ロード・ゼッド


"I am Lord Zedd, sworn enemy of all that is good and decent."

(吾輩はゼッド卿。善を憎み、悪を愛する超ワルだ)

+ 担当声優
  • 原語版
Robert Axelrod(ロバート・アクセルロッド)
『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』『パワーレンジャー・映画版』『パワーレンジャー・イン・スペース』
Steven Blum(スティーヴン・ブルーム)
『Power Rangers: Super Legends 』
Tony Oliver(トニー・オリバー)
3DS『Power Rangers Super Megaforce』
Stig Eldred
『パワーレンジャー・ビーストモーファーズ』
Andrew Laing
『パワーレンジャー・ダイノフューリー』
Fred Tatasciore(フレッド・タタショア)
『パワーレンジャー・コズミックフューリー』

  • 日本語吹替声優
海老原英人
『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』『パワーレンジャー・イン・スペース』
郷里大輔
パワーレンジャー・映画版

アメリカ合衆国の特撮テレビドラマ『パワーレンジャーシリーズ』に登場するメインヴィラン。
「ロード・ゼッ」ではない。後の戦隊シリーズでそういう名前の皇帝が出てたけども
初出は第2シーズン。日本の『スーパー戦隊シリーズ』に起源を持たないオリジナルキャラクターである。
『映画版』等、一部媒体では「ゼッド卿」とも呼ばれる。
いかにもアメリカ人受けしそうな、人体標本を思わせる皮膚の無い骨と筋肉剥き出しの不気味なデザインと劇中における活躍から、
シリーズの中でも特に絶大な人気を誇っている。

他の銀河系で闇の世界を支配してきた宇宙人であり「悪の帝王」を自称している。
劇中より10億年前にリタ・レパルサに地球征服を命じた黒幕でもある。1人称は「吾輩」。
自身が使役している大蛇を変化させた杖「Zスタッフ(ゼッではない)」が主な武器であり、杖から強力な雷撃を放てるだけでなく、
器物のモンスター化、モンスターの蘇生ゴーレムの強化などの絶大な力を振るう事ができる。
第2シーズンではモンスターを巨大化する爆弾を精製して使用していたが、
第3シーズンではリタの杖と自分のZスタッフを合わせて放つ巨大化光線でモンスターを巨大化させている。
他にも千里眼のような能力で、月にいながら地球の出来事を見通すなど、ボスキャラに相応しい多彩な能力を持つ。
ただし、戦闘能力は「Zスタッフ」に依存気味であり、これを失うと大幅な弱体化を余儀なくされる。
また、強力な魔力を維持するためには100年に1度の睡眠期間が必要であり、そこが弱点になっている。
性格は傲慢でプライドが高く、作戦が失敗しても自分の非を認めず「お前のせい」と部下に当たり散らす独裁者気質。
しかし、敵対する勢力『マシン・エンパイア』の地球征服を防ぐため、パワーレンジャーに影から協力したり、
ダークスペクターが提唱した悪の組織の同盟には応えたりと、有事であればプライドを曲げる程度の裁量は持っている。

歴代ヴィランの中でも特にパワーレンジャーを追い詰めた回数は多く、「パワレン最強の敵は誰か」という議論には高い頻度で名前が挙がる。

本家にも設定が多数逆輸入されているブーム!スタジオの2016版コミックの過去編で明かされた情報によれば、
元々はゾードンと同じ惑星エルター出身のヒューマノイドタイプの異星人であり、本名はゾフラム
守護者「ゴールドガーディアン」として活動していたが、ダークスペクターの勢力との戦いの末に元老院の反対を無視してジオ・クリスタルを用いた際、
悪しき方法に使った者を焼き尽くす「真実の炎」という呪文が付与されていたため、代償に全身を焼き尽くされてしまう。
しかし、ゾフラムは執念によって本編時点の姿で復活。
真実の炎を仕込んだのは過去にクリスタルを使うよう促した事のあるゾードンの仕業と思い込み
(実際には第三勢力エンピリアルの内通者として動いていたザルトゥスというエルター人が元凶)、
それ以降は名前を「ロード・ゼッド」へ改めると同時に、ゾードンへの復讐心から悪として活動するようになったとされている。


「たとえ貴様らが6人だろうが1000人になろうが必ず倒してみせる」


劇中における活躍

部下のリタが善の支配者であるゾードンと当時のパワーレンジャーの手で劇中の1万年前に月に封印され、
ようやく復活したと思ったら現代のパワーレンジャーに妨害され、
一向に地球征服を実現できなかった事に業を煮やし、自ら地球征服に乗り出す。
リタを宇宙に追放し、トミーの不安定なドラゴンパワーを消失させたり、
強力な悪のゾード『セルペンテラ』(大神龍)*1を用いて参戦したりしながら、パワーレンジャーを大いに苦しめた。
が、セルペンテラはちょっと動いただけですぐ燃料切れになるほどに燃費が悪かったため思うように侵略が進まず、
100年に一度の睡眠期間に突入してしまい、その隙を狙って舞い戻って来たリタにより、惚れ薬を投与されて彼女に惚れ、結婚しちゃいました。
しかも、リタは当初はゼッドの事を利用する相手としか考えていなかったが、次第に本気でゼッドを愛するようになり、
夫婦で仲良く侵略に励む事になりましたとさ。

そんなこんなでパワーレンジャーの本拠地である『コマンドセンター』の破壊に成功するが、
勝利に酔いしれていた所をマシン・エンパイア(マシン帝国バラノイア)の奇襲にあったため、一時的に別の銀河に避難する。
そこで体制を立て直した後はリタと共にキャンピングカーで再び地球を訪れて、マシン・エンパイアがレンジャーに倒されるように色々と手を打った。
その後『パワーレンジャー・ターボ』では出番こそ無かったが、
この時期にダークスペクターの呼びかけに応えて、同盟を組んだとして名前だけが登場していた。

そしてゾードン編最終章である『パワーレンジャー・イン・スペース』では、歴代の悪役と共に第1話から久々に登場。
ダーク・スペクターが開いたゾードンを捕らえた祝典にリタと共に出席し、乾杯の音頭を取るが、
侵入していたアンドロスことレッドスペースレンジャー(メガレッド)の強襲を受ける。
Zスタッフを手に取り挑むが、相手はパワレン最強とも名高いアンドロスだったため、光線を弾かれ取り逃がしてしまう。
その後しばらく出番が無かったが、最終決戦でバイカ星をリタと共に襲撃し、ゴールドレンジャーを捕らえて星を征服するが、
ゾードンが自分の身を犠牲にして放出した善のエネルギーの直撃を受け、悪の部分を取り除かれて人間になった。

しかし、彼が制作した『セルペンテラ』が敵勢力に利用されたり、
リタとの息子であるスラックスが地球を脅かしたりと、その死後(?)も世界に深い影響を残していた。
さらにゲーム作品では「銀河大君主ゼッド」として復活したりしている。

そして『パワーレンジャー・ダイノフューリー』では、人間化したオリジナルとは別に敵組織の手で、
リタと出会う前の記憶と人格で複製されたコピーのロード・ゼッドが復活するという衝撃の事態が起きた。
続く『パワーレンジャー・コズミックフューリー』では名実共にメインヴィランとして暴虐の限りを尽くし、
スポリック災害から復興したザイトの故郷である惑星ラフコンを滅亡に追い込み、
ダイノフューリーレンジャーのパワーを破壊して変身不能にした(後にコズミックフューリーレンジャーとして復活)だけでなく、
死の商人「株式会社スキッド・インク」と手を組み、本格的に宇宙支配に乗り出した。
ついにはゾードンの故郷である惑星エルターも制圧してしまったばかりか、モーフィン・マスターを全て取り込み、
モーフィングリッドの番人の力も得た最強形態「マスター・ゼッド」と化すも、スキッド・インクの女社長バジリーアの裏切りに遭い、
「キャティベーター」という特殊な機械に閉じ込められてしまう。
バジリーアの目的は、かつて『イン・スペース』でゾードンが命と引き換えに宇宙中の悪の存在を一掃した一件を模して、
ゼッドの命と引き換えに宇宙の善の存在を全て消滅させる事だったのだ。
だがバジリーアはレンジャー達に倒され、閉じ込められたゼッドはキャプティベーター内でレンジャー達に加え、
新たなモーフィン・マスターとなったザイトと対峙し、キャプティベーターからの開放と引き換えに取り込んだモーフィン・マスターとの分離を要求される。
キャプティベーターからは自力で出られず、ここでゾードンの大浄化と同じ事が起きれば自分が代償に消滅してしまうため、
選択肢が無くなったゼッドはザイトの取引にしぶしぶ同意する。
自由の身になったゼッドだが、解放された先は訪れた者に幻覚を見せて試練を与える惑星ニビロであり、
そこでゼッドは「レンジャーを全滅させたが、かつての部下であるリタに召使いにされて永遠に2人きり」という幻覚に囚われ続ける事になる。
しかし、ゼッドが宇宙中を荒らし回ったため、多くの宇宙人達が復興するまで故郷に帰れなくなってしまった。
地球も多数の避難民を受け入れて異星人と地球人の共存体制が生まれたが、同時に宇宙人犯罪者の横行も増加し、その対策として設立されたのが……


MUGENにおけるロード・ゼッド

SNESで発売された『Mighty Morphin Power Rangers: The Fighting Edition』のスプライトを使用したキャラが2体確認されている。

+ DarkSide Joe氏製作
  • DarkSide Joe氏製作
現在はリンク切れにより入手不可。
Zスタッフを使用したリーチの長い攻撃に加えて、相手の体力を奪う拘束技、
手から放つ光弾や上空から放つ雷撃などの遠距離攻撃をはじめとした、優秀な技が多い。
そのうえ、ワープによって急激に相手との距離を縮める事も可能であり、機動力も悪くない。
特にワープして相手に近づいてからきめる脳天落としの投げ技は非常に強力。
ゴリ押しはもちろん、ワープや飛び道具を駆使したトリッキーな戦術も可能な、多用な戦い方ができるキャラである。
超必殺技は全画面を爆破する攻撃になっている。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

+ Demon Lord氏製作
  • Demon Lord氏製作
MUGEN1.0以降専用。
現在は海外サイト「MUGEN Database」で代理公開されている。
ストライカーとしてゴルダーレディリップ、SilverHorns(原典は『五星戦隊ダイレンジャー』のイカヅチ)を呼ぶ必殺技があり、
いずれもストライカーの滞在時間がやや長め。
また、杖攻撃は先端にしか攻撃判定が存在しないという妙な仕様となっている。
AIは並上位程度のものがデフォルトで搭載されている。
参考動画。お相手はNeoKamek氏のセーラージュピター


"I hope those Rangers put that lousy lowlife out of my misery!"

(憎きアイヴァンめ、ここはレンジャーを応援するしかない)

"Go, Rangers! Go, Rangers! Go, Rangers!"

(行けレンジャー!ゴーレンジャー!ゴーレンジャー!)

出場大会

  • 「[大会] [ロード・ゼッド]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
和訳版ではこのように訳されているが、綴りは「Serpentera」で、
ネイティブの英語だと「サーペンテラ」の方が近い。
なお、サーペントとは厳密に言えば蛇だけでなく蛇神も指すが、故に古代から近世にかけてはドラゴンとかなり混同されていた。


最終更新:2024年01月23日 14:52