餓狼伝説


概要

SNK初の格闘ゲームで、『ストリートファイターII』と並び格ゲーブームの中心となったシリーズである。
現在正規タイトル(公式サイトで紹介されている作品)は初代~『MOW』の10作品。略称は「餓狼」。
携帯機で外伝『熱闘リアルバウト 餓狼伝説スペシャル』『餓狼伝説 FIRST CONTACT』などが発売されている。
海外版のタイトルは 『FATAL FURY』(直訳は「致命的な怒り」。初代サブタイトルの「宿命の戦い」に近い)。
『2』以降はテリーの帽子にこの文字が入っていることが多い。
『FF』だと紛らわしいため、『FFu』などと略されることが多い。
旧SNK倒産とともに新作の展開は停止中。

他の作品と一線を画す最大の特徴は、上下左右の文字通り「2D」のフィールドで行われていた戦いに、
擬似的な奥行きの概念をもたらした「ライン」の存在。
また、早い段階から超必殺技や本格的なキャラクターボイスを導入しており、演出面での功績も大きいと言える。
メディアミックス戦略も試みられており、1992年には地上波ゴールデンタイムにアニメ『バトルファイターズ 餓狼伝説』が、
1994年には劇場版『餓狼伝説 -THE MOTION PICTURE-』がそれぞれ公開された。

各作品ごとのキャラランクについては各ゲームのキャラの強さ/SNK2を参照。
2ラインやオーバースウェーなどのシステムはMUGENでは再現が難しいが、とりあえず記載しておく。


餓狼伝説 宿命の闘い

1991年11月にMVS(業務用NEOGEO)で稼動。SNK格闘の原点。
ROM容量は55Mbit(MbitはMBの8分の1の単位で、8Mbit=1MB)。略称は「無印」「初代」など。
『ストII』稼動の半年後に登場し、ブームに乗って一躍SNKの名を上げた。
発表時期やシステム面の類似性から「『ストII』の模倣作」と当時は認識されたが、
半年では開発期間が足りないであろうことや登場キャラクターの大半がCOM専用という仕様などから、
後には「むしろ『初代SF』を意識していたのでは」という見方が強まった。
また、開発チームに『ファイナルファイト』に関わったスタッフが少なからず加わっていたため、
『ファイナルファイト』の流れを汲む、とする説もある。
純粋な対戦格闘ゲームではなく、ステージ中に仕掛けられたギミックや協力プレイなど、
ベルトスクロールアクションに近い要素が多数盛り込まれていたこともこれを裏付けると言われている
(ただしSNKはこれ以前にも他社の作品、特にカプコンのゲームをたびたび模倣していた背景があるのは事実)。

登場キャラクターの内、操作が可能なのはテリー・ボガードアンディ・ボガードジョー東の3名。
しっかり「3人の主人公」と書かれており、ジョーやアンディも主役扱いであった。なお、同キャラ対戦は不可。
当初、インストカードやポスターではジョーが中央でそれを挟んでボガード兄弟という配置が多く、
日の丸鉢巻の日本人ということもあってジョーが主人公と間違われそうになったり、
雑誌『ゲーメスト』名物の誤植で兄がアンディ、弟がテリーと紹介されたのが浸透しそうになったり、
SNK自身もアンディの「空破弾」と「昇龍弾」を誤植するなど、少々波乱のデビューでもあった。

当時まだ対戦格闘ゲームの定義は固まっていなかったが、今見るとアーケード版は純粋な格ゲーとは言いがたい作りである。
上記のように主人公の3人しか使用できず、乱入は可能だがまずは乱入した2Pと協力してCPUキャラクターを倒し、
その後にプレイヤー同士で対戦して勝者が次のステージをプレイできる、というフレンドリー(?)な仕様だった。
そのため、対戦形式の格闘アクションゲームとしたほうがより的確かもしれない
(同社がNEOGEOを発売する前に作られたゲーム『ストリート・スマート』に近い)。

後に発達していくラインバトルだが、初代の時点ではまだその原形的なものがあっただけと言うほうが正確だろう。
自発的にライン移動ができるのはCPUキャラクターだけで、プレイヤー側はそれを追うことのみしかできず、あまりゲームの盛り上がりに貢献していない。
ただし上述の2P協力プレイの際、キャラクター3人が常時一直線上に立つわけではないという点が、空間の表現にそれなりの説得力を与えていた。
対人戦ではお互いライン移動ができず、別ラインに移動するのは相手の立ち通常技がヒットしたときに
ランダムで吹き飛ばされた場合のみという形になるため、ラインバトルの要素は限定的である。

ストーリーの大筋は既に存在していたが、設定が固まり切っておらず、所々に後のシリーズと矛盾する描写や場違いな言動が見られる。
まだ宿敵を倒していないのに闘いからおさらばする気満々の3人や、ギース・ハワードの誤植台詞「許るさーん!!」が有名。

本作に登場する技の数々は、後のSNK作品における多くのキャラクターの必殺技の基礎となり、
特にギースが使う「当て身投げ」は(構造上はそういう意図ではなかったのだが)「攻撃したら投げ返される反撃技」という斬新な技として認識され、
他の格闘ゲームにも大きな影響を与えた。
BGMの評価も高く、独特な歌詞が印象的な「ハレマー教カポエレ派戦いの歌(信ずるものは救われる)」、
今なお高い人気を誇る「ギースにキッス」などがある。
単なる『ストII』への対抗だけではなく、新たなギミックを用いて業界に一石を投じる、SNKらしさ溢れる1本となっている。

  • 登場キャラクター

  • 操作方式
    • 1レバー+3ボタン(A:パンチ、B:キック、C:投げ)
  • 2ラインバトル
    • 画面上には、行動可能な場所が手前と奥に存在する。
      ラインはそれぞれ独立しているため、違うラインの相手に対して通常技や必殺技で攻撃することはできない。
      なお、マイケル・ホア・ビリーのステージは1ラインとなっており、別ラインに飛ばされた場合は背景の物体に当たって元のラインに戻る。
      • ライン移動
        • ライン間を自由に移動できるのはCPUのみ。
          プレイヤー側は相手と異なるラインにいる場合のみ、
          自分が手前にいるならレバー上、奥にいるならレバー下でライン移動が可能。
      • ライン移動攻撃
        • 相手と異なるラインにいる時に攻撃ボタン。ラインを移動しつつ攻撃を繰り出す。
          なお、本作のみライン移動攻撃の出掛かりには、同ライン上の相手への攻撃判定が存在する。
  • その他
    • 残り体力や特定の行動による性能の変化(CPUのみ)。
    • 相手との間合いによって、技の性質が近距離・中距離・遠距離と変化する。
      パンチなら肘打ち・左ジャブ・右ストレート、キックなら膝蹴り・ハイキック・ローリングソバットなど。


餓狼伝説 WILD AMBITION


1999年1月にハイパーネオジオ64で稼動。シリーズ第九作。略称は『ポリガロ』『WA』 など。
名目上は初代『餓狼伝説』のリメイクだが、『2』以降の要素も取り入れているためほぼ新作と言って良い。
ゲームの出来そのものはベースに『RB餓狼2』の感覚を踏襲している秀作でもある。
3D作品なので詳しい説明は割愛するが、このゲームの超必殺技をMUGENで再現しているキャラクターもいる
(ギースの虚空烈風斬やレイジングデッドエンド、アンディの斬徹など)。
気になる人は、PS3やPSPのゲームアーカイブスでプレイしてみるのもいいだろう。


餓狼伝説2 新たなる闘い


1992年12月にMVSで稼動。シリーズ第2作、100メガショック第2弾。ROM容量は106Mbit。
2ラインバトルを発展させ、正真正銘の対戦格闘へと進化を遂げた作品。
MVSの(当時としては)大容量を生かした派手な演出と、攻め合いを主軸としたダイナミックなゲーム展開が特徴。
攻撃の強弱の概念や反撃システムの先駆けとなった避け攻撃、『龍虎の拳』 からの超必殺技の追加など、
様々なシステムが追加され、以降のシリーズの流れを決定付けた。
また大胆すぎる衣装で登場し、乳揺れまでやらかした不知火舞が色んな意味で衝撃的なデビューを飾った。
BGMも新規・アレンジを問わず秀逸で、実際のクラシックを丸々使うという大胆な演出も行われた。
前作を確実に上回る人気を獲得し、この頃からゲームセンターでは「カプコン派」と「SNK派」に分かれ始める。
それまで高価なためビデオレンタル店でのレンタルという形式でしか流通していなかった家庭用NEOGEOが、
普通の大手玩具店やゲームショップなどに並ぶきっかけを作った1本でもある。

また、SNK監修による本作の公式ストーリーに位置する漫画『SNK公式ストーリー 餓狼伝説2』(作:MONDO.恵)も書かれている。

前作ではプレイヤーキャラにあまり恩恵の無かった2ラインシステムも、能動的に移動できるように進化した。
……のだが、ライン移動でひたすら逃げるなど対戦テンポの悪化に繋がっており、あまり評判は良くない。
画面端に追い込んでひたすら必殺技をガードさせて削る、という戦法への対抗策として、着眼点は悪くなかったのだろうが・・・

  • 登場キャラクター

  • 操作方式
    • 1レバー+4ボタン(A:弱P、B:弱K、C:強P、D:強K)
  • 2ラインバトル
    • ライン移動
      • AB同時押しに変更。相手と同じラインにいるときも別ラインに移動できるようになり、
        レバー入力で移動先を左右に調節できる。
    • ライン移動攻撃
      • 相手が別ラインにいるときにAorCで軌道の低いジャンプ攻撃を、
        BorDで軌道の高いジャンプ攻撃を繰り出しながらラインを移動する。
        自動的に相手の位置をサーチしてくれるが、レバーを入力すれば攻撃する位置を左右に調節できる。
    • ライン飛ばし攻撃
      • 相手が同じラインにいるときにCD同時押し。
        大振りの攻撃を繰り出し、ヒットした相手を別ラインに飛ばす。必殺技でキャンセルが可能。
    • 1ラインステージ
      • 一部のステージではライン移動を行うことができず、ライン飛ばし攻撃が当たると
        奥のラインにある障害物などに当たってダメージを受けた後、元のラインに跳ね返ってくる。
  • キャンセル
    • 一部の通常技を必殺技でキャンセル可能。
      ただし、本作はヒットストップ中の食らい判定が完全に消えるため、連続技は一切存在しない。
  • 飛び退き
    • レバーを後ろに2回連続で入力すると、その場から素早く飛び退く。つまりバックステップ。
      動作中は全身が無敵なため、緊急回避として使用することができる。ただし空中投げは食らう。
  • 避け攻撃
    • ガードポーズ中 (実際にガードしてる時は不可) にレバー前+A。
      身体の一部や全身が無敵になる攻撃を繰り出す。
  • 超必殺技
    • 体力が残り少なくなりライフゲージが点滅すると使用可能となる、強力な必殺技。
  • 挑発
    • 離れた間合でニュートラル+C。特別な効果はない。
  • しゃがみ歩き
    • 前方移動のみ、しゃがんだまま歩ける。下溜めを維持したままじりじりと間合を詰めることが可能。


餓狼伝説SPECIAL


1993年9月にMVSで稼動。シリーズ第3作。ROM容量は150Mbit。略称は『ガロスペ』『餓狼SP』『SP』など。
キャラクターの追加やバランス調整など、前作に様々な改良が加えられたアッパーバージョン。
ストーリーは一応あるが前後の作品と繋がっておらず、SNK格闘初のお祭り的な作品である。
本作で使用可能となった前作のボスや、初代から復活したキャラクターに加えて、
新作の稼動を控えていた『龍虎の拳』からリョウ・サカザキが隠しボスとして参戦。
隠し要素などファンサービスにも満ちており、SPECIALの名に恥じない豪華な仕様となっている。
突き詰めればバランスはあまりよくないが、爽快感をとことん重視した作りが巷のゲーマーに受け入れられて大ヒットとなり、
カプコン格闘に勝るとも劣らないNEOGEO黄金時代を築いた。
現在も本作を最高傑作として支持するファンが多く、現役で稼動しているゲーセンも多い。
BGMも新曲の「ギースにしょうゆ」を始め、NEOGEOを代表する名曲群が揃う。
本作を目当てにNEOGEOを購入したユーザーも多く、NEOGEOとMVSの普及率の飛躍的な上昇をもたらした。
システムは『2』とほぼ同じ。変更点のみ下記。

なお、2ラインシステムは ライン移動攻撃がしゃがみ相手に一切当たらない キャラが居る事で事実上崩壊。
大会などでは「ライン移動禁止」ルールが採用される事も多い。

  • 登場キャラクター

  • 連続技
    • ヒットストップ中も食らい判定が残るようになり、連続技が成立するようになった。
  • ライン移動攻撃
    • パンチとキックで技の形態が、弱と強でジャンプの軌道が変化するようになった。
  • 簡易必殺技 (SFC版のみ)
    • 一部のキャラクター以外は強Kを5秒以上押し続けて離すと必殺技が出る。
      押し続けた時間によって出る必殺技が変化。


餓狼伝説3 遥かなる闘い


1995年3月にMVSで稼動。シリーズ第4作。ROM容量は266Mbit。サブタイトルの英題は“ROAD TO THE FINAL VICTORY”。
1年半の開発期間を設け、大幅なシステムの追加が行われた。
しかし発想はよくとも、操作体系の急激な複雑化や、新キャラクターの人気の伸び悩みなどが原因で、評判はあまり芳しくなかった。
それでも、ステージのギミックやストーリー構成、BGMなどの演出が非常に凝っていることや、
できることが多いため禁止行為を了承し合った上での上級者同士の対戦が盛り上がる点を評価する声もある。
そして前述の新キャラクターの人気についても、『THE KING OF FIGHTERS '97』で山崎竜二ブルー・マリーが人気投票で選ばれ、
その後も『KOF』に頻繁に登場して積極的にテリー達メインキャラクター勢と絡むようになるなど、ある程度は上昇した。
またボブ・ウィルソンなどは、『KOF』使用キャラクターとしての参戦はないものの、
師であるリチャード・マイヤと共に、背景や別キャラクターのEDに何度も登場したりと、
『餓狼』シリーズを支える縁の下の力持ちといえる役割を果たすようになっている。
『SP』からの変更点のみ下記。

  • 登場キャラクター

  • ダッシュ
    • レバーを前に2回連続で入力するとラン型のダッシュとなる。
      ダッシュ中はレバー後ろ要素か攻撃で動作を中断でき、また一部の技が移動しながら出せる。
      ダッシュ中に前方ジャンプをすると通常よりも遠くへ跳ぶダッシュジャンプになる。
  • ジャンプ攻撃
    • 今作のみ弱攻撃はジャンプ中に何度でも出すことができ、強攻撃や必殺技にもノーキャンセルで繋がる。
  • 小ジャンプ
    • 上要素を一瞬だけ入力すると低い軌道で跳ぶ。この時に弱攻撃を出すと着地まで出っ放しになる。
  • 空中ガード
    • 必殺技以外の空中攻撃と超必殺技以外の飛び道具をガード可能。小ジャンプ中は不可。
  • 投げスカり
    • 今作では全投げ技に投げモーションがあり、ジャンプなどで避けられると空振りモーションが出る。
  • オーバースウェーシステム
    • ラインシステムが拡張され、通常ラインと手前&奥スウェーラインの3ラインになった。
      スウェーラインは一時的に攻撃を避けるためのラインで、攻防は主に通常ラインで行われる。
      前作までの2ラインシステムと違う点は以下の通り。
      • 両方のキャラクターが同時にラインを移動することができない
      • ラインを移動して1秒経つと強制的に通常ラインに戻される
      • スウェーライン上ではガード、ジャンプ、しゃがみ動作、オーバースウェー攻撃以外の攻撃が不可能
      • オーバースウェー動作
        • 相手が通常ラインにいるときにAB同時押しで手前、BC同時押しで奥ラインへ移動する。
          レバーを入力すれば移動先を左右に調節できる。
          移動後は1秒経過するかレバー上 (手前ライン時) orレバー下 (奥ライン時) で通常ラインに戻る。
      • オーバースウェー攻撃
        • スウェーライン上で攻撃ボタンを押すと、通常ラインへ移動しながら攻撃を仕掛ける。
          押したボタンによって繰り出す攻撃が変わる。
      • 対オーバースウェー攻撃
        • 通常ラインからスウェーライン上の相手への専用攻撃。ヒットすると相手を通常ラインに引き戻す。
          手前ラインにはAB同時押し、奥ラインにはBC同時押し。
          一部のキャラクター以外はキャンセルが可能。
  • 避け攻撃
    • ガード直後でも出せるようになった。
  • コンビネーションアーツ
    • 通常技を通常技でキャンセルする連続攻撃。『ヴァンパイア』シリーズのチェーンコンボに近い。
      各キャラクターごとに決まったルートがあり、多くはヒット時のみ繋がる。
      食らっている側はタイミングよく相手が押したボタンと同じボタンを押すと脱出可能。
  • クイックスウェー
    • ニュートラル時に前方斜め下を一瞬入力すると上半身が無敵になる。
      このときボタンを押すと上半身が無敵のまま攻撃するクイックスウェー攻撃を繰り出す。
  • フェイント
    • 特定の必殺技の開始動作だけを行う技。通常の必殺技と同様、通常技をキャンセルして出せる。
  • 潜在能力
    • 超必殺技を発動したときに1/1024で出る、超必殺技を上回る威力を持つ技。
      試合開始前にABCD (CD-ROM版はACD) を押しっぱなしにし、「GO」 が出る瞬間にスタートボタンを押すと
      1ラウンド中に一度だけ狙って出せるようになるが、条件はシビアなものが多い。
  • その他
    • 1ラインステージの概念が削除された。


REAL BOUT 餓狼伝説

1995年12月にMVSで稼動。シリーズ第五作。ROM容量は346Mbit。略称は『RB』『初代RB』『無印RB』など。
『MOW』までのストーリーの完結編という位置付けになっており、「さらば、ギース」のキャッチコピーで注目を集めた
(その後の作品にも登場しており全然さらばではなかったのだが、ストーリー上はここで死亡)。
システムは複雑すぎたオーバースウェー関係のテコ入れなど、全体的な操作の簡略化が行われている。
開発期間はかなり短かったものの、バランスはきっちり修正されており、対戦のテンポが大幅に向上した。
前作で削除された人気キャラクターも復活。演出関係の評価も高く、『餓狼』の信用を挽回することに成功した。
現在も人気は高く、本作をシリーズ最高傑作とする声もある。
なお、ある操作によりゲージに関係なく簡略コマンドでゲージ技やガードキャンセルが出し放題になったり、
タイムオーバーにならない、ステージセレクトができる、といった凶悪なバグ技(一種のデバッグモードとも)が存在した。
対戦バランスが大きく崩れるうえ、一度このモードに入ると解除できないため、当時被害を被ったゲーセンは少なくなかった。
その後はバージョンアップによりバグが修正され、現在の多くのゲーセンで稼動しているのは修正版である。
『3』からの変更点のみ下記。

  • 登場キャラクター

  • 操作方式
    • 強P・強Kが「C:強攻撃」に統一され、Dがライン動作専用ボタンになった。
  • オーバースウェーシステム
    • オーバースウェー動作
      • Dで奥ラインへ、下要素+Dで手前ラインへ移動に変更。移動後にDを押すと通常ラインに戻る。
    • 対オーバースウェー攻撃
      • どちらのラインに対してもDボタン1つで発動するようになった。
        またスウェーライン上の相手にもヒットする必殺技が登場。
    • ライン逃げ起き上がり
      • ダウン状態から起き上がる時にタイミングよくD。スウェーラインに移動しながら起き上がる。
  • コンビネーションアタック
    • コンビネーションアーツから名称変更。ガードされても途切れなくなった。
      ルートが増え、必殺技でのキャンセルも可能になった。
  • 空中振り向き
    • ジャンプ中、攻撃を出す前にDでキャラクターの向きが変わるめくり専用動作。小ジャンプ中は不可。
  • 起き上がり攻撃 (一部キャラクター限定)
    • ダウン時に特定のコマンドで出るリバーサル専用技が存在する。
  • フェイント
    • コマンドが簡略化されたが、通常技をキャンセルすることはできなくなった。
  • 追い討ち攻撃 (一部キャラクター限定)
    • 専用のコマンドを入力することによって、ダウンしている相手に対して追撃が可能。
  • パワーゲージ
    • 画面の下部に追加。攻撃を出したりダメージを受けるたびに溜まっていく。
      量と残り体力によって以下の3つの状態に変化。
      • 黄色
        • ゲージが半分以上溜まった状態。ガードキャンセルが使用可能となる。
      • S.POWER
        • ゲージが満タンになった状態。
          時間経過でゲージは減少していき、なくなるまでガードキャンセルと超必殺技が使用可能。
      • P.POWER
        • S.POWERかつ残り体力が少ない状態。S.POWERの効果に加え、潜在能力が使用可能。
    • ガードキャンセル
      • 相手の攻撃をガードした瞬間に対応した必殺技コマンドを入力。パワーゲージ約1/3を消費する。
    • 超必殺技
      • S.POWER時に使うとゲージがゼロに戻る。ライフゲージが点滅している状態であれば使い放題。
    • 潜在能力
      • P.POWER時に使用可能。使うとゲージがゼロに戻る。
  • リングアウト
    • 画面端の障害物 (壁) には耐久値があり、ぶつかるたびに減少。一定ダメージを与えると破壊される。
      この状態でその位置より外側に行ってしまうと、その時点で即敗北となる。なお、後方に歩いてリングアウトすることはない。
      最初から障害物のないステージ、リングアウトの概念がないステージもある。
  • その他
    • コンボ数が表示されるようになった。クイックスウェーの廃止。


REAL BOUT 餓狼伝説SPECIAL

1997年1月にMVSで稼動。シリーズ第6作。ROM容量は394Mbit。略称は『RBSP』『RBS』など。
ストーリーなしのお祭り餓狼第2弾。前作で死亡扱いとなったギースは隠しボスとして登場する。
オーバースウェーラインから再び2ラインに変更され、『2』~『SP』および『3』~『RB』のシステムが融合した形となった。
演出以外の面では実質無意味であった手前スウェーがなくなり、試合の流れがよりスムーズになった。
操作がさらに分かりやすくなったため間口は広いが、一方でコンビネーションの完全なパターン化により
連続技が型にはまっていることや、実質上の新キャラクターがいないことなど、賛否が分かれる点が多い。
本作でキャラクターのドットが全て描き直され、濃い画風からポップな印象に変更。この点の評価は非常に高い。
『RB』からの変更点のみ下記。

  • 登場キャラクター

  • 2ラインバトル (復活)
    • 手前ラインと奥ラインのどちらでも攻防が可能になった。
      以前の2ラインとの相違はお互いが別のラインにいてもダッシュやバックステップ、ガードが可能な点。
  • ブレイクショット
    • ガードキャンセルから名称変更。全キャラクターに無敵が付いたが、基本的に同じもの。
  • パワーゲージ
    • ブレイクショットが使用可能な状態になると 「H.POWER」 と表示されるようになった。
      • ダウン回避
        • ダウン直前に412+D。前作でのライン逃げ起き上がり。
          H.POWER時はゲージを1/4消費して使用可能。SorP.Powerであればゲージは消費しない。
          ただし投げ技、超必殺技、潜在能力、ブレイクショットでダウンしたときは不可。
  • コーナーバトル
    • リングアウトが廃止され、画面端の障害物ごと吹っ飛ばされると気絶するようになった。


REAL BOUT 餓狼伝説SPECIAL DOMINATED MIND

1998年6月にプレイステーションで発売。シリーズ第8作。略称は『RBSPDM』『RBDM』『DM』など。
『RBSP』の移植版だが、内容はほぼ別物になっている。本作の主人公はアルフレッドで、最終ボスはホワイト
最大の違いはシリーズ初の完全1ラインバトルを採用している点。つまり普通の格ゲーと同じ。
また全体的に攻撃力が下がっており、コンビネーションが大幅削除。技のコマンドが簡単なものに差し替えられている。
演出面では各種デモにアニメを多用しており、PSのライトユーザー層を狙った作品であることが伺える。
新キャラクターの登場や追加技・新システムが多数用意されている一方、PSのバッファRAM容量の都合でモーションが削られたり、
場合によっては技そのものが消えており、ライン制の廃止も含めて『RBSP』の移植を期待していたファンからの評判はよくなかった。
しかし、単体の作品として見た場合はかなりよくできているという意見も多く、隠れ良作として認識されつつある。
『RBS』からの変更点のみ下記。

  • 登場キャラクター

  • クイックアプローチ
    • 相手が攻撃しているときにキー前+△ (空中振り向きや挑発に使用するボタン)を入力。
      残像を伴って短距離を前進する。前進の動作は無敵状態なため、相手の攻撃を避けながら接近ができる。
      動作の後半部分はキャンセル可能。ブロッキングに近く、攻撃のない完全無敵の避け攻撃といったところ。
  • ダウン回避
    • ダウンする直前に214+△。
      投げ技・超必殺技・潜在能力・ブレイクショットでダウンした場合は不可な点は同じ。
  • ファイナルインパクト
    • 対応した必殺技を超必殺技や潜在能力でキャンセルできる。いわゆるスーパーキャンセル。
      一部のキャラクターは超必殺技を潜在能力でキャンセルすることが可能。
  • コンビネーションアタック
    • 大幅にルートが削除。キャラクターによってばらつきがあるが、実戦で使えるルートはかなり少なくなった。


REAL BOUT 餓狼伝説2 THE NEWCOMERS

1998年3月にMVSで稼動。シリーズ第7作。ROM容量は539Mbit。略称は『RB2』など。
現時点でのRBシリーズ最終作。「2」と銘打ってはいるものの、特にストーリー展開はなく、『RBS』同様のお祭り的な雰囲気の作品となっている。
2ラインバトルからオーバースウェーシステムに再変更され、基本システムは『RB』とほぼ同じ。
対戦ツールとして見ればシステムバランス・キャラクターバランスともに
(2つばかり存在する永久を除けば)ほぼ完璧と言える出来に仕上がっており、格闘ゲーム全体の中でも屈指の完成度を誇る。
その一方で徹底的に無駄を省いた作りとなっており、BGM、キャラクターグラフィックの多くが前作の使い回し、
『NEWCOMERS』と銘打っている割に新キャラクターが2人(厳密には3人)のみなど、新鮮味に欠けていたことからマンネリ感が否めず、
ゲーセンの衰退とともに稼働率も下火となった不遇の名作。現在も『MOW』の影に隠れがちである。
なお、『RBSPDM』の主人公を務めるアルフレッドが、隠しボスとして先行登場している。
『RBS』からの変更点のみ下記。

  • 登場キャラクター

  • オーバースウェーシステム (復活)
    • スウェーライン上でもガードが可能になった。また手前・通常・奥の3本から通常・奥の2本に変更。
      スウェーライン上でもレバー上を入力し続けるか、左右に移動している限りは
      強制的に通常ラインに戻されることはなくなり、レバー下入力で前転しながらメインラインへ戻る。
  • ダウン回避
    • ゲージ消費がなくなり、2種類に増えた。
      • テクニカルライズ
        • 吹っ飛び中に上要素以外+D。『RBSPDM』のダウン回避に相当する。
      • グランドスウェー
        • 吹っ飛び中に上要素+D。『RB』~『RBS』のライン逃げ起き上がり。
          正確にはダウン回避ではなく、ダウンした直後に回避する動作。
  • ブレイクショット
    • 1人のキャラクターに対して1つの技にしか対応していなかったが、新たに数種類対応されている。
      ただし技によっては無敵が付いてなかったりする場合もある。
  • 避け攻撃
    • コマンドがAB同時押しに変更され、ガードポーズを取らなくても出せるようになった。
  • フェイント
    • 通常技をキャンセルして出せるようになった。
  • その他
    • 1ラインステージの復活。


餓狼 MARK OF THE WOLVES


1999年11月にMVSで稼動。シリーズ第10作。ROM容量は688Mbit。略称は『MOW』『MOTW』など。
現時点での『餓狼』シリーズ最終作となっている。
舞台は『RB』の10年後のサウスタウン。前作からの様変わりの度合いが非常に大きい作品だと言える。
その登場キャラはテリー一人を残して総入れ替えという、『ストリートファイターIII』に近い変化を遂げたが、
本作では旧世代と何らかの関係を持つキャラクター達と、完全新規キャラクター達とがほぼ半々の割合になっており、
急激な世代交代によってユーザー人口を激減させてしまった『ストIII』と異なり
これまでの流れを断ち切らず、かつそっくり世代交代をなし得たというのは大きいと言える。
そのテリーも主人公ではなく、その座をロックに譲っている。
システム面では、餓狼の象徴であったラインバトルが廃止。
『ストIII』のブロッキングに近似した概念「ジャストディフェンス」など、数々の新要素が追加された。
また、複雑なものが多かった超必殺技のコマンドが一部を除き真空波動タイプに統一された。

稼動当初は旧来のファンから「これでは最早餓狼ではない」と見なされて評判が芳しくなかったものの、
絶妙なシステムの調合から来る奥深さが明らかになるにつれて、一個の作品としての評価は徐々に上昇した。
現在では「傑作」と言っても過言ではないほどの高評価を得ており、熱心なファンによって対戦・研究が続けられている。
ストーリーが未完であることもあり、続編を望む声は非常に多い。
また、前述のように旧来のファンからの評判はよくなかったものの、
『3』のときと同様『KOF』において登場キャラクター、もしくは背景(その他)キャラクターとして積極的に旧世代と絡ませていること、
そして先に述べたように、元々本作は旧世代を充分に意識した上で世代交代をなしたため、
現在はそういった偏見もかなり薄らいでいる。
『RB2』からの変更点のみ下記。

  • 登場キャラクター

  • 操作方式
    • 3までと同じ4ボタン仕様(A:弱P、B:弱K、C:強P、D:強K)に変更。
  • オーバースウェーシステム廃止
  • パワーゲージ
    • 2本になり、超必殺技は1本、潜在能力は2本消費に変更。
      体力が減ってもゲージが溜まっていなければ超必殺技は使用できなくなった。
  • 避け攻撃
    • AB同時押しで立ち状態では下半身無敵・中段の下段避け攻撃が、
      しゃがみ状態では上半身無敵の上段避け攻撃が出せる。
  • ダウン回避
    • ダウンの着地の瞬間に任意のボタンに変更。
      押したボタンがパンチなら前転、キックなら後転になり、弱なら移動距離が短く、強なら長い。
  • ガードクラッシュ
    • 各種技にはガードクラッシュ値が設定されており、一定量蓄積するとガードが強制解除され無防備になる。
      ガード耐久値はガードをしていないときに徐々に回復する。
      また、耐久値が少なくなるとキャラクターが赤く光る。
  • ジャストディフェンス
    • 相手の攻撃が当たる瞬間にレバー後ろ要素。ガード硬直が減少し、体力とゲージを少量回復する。
      回復量は防いだ技によって異なる。空中でも可能。
      その他ガード耐久値が減少しない、ガードキャンセルが可能などのメリットがある。詳しくは該当項目を参照。
      • ガードキャンセル
        • ジャストディフェンス成功時に必殺技のコマンドを入力に変更。超必殺技や潜在能力でも可能。
  • ブレーキング
    • 対応する必殺技を出した直後にAB同時押し。強制的に残りの動作をキャンセルする。
      対応技はキャラクターごとに1~2つとなっている。
      入力はシビアなものが多いが、いずれも隙の大きい技に設定されているため重要な要素。
      ゲージ溜めや連続技、固めなどあらゆる場面で必要になる。
  • フェイント
    • →or↓+AC同時押しの共通コマンドで全キャラクターが2種類持つようになった。
      ブレーキングとともに、本作特有の自由度の高いラッシュをかけるのに欠かせない動作。
  • T.O.P.システム
    • Tactical Offensive Powerの略。読みは「ティーオーピー」、「トップ」の両方が使われている。
      キャラクター選択時に体力ゲージの前半・中央・後半のいずれかにT.O.P.ゲージを設定。
      残り体力が設定したT.O.P.域にある間はT.O.P.状態となり、以下の効果が得られる。
      なお、家庭用移植版ではT.O.P.ゲージ範囲を狭める代わりに攻撃力上昇倍率を高めることができる。
      • 攻撃力上昇(25%)
      • 体力が少しずつ回復する(約2カウントごとに1)
      • CD同時押しでガードクラッシュ値が大きいT.O.P.アタックを出せる
      • ゲージ増加量が若干上昇する
      • (CPU戦時限定) 技を相手に当てた際の得点が2倍になる。
  • コンビネーションアタック
    • 大幅にルートがカットされた。
  • 連勝ハンディキャップ
    • 対人戦で10連勝以上すると発生、基板の設定でなしにすることも可能。
      効果は以下の通りで、これらのハンデは重複していく。
10連勝 チャンピオン側の挑発で相手のゲージが溜まる
20連勝 挑戦者側が毎ラウンドゲージMAXからスタート
30連勝 挑戦者側のパワーゲージが自動で回復
40連勝 挑戦者側のパワーゲージ増加量が倍
50連勝 挑戦者側が常にT.O.P.状態
  • その他
    • しゃがみ歩き、空中ガードの削除。
    • ジャンプ移行モーション中は1F目から足元無敵。




MUGENでの扱い


SNKを代表するタイトルだけに、主だった使用キャラクターは全員存在している。
THE KING OF FIGHTERS』や『CAPCOM VS. SNK』など外部出演作からの移植も多いのだが
純粋な本シリーズからの移植も進められ、『餓狼MOW』からのキャラクター移植も充実してきているようだ。

また本来MUGENの基本機能にないラインバトルは『KOF』などの登場時同様に1ラインに納めることが多いが、
擬似的にライン制を再現したモードを搭載している、意欲的なキャラクターも存在する。

対戦格闘ブームを支えたもう一つのビッグタイトルだけに、今後もさらなるキャラクター制作に期待がかかる。

+ ボンボン餓狼