夕張


「コンパクトボディに充実の重武装を施した実験艦的存在の軽巡、夕張です」

DMMゲームスと角川ゲームスによるオンライン型ブラウザゲーム『艦隊これくしょん~艦これ~』に登場するキャラクター。
担当声優はブリドカットセーラ恵美氏。同作では他に最上型重巡・陽炎型駆逐艦の数隻を担当している。

プロフィール(元ネタの「夕張」)

旧日本帝国海軍の夕張型軽巡洋艦1番艦として建造。1923年7月31日就役。
建造費削減のため、3000トン級の船体に5500トン級軽巡洋艦と同等の火力を持たせようという計画のもと試作。
目標の火力を達成するため、新たな造艦技術や砲塔配置など実験的かつ独創的な設計・建造が行われ、世界を驚かせた。
夕張により得られたデータは、同じ設計者によって古鷹型重巡洋艦などの建造に活かされていくことになる。

ただし小さい船体に火器を満載した分居住性や傾斜復元性、防御性能などが犠牲となり、
機関も速度こそ出るものの燃費が壊滅的に悪く、航続能力も旧式駆逐艦より落ちてしまった。
しかも後年さらに兵装が増えたためその重量で速度まで低下。
艦隊では速度を揃えられる古めの駆逐艦との編成を余儀なくされていた。
良くも悪くも実験艦としての側面が強い艦であったといえる。

排水量3000トン級という小柄な軽巡である夕張は大型の駆逐艦とそう変わらない大きさで、
実際後に建造された秋月型駆逐艦は夕張よりも排水量が大きい。
秋月型はシルエットも夕張と似ており、米軍には夕張を量産していると勘違いされたとも言われている。

1944年4月27日、パラオ諸島での輸送任務の帰りに米潜水艦の魚雷が機関部に命中。
駆逐艦五月雨による曳航も重量差で上手くいかず、翌日には浸水が広がり、生存者全員が駆逐艦夕月に移乗した後に沈没した。

原作における夕張

レアリティが金剛らと同じ金であり、軽巡洋艦の中では出現率は低い方。
といっても最低コストでの通常建造でも入手出来るので、さほど入手難度は高くない。
特に狙わずとも、デイリー任務消化用に最低コストでの建造を毎日していたらポロッと出た、というパターンも多い。
序盤から出てきてくれたら儲けものな子と思っておくべきか。

緑のリボンでまとめた緑がかった銀髪のポニーテールに、上は濃紺、スカートは薄い緑のセーラー服を身にまとっているのが特徴。
オレンジのスカーフと合わせて「夕張」だけに夕張メロンを意識したのでは?と言われており*1
ファンからもよく「メロン」「メロンちゃん」などと呼ばれている。 ただし胸部装甲は小粒メロン
島風同様に同型艦がいない=服装が被る相手がいないため、集団絵等では結構目立つ方。

勝気な性格の持ち主で、時報からはかなり懐いてくれていることが伺える。
それ以外の台詞の大半は、足の遅さと武装の運用データ収集に関連するもの。
前者は史実の「夕張」が武装追加を繰り返して軽巡の中では鈍足になってしまったこと、
後者は自身が実験艦であるためと思われるが、史実では兵装実験をしていた訳ではないので不明。
また時報台詞によると深夜アニメを録画しているらしく、そのおかげでオタク趣味にも理解があると解されている。
食事ではやけに蕎麦を推してくるが、これは彼女の設計者が無類の蕎麦好きであった為と思われる。

性能の特徴は何といっても改造後だと装備枠を4スロット持つ軽巡であること。
これは軽巡では彼女以外だと「大淀」のみの特権であり、この点だけでも他の軽巡には無いアドバンテージ。
軽巡にしては大型で余裕ある大淀はともかく小型で余裕の無かった夕張が4スロットあるのは永遠の謎。
4スロットあるということは当然装備の拡張性が高いということであり、
対空対艦あるいは対艦対潜の両立など戦闘装備を整えつつその他の装備を加えるといった器用なことができるほか、
対地戦闘では大量のロケットランチャー(WG42)を装備して頑丈な陸上基地を一人で焼き払ったり
艦娘よりも装備の補正が重要な対潜水艦戦では4スロットすべてに対潜装備をすることで最強の攻撃力を発揮することができる。
特に先制攻撃が実装された後には大淀が先制攻撃を超高レベル( ケッコンカッコカリ必須 )でないと使えない仕様になったため、彼女の独壇場である。
他にもとある海域限定ではあるが、ルート固定条件に一定数必要な装備のドラム缶*2を夕張にだけ大量装備することで、
他艦の装備圧迫なしにルート固定するなんて荒技にも使われる。 そんな装備で一体どうやって攻撃してるんだ。
ただしドラム缶満載に関しては航空巡洋艦(重巡洋艦の派生艦種なので夕張よりも高火力・高耐久・重装甲)でも似た運用は可能。
燃費こそ軽巡である夕張のほうが優れているのだが、後述の撃たれ弱いという欠点も顧みると一長一短。

一方で弱点も幾つか存在し、まず耐久および装甲が駆逐並に低いという致命的な弱点を持つ。
また台詞で言及されている足が遅く艦隊から置いて行かれている様子を反映したのか、
速力こそ他の軽巡と同じ「高速」扱いであるものの回避が最低クラスと、とにかく防御性能が低め。
また史実通り水上機を運用できないため、後のアップデートで導入された弾着観測射撃(所謂2回攻撃)を利用できず
昼戦においては他の多くの軽巡と比べるとどうしても火力が伸び悩む。

以上のように得意不得意がはっきりしているものの、夕張もしくは大淀にしか出来ないことというのは少なからずあり、
大淀の入手難度の高さゆえに殆どの提督が運用していると思われる艦娘である。
(なお件の大淀は軽巡トップクラスの装甲・耐久に加えて水上機も装備可能なものの、
 雷装が極端に低いため雷撃戦及び本来軽巡が得意の夜戦が苦手という弱点があるので
 こちらもまた夕張同様、得意不得意がはっきりと分かれる)

通称「夕張砲」こと12.7cm単装高角砲は、レア艦である夕張か弥生、水無月の改造でしか入手できない上に性能は低い。
というか実装時は最弱の主砲であり、特に 対空砲なのに対空値が0 という驚きの仕様で全く役に立たなかったため
幻の産廃兵器 という二つ名を賜った。後に対空値が少し上がったが弱いことには変わりなかった
本来の夕張用に作られた砲である14cm連装砲は、改修工廠用としてかなり後になって実装された。
…が、こっちも同様レアな癖に開発できる15.2㎝連装砲の完全下位互換というとんでもない性能で全然使い物にならない。
自称兵装実験軽巡だというのにどうしてこうも使えない装備ばかりなのか…

各種メディアミックスではメインを張る機会は少ないが、人気故に出番はちょこちょこ用意されている。
小説『鶴翼の絆』や漫画『いつか静かな海で』では自ら工房で各種武装を装備し調整する姿が描かれたり、
公式4コマ漫画『吹雪、頑張ります!』ではドラム缶ガン積みや貧乳がちょくちょくネタにされたり……など。
4コマでは先述した秋月との類似もネタとして拾われており、彼女の初登場回では絡む場面があった。
TRPG『艦これRPG』の基本ルールブック『着任の書』に収録されているリプレイでは、
担当声優のブリドカットセーラ恵美氏が夕張としてプレイしている。

アニメ版では先述のキャラクター性から、未登場に終わった工作艦・明石のポジションも少なからず兼任している面もあった。
第六駆逐隊にカレー大会用の「頑丈な料理鍋」を手作りして見せる、改二工廠における仕切り役等、
メインは張らずともなかなかに美味しい脇役のポジションをキープしていた。
史実通りとはいえ界隈阿鼻叫喚の引き金となった如月轟沈における彼女の艦隊旗艦だったという地味にアレな役でもあったが。
アニメに出たら被害は避けられないのか……

二次創作などでは、史実上で水雷戦隊を組んだ睦月型の面々、台詞でも言及される彼女を曳航し最後まで助けようとした五月雨、
兵装関係に関わりの深い工作艦の明石、同じくオタク的なキャラ付けをされている秋雲辺りと絡んでいる印象も強い。
そのキャラクターに魅了されたか、「夕張は俺の嫁!」な有名絵師もちらほら……。
ニコニコ動画ではMMDを利用した艦これ紙芝居動画『夕張日和』シリーズのヒロインとして有名だろうか。
同作では鈍足キャラな彼女と最速の駆逐艦島風との凸凹コンビが名物である。

また、艦これが人気を博したのと同時期に放送されていた『仮面ライダー鎧武』では
仮面ライダー斬月・真という夕張メロンモチーフの仮面ライダーが登場していたため、
メロンエナジーアームズを装着する夕張というネタが描かれたことも。


MUGENにおける夕張



森ノ中氏が製作したものが存在。2015年1月18日に正式版が公開された。

木曾と同様に燃料と弾薬量用のゲージが存在し、一部攻撃で消費し、補給で回復出来るが自動回復はしない。
夜戦状態による自己強化も可能で、ラウンドを取られる度に1回分補充され、2回分までストック出来る。
一枚絵で作られたいわゆるペラペラ勢で、性能が格ゲーの範疇に納まっているのも同じ。
異なる点としては、同じペラペラ勢でもこちらはフィバ風
兵装実験のギミックでも搭載しているのか、25㎜三連装機銃を使う際は史実通り単装砲の部分に置き変わって出現する。
ただし魚雷も足の発射管ではなく砲塔が変形して発射する。

装備換装という名のモードチェンジを備えており
基本的に一式では夕張改の装備を使用するが、主砲は史実通り14㎝連装の方になっている。
二式になると夕張の本来装備していない強力な装備(前述の15.2㎝連装砲など)も使い始めるが、燃料弾薬の消費が増える。
なお前述の運用イメージからか、ロケットランチャー(WG42)を発射したり、物理攻撃の際は ドラム缶 を使用する。

基本的に弾幕キャラだが、この手のキャラクターの例に漏れず
原作と見た目通りペラペラであり、Life900DEF90しかないので死ぬときは一瞬で死んでしまう。

またシステムとしても『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』を意識したものとなっており、
弱攻撃ボタン連打で超必殺技まで繋げてくれる連打攻撃、同時押しで出せる迎撃技、
1ゲージ消費でEX必殺技が、2ゲージ消費で決戦用特別攻撃が使用可能。
「色々試してみても、いいかしらっ!」は砲撃で〆る乱舞技。
「後で感想聞かせてね!」は砲撃で打ち上げた相手を画面手前から連撃する。 感想?まさにブロディアバルカンのようだ
決戦用特別攻撃使用時に夜戦アイコンを消費すると、更に威力を上昇出来る。

デフォルトでAIは搭載済み。

「出撃よ!ってやだ、私が一番遅いって…… お、置いてかないでよぉ!」

出場大会



*1
なお夕張メロンが誕生したのは1961年であり、戦時中には存在しなかった。 だから胸が……
メロンの由来は夕張市だが、軽巡洋艦夕張の方はその市内を流れる夕張川であり、元を辿れば同じではあるが微妙に由来が違う。

夕張川流域は良質な石炭を埋蔵しており、夕張炭鉱の石炭は軍艦の燃料としても大いに活用されていた。
軽巡夕張の艦内神社にも夕張炭鉱の鎮守社である夕張神社からの分霊が祀られていた。
夕張市はそんな炭鉱の町として栄えていたが、戦後エネルギー革命により衰退。
21世紀にはとうとう財政破綻に陥り、観光業やメロンによる町興しで必至に再起を図っているのが現状である。
流石のてつをゴルゴムを撃退できても財政破綻までは手の出しようがなかった
軽巡夕張と夕張メロンはある意味夕張の今昔の象徴なのかもしれない。

*2
正確には「ドラム缶(輸送用)」。
特定の遠征任務に必須のほか、本文のように特定の海域(ステージ)で進撃ルートを固定する条件として設定されている装備。
ただのドラム缶を数珠繋ぎにして物資を詰め込んだだけなので、当然装備してもステータス向上は皆無。

艦これは進撃ルート選択が完全にランダムで思ったように攻略できない点が
「運ゲー」「羅針盤がラスボス」などと評される原因になっているが、
幾つかのステージではこういった一定の編成や装備によるルートの固定条件があり、非常に重宝されている。
特に5-4「サーモン海域」は難易度の高い後半マップにある中で天国と呼ばれるほど簡単かつ
経験値・ドロップが美味しい海域として有名で、攻略後も戦果稼ぎやレベリングのために頻繁に活用される。
その天国となった原因のひとつであるボスルート固定条件が、空母2隻とドラム缶4つ装備なのである。

史実では実際に軽巡洋艦や駆逐艦を使った高速輸送手段にドラム缶が用いられており、
ドラム缶を積むこと自体は別段おかしなことでもない。
しかし本来武器を搭載するスロットに非戦闘装備のドラム缶を載せるというインパクトはやはり大きく、
しかも5-4が人気で試行回数が多くなり、そのドラム缶を積んだ艦娘がなぜか戦闘で大ダメージを叩き出すという珍展開も報告されやすい。
そのため艦これ内では色々とネタにされやすい装備となっている。