マグナディウエス


「虚無の彼方に儚く散るか……さあ、始めよう」

テイルズオブシリーズの一つ『テイルズオブデスティニー2』に登場するキャラクター。通称「マグナ様」。
隠しダンジョン「アクアラビリンス」の最深部に封印されている闘神であり、同作の最強にして最後の隠しボス。
つまりはリメDにおけるバルバトスと同ポジションのキャラである。CVは 千葉一伸 氏。

数十万ものHPや高い攻撃力を持つが、その最大の特徴は初見殺し。
まず開幕と同時に冒頭の台詞と共に「ラスト・ヴァニッシャー」を発動し、パーティ全員のHPを1にする
発動後はしばらく「なんとか言ったらどうだ?」と煽りながら様子見してくれるが、
全体回復晶術のリザレクションで纏めて回復しようとすると「リザレクション…?退屈な奴らだ」のウィンドウと共にカウンターを発動、
「無敵になりつつ気絶弾乱射→インブレイスエンド→アクアリムス」のコンボを決めてくる上、
PS2版では中断セーブから何度も再開出来ないため入り口からやり直しになり、台詞通りここまで潜った努力を水の泡にされる。
つまり開幕ラスヴァニを阻止出来れば試合開始、阻止出来なかったらリザレクション以外で一人ずつ回復してからようやく試合開始となる。

他の特徴としてその大きさや重厚そうな外見と裏腹に作中最も軽く
SP(スピリッツポイント、技の使用や命中率・回避率に関わるポイント)の回復速度が遅い上に、
こちらが攻撃を当てる毎にSPが減っていくというものがある(通常は被弾ごとに上昇するためマグナ様に不利なだけの特徴)。
回避は高いもののSPが低ければ飾りにしかならない仕様なので、術からコンボを繋げばその利点は無いも同然で、
防御も耐性もそこまで高くないので一度当てれば簡単にコンボを繋ぐ事ができ、割と減らすのは簡単。
その代わりSB(詳しくは下記)というシステムの関係でお手玉状態を維持するのは不可能となっている。
ただしその軽さ故に一部キャラの秘奥義がちゃんと入らない事も。
また軽さに比例して移動速度も早く、一瞬で距離を詰めたり離したりする。
技は多段のためガードが難しい「ビーストロアー」、猛毒を与えHPが低いほど攻撃回数の増える「スネークバイト」、
炎で後衛ごと焼き払う「ドラゴンキャノン」と強力で、SPが少ない状態だと上級晶術連射に戦法を切り替える。
詠唱中は味方の術に数回耐える剛体を持つが打撃なら簡単に潰せ、
高速後退直後や下記のSBで潰せなかった場合でも、発動前に術に応じた台詞を言うのですぐに動けば避けられる。
晶術の威力を決める知性も物理技の威力を決める攻撃ほどは高くないので、時止めなどで食らってもそうそう即死はしない……のだが、
避け損なった場合、難易度Easy以外だと具現結晶(上級晶術から派生する最大技)まで繋げてくるため注意。
また、SPが低下すると異様に出が早い上にこちらを吹き飛ばしつつSPを回復する「スピリッツリバース」(通称湯気)も使ってくる。

HPが75%を切ると、魔法陣の中に特殊効果を及ぼすFOE(フィールドオブエフェクト)を3種類の中からランダムに自分の周囲に展開するようになる。
一つ目は定期的に範囲内のキャラを全回復させる「情けをかけてやろう」。唯一当たりのFOEでマグナ様には一切メリット無し
二つ目は範囲内のキャラの防御力を大幅に低下させる「苦しむヒマを与えぬも慈悲か」
前衛へのあらゆる攻撃が致命傷に変わる。特にビーストロアーが凄まじく、ガードしていても一気に減る。
スピリッツリバースも危険で、慈悲発動中にうっかり落としたらSP補充のついでで消し飛ばされる。
三つ目は範囲内の時間を止める「貴様の<時>を頂く」
範囲こそ狭いが前衛が置物と化すため、無防備にスネークバイトを食らえば死にかねない。
対策としてはFOEを使われる瞬間に低姿勢になる行動を取るというものがあり、上手くいけば停止中にマグナ様の使ってくる技を避ける事が可能。

HPが50%を切ると通常は攻撃を当てる、当てられる、防ぐといった行動でのみ溜まる隠し数値のブラスターカウントが高速で溜まるようになり、
何もしなくても十数秒でSB(スピリッツブラスター)が発動するようになる。
SBに突入すると一定時間アーマー化しつつSPがMAX固定になってガード削りが上がり、またSB突入後即座にFOEを使ってくるので非常に厄介。
特に高難易度だと先述した慈悲+ビーストロアーと時止め+スネークバイトが食らう=死レベルになる。
その代わり「詠唱の高速化+アーマー化による術の凶悪化」というSBの利点は一切生かしてこない点は非常に助かる。

HPが25%を切るとエンチャント・ダメージを使用、TP(テクニカルポイント、晶術発動に必要なポイント)の回復速度と攻撃力が跳ね上がる。
ここまで来ればあと一息だが、この辺りからスネークバイトの最後に遠く吹き飛ばすようになるので後衛まで一気に詰められて全滅なんて事も。

注意点としては上記のリザレクションカウンターともう一つ、背後に回るとカウンターしてくる事。
TPが40以上の時にマグナ様の後ろに回ってしまうと私の背後に立つな…というウィンドウと共に無敵化しつつ気絶弾を乱射、
そこから禁呪と呼ばれる上級晶術の派生(クレイジーコメット→トゥインクル・スター→ミックス・マスター→プリンセス・オブ・マーメイド)により全滅する。
背後に回ると言っても攻撃や回避で背後に回るだけでなく、マグナ様の後ろのキャラを蘇生する、
エンシェントノヴァや具現結晶でマグナ様を吹き飛ばす、エンシェントノヴァでマグナ様吹き飛ばすといった場合でもカウンターする。マジ理不尽

そんな強さを持ちながらも「見せようか我が力の欠片」「全力を望むか?それは無理な相談だ……」等の台詞から分かるように、どうも手加減しているらしい。
行動においても開幕のラスト・ヴァニッシャー後に即追撃をしない、戦闘中に敵を全回復するなどその傾向が窺える。
隠しボスながら特に作中の登場人物と因縁があったり世界を危機に陥れたりする事も無く、ただやってきた主人公達と真っ向勝負をするのみ。
加えてアクアラビリンスは周回型のダンジョンであり、周回する程に入手出来るアイテムが豪華に、敵が強くなっていく(マグナ様含む)ため、
アイテムの目当ての場合にはマグナ様とは何度も戦う事になる。
本作の戦闘システムは敷居こそ高いものの、シリーズ中でも屈指の完成度を誇る事もあり、最強の敵である彼と何度も戦う為に、
今日もどこかでプレイヤーが迷宮に潜り続けている……かもしれない。

実際、これまでのテイルズの「敵と味方のどちらがお手玉になるかの勝負」が最終的な到達点だったボス戦とは非常に異なり、
ボス側の防御性能は極端に低いがそれをSB頻発で補うため、どんなに工夫をしようと「敵味方それぞれに攻めやすい場面がある」という、
メリハリの利いた戦闘が出来る点は非常に目新しかった。
難解な戦闘システムを隠しダンジョン最深部まで楽しんできたプレイヤーへの最高のおもちゃプレゼントと言える。

その強さ、台詞、デレ行動、専用BGMなどから人気も高く、しばしばお祭りゲーへの出張も希望する声が上がるが、
現状ではスマホゲー『テイルズ オブ ザ レイズ』に参戦した程度で、外部出演の機会には恵まれていない。まあ『TOD2』のその枠はが出ずっぱりだしねぇ……
PSP版では下記の動画サムネにも使われているカットインが追加された他、イラスト本という追加要素にデフォルメキャラとして他のキャラと共に描かれている。
専用BGM
『テイルズ オブ ザ レイズ』での雄姿(VS天海春香
術技集(前半『D2』、後半『レイズ』)

余談だが配色や時止め、CV(3部ゲー)と何かとDIOとの共通点が多く、元ネタではないかとも言われている。


MUGENにおけるマグナディウエス

ガープグラシャラボラス、その他テイルズボス再現東方キャラを数多く製作したsoruzin氏により、2016年3月9日に公開された。
氏曰く「M空の記述使い回しで作ろうとしたら空の大きさに合わせて弄ってたから結局ほぼ一から作り直した」との事。
M空と比べるとSPゲージが搭載され、エフェクトも多くが『TOD2』準拠のものに変更されている。

今の所一部具現結晶を除いた全ての技が搭載されており、原作の挙動を再現したデフォルトAIも搭載。
アクアラビリンスの仕様を再現したラウンド2以降に攻撃力が10%ずつ上がる周回補正も搭載している。
オプションではSB必要値や行動毎の間の他、開幕ラスヴァニや各種カウンターが設定可能。
体力も高く(LIFE4000)、ランクとしてはデフォルトでも狂上位クラス。

同年5月1日の更新でエクセキューションに具現結晶「ルナシェイド」、インブレイスエンドには具現結晶「アクアリムス」が搭載された。
今までの氏のキャラに搭載されていた具現結晶と違い。使用時には原作の精霊が攻撃する。
更にオリジナル秘奥義として、「エレメンタルマスター」が搭載された。
こちらは現在の所単体使用の他、上記2つ以外の晶術ヒット時に派生して出す事も可能(その場合は具現結晶同様の演出が入る)。
この更新で搭載された技は、派生前と合わせればいずれも通常キャラなら10割超えのため、原作同様晶術は死ぬ気で避けなければならなくなった。
なお単体ダメージはアクアリムスが996+4割回復、エレメンタルマスターは2200、ルナシェイドに至っては4500となっている。
それに伴い、オプションの項目に具現結晶の使用および必要ゲージ無視の可否、オリジナル技を使うか否かが追加された。

同月22日の更新で性能が調整され、より原作に近付いた。
ビーストロアー、スネークバイト、エレメンタルマスターの根本判定が狭くなり、時止めの際に潜り込んで避けやすくなった。
また具現結晶の威力が下方修正され、アクアリムスが564、ルナシェイドが990とかなり落ち着いた。
ぶっちゃけ以前のは間違ってアクアラビリンス8周目(攻撃・知性1.7倍)準拠にしていたらしい。まあどっちみち普通は死ぬが
これに合わせ派生版エレメンタルマスターも晶術準拠ダメージに変わり、812と大幅に低下した(秘奥義版は以前と同様)。
エレメンタルマスターは他にも発動後に大きな隙が出来たり、発動中FOEの経過時間がカウントされないようになったりと多々変更されている。
この他、オプションでラウンド移行時の「フッフッフ……さぁ、また繰り返すのか?」という台詞を切る事が出来るようになった他、
おまけ要素としてスネークバイトの毒を原作準拠の猛毒(LIFE1000なら60ダメージ、毎秒3割強)に出来るようになった。

2018年6月21日の更新で、エンシェントノヴァに具現結晶「フランブレイブ」、ディバインセイバーには具現結晶「ソルブライト」が搭載された。
単発ダメージは前者が660、後者が560。ソルブライトの精霊の翼や爆風が原作と違い白っぽい紫色になったが、MUGENのパレット数制限の影響らしい。
またクレイジーコメットがバラける、具現結晶時相手が画面中央に固定されるなど演出・エフェクトや判定の調整、バグ修正などが行なわれた。

2020年3月25日の更新により、とうとう具現結晶「アーステッパー」と「シルフィスティア」が実装、これにより全ての原作技が搭載された。
単発ダメージは前者が456〜753(水晶の落ち方によりランダム変動)、後者が1188
一方インディグネイト・ジャッジメントはダメージが702まで下がったが、代わりに成立した瞬間から最後の雷まで無敵化するように。
また晶術エフェクトの再現度が上昇し更に派手になった(特に「インディグネイト・ジャッジメント」)他、
弱体化要素としてSB中に現在HP以上のダメージを食らうと強制終了するSBブレイク(仮)が実装された(デフォルトではOFF)。
それ以外も、SP消費量やTP上昇(ゲジマシ)量、BCが自動増加するようになる体力やその増加量など細かい部分まで調整可能になった。

2021年の更新でさらなるオリジナル秘奥義「ダンシング・スピリッツ」が追加された。
SPとゲージが両方MAXの時、両方全消費という凄まじい発動条件だが、それに見合ったド派手さの色々ととんでもない技。
フランブレイブの炎とアクアリムスの水が画面を薙ぎ払いつつソルブライトが光を放って吹き飛ばし、
アーステッパーの水晶が相手を突き刺しながらシルフィスティアが巻き上げ、最後に落ちてきた相手をルナシェイドが切り捨てる。
溜めが必要かつ溜め中に潰されてもゲージの半分が消えるため実質SB中専用だが、それに見合った相当な破壊力。
とはいえダメージ的には1500〜1800ほどとフィアフルストーム→シルフィスティア連携と大差ないため、相手によっては普通に耐えることもある。
この技のポイントは、ロックせずに発動し長時間垂れ流すため回避型でもアーマー型でも相手を問わず使えるという部分か。
実戦で発動したものがこちら(26:02~)


「つまらん……意味のない時間を過ごした」

出場大会



最終更新:2023年09月04日 21:00
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