キュアフローラ


「そう、わたしの夢に終わりなんてないんだ。
 わたしの夢は、大地に咲く花のように…
 強く、優しく、美しくあること。
 たとえ、どんな苦しみや悲しみの中にあっても…
 ずっとずっといつまでも、強く、優しく、美しくあり続ける存在。
 それが、わたしがなりたいプリンセス!!」

プリキュア』シリーズ第12作『Go!プリンセスプリキュア』に登場するプリキュア。
ドラゴンクエスト5主人公の嫁候補とは無関係。
プリキュアオールスターズの世界では歴代38人目のプリキュアとなる。イメージカラーはピンク。39人目?何の事かな?
作品の主人公である春野はるかが変身するプリキュアで、「咲き誇る花のプリンセス」とされている。
中学1年生の12歳(開始当初)で当時主人公としては歴代最年少だった。
担当声優は別作品でもプリンセス役を演じた 嶋村侑 女史。
単体変身&必殺技バンク

幼い頃から絵本『花のプリンセス』に登場するプリンセスに憧れ、そんな素敵なプリンセスになる事を夢見ている。
本作の世界観はあくまでも現代であり、彼女の夢は作中でもはっきり言って中学生の持つ夢としてはやや空想的に過ぎ、本人にも自覚はある。
だがこの夢こそが彼女の精神的な基盤であり、生き方の目標となっている。

かつてこの夢を馬鹿にされた事から夢を踏み躙られる痛みをよく知っており、誰かの夢を否定する者を決して許さない
夢に向かって踏み出そうとする者がいれば我が事のように喜んで応援する。
そしてはじめて夢を肯定してくれたホープキングダムの王子・カナタとの出会いが、物語の全ての始まりとなっていく。

ノーブル学園中等部への入寮の日に、異世界にあるホープキングダムを滅亡させた魔女ディスピアの率いる勢力・ディスダークがこの世界へ侵攻、
その際にかつてカナタにお守りとして託されたドレスアップキーが彼女の夢に呼応し、キュアフローラに覚醒する。
人間の夢を閉じ込めて絶望を作り出し怪物ゼツボーグを生み出すディスダークとの、人々の夢を守る戦いに身を投じていく事になる。
プリキュアの姿になった事で「本当にプリンセスになれた」と喜ぶが、本物のプリンセスにはまだまだ足りないと妖精達に指摘され、
ホープキングダムを救済できるという強さ、優しさ、美しさの全てを兼ね備えた究極のプリンセス「グランプリンセス」を目指して様々なレッスンにも励むように。

変身前の状態だと一見垢抜けないたぬき地味めな少女だが、凄まじいまでの努力家
そもそも学業も中々に偏差値の高い授業をやっている描写のあるノーブル学園中等部へプリンセスへの憧れだけで受験戦争を勝ち抜いて入学しており、
やりたい事に没頭して学業が疎かになり窘められた際には、ひたすらにそれまで以上の努力のみで仲間の手を借りず、
学業の遅れを挽回しつつ両立させてしまうほど。
音楽やマナーといった教養こそ他のメンバーに比べれば貧弱だが、あくまでもスタート時点で劣っているだけで、
できない事は人一倍レッスンに励み最後には必ず成し遂げてしまう。
それもすべては、これが自身の夢に繋がっていると信じているためである。
また夢の影響で花については詳しく、実家が和菓子屋のためかお菓子作りもできる。

プリキュアとしての夢を守るための戦いの中で幾度も自身の夢に対する問いかけに突き当たり、
次第に外面的な要素や地位よりも、「花のプリンセス」やグランプリンセスに求められる強く、優しく、美しくという、
その在り方そのものに自分自身の理想とするプリンセス像を見出し、挫折や誘惑を乗り越え、自身の夢の本質に気が付いていく。
最初は小さな憧れから始まったふわふわした夢想に過ぎなかったそれは、あくまでもその姿のまま、
一生かけて追い求める事で自分を高め続けてくれる、終わりすらない夢へと成長を遂げた。
彼女にとって夢であるプリンセスとは職業に仮託される類のものではなく、生き方そのものなのである。

歴代作品の中でもトップクラスにメンタルが強く、
『yes!プリキュア5gogo!』のキュアドリームや『ドキドキ!プリキュア』のキュアハートなどと同じように精神的にとてもタフである。
ドリームやハートが折れない心なのに対し、フローラは折れてもすぐに自分自身でより強く立ち直る心を持っている。

この「自分でやりとげる」「自分で立ち上がる」というスタンスは、「夢を叶えるのは最後はいつも自分自身」という本作の作風の象徴でもある。
夢を追って全員離れ離れの道に生きていくという結末は「みんなといつまでも一緒」という歴代の作品とは一線を画している。

はるはるかわいい
歴代主人公の中でもとにかく表情が豊かでくるくると変わり、変顔を晒す事も多い。
特に笑顔はキャンペーンガールのコンテストの審査に合格し、本選で審査員特別賞が送られるほど人を惹き付ける魅力がある。
前述の一生懸命な人柄も併せて視聴者も虜にしている。はるはるいいよね…いい…。

上級生である海藤みなみ(キュアマーメイド)とはのような関係だが、
それぞれの家庭でははるかが姉でみなみが妹であるためか、リードする関係が逆転する事もある。


キュアフローラとしての特徴

香水瓶型の変身アイテムであるプリンセスパフュームにドレスアップキーを差し込む事で、キュアフローラへと変身する。*1
髪は変身前の茶髪から、ピンクのメッシュが入った金髪のロングヘアー(いわゆるストロベリーブロンド)に変わる。
髪型は所謂お花盛り(盛り髪)である。頭部にはティアラ、胸部と腰部には赤いリボンを付けている。瞳は水色。
全体としての衣装はピンク色であり、フリフリのスカートを履いている。その下はフリル付きのクラシカルなドロワーズ。
白い手袋をしており、太ももから足首まで露出している脚にショートブーツを履いている。

決め台詞は
「冷たい檻に閉ざされた夢…返していただきますわ!お覚悟は、よろしくて?
例年のシリーズだと決め台詞は本人の意志とは関係なく勝手に喋ってしまうものだったが、この台詞ははるかが即興で考えたものである。
この台詞はキュアマーメイド、キュアトゥインクルも引用している。 キュアスカーレットは微妙に異なる。

高い身体能力を生かした格闘戦を基本とするオーソドックスなインファイターであり、
敵をパンチで吹き飛ばしたり投げ飛ばしたりするほどのパワーを持つ。
特に脚力に優れているようで、蹴りによる攻撃を多用する(アニメ絵でも足の筋肉が結構すごい)。

また、その脚力を生かして素早く敵の攻撃を避けながらジャンプしてライダーキックを髣髴とさせる飛び蹴りを浴びせかける事も多い。
キックの使用頻度が多めなピンク主人公はキュアブラック・キュアハート位であり、珍しいタイプかも知れない。
あきらかに足を動かしにくそうな長めのふわふわしたスカートを着ているのにキックが得意技というギャップと
攻撃ヒットと同時に無数の花びらが飛び散る美しいエフェクトは、映像演出としては結構なインパクトとなっている。
しかしフィギュアでは流石にデザイン上どうしようもなく、下半身可動がほとんど死んでいる。

決め技は「プリキュア・フローラル・トルビヨン」。
モードエレガントにエクスチェンジし、無数の花びらを螺旋状にして放つ浄化技。浄化後は「ごきげんよう」の挨拶と共に〆。

他にクリスタルプリンセスロッドを使用した「プリキュア・ローズ・トルビヨン」「プリキュア・リィス・トルビヨン」、
プリンセスパレスを使用した「プリキュア・サクラ・トルビュランス」といった技も持つ。*2

個人技が基本的に花吹雪の正面ぶっぱばかりで他の仲間と比べるとバリエーションに欠ける面があるが、
高密度の花吹雪をバリア代わりにする、発射前に発生する大きな薔薇の花で相手の突進を受け止めて投げるなどの応用も可能。
チームでの連携としては、正面から技を当てて相手の勢いを殺し他の仲間の技に繋げる役割が多く見られる。

+ フォームチェンジ
  • モードエレガント
通常フォームのコスチュームに装飾を加えてロングドレスとしたサブフォーム。浄化効果のある決め技使用時にこの形態に変身する。
キュアフローラは初登場時からこのモードにフォームチェンジ可能。
フローラのドレスは、ウェストが狭くスカートが広い「プリンセスライン」のデザイン。
使用するドレスアップキーによってドレスの装飾が異なる。

  • モードエレガント・ドレスアッププレミアム
第30話から登場したスーパープリキュアで、強化アイテムプリンセスパレスと、
4本のプレミアムドレスアップキー(サクラ・サンゴ・ギンガ・サン)を用いて、強化フォームにフォームチェンジした姿。
一応はモードエレガントの一種ではあるようだが、それまでのモードエレガントとは明らかに別種の強さを持つフォームとして扱われている。
決め技は、4人での合体技である「プリキュア・エクラ・エスポワール」。

  • モードエレガント・ロイヤル (ロイヤルドレス)
第39話から登場したドレスアッププレミアムの上位種。
『モードエレガント・ロイヤル』の掛け声と共にロイヤルドレスアップキーをプリンセスパレスに差し込む事によってフォームチェンジする。
このキーは、「はるかが笑顔でいられるように、はるかの夢を守りたい」という新しい夢ができた事で、
記憶を取り戻したカナタ王子から生まれた新たなキーであり、元となったものははるかからのお礼のプレゼントである。
特徴は、羽のように結ばれたレースの巨大なリボン。
決め技は4人での合体技である、「プリキュア・グラン・プランタン」。
この「プリキュア・グラン・プランタン」
敵を城の台に拘束・固定し、自身をエネルギー体にして垂直に落とすビジュアルである。(ギロチンじゃないよ)

+ 終盤ネタバレ
  • グランプリンセス
49話にて念願のグランプリンセスに。
プリンセスラインの黄金に輝くロングドレスに、襟周りに毛皮の飾り、髪には豪奢なティアラが載せられ、背中にマント、手には鍵状の王笏を持つ。
プリンセス(王女)というよりもクイーン(女王)を意識したデザイン。
また、頭上には複雑な文様のレースのような光輪が回転しているのが特徴。
衣装のデザインは4人で微妙に違う。

またフローラのみ最終決戦では格闘向けの別形態「モードデュオローグ」を披露している。
自在に飛行しながらの徒手空拳、笏の自在な召喚、円形のレース状バリアの複数展開、キーやロッドを使う技の無詠唱での複数同時発動など、
通常形態とは桁の違う戦闘力を見せている。
しかしこの形態では決め技はなく一切攻撃行動は仕掛けておらず、それらの高い能力は全て防御や無効化に割かれており、
対話劇(デュオローグ)」の名前通り対等に話をするための形態といえる。

最終話では絶望の化身となった宿敵クローズとの一騎打ちの末、
「楽しいことと苦しいことは隣り合わせ。絶望は無かったことにはできず消えない、無くしたくもない。夢と絶望、その両方が私を育ててくれた」
とクローズと対話し、フローラ、クローズ共々、お互いに認め合い決着を付ける事なく別れる結果となった。

「絶望は、消えない」
「そうだ…これからも、現れ続けるぜ」
「乗り越えていくよ。時々、負けちゃうことだってあるけど」

「何度でも前を向ける。だって、私達には…」
「『夢があるんだ』。」
「えへっ、夢は、消せないよ

「絶望がある限り、夢だって輝き続ける。いつまでも。」
「強く、優しく、美しく…か。」

「……やめだ。お前の相手は。これ以上、やってらんねぇぜ。」
「消えてやるよ…今はな。あばよ!」
「クローズ…」
「またな…」
「ごきげんよう」


(以上、ニコニコ大百科及びピクシブ百科事典から抜粋。一部改変あり)


MUGENにおけるキュアフローラ

hatya氏によるものが存在していたが、氏のMUGEN引退に伴い現在は公開終了。
絵の9割がアニメキャプ切り抜きによって製作されている。
同氏の他のプリキュアキャラと同じくゲージが時間経過で自動で回復する仕様があり、性能は高め。
ストライカーとしてキュアマーメイド、キュアトゥインクル、キュアスカーレットを消費ゲージ無しで無制限に呼び出せる。

簡易的なAIが搭載されており、デフォルトの強さは大体凶中位~凶上位ぐらい。
体力が7割以下になると即死ダメージを与える事ができる「プリキュア・グランプランタン」を放つようになる。
また「本気スイッチ」というものが搭載されており、
ONにする事でキュアフローラの特徴(?)である受け身の上手さが強化され、4ヒットで喰らい抜けするようになる。
こうなると狂下位の門番であるマスターギースをも倒すほどの強さになる。

出場大会



*1
本作のプリキュアの強さは本人の夢に向かう気持ちの強さに比例する描写があり、夢に迷っているような状態だと物理的に打撃力が落ちる他、
夢を失っている状態だとパフュームにキーを差しても変身すらできない。
なお「プリンセスプリキュア」は元々は太古の昔にホープキングダムを建国した伝説の存在で、
当代のプリンセスプリキュアは、その名と彼女らが使っていたパフュームとドレスアップキーを受け継いだ2代目に当たる。
先代のキュアフローラは桃色の髪のチエリという名の女性で、当然既に故人だが、その魂がドレスアップキーを通してはるか達にメッセージを伝える事がある。
また、先代と当代では若干コスチュームのデザインが異なる。

*2
フローラの技名は基本的にフランス語縛りになっているが、これは合体技とフローラの技のみで、
他のプリンセスプリキュア達の技名は英語も使用している。
これはフランス語はかっこいい単語とそうではない単語の差が激しく、技名の設定が難しかったためのようである。


最終更新:2023年03月24日 20:16