ダヴロス博士(Davros)が同族を改造してダーレクを生み出した。
遺伝子操作によって憎悪以外のあらゆる感情を消されており、自分達以外の全ての生命を憎んでいる。自分達こそが宇宙で最も優れた種族だと固く信じている。
そのため宇宙からダーレク以外の全ての生命を根絶しようと目論んでおり、大規模な虐殺行為を行っている。
「宇宙最大の脅威」として恐れられるエイリアンである。
外見はロボットのようだが、実はこれは「シェル(殻)」と呼ばれる移動装置兼生命維持装置であり、
中に有機的な生物(一つ目のタコのような姿)が入り込んで操縦している。
シェル自体の固有の名称は「マーク3トラベルマシーン」。機体色は旧シリーズではグレーと黒、新シリーズではブロンズと金が基本だが、色違いも多い。
正体を知らない人類側からはロボットと勘違いされやすく、「メタルトロン(Metaltron)」や「アイアンサイド(Ironsides)」などの呼び名がある。
頭から伸びているのがカメラアイで、下半身の多数のドーム状のパーツには各種センサーもしくは爆薬が収められている。頭と胴体は360°回転する。
生まれてから死ぬまでずっとシェルの中で過ごし、他者と触れ合うことも日の光を浴びることも無い完璧に孤独な一生を送る。
シェルは「ダーレケニウム(Dalekanium)」と「ポリカーバイド(Polycarbide)」という物質から成り、高い耐久性能を誇ると共に武器も備えている。
片手の銃口からはあらゆる生物を即死させるビームを放ち、もう片方の手は情報を吸引する機能を備える。その他アタッチメントも豊富。
(初期の作品ではビームの代わりに毒ガスを噴射していた)
フォースフィールドと呼ばれる見えないバリアで身を護っており、銃弾やレーザーを無効化する。それが無くても銃弾程度なら弾き返すほど頑丈。
ただしカメラアイの部分に死角があり、その部分に集中攻撃を浴びせれば貫通することもある。一部の光学兵器による攻撃にも脆い。
(旧作では耐久性が安定していなかったため、爆弾が通用しないかと思えば自動車で撥ねられただけで爆発したり、
坂道を押し転がされただけで爆発したり、バットで殴られて凹んだりしていた)
旧作では段差に弱いという欠点があったが、最近の作品では空を飛べるため無問題。
新シリーズでは宇宙空間を単独で航行できるだけでなく、 そのままで大気圏に突入している 描写まである。
動力源は電力と「ヴォイド粒子(タイムトラベルをする際に浴びる粒子)」。
ビームも電気エネルギーで生み出しているらしく、水に向かって発射すると近くの人間を感電させる。
初期の作品では地面から発される静電気を利用した磁力で動いており、自分達の都市の外に出られないという弱点があった。
外殻にタイムトラベラーが触れるとその人のバイオマスや遺伝物質を吸収する事ができ、その際に損傷を完全に再生する事ができる。
タイムトラベラー以外の人間が素手で外殻に触るとその人は 火が点いて死ぬ。
頭も非常に良く、1兆通りのパスワードを1秒ジャストで解いてしまう。
人類のように個性や自由を尊重することは無く、「個」という概念を重視しない
そのため全個体が「種の保存」のみを考えて行動しており、
前述の虐殺行為も全ては「宇宙からダーレク以外を消し去ることでダーレク族という種の繁栄における不安要素を無くす」という目的のためである。
ドクターからは「究極の民族浄化」と評されている。
感情を消した代償なのか、乱戦になると割と頻繁に誤射で仲間を破壊する欠点がある。
ダーレク自身のビームはフォースフィールドを貫通するため地味に致命的である。
ページ冒頭のセリフ"Exterminate!(抹殺セヨ!)"はダーレクを象徴する言葉であり、呪文のようにこれを唱えながらビームを発射して殺戮を繰り返す。
(この言葉を叫ぶことがレーザーのリロード条件であるため、撃つ前にいちいち叫ばなければならないのである)
シェルから発される機械的に歪んだボイスは非常に特徴的で、相手に威圧感を与えるが、物まねのネタにもされやすい。
ドクターの種族であるタイムロードの特権であった時空移動の技術も奪い取っており、時空間を自由に行き来して悪さをしでかす。
行ってきた悪事のスケールはぶっ飛んでおり、 地球の核にエンジンを取り付けて地球を丸ごと宇宙船代わりに利用しようとしたり
宇宙を二分する種族同士( 片方はなんと地球人 )を対立させて宇宙戦争に発展させようと煽ったり、
パラレルワールドを含む全宇宙からダーレク以外のあらゆるものを消滅させて現実を破壊しようとしたり
その悪行は想像を絶するものばかり。
独特なヒエラルキーがあり、皇帝参謀総統などが登場する。
前述のダヴロス博士も自分の下半身をダーレクの移動装置そっくりな機械でサイボーグ化しており、ダーレクの皇帝を名乗ったことがある。
元々、ダヴロスはダーレクの力による宇宙支配を目論んでいたのだが、ダーレクはダヴロスにも手に余る強大な存在へと変わっていき、
遂には創造主であるダヴロスを殺害したり(後に生き返ったが)、ダーレク同士で派閥争いになったりと発展している。
派閥争いの過程で攻撃力を上げた個体も登場し、砲撃に特化した「特殊兵器ダーレク」という個体まで生まれた。
「ナノクラウド」と呼ばれる微生物を用いて他の生物を「ダーレク・パペット」と呼ばれるサイボーグに改造する技術も持ち、
他者を強引にダーレクに変化させることができる。これは 死体でも可能 なため、 ダーレクに殺される=ダーレク化は免れない ということである。
これを用いてドクターの情報を得るために一人の女性を 何度も殺しては生き返らせる という行為に及んだこともある。
前述の通り「憎悪」や「怒り」以外の感情は持たないはずだが、遺伝子の奥底にわずかに「恐怖」の感情が残っているらしく、
仇敵であるドクターを前にすると怯える個体もいる。
ダーレクがここまで強くなったのは、「自分たちを負かし続けるドクターという存在を恐れた」からである。
ドクターに対抗するために進化を続け、いつしかタイムロードと並んで「宇宙でも最高の技術を持つ種族」と謳われるようになった。
善意から宇宙を救い続けてきたはずなのに、自分の行いのせいで強大な敵を生んでしまったことで、ドクターは悩むことになる。
2013年で50周年を迎えたドクター・フーにおいて、初期から登場し続け現在まで、ドクターの最大の宿敵としての立場を不動のものにしている偉大な悪役である。
+ ネタバレ

ダーレクの最大の特徴はその しぶとさ であろう。
50年間の放送の中で最初期から現在まで生き延び続けていることからも分かる通り、とにかく生命力が強い。
宇宙の意思がダーレクを生かそうとしているとしか思えない ほどのしぶとさであり、
一つの細胞が生き残ることは一つの軍団が生き残ることに等しい とすら形容される。
最古の四人衆「スカロのカルト」のリーダー、ダーレク・セク
+ 新シリーズのシリーズ1からシリーズ5までの経緯

最大の宿敵だけあってその脅威性は製作陣からも意識されているらしく、
ドクター・フーのもう一つの宿敵である「サイバーマン」(サイバイマンではない)と並んで代表的な立ち位置を築いており、対比されたり対決したり、
二大悪役とされることが多い。
新シリーズでは各シリーズのフィナーレやゲーム版などにおいてラスボスを務めることが多く、物語の黒幕的存在として暗躍することもある。

ドクター・フーが放送50周年を迎えた2013年11月23日には、Googleのトップページに「Google Doodle」というミニゲームのドクター・フー版が公開されていた。
ダーレクもサイバーマンや嘆きの天使と一緒に敵キャラとして出演している。
目にした人も多いかと思われる。

BBCプロムスのドクター・フー版「Doctor Who Prom」ではダーレク関係の曲が演奏される際に本物のダーレクが会場に登場し、
指揮者や演奏者を脅迫して注文を付けたり観客にアピールしたりする。もちろん観客は大喜びである。・・・・すごいエイリアンだ。

テーマ曲まとめ
シリーズ1&2のテーマ曲
シリーズ4のテーマ曲

なお、外見がスター・ウォーズ・シリーズに登場するロボット「R2-D2」に似ていることをよくネタにされるが、登場はダーレクの方が先である。
なにしろダーレクはまだテレビ放送が白黒だった時代から登場しているので。
もっとも、ダーレクとサイバーマンが並んで立つとR2-D2とC-3POのコンビに見えなくもない。
ちなみに番組制作者がダーレクのアイディアの源にしたのは、第二次世界大戦におけるドイツ軍への恐怖だそうである。
ダーレクは、人々を無慈悲に踏みにじり全てを破壊する「戦争」の恐怖の体現者なのである。

MUGENにおけるダーレク

  • Basara-kun氏製作
2014年のエイプリルフールに公開された。ドット絵は手描き。
現在はβ版だが、動作自体に問題は無い。搭載されている動作は少ないが、一応対戦が可能である。
現在搭載されている動作は、左右への移動、ジャンプ、ビーム( ガード不能な上に即死 )発射、挑発のみ。
イントロと勝利動作も1種類ずつ搭載されている。
原作のフォースフィールドを再現しているためか、飛び道具に対して無敵。投げ技も効かない。
ただしガードが無いため接近されてラッシュをかけられると不利。
原作では空を飛べるのだが、現在のところ飛行動作は搭載されていない。
ジャンプ力が低く、相手を跳び越えることはほとんど不可能。跳び越せるのはちびキャラくらいだろう。
攻撃手段が即死ビームのみであるため、飛び道具の効かない相手などの特殊なキャラには分が悪い。
同キャラ戦では延々と決着が着かないことになる。
一方でこのビーム、相殺が不可能な上に連発可能なため、相手によってはかなりプレッシャーになる。
アーマー持ちの巨大キャラでも瞬殺できるため、アビスオンスロートなどのボスキャラ攻略が容易。
ビームを撃つ際や挑発時は原作通りの台詞を叫ぶ。エクスターミネーィト!
AIは無いため、プレイヤー操作で原作通りの圧倒的な戦い方を味わうのが良いだろう。
もっとも、動作が少ない(即死攻撃と移動のみ)ためAI無しでもそれなりの脅威にはなる。
運次第ではカンフーマンにも負けるが、逆に言えばエルクゥを瞬殺することもあるという両極端な強さである。
カラーが充実しており、原作のバージョンを再現したカラーが揃っている。
今後、ビームの威力の調整や新技の搭載も予定されているようだ。
ドクターのターディスを再現したステージもMUGENに存在するため、そこで戦わせれば原作の気分を味わえること間違いなし。

"Daleks conquer and destroy!"
(ダーレクハ破壊シテ征服スル!)

出場大会