ヤタガラス

同人サークル「PDW:HOTAPEN」による2D対戦格闘ゲーム。名前の由来は同じだろうが、スピリットモンスターではない。

2009年には冬コミでも頒布され、以後も4.3までバージョンアップを続けてきた。現在も4.3はPLAYISMで購入可能。
さらには2014年には『Attack on Cataclysm』の副題でNECiCAxLiveでも配信…されるはずが音沙汰が無く、頓挫したかに思われたが、
2015年2月に無事に配信が開始され、『MELTY BLOOD』『アカツキ電光戦記』に次いでアーケード進出を果たした。MONSTER?さてなんのことやら
なお『Attack on Cataclysm』の略称は「AC」と「AoC」で割れているが、
『アカツキ』同様アーケード進出に合わせて「AC」となるようにしたと考えるべきだろうか。
AoCはPC版もSteamから発売されている。
β版も2014年の冬コミの他、クラウドファンディングの寄付特典としても入手出来た。

開発陣には『ストIII3rd』プレイヤーの「梅園」(通称「ウメ」。ウメハラじゃない方のウメ)、
KOF』や『虫姫さま』、『ピンクスウィーツ』などを手がけたグラフィックデザイナー「コタニ:トモユキ」らが参画しており、
ローレゾ、立ち回り重視といった今日のメジャーメーカーの格闘ゲームでは見られない方向性が追求されている。

同人版の時点でも熱心にオンライン大会が行われていた。

タイトル名の由来は八神庵の同名の技と同じく日本神話に登場する「八咫烏」というカラスからだと思われる。


ストーリー

1926年12月25日。新年号“光文”へと改元。新しい時代の幕開けに見えた。
だがその実は『神国日本の復興』を掲げた政府の改革派が引き起こした内部クーデターであった。
首相官邸、警視庁、名だたる財閥、新聞社等の急襲制圧。
あまりの急展開に表立った動きが取れない旧政府陣営は秘密裏に内乱要人達を一掃する暗殺計画『ヤタガラス』を発足した。
“政府の犬”と呼ばれ、今も諜報機関として存在する”伊賀勢”へとその密命が下った。

登場キャラクター

  • 同人版から参戦
  • AoCで追加されたキャラクター
アズール、カザマ・コタロー(風魔小太郎)、エイジャ・ソールズベリー
なお、クラウドファンディングキャンペーンサイトではこの三人に加えて、
「祢々(ネネ)」「カダル」「微塵(チリアクタ)」の3キャラクターの設定画が掲載されている。


ゲームシステム

以下『AoC』を基に記述。そのため同人版と異なる部分もあると思われる。

基本操作は1レバー+6ボタン。ただし、攻撃に使うのは大小PKの4ボタンのみ(残りの2ボタンは後述のボタンロッキング専用)。
実質4ボタンとなると『KOF』っぽい印象を受けるがしゃがみ大Kは大足ではなく中足であり(大足も共通動作として可能)、
必殺技コマンドにも複雑なものは殆ど無く(『アカツキ』と違って昇竜コマンド1回転とかはあるが)、
超必のコマンドもスパコン形式が多く、梅園氏がシステム調整に関わっているだけあり『ストIII』に近い操作性である。
そういう事情もあって、プレイヤー間では『ストIII』の用語が丸々流用されることも少なくなかったり。

ボタンロッキング(BL)
ごくごく有り体に言ってしまうとブロッキング 梅園氏が自分でそう言ってる んだから間違いない。
ただしレバーではなくボタンで行うようになっており(上BLボタンで上段BL、下BLボタンで下段BLが可能)、
これによってガードしながらでもBL入力出来る(立ちガードしながら下段BLという芸当すら可能)。
前方向と同時入力(→+上BL、↘+下BL)すればより有利時間を延ばせる(公式ではBRと呼称)。
空中BLも可能で、こちらはボタンはどちらでもOKな上に1回ミスってももう片方のボタンで再入力出来る。
一見ローリスクなようだが、ミスするとBLカウンター(後述)となって手ひどいリスクを受けるハメになる。
また同人版4.3及び『AoC』ではいわゆる中ポトレの横にBLランプが設置されており、
これがボタン入力に対応して点灯し、相手にどっちを入力しているかが分かるようになっている。
割り込みBL
ごくごく有り体にry うん、そうだね。ガードブロッキングだね。
赤く光る(通常は青)ので、当然通称は赤BL
BLを押すタイミングがずれると、次の打撃がガード入力していても防げなくなるので、結構リスクは高め。
超必殺技
各キャラ2種類ずつが用意されており、キャラ選択後にこれもどちらか選択して性能(主にダメージ)が強化される。
一見SAセレクトっぽく見えるのでどっちかしか使えんのかと思いがちだが選択しなかった方も使用は可能。
ゲージは2本までストック出来る(EX必殺技はゲージ0.5本分を消費で可能)。なお、同人版の4.2までは3ゲージまでストック可能だった。
あと公式でもあんまり言及されてないが、スーパーキャンセルも可能。
通常投げ
小P+小Kで投げる。これも3rd方式である。
投げ抜けも同じ入力であり、「しゃがみグラップ」も可能、投げ抜けの猶予が長め。
普通は投げ抜け成功しても状況は五分なのだが、投げ抜けの受付が遅れると動作がバク転に変わって若干の不利を背負う。
中段攻撃
小P+大Pで、低く跳びながら攻撃。…まあ、要するにリープアタックである。
ガード不能攻撃
大P+大Kで出す。EXのガードブレイクに似てるのでそうとも呼ばれる。
正確にはガードが出来ないのではなく、ガードクラッシュを引き起こす攻撃になっている。
ヒットさせた時よりガードさせたほうが有利Fが長く、ガードさせれば多彩な追撃を決めることが出来る。
発生が遅い上にキャラが変色するのでバレやすく、両BL可能でキャンセル等は出来ないので、BLを取られたらフォローが効かないのが欠点。
足払い
こちらが大足。↘+大Kで出す。雛・霜のみ↘+大P。
ハイジャンプ
↓↑で通常より高いジャンプ。一部の技でハイジャンプキャンセルも可能。
後述のハイジャンプカウンターがあるため、このゲームでは割とリスクが高い行動と言える。
ステップ
→→でフロントステップ、←←でバックステップ。
受け身・ディレイ起き上がり
ダウンの際Pですぐ起き上がる受け身、Kで時間差で起き上がる。一部強制ダウン技もある。

カウンター
このゲームはカウンターの種類が多い。一部には累積するものもある。
 しゃがみカウンター
 しゃがみ中に喰らうと1.25倍のダメージになる。
 ハイジャンプカウンター
 ハイジャンプ中に喰らうとなんと2倍(超必及び投げ技のみ1.5倍)ものダメージ。
 空中BLがあるとはいえ、このおかげで遠距離から飛び込むのは相当覚悟がいる。
 BLカウンター
 うっかりBLの上下を間違えてガードしてないとこれになる。
 ダメージ1.5倍に加え、仰け反り時間が増えて(3HITまで)普段は繋がらないようなコンボまで可能に。
 空中BLカウンター
 本作で最も恐ろしいカウンターがこれ。空中BLを入力した後、受付時間が終わって着地するまでに攻撃(弱の通常技以外)を喰らうと発生。
 喰らい判定の残った状態で浮かされ、技の組み合わせ次第だがボコボコ追撃が出来るようになってしまう。
 スーパーアーマーカウンター
 スーパーアーマー中も喰らうとダメージ1.5倍。
 加えてコンボ補正までかからなくなるため、こればかりに頼るのは危険。
気絶
攻撃で気絶値がMAXに蓄積すると気絶する。
これは『ストIII』とは違い、一回ダウンしてから無防備状態で起き上がる一般的なタイプである。
ただし、空中に吹き飛んでる間に一回だけ攻撃を当てられる。
蓄積した気絶値は時間経過によって回復するが、相手に攻撃を当てないと回復が始まらない。
ダメージ軽減
喰らい中に相手の攻撃と同じボタンを押していると僅かながらダメージが軽減される。
ちなみに『ストZERO』等にもあるシステム。レデュースとも言う。

実況システム(実況アシスト)
良くも悪くも本作の特徴的システム。
ゲームの状況に応じ、「こくじん」「KSK」「ときど」ら著名格ゲープレイヤーによる実況ボイスが発生する。どういうことなの…。
有名ゲーセンの対戦会の雰囲気を味わえる気もしなくはないが、なにぶん人選が人選(梅園氏の人脈もあるのだろうが)な上に、
勝利画面対戦相手を煽ったりするのもあるので、凄く人を選ぶ気がする。
某ブログでは「『P4U』のりせちーのアレ」と紹介されてるが、りせちー(CV:釘宮理恵)とむさいお兄さん方を一緒には出来んだろう
なんなんだこのシステム。インタビュー等を見るに内輪のノリで出来てしまったもののようだが…。

『AoC』では超必強化選択後に各プレイヤー単位で選択する「実況アシスト」となり(司会アナウンスは「郡正夫」氏で固定)、
相手ごと実況無しにするNo Assistも選択可能。取り敢えずAC版で始める人はこれを選ぶのが無難だろう。
ちなみにスタンゲージが表示されないこのゲームで、ゲームからプレイヤーに気絶しそうなのを伝えてくれるのは実況システムだけである。
あと、めくりでガードを崩された時そうだったことも教えてくれる。何気に他では見ない希少なメリットでなかろうか。

動画で総まとめ


MUGENにおけるヤタガラス

主に斑鳩氏、cafe氏により同人版の全キャラクターが作られている他、
後に『AoC』で追加されたカザマ・コタローも大垣氏によってMUGEN入りを果たしている。
…が、現在は公開停止やOneDriveへのアクセス不可といった要因により、多くのキャラが入手出来なくなってしまっている。


最終更新:2023年05月31日 23:59