ジャック(鉄拳)


ナムコの3D格闘ゲーム『鉄拳』シリーズに登場するキャラクター。
人間の外見だが、実はロボットで、原子力で動く軍事用人造人間。開発者はDr.ボスコノビッチ。
『4』以外の全作品に登場するが、シリーズを重ねる度に改良型が登場するので基本皆別個体である。
2m以上の長身に異常に長く太い腕、金髪のモヒカンが特徴。
そのキャラクター設定から元ネタはターミネーターと思われがちだが、
上記に挙げた特徴からむしろ「サイボーグ」の異名を誇ったオランダの総合格闘家、ディック・フライがモデルだと考えられる。
声優は初代では 銀河万丈 氏が担当し、『5』まで流用され続けた。ちなみに初代の時点では三島平八や巌竜にも流用されている。
『6』で声が一新されたが、担当者は非公表。
ストリートファイター』シリーズとのクロスオーバー『ストリートファイターX鉄拳』では 松田健一郎 氏(レイヴンも兼任)、
OVA版では 大塚明夫 氏が担当した(ナレーションも兼任)。

キャラクター概要

国籍 ロシア(初代、『2』、『TT』ジャック-2)、中国(『TTHD』ジャック-2) 、不明(『3』以降)
格闘スタイル 力任せ
年齢 3歳(初代)、5歳(『2』)
身長 235cm
体重 168kg
血液型 プルトニウム
仕事 普段はスクラップ工場で働いている(初代)、現在、自分を造った軍隊から逃走中(『2』)
趣味 自分自身のオーバーホール
好きなもの 秋葉原のパーツセンター

+ 各作品ごとの特徴

ジャック

初代鉄拳に登場。
ロシア政府が三島一八のクーデター計画を阻止する為に出場させた。
人々を欺くため、普段はスクラップ工場で働いている。

ジャック-2

『2』、『TT』に登場。
思考回路が改良された量産機。
細菌兵器戦に投入されたが、その内の一体が細菌に感染された少女、ジェーンを救出。
軍規違反のためにジェーンと共に逃避行を余儀なくされた。
Dr.ボスコノビッチに自身を人間にしてもらうべく、彼を誘拐した三島一八による第二回鉄拳大会に出場した。
しかし、エンディングではどこかの島でジェーンと遊んでいる所を衛星兵器で撃ち抜かれ、機能が停止してしまった。
ボスコノビッチはというと、同作で吉光に救出され、そのまま手を組んだのでジャック-2と出会うことはなかった。

ガンジャック


『3』、『TT』に登場。
『2』の悲劇から19年後、物理学者となったジェーンがジャック-2を修復した個体。
だが、肝心の記憶回路が上手く行かず、
その解明に三島財閥が関わっていることを知ったジェーンは、
ガンジャックを第三回鉄拳大会に出場させた。
『5』におけるジャック-5のストーリーモードのプロローグにおいて、
三島重工の潜入中に鉄拳衆の銃撃に遭い、
ジェーンを庇って破壊されたことが明らかになった。
このジャック以降の開発者はジェーンとなり、
それに合わせて国籍も「不明」に変更されている。

ジャック-4

『5』のオープニングムービーに登場。
G社に保護されたジェーンが開発した量産機。
第四回終了直後に三島財閥の本丸に複数体投入され、三島平八と一八を襲撃。
最終的に平八にしがみつき、自爆攻撃を仕掛けることに成功した(勿論、平八は大方の予想通り死んでいない)。
シリーズで唯一プレイアブルキャラクターとして登場していないが、
『7』のメインストーリー「THE MISHIMA SAGA」ではCPU専用キャラクターとして実際に戦うことが出来る。

ジャック-5

『5』に登場。
ジャック-4を発展させた機体で、能力をテストするために第五回大会に出場させられた。
外見は『2』以前のものをベースに、肌に筋が入ったり両肩が機械的になるといったデザインのアレンジが加えられている。

ジャック-6

『6』、『TT2』に登場。
第五回大会で得た戦闘データを基に改良された機体。
G社と全面戦争となった三島財閥がジャックを模したロボットを製作したという噂を聞いたジェーンが、
その真偽を探るべくジャック-6を第六回大会に出場させた。
この作品以降、一部パンチ技がボタンの長押しで腕が伸びるようになった。

ジャック-7

『7』に登場。
シリーズでは2度目のタイムリリースキャラクター(1度目は『3』のガンジャック)。
髪が赤色に、タンクトップが黒色に変更された他、肌に入った筋の部分が緑色に発光するようになった。
サイコフレームとか言っちゃ駄目
G社内ではジャックシリーズ開発チームとバイオテクノロジーによって強化人間ギガースを後天的に生み出す研究チームが、
お互いに次期主力人型兵器争いを繰り広げている。

ジャック-X

『ストリートファイターX鉄拳』のDLC追加キャラクターとして登場。
同じくDLCのブライアンが公式タッグ相手となっている(自身を起動したブライアンを主人と認識したという設定)。
基本的に無口なジャックシリーズの中では珍しく台詞が用意されており、
丁寧な口調で話す(原作では『鉄拳6』のキャンペーンモードにて片言で喋っている)。

+ プロトタイプ・ジャックについて
国籍 ロシア
格闘スタイル 力任せ
年齢 5歳(初代)、7歳(『2』)
身長 235cm
体重 185kg
血液型 ガソリン
仕事 なし(通常はガソリンを抜かれて動けない)
趣味 破壊行為
好きなもの どんな情報もメモリーにインプットすること

初代鉄拳、『2』、『TT』、『TT2』に登場。ジャックシリーズの試作型。「P.ジャック」と略される。
初代鉄拳では平八がジャックに対する嫌がらせのために出場させた。
『2』以降はバージョンアップが進む量産型ジャックを目の当たりにしたP.ジャックが
Dr.ボスコノビッチに頼んでチューンナップされたため、外見が大幅に変更された。クラークとか富竹とか言うな
その後、『3』においてガンジャック建造の材料にされ、跡形も無くなってしまった
このため、お祭り作品である『タッグトーナメント』の二作でしか復帰出来ていないが、
『2』以降の銀色の肌やサングラスといったシンプルながらシャープかつクールな印象を与える容姿から、
現在も人気があるジャックシリーズの一体である。
プロトタイプと銘打ってはいるが、OVA版や『NAMCOxCAPCOM』や『TT2』のエンディングでは複数体登場していたりする。

大まかな性能・技はジャックシリーズと同じだが、攻撃力は上、リーチは下といった調整が施されている。
『TT2』においては、量産型が『5』以降削除されたハンマーコンボをそのまま持っていたり、投げ技が大きく異なったり、
共通で使う技についてP.ジャックの場合は腕や胴体をドリルのように回転させるモーションになっている。
同作で用意された固有カスタマイズアイテム「クレーン」を装備することで「クレーンキャッチャー」という技が使用可能になるのだが、
タッグにおいては二人で頑張ってアサルトコンボを決めるよりも一人でクレーン決めるだけで十分と言えるほどダメージが高く、
オンライン対戦では猛威を振るった(後にアップデートで調整された)。
また、固有カスタマイズアイテムには「クラフトマン」という初代鉄拳での姿をモチーフとした装備一式も用意されている。

余談だが、P.ジャックは『2』でのエンディングにおいて、
「スペースシャトルの発射台から飛び立つもネジが外れて爆破」というバッドエンドな結末を迎えている。
これを受けてか、『TT2』では一部の攻撃でネジが飛び散ったり
エンディングで自分を模した巨大ロボットに乗り込んで飛び立つもネジ一本を忘れて結局爆破
更に、ニュートラルポーズ中に突如機能停止するなど、ネタキャラ化に拍車が掛かっている。
量産型の方はエンディングがシリアス(『6』と『7』は例外)なのである意味これも差別化と言えるが……。

NAMCOxCAPCOM』では雑魚ユニットとして登場。
本作では三島重工が量産体制を敷いた設定になっており、平八を手を組んだ爆田博士の戦力として登場する他、
ベガのコントロール下に置かれたり、物語中盤でザベルに複製された機体が運用されるなどしている。

この他の詳細・考察については、鉄拳版墓標と言える個人サイト「THE HISTORY OF JACK」を参照されたし。


原作での性能

「力任せ」の格闘スタイル通り、腕や脚、果ては全身を使ったパワフルなファイトが特徴。
一見するとのろそうだが、実際は素早い上にパンチ技のリーチも脅威的に長くコンボ運びの性能や単発火力も高めのパワーファイター。
反面キック技は短く、また、巨体故に食らい判定が大きいため、
ジャック限定のコンボが入ったり攻撃を横移動でかわすことが難しいといった弱点も持っている。
防御面に不安が残るキャラではあるが、牽制技を持っているのと、
基本の戦法や操作自体は至ってシンプルであり、初心者におすすめのキャラクターである。

技に関しては、浮かせ技でありジャックを代表する右アッパーこと「アッパーラッシュR」や、
踏み込んで肘を叩き付けるコンボにもダウンにも使える主力技「スレッジハマー」、
貴重な10F技で割り込みに使える掌底「ピリオドシューター」といった長い腕を活かした強力なパンチ技を持つ。
リーチが短いキック技も、ハイキックやロケットキックなどのように使えるものから、
コサックダンスで攻撃する「コサックコンボ」や、一撃必殺の威力を秘めるが、
コマンドが41236LP(つまり灼熱波動拳)のあと左回転×4からパンチというロマンに溢れすぎている「ギガトンパンチ」といったネタ技も存在する。

『2』以降のP.ジャックは空を飛んでのしかかる「ダイブボマー」といった固有技を持ち、
『3』のガンジャックはジャック-2とP.ジャック、そして巌竜の技がミックスされた性能となっていた*1
『TT』でジャックシリーズが3体も登場した際、ガンジャックは「ピポットガン」という固有技の追加で差別化が図られた。
上記に挙げた技はいずれも『5』以降のジャックに継承されている(巌竜の技は巌竜本人が現在も登場しているので未継承)。

+ 『鉄拳7』におけるジャック-7の性能
ピリオドシューター、以上。
というか、そう解説してしまうほどピリオドが優秀過ぎるのである。
本作でのピリオドは発生の早さはそのままに確反が無くなり、カウンターヒットで追撃も可能になっている。
これ以外の技も相変わらず性能が良く、さらに鉄拳版超必殺技の「レイジアーツ」のリーチも長く、
何より本作では横移動が弱体化した分縦押しが強化されたシステムとなっており、
その恩恵を多分に受けたジャック-7は事実上の一強と化したありえん(笑)
だが、シリーズ全体で見るとこれでもまだマシな性能だったりする(風間仁のページ最下部注釈を参照)。ありえん(震え声)
また、ジャック-7のリリース後にアップデート(Ver.G)が施され、
一部のキャラの技が修正されたが、ジャック-7は修正されなかったつまり仕様です
さらに他の強キャラには決して見られないキャラの楽しさや、試合中に思考を使いすぎない気楽さもあることから、
主な大会で成績を残しているのはほとんどがジャック-7というのが実状だった。
ん?強キャラと騒がれているパワーキャラ、発生が早く追撃可能な技持ち、そして無修正…どこかで聞いたような
その次のアプデ(Ver.H)で、ピリオドシューターの硬直時間とダメージ量の弱化を筆頭に
一人だけ目立った弱体化を喰らって一強の地位から落ちたことからも、当時のコイツの凶悪さを物語っている。まあごもっともな調整だが…。
それでも依然強キャラであることに変わりはなく、
バージョンアップ版『7FR』においてはコンボパーツとなる新技の追加やその他調整、
強豪ジャック使いによるEVOの優勝などから最上位ランクなのではと目された。
ん?初期は一強として君臨し、アプデで一人だけ弱体化を喰らってもランクを保持している…これもどこかで聞いたような
だが、シーズン3ともなると遂に上位ランクから陥落したとの見解が概ね一致しているようだ。

ちなみに、『TT』におけるジャックシリーズ(とそれらをコピーした状態の木人)は、
デビルのビーム技を受けると暴走して自動でワイルドスイング→ヘッドスライディングを繰り出すという小ネタが仕組まれていた。
体力に余裕がある内はわざとデビルに近付いて狙ってみるのもいいだろう。


MUGENにおけるジャック

chuchoryu氏が製作した普通のジャックとP.ジャックの二体が存在。
どちらもフォルダ名が「CvS_JackTag」なので誤って上書きしないように注意。
ボイスは基本的に『5』以前の声が使用されている他、前者は『ストクロ』の英語版ボイス、後者は日本語版ボイスも使われている。
……のだが、後者の日本語ボイスではイントロから「破損率、80%を超過」とのたまってしまう。海外製作者にはよくあることである。
CVS』風の手描きドットで、腕が普通の長さで原作ほどの巨体ではないがほどほどに大きい。
また、脚が長めに描かれているのでキック技の判定も原作と比べて広くなっている。
バックステップやダッシュ、ブロッキングが搭載されている。
一通りの通常技とコサックコンボ、前方めがけてパンチを放つ超必殺技を持つ(P.ジャックには超必殺技は未搭載)。

普通のジャックに限り空中でコサックコンボが使用可能で、
発動するとその位置で空中浮遊したまま動けるバグが存在するので注意(ジャンプすれば元に戻る)。

出場大会

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*1
『鉄拳』シリーズはコンパチキャラが多いことで知られているが、
中でもジャックに関しては別個体もさることながら、巌竜やクマも元々はジャックのコンパチであった。
『TT』においてはジャック-2、P.ジャック、ガンジャック、そして巌竜にクマと、計5体ものジャックコンパチキャラクターが揃っていた。
初代での声の件もそうだが、流用し過ぎじゃないんだろうか
これらの「体が大きくスピードが遅いパワー系キャラ」のことを総じて「ジャック系」と呼び、
三島家やキング系、ウィリアムズ姉妹と並ぶ名物キャラクター系統である。
『初代』及び『2』はPS時代の3D格闘ゲームとしては、こうしたコンパチのおかげで非常に多いキャラクター数を実現できた


最終更新:2023年10月04日 16:12