仮面ライダーシザース

スペック
   身長:190cm
   体重:93kg
   ジャンプ力:ひと飛び35m
   パンチ力:250AP
   キック力:300AP
   FINALVENT「シザースアタック」4000AP

「確かにライダーとなって頂点を極めるのは、興味深い」

2002年に放送された、平成仮面ライダーシリーズ第3作『仮面ライダー龍騎』に登場する仮面ライダー。
須藤 雅史(すどう まさし、演:木村剛)が変身する。TVシリーズ本編では第5・6話に出演。
たった 2話 という登場期間ながら、『仮面ライダー龍騎』における仮面ライダーがどのような存在であるかを見せつけた登場人物として、
」「刑事」のあだ名と共にファンに親しまれている、ある意味伝説的存在である。

メタリックオレンジ主体のカラーに、それまでのライダー像から大きく逸脱した甲殻類系の頭部デザインなど、
仮面ライダーというよりはむしろ怪人といった方が差し支えない外観を有している。
初代ライダーに登場する怪人「カニバブラー」がデザインモチーフらしい。
契約ミラーモンスターは蟹型のボルキャンサー。召喚機は甲召鋏(こうしょうばさみ)シザースバイザー。
なぜか彼だけバイザーの名前が「モンスター名の一部+バイザー」のパターンから外れている。

+デッキ構成など
  • ADVENT(アドベント)
ボルキャンサーの契約カード。AP3000と、『龍騎』に登場する契約モンスターでは最低値
  • STRIKE VENT(ストライクベント)
ボルキャンサーの鋏を模した武器「シザースピンチ」を召喚する。
AP1000で、ブランク体(未契約形態)専用武器のソードベント「折れたぁ!ライドセイバー」(AP300)を除けば、
『龍騎』の武器カード中最低値。設定上2枚所持している。
  • GUARD VENT (ガードベント)
ボルキャンサーの背中の装甲を模した盾「シェルディフェンス」をバイザーに装着する。
GP2000で、このカードのみ最低値ではない。劇中でも龍騎のストライクベント技「昇竜突破」を爆風で吹き飛ばされながらも耐えきっている。
  • FINAL VENT(ファイナルベント)
必殺技「シザースアタック」を発動。
後方にジャンプしたシザースを、ボルキャンサーがバレーボールのレシーブの要領で跳ね上げ、回転体当たりをする。要は飛鳥文化アタック
やはりAPは最低の4000。
ちなみにラスボスである仮面ライダーオーディンのソードベント(通常技)と同値
劇中ではナイトの飛翔斬に対して対空迎撃する形になったが、
プレイステーションのゲーム版や、平成ライダーを集めたオールスター作品『クライマックスヒーローズ オーズ』では、
レシーブの要領で飛び上がった後、急激に「Λ」の様な軌道で方向転換して相手に向かっていくというモーションにアレンジされている。

御覧の通り、カードのスペックはダントツの最弱。
(シザースだけではないが)戦術の幅を広げる特殊カードを一切持っていない上に、契約しているボルキャンサーの地力が弱いという二重苦。
ただし、変身者である須藤の身体能力はそこそこ高く、戦うことへの躊躇もないために総合的な戦闘能力はそれなりにあり、
ボルキャンサーも攻撃力は低いが防御力は高いようで、龍騎のソードベントを受けても平然としているほど。
また、とある手段を用いてボルキャンサーの戦闘力を底上げしていたため、連携も相まって数値以上の実力を発揮していた。

+変身者の設定や原作ネタバレなど

須藤は小竹署に務める現職刑事だが、その裏では地位を利用して数々の悪事を働く悪徳警官であり、
共犯者と金絡みで揉めた末に衝動的に殺害、死体隠蔽に難儀していた際に神崎士郎からデッキを受け取り、仮面ライダーとなった。
仮面ライダーになってからは悪事に磨きがかかり、ボルキャンサーの強化と事件の隠蔽の両得を狙って、
事件の関係者だけでなく無関係の一般人をも次々にボルキャンサーに襲わせ餌にするという非道を敢行していた。
一般人まで襲わせたのは、「事件に関係する人物ばかりが失踪すると余計に怪しまれるから」という理由で、
周囲の疑惑の目を逸らさせるための偽装工作であった。
当初は「事件の隠蔽」が目的であったが、次第にライダーの力に魅了され、「ライダーの頂点を極める」ことを目的にし始める。

この連続失踪事件がきっかけで龍騎こと城戸真司や秋山蓮と接触。
自分から正体を明かした真司を騙して蓮=仮面ライダーナイトであると知り、
不意打ちで二人を始末しようとしたり、神崎優衣を人質にしたりと策を弄するが失敗。
さらに自身の悪事が暴かれたことで他の刑事達に追いつめられるが、隙をついて彼らをボルキャンサーに捕食させてしまう。
その外道極まりない暴挙に終止符を打とうとするも戦いに抵抗のある真司を尻目に、ナイトとの一騎打ちに突入。
それまでに高めてきた戦闘力でナイトを追い詰めたが、ナイトが苦し紛れに放った攻撃がバックルに当たって間合いを離され、
最終的にはファイナルベント「シザースアタック」を繰り出してナイトの「飛翔斬」との激突に競り勝つも、
直前のナイトの攻撃でヒビが入っていたカードデッキが衝撃で破壊される。
その結果ボルキャンサーに契約解消と見なされ、羽交い絞めにされながら変身解除しつつ、生きながら跡形もなく貪り食われるという凄惨な最期を迎えた。
なお、野良モンスターとなったボルキャンサーは、直後に龍騎によって倒されている。

「契約が!? 馬鹿な! 私は、絶対生き延びて……!!」

その断末魔の悲鳴やリアルな捕食音、捕まった須藤の手がもがくシーンなどで全国のチビッ子たちにトラウマを植え付け、
同時に生前の非道っぷりも含めて「本作の仮面ライダーがどういう存在であるか」「負けたらどうなるか」を、
まざまざと視聴者に見せつけるという、重要な役割を果たした。
なお、初登場時「スーツの出来がよくないから、早々に退場する」*1という予想をしていた大友特撮ファンもいたようだが、
その一週間後に即退場するとは流石に予想できなかったようだ。

上述のように作中ではヒーロー的な活躍を一切しておらず、洗脳されたわけでも偽者でもない、
昭和も含めて初の最初から悪役として登場した「悪の仮面ライダー」であると言える(過去にライダーっぽいライバルはいたけど)。

放映当時に発売されたPSの格ゲーにはシザースとボルキャンサー両方が参戦している。
ボルキャンサーは原作再現で「須藤を喰い殺したシーン」を元にした投げ技を使う。

+外部出演など
  • テレビSP版
こちらでは警視庁の刑事で、「浅倉威を逮捕する」という目的でライダーになり、北岡秀一と手を組んで実際に浅倉を逮捕している。
だが、浅倉逮捕後にはライダーの力に心を飲み込まれ、本編同様に「ライダーの頂点を極める」べく、
ライダーバトルを止めようとする真司を騙して追い詰める。
しかし、脱獄した浅倉=仮面ライダー王蛇の逆恨みで、「ミラーワールドに刑事は要らない」と真っ先に狙われ、
ファイナルベント「ベノクラッシュ」による強襲を受ける。
咄嗟にガードベントで防御を試みるも、バタ脚連続キックのベノクラッシュを防ぎきれず、盾を蹴り飛ばされてそのまま本体に直撃、爆死した。

  • 小説 仮面ライダー龍騎
冒頭から登場。物語開始時点で蓮とは3度ミラーワールドで相対しているが、そのいずれもが背後からの不意打ちだったため、
蓮からはその素顔を知られずとも「現実世界で出会っても嫌な奴だろう」と酷評されている。
戦闘面ではその堅牢な防御力が厄介な相手であることが地の文でも強調されており、
シザースバイザーを用いてナイトと鍔迫り合いをしていたところを、両者の戦闘を止めに入った龍騎の登場で均衡が崩れ、
龍騎の身体を踏み台にしてナイトが放った「飛翔斬」により胴体に風穴を開けられて絶命した。

「待て、わかった。じゃあ無罪、無罪でいい!」

第6話に登場(声:増谷康紀)。
「龍騎の世界」でのライダー裁判にて仮面ライダーベルデと交戦。
自身が不利と見るや否や判決を譲り降参するように見せかけ、その隙にベルデの背後にボルキャンサーを呼び寄せ、
騙し討ち&挟み撃ち攻撃でベルデを倒すという卑怯な戦法で勝利する(ちなみにこれが、7年越しで実現した初勝利)。
卑怯だと罵るベルデに対し、「卑怯もラッキョウも大好物だぜ!」メフィラス星人を彷彿とさせる迷言を言い放った。
続いて羽黒レン=ナイトも同様の手口で騙し討ちしようとするが、訳あって判決自体には興味がないナイトには通用せず、あっけなく倒されてしまった。
雑誌などでは「漁夫の利戦士」「卑怯なライダー」「弱さが売り」と書かれる始末であった。

その後、第24話にて「シンケンジャーの世界」でも仮面ライダーディエンドのカメンライドによる召喚で登場。
同じくディエンドに召喚された仮面ライダーライアと共にシンケンゴールドを相手に戦うも、
ライアがある程度善戦したのに対して、シザースのほうは必殺技「サカナマル百枚おろし」であっさりとやられてしまった。
寿司職人のシンケンゴールドに海産物ライダーぶつけるって相性最悪だろ……。

また、映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』でも登場。
全ライダーの力を結集した必殺技「オールライダーブレイク」に参加、岩石大首領の撃破に貢献した。別にこいつ一人いてもいなくても変わらないとか言うな

  • KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT

「1人につき100万ドル、お前らクズどもを倒せば報酬がもらえるのさ!」

海外リメイク版の本作では仮面ライダーインサイザー(Kamen Rider Incisor)として登場。
変身者はリッチー・プレストン(Richie Preston、演:トニー・モーラス(Tony Moras)、日本語吹き替え:高橋広樹)。

大金持ちの家に生まれたボンボンで、定職にも就かず道楽三昧の日々を送っていたが、
彼の自立を望む父親からある日突然家を追い出されるという勘当同然の扱いを受けて、いきなり無一文の生活を強いられる。
父親に雇われて趣旨を伝えに現れた顧問弁護士のウォルター・コナーズから、金を稼ぐための商売道具としてカードデッキを渡され、
「デッキを使って仮面ライダーになり、他のライダーを1人倒すごとに100万ドルの報酬が得られる」と言われたことで、
ハンバーガー店のアルバイトのような地道な仕事を避け、異性の気を惹くために嗜んだ格闘技の腕を活かして一獲千金を狙うべく、これを承諾した。
実はコナーズの正体は地球侵略を企む邪悪な宇宙人・ゼイビアックス将軍であり、
リッチーに接近したのも彼の欲望に付け込んで自身の野望達成のための手駒にするのが目的であった。
ゼイビアックスは以後も姿や肩書を変えて地球人たちを言葉巧みに誘惑し、手駒となるライダーを増やしていくこととなる。

ゼイビアックスの方便に乗らされたリッチーは、手始めにキット・テイラー=仮面ライダードラゴンナイト(龍騎)を狙って襲いかかるも中々仕留めきれず、
最終的にはレン=仮面ライダーウイングナイト(ナイト)との一騎打ちで敗れ、
ボルキャンサーと共に異空間へ転送されて消滅──「ベント」され、最初の脱落者となった。

「こんなのフェアじゃねぇ! ちくしょう、助けてくれぇ――!!」

以上の通り、須藤ほどの悪人ではないものの、作中における存在意義は概ね『龍騎』と似通っており、
『DRAGON KNIGHT』における仮面ライダーがどういう存在か、負けたらどうなるかを視聴者に見せつける役割を担った。
なお、このときベントされたインサイザーについて、キットとレンが語った
「あいつはどうした」「ベントされた」「いつ戻る」「戻れない!」というやりとりのテンポのよさが受け、
一時期ネット上でこの会話の改変ネタが流行していたこともある。
ただし、よく広まっている上記の会話文は実際のものから省略・改変されているため注意。
+正しい全文
キット「ねえ、今のってどうなったの!?」
レン「あいつはベントされた」
キ「ベント?」
レ「転送されたんだ、二つの世界の狭間、アドベント空間に」
キ「転送って」
レ「カメンライダーが敗れるとそうなる」
キ「で、いつ戻るんだ」
レ「戻れない!」

終盤では、リッチーと同じDNAを有する異世界ベンタラの人間が変身した本来のインサイザーが現れ、
13人のライダーの力を合わせて発動する最後の切り札「リンクベント」により、ゼイビアックスを討ち滅ぼすことに成功した。

後日談小説『2WORLD 1HEARTS』ではアドベント空間から解放後、似たような境遇の仲間達と駐車場勤務に就いている。
自分の居場所を見つけたことで改心したものの、先の戦いのトラウマが原因でモンスター掃討の召集には乗らなかった。
しかし、頻発するモンスターの事件に対する不安は頭の片隅から拭い去ることができず、
仲間の言葉に後押しされる形で再びインサイザーのアドベントデッキを手にする。

  • 『仮面ライダージオウ』スピンオフ 『RIDER TIME 龍騎』
石橋(演:中島健)という若い男が変身する仮面ライダーシザースが登場。
芝浦淳/仮面ライダーガイや、戸塚/仮面ライダータイガらのチームメンバーであり、
手塚海之/仮面ライダーライアらと敵対していた。

芝浦と手塚が恋人同士(注:両方男)であったために、
手塚が真司らを騙し、カードデッキを奪う事に成功。
その場は王蛇の乱入によってタイガを失い、乱戦の最中真司らを取り逃がしてしまうものの、
最早勝ったも同然とどこからか調達したステーキを焼いて芝浦らとパーティを開くが、
恋人同士であった芝浦と手塚にとっては邪魔な存在だったらしく、
ステーキ用ナイフで二人から刺されて死亡
遺体が消滅した直後、芝浦は彼の返り血がついたナイフでステーキを切って平然と食べる……
という、要は二人のクレイジーサイコホモっぷりを強調するかのような役割だった。またこんな役割か
が、どちらかというとその後の芝浦と手塚のユナイトベントベッドシーンのほうがインパクトが大きかったような。

仮面ライダーと関係ないところではどこぞの黄金聖闘士のあじゃぱーな人とカニ、噛ませ犬繋がりでネタにされたり、
作品の雰囲気紹介も兼ねた壮絶な早期退場、オレンジに近い黄色の子ということで彼女(向こうは善玉だけど)と引き合いに出されたりもしている。


MUGENにおける仮面ライダーシザース

Iseebi(製作者名:kyosuke3427)氏の製作したものが2015年9月14日に公開された。
最新版は2018年6月9日更新版(1.6ver)。氏のアップローダでDL可能。
qzak氏によるストライカー用素材のドットを基に、カンフーマン改変で製作しており、改変・パッチ製作はフリーとのこと。
試合開始前からストライクベントを発動済みらしく、常にシザースピンチを装備した状態で戦う。卑怯もラッキョウも大好物だぜぃ!
龍騎やナイトとの特殊イントロも搭載されている他、
搭載技は概ね原作を踏襲しており、技によってはボルキャンサーを召喚する演出も導入されている。
超必殺技にはファイナルベントの「シザースアタック」はもちろんの事、ライドシューターで轢き逃げする技や、
超強力な3ゲージ技「ライダーキック」といったオリジナル技を持つ。
なお、ボイスは基本的に須藤刑事のものなのだが、最終ラウンドの勝利ボイスは何故か ディケイドでのアレ
そのため1ラウンド目と2ラウンド目でのテンションの差が激しい。

デフォルトでAIも搭載済み。
シザースピンチのリーチを活かしたスピーディーなラッシュが強力。
ただし、1ゲージ技の「ライドシューター」及び「超必殺シザースピンチ」を多用する傾向があり、ボルキャンサーの出番が無いまま試合が終わってしまうことも。


出場大会


「これで一人減りました」


*1
放映当時、スーツの素材の問題(全13ライダー中シザースのみモンスターと同じ素材でスーツが作られていた)で
やたらとスーツの損傷が激しかった。第6話の時点で既に尻の部分が破け、シザースバイザーにはセロハンテープが貼られ、
靴の色が落ちたり手袋が剥がれており、TVSP版で再登場した際もバイザーのセロテープが二重になったりと状況が悪化していたが、
アメリカで放映された『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』ではスーツが大幅に修復され、
そのまま『ディケイド』にも登場することができた。
同じスーツの素材の問題でも腐食して現存しなくなったに比べると、海外ドラマの企画で直されたり、
そのおかげ(かどうかは不明だが)で『ディケイド』や映画に登場できたシザースは幸運と言えるかもしれない。