東方心綺楼



概要

黄昏フロンティアによる弾幕アクション第4弾。CDジャケットはこいし。
過去作品と同様に本家・上海アリス幻樂団との共同製作であり、『東方Project13.5』として正式に組み込まれている。
時系列上は『東方神霊廟』と『東方輝針城』の間にあたる。
Windows上で動作するPCゲームで初回版は13年5月頒布、最新版は14年6月公開の『Ver1.34b』。
各解説は最新版についてのものとする。

画像解像度がHDになると同時にグラフィックを一新、闘いの舞台は空中へ。
コマンドが簡易化されて波動コマンドすら存在せず、更に中下段の概念を撤廃。
射撃とグレイズによる駆け引き、カードシステムといった要素は引き続き採用されているが性能が変化する信仰補正、戦況を左右する人気度、超大技のラストワードといったシステムは今作のみの特徴。
後に、基本的なシステムは次回作の『東方深秘録』に受け継がれることとなった。

A(弱打撃)、B(強打撃)、X(弱射撃)、Y(強射撃)の4ボタンで操作する。
キー設定によりカードシステムの使用をワンボタンで行うことも可能。
この場合、合計6ボタンによる操作となる。


登場キャラクター

ドット絵の一新に伴い、『非想天則』の参戦キャラは主人公組を除いて登場していない。
また、過去作品と違い、時系列で直前に当たる作品(今作では『神霊廟』)からも参戦している。



ライフゲージ

名前の通り。最大値は全キャラ共通で10000で、防御力の差も無い。
体力が半分を切ると共通の根性値補正がかかる。


霊力ゲージ

画面中央部下に表示される青色のゲージ。
5個のアイコンで表示された『緋想天』『非想天則』と異なり、『萃夢想』のようなゲージ1本制に戻った。
最大値は1000(霊夢のみ特技により1250)。
射撃や必殺技を使用する際、強以上の攻撃をガードした時などにゲージを消費する。
必要な霊力が足りない状態でも技は使用出来るが、霊力がマイナスの値になるため回復までの時間がより長くなる。

自分の攻撃で消費した分は赤で表示され、自動回復が早い。
ガードで削られた分、および一部のアイテムカードの使用時に消費した分は黒で表示され、自動回復が遅い。
いずれもラウンドを跨ぐと全快する。

ガードクラッシュ

霊力ゲージが完全に削られた状態で霊力ゲージを削る攻撃をガードした際に発生。
ガードを解除されて無防備になり、霊力が最大まで回復する。
『非想天則』と異なり霊力の最大値は減らないため、あえてガードクラッシュを起こさずに攻勢を維持する戦術も成立する。


カードスロット

打撃・射撃の同時押し毎の2ボタン×4方向、合計8枚まで設定可能。
前作までのデッキシステムにやや似ているが、試合への影響と自由度は更に大きい。
選択次第では必殺技もスペルカードも一切使用不能、なんてこともありうる。

アイテムカード

ラウンド毎に使い捨てのもの、使用時に霊力最大値を消費するもの、入れているだけでも使用した際にも恩恵があるものなど様々。
『非想天則』のシステムカードと同じく各キャラクターをイメージしたものが多いが、対応したアイテムが無いキャラクターも存在する。
信仰チャート(後述)の増減にのみ影響するものもあり、こちらは戦闘中に使用出来ない。が、チキンガード(後述)を目的として選ばれることも。

必殺技カード

各キャラ7種類から選択可能。
配置したキーの方向によって挙動が変化する必殺技があるのが特徴。
このため、同じ必殺技を複数個割り当てるのも選択肢となる。

スペルカード

いわゆる超必殺技。
スペルゲージ(要はパワーゲージ)が満タンの時に入力すると、無敵状態のスペルカード宣言が発動。
宣言中はスペルカードが発動可能で、制限時間が切れるか、またはスペルカードかラストワードを発動するまで持続する。
宣言出来るのは登録したスペルカード毎に1ラウンド1回。
コンボ中に宣言することでコンボに組み込みやすくなるが、その際はダメージ保障が大きく下がってしまう。
使用せずに制限時間が切れると人気度が下がるため、ぶっぱなしても問題無いかどうかが他のゲームよりも重要。

信仰補正

各カードには神・道・仏の3種類があり、スロットに設定したカードの合計値が信仰チャートとして表される。
チャートに単独で3以上の値を持った信仰があった場合はその信仰に所属し、主に射撃の性能が大きく変化する。
神は射撃の追尾性能や弾数が強化されるが、強度が下がる。
道は射撃の弾速や強度が強化されるが、追尾性能が下がる。
仏は射撃の攻撃判定や拘束時間が強化されるが、射程が下がる。
無所属を含め、4種類の射撃性能から選ぶこととなる。

こころのみ、特定の必殺技を使用することで戦闘中に所属する信仰を変更出来る。


人気度

「宗教家が人気を奪いあう」というストーリーをシステムに組み込んだ、本作の大きな特徴。
最初は両者0%(「どちらでもない」が100%)から始まり、戦闘中の行動によって「はい」「いいえ」の割合が増えていく。
そのため必ず片方のみがプラスとは限らず、両者プラスや両者マイナスという状況にもなりうる。
ラウンドを跨いでも継続し、段々と「どちらでもない」の割合が少なくなるため、終盤には人気度の変動が実質的に倍になる。

人気者ボーナスを得ると一定時間霊力回復速度とガード削り性能が上昇し、
逆に不人気者ペナルティを得ると一定時間霊力回復速度が減少した上でガードが割られやすくなる。
人気度MAXで発動する人気爆発状態では自分にボーナス・相手にペナルティが発生し、さらにラストワードが使用可能になる。
さらに各キャラ固有の専用BGMも流れ、人気爆発状態の経過に対応しているので残り時間の把握がしやすくなっている。
また神子のみはこれらとは別に、特技によって人気に連動して本体性能が上下する。

今作には時間切れが存在し、その際は残り体力ではなく人気度が基準となって勝敗が決定する。

ラストワード

人気爆発状態でのみ使用可能な、専用BGMやカットインと共に放たれる大技。
スペルカードと違い、前宣言やカードの登録は不要。
使用すると人気爆発状態が終了し、外してしまうと人気度が大きく下がる。
そもそも人気爆発状態になること自体が難しいので、ロマン技の部類。


移動について

上下移動

2 または8。つまり下方向にもジャンプ出来る。
必然的に画面に見えない中央ラインが存在し、放置していると中央に近づく。
ジャンプ中の前後ダッシュは何回でも可能で、前後ダッシュを繰り返すと中央ラインからずれた高度を維持する事が出来る。
中央ラインから上にいる時に上方向のジャンプは出来ないが、下方向のジャンプは出来る。逆も然り。
ただしジャンプキャンセルは厳密に中央でなくても中央に近い位置でも可能。

前ダッシュ

前方向に高速移動する。移動中はグレイズ判定が付く。
上下入力を加えると斜めにも移動出来る。
前方向を押し続けることで延長可能で、一定時間ダッシュし続けるとより速いトップスピード状態に移行する。
前入力を止めると即座に停止する。

前ダッシュ中に弱打撃を出すとスライド攻撃が出る。強打撃は変わらない。
トップスピード中に弱・強打撃を出すと突進打撃(弱・強)が出る。

聖のダッシュはいわゆるステップ型で、出始めは相手をすり抜ける。グレイズの切れ目は存在しない。
こいしのダッシュはかなり独特で、速度がかなり遅く、ダッシュし続けると速度が変わらない(トップスピードが存在しない)代わりに完全無敵が付き、さらに維持すると突進打撃(強)が自動的に出る、というもの。

後ダッシュ

前作までのバックステップと異なり、入力を止めると即座に停止する点は前ダッシュと同じ。
ただしトップスピードは存在せず、後ダッシュ中の攻撃も出来ない。

こいしの後ダッシュの停止動作には攻撃判定がある。

ダウン復帰

受け身用のボタンを入力しなくても自動で受け身する。
前方向の入力があれば前に、そうでなければ後ろに受け身を取る。
受け身の際に接触判定は無い。


打撃について

今作では地上・空中の攻撃の区別が存在しない。

連続打撃

『緋想天』から存在するコンビネーション攻撃の系譜。
弱打撃のヒットまたはガード時に続けて入力すると連続攻撃になる。
4発目は方向キーとの組み合わせで変化し、ニュートラルの場合はさらに5発目のフィニッシュ攻撃にも繋げられる。
射撃、必殺技、スペルカード、ラストワードでキャンセル可能。

フィニッシュ攻撃

相手が壁に叩きつけられ、立ちスタン(後述)になるのが特徴。
連続技に慣れておらずスタンまで繋げられない場合や、そうでなくても確実にスタンからスペルカード・ラストワードに繋げたい場合に有効。
こちらはスペルカード・ラストワードでのみキャンセル可能。

スライド攻撃

ダッシュ中のみ出せる。
慣性が付いたまま攻撃するのでコンボの始動技に使いやすい。
強打撃、射撃、必殺技、スペルカード、ラストワードでキャンセル可能。

突進打撃

こちらはトップスピード中にのみ出せる。
相手を壁バウンドさせるのが特徴。

溜め打撃

前作までのホールド攻撃に近いもの。
強攻撃の威力やガード時の霊力削り量が強化されたもの。
スペルカード以外でのキャンセルが出来ない代わりに、単発ヒット確認からの追撃が可能。
ブレイク属性(後述)なのも特徴。


射撃について

『萃夢想』より続く弾幕アクション最大の特徴。
霊力を消費して飛び道具を射出する、遠距離での立ち回りの要。
多くの打撃からキャンセル可能で、必殺技、スペルカード、ラストワードでのキャンセルに加えてジャンプキャンセルも可能なコンボの要。

弱射撃より強射撃の方が霊力消費が大きく、その分強力。
一部のキャラの強射撃は方向キーにより性能が変化する。
必殺技やスペルカードにも射撃属性を持つ攻撃は多く、通常の射撃よりも特殊なものが多い。

強射撃をガードすれば霊力が削れ、打撃無敵では回避できないが、グレイズにより回避または無効化できるため、
攻める際は如何にグレイズをさせないようにするか、グレイズからの反撃の芽を如何にして潰すかが重要。

グレイズ

全キャラ共通でジャンプ、ダッシュ、トップスピード中に付加される、射撃を回避する状態。
詳しくはリンク先参照。


ガードについて

敵の打撃や射撃を防ぐ。
本作には中下段の区別はなく、ガード可能な攻撃は全て4入力でガード出来る。

チキンガード

青いバリアを展開して敵との距離を離す事が出来る、いわゆるアドバンシングガード。
ただし多用すると大きく人気を落とす。

攻撃の直前にチキンガードを入力していると、押し返す力が強くなる。
チキンガードの延長であるため、自分がガード硬直中でも狙える点はブロッキング等と異なる。

入力方法が ニュートラル またはガード中に同時押し(または対応したボタン)であり、4入力(つまりガード入力)に登録した技が暴発しやすい。
この点に関しては4入力のカードスロットに信仰チャート用のアイテムなどの使用出来ないアイテムカードを登録すると、
4入力中にボタンを押すか離すかによって、暴発を防ぎつつ通常ガードとチキンガードを使い分けられるようになる。
(要はGuilty Gearのフォルトレスディフェンス等に近い入力方法になる)
明確な操作性の向上に繋がるため、4入力に使用出来ないアイテムを登録するプレイヤーは多い。

チキンガード、後述のブレイブガード共に霊力ゲージの最大値の減少は防げない。
また、『萃夢想』の霊撃や『緋想天』の龍魚の羽衣のようなガードキャンセル行動が今作には存在しない。
そのため、チキンガードの押し返しは強力ではあるが、逆に言えばチキンガードで防げないガードクラッシュ連携は回避不能となっている。

ブレイク属性

溜め打撃、一部の必殺技、一部のスペルカードが該当。
この属性の攻撃をチキンガードで受けるとガードクラッシュしてしまう。

ブレイブガード

直前にガード入力をすることで虹色のバリアを発生させ、敵との距離を離す。
チキンガードと違い、こちらは人気度上昇を狙う事が出来る。


補正について


Rate補正

最初に当てた時にかかる初段Rateと、2段目以降に当てた時にかかる減少Rateが攻撃の1つ1つに設定されている。
Rateは10%まで下がる。

カウンターヒット補正

カウンターヒットするとダメージが120%に上昇する。以降のコンボ中のダメージも同様。
一部の技は110%だけ上昇する。

ガードクラッシュ補正

ガードクラッシュからの追撃はダメージが70%に低下する。以降のコンボ中のダメージも同様。

根性補正

体力が半分を切った相手に与えるダメージが低下する。
残り体力が少ないほど影響が大きい。

ダメージ保障

スペルカードにはRateが低くても50%のダメージ保障がある。
ただしコンボ中に宣言してそのままスペルカードをコンボに組み込んだ場合は20%のダメージ保障となる。


スタンについて

前作でいうLimit値に近いコンボ制限システム。他のゲームで見られる気絶とは異なる。
コンボを受けてStun値が100%になるとキャラが気絶し、青いバリアに包まれる。
この状態になるとスペルカード及び一部のラストワード以外では追撃不可能。
これらの攻撃でスタンを取ると赤いバリアに包まれ、一切の追撃が入らなくなる。

立ち気絶

壁に叩きつけるか、Stun値が100%に達した相手を非ダウン属性の技で追撃すると発生。
その場で復帰するので置き攻めを受け易い。

ダウン気絶

立ち気絶以外で発生。
非気絶ダウンと同様に受け身を取り、これが前作までの移動起き上がりに当たる。


※以上、東方心綺楼Wikiを参考、及び引用


余談

システムを一新したためか、今作は今までの作品よりもバージョンアップの回数が多く、規模が大きい。
そのため、更新により使えなくなったコンボやテクニックが多数存在する。
動画視聴の際はどのバージョンのものか要確認。

何と言ってもその美麗なグラフィックが話題になりやすい。
待機時を始めとする滑らかな動き、追加されたイントロ・勝利ポーズを含む各アクションで見せる生き生きとした仕草と表情、
柔らかそうなふとももから生まれるはいてない疑惑、反則的なロリロリしさ、大胆な乳揺れまで、
その隅々にグラフィッカーの拘りとフェチが詰まった珠玉の一品と呼べるだろう。

またストーリーを反映し、他の格闘ゲームの様にステージ背景にプレイヤー以外のキャラクターが配置されるようになった。
これは村人などのモブキャラクターに留まらず、何と『神霊廟』までにシリーズに登場したほぼ全てのキャラクターが揃っている。
更なる余談として、逆に言えば背景にいた=不参戦であることから発売前にステージの情報が入る度に一部のファンが悲しみを背負ったり、
背景に登場しなかった極一部のキャラクターのファンが最後まで希望を捨てきれなかったり…といった一幕も存在した。

参考動画


MUGENでの扱い

空中戦が他のMUGENキャラと噛み合わない事が容易に想像できるためか、原作再現がなされたキャラクターは皆無。
ネンミン氏の秦こころが移動関連を一通り再現している程度か。
伊吹川氏の博麗霊夢は必殺技の性能などは原作を反映しているが、屈み動作や中下段の概念が追加されている。
nns氏の雲居一輪&雲山は下方向のジャンプを撤廃しつつ、各種攻撃の仕様やスタンによる追撃制限等の攻撃を受けた側の挙動を再現している。
これらのように地上戦主体にアレンジされているケースが多い。
元がHD規格であることもあり、スプライトを表示するscaleの値は等倍、D4、ややジャギるが前三作のドット相当と作者によって異なる。

へちょ氏の金剛、プレート氏の先代巫女、ネンミン氏のミスティア・ローレライ等は心綺楼のドットを基準に製作されている。
逆に、へちょ氏の秦こころは『非想天則』以前のドットが基準となっている。
ラストワードの演出は先代巫女やピカポン氏の因幡てゐが採用している。