ビルス


「強いというのは悲しいな こんな楽しい時間をくれた友に、さよならを言わねばならない…」

鳥山明の漫画『ドラゴンボール』及び関連メディアミックスに登場するキャラクター。
初出は劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 神と神』で、後の『復活の「F」』、TVアニメ『ドラゴンボール超』にも登場。
担当声優は山寺宏一氏で、『Z』第82・84話では天津飯の代役を務めていた。
名前の由来は初期設定ではビールス(ウイルス)だったが、後述するキャラクター路線変更と鳥山氏の聞き間違いでビールとなった。
一人称は「ボク(=僕)」でこれはCVを担当した山寺氏からの提案であり、当初の脚本では「わたし(=私)」や「オレ(=俺)」であったらしく劇場版『復活の「F」』では後者の「オレ(=俺)」になっていた。しかしTVアニメ『超』では一貫して前者の「ボク(=僕)」に統一されている。

創造を司る界王神に対し、破壊を司る「破壊神」。
宇宙全体のバランスを保つために存在する神で、その気になれば宇宙そのものを破壊するほどの力を有しており、
界王はおろか界王神からも恐れられている。
悟空たちの暮らす「第7宇宙」を担当しており、常に付き人兼目付役のウイス(声:森田成一)を従えている。ウイスの名前の由来はウイスキー。
+ ウイスに関するちょっとしたネタバレ

本人曰く何億年も生きているらしく、少なくとも2億歳以上。
見た目は毛のない猫の頭を持った紫肌の亜人。*2
古代エジプト風の衣装を身にまとっており、
ズボンは尻尾を出すために尻の部分に大きく切り込みが入っている。

第7宇宙を担当している東の界王神と生命を共有しており、どちらか一方が死ぬともう一方も消滅するという、
かつての地球の神とピッコロと同じ関係である。未来のトランクスのいる世界ではその界王神が命を落としてしまったため消滅している。
全12の宇宙が存在しており、それぞれに界王神と破壊神がセットで各々管轄しているが、基本的に両者相容れない関係が多く、
しかし生命を共有という点から両者共迂闊に手を出せない関係でもある。
15代前の老界王神がかつてゼットソードに封印されていた原因はビルスによるもので、
些細な事からそれに至ったようである。破壊せずそうしたのも上記の理由があってのこと。

破壊神というだけありその力は凄まじく、超サイヤ人3状態の悟空がビルスに不用意に腕試しを試みようとしてデコピン・手刀の二撃で圧倒され、
ベジータしたって敵わない」と漏らしている。とにかく規格外であることは想像に難くない。

その一方で、魔人ブウにプリンを分けてもらえずマジギレし「地球の破壊」を実行することを決断したり、
未知の食べ物だったとはいえワサビをそのまま食べて悶絶、地球の食べ物を気に入り次からは食べ歩きの為に赴くことを決めたりと、
子供っぽく気分屋でワガママな面や、可愛らしいコミカルな面(Dr.スランプのノリに近いと評されたことも)、
スーパーサイヤ人ゴッドとなった悟空とのタイマンを経て悟空たちを認め、その辺の岩を1つ砕いただけで地球を破壊したことにするといった
認めた相手には寛容な面、さらには悟空たちを手助けしたり助言を与える、
誕生日パーティーを台無しにしたり手を上げたことをブルマに謝るなどなど神様らしい面や良識のある部分をのぞかせることもあり、
映画のライバルキャラとしては珍しく「『倒すしかない悪人』とは言えない人物像をしたキャラクター」である*3
「美点・欠点ともに神様らしさと人間味を兼ね備えている」といったところか。
悟空との戦闘もピッコロ曰く「稽古をつけているよう」でもあり、今のところ悟空やベジータから見た彼はライバルというよりは目指すべき目標ともいえる存在である。いうならば先生と言った所か。
実際TVアニメ版では、 悟空の事を学校生徒の『問題児』的な面で、自身はそれを監視する『担任教師』的な 場面が多く見られる。
また宇宙サバイバル編に於いて悟空とフリーザとの間で膠着した場面やベジータがフリーザと手を繋ぐ場面に於いて拒絶した直後の場面で まさに神対応 というべき間に割り込む形で仲裁に入っている。

基本的に破壊神を持つ者は凶暴な性格を持つ者が多いが、ビルス様はその破壊神の中では特に温厚で接し方さえ間違いなければ話が通じる方である。
要約すると自身に無礼な行為や敬わない無神経な者には対してはほぼ容赦しない。
ただし表向き裏向き両面を即座に見抜いており、実際に直接対峙した相手が上辺だけのその場しのぎ 』(≒助かりたいor命乞い)なんて小悪党(≒チンピラ)的な手法はビルス様には一切通用しない。
悟空に対しては認めてから以降も、全王と友達になった事に『 無邪気さ故に危険 』であることも述べている。

TVシリーズ『ドラゴンボール超』では双子の兄弟にして第6宇宙の破壊神・シャンパ(どちらが兄かは不明)の存在が明かされた。
こちらの担当声優は岩田光央氏。名前の由来はシャンパン。こちらも常に付き人兼目付役のヴァドス(声:山口由里子)を従えている。ヴァドスの名前の由来はカルヴァドス、さらにウイスの実姉でもある。ちなみに1000年前ではウイスの師匠でもあった。
細身のビルスに対しシャンパはよく太っておりヴァドスが栄養バランスに気を付けても聞いてくれなくて困っているらしい。
シャンパはビルスに「ガリガリ」呼ばわりをし、一方のビルスはシャンパに「おデブ」呼ばわりとお互い罵倒し合っている。
この破壊神兄弟の仲は険悪で、会うたび両者共何かにつけて喧嘩(殴り合いに限らないらしく、「一番おいしい食べ物比べ」を行ったこともあるそうだ)をし、一触即発の状態。
二人が戦うと二つの宇宙の消滅もまぬがれない事態になるため本気で戦うことはないが、少し暴れただけでも惑星破壊級であるため、いい迷惑である。まさに迷惑神

誰か止めろよ……と思ったらこの二人がビビって頭を下げる程、更なる強大な人物「全王」が登場。
この人物こそドラゴンボール世界最強の(というより強さという概念を超えた)存在である。
アメコミ界隈でいう所のコズミック・ビーイング(の、大ボスクラス)と言った所。体は小柄だが機嫌一つで世界を破壊してしまうため、ビルスや界王神達もすっかり縮み上がっていた。
破壊神の仕事と全然関係ない対抗戦をイベントしていた現場に乗り込まれた破壊神兄弟が直角に頭を下げたまま平謝りし、タメ口の悟空に慌てふためくほど。
またこの全王に仕える「大神官」も登場しており、先述のヴァドス&ウイス姉弟のお父様でもある。当然実力も二人を上回る。

また、仲が悪いとは書いたものの、作中で描写され、悟空たちが巻き込まれた兄弟喧嘩については「勝つアテがある内容だったとはいえ、相手の提案(それぞれ自分の宇宙から武道家を集めて代理戦争ならぬ代理喧嘩をさせる)に異を唱えない」「自分たちの手で中立地帯を会場として用意する」、そして 「景品の超ドラゴンボールフルセットを入手したビルスは(自分ではなく)シャンパだけのための願いを対応する神龍に頼む」「シャンパもビルスの行動を察し、素直に喜ぶ」 など、実際にはお互いに兄弟として認め合っている所もあるようだ。

ところで、本来は時空を越えて歴史を改変する行為は重罪に値するため、それを行った未来世界のトランクスに対しては当初は神様としての立場から「お前ら破壊されても文句は言えんぞ!!」と警告を出したものの、その後自身も気づかぬ内に歴史改変を行ってしまい収拾がつかない(時間や時空改変が起きるとその都度「 緑色 の時の指輪」が生成されてしまう)状況になってしまった。
そして仕方無しに「今回はウイスに免じて見逃してやる、達者でな」と自分の非を認めた上で寛容な心で未来世界のトランクスを激励した。
なお未来トランクスは時空を越える行為が重罪とは知らなかった為、片棒を担いでいる母・ブルマ(未来世界)も同罪であると告げていた。しかし現代世界のブルマはそれは未来世界の自分だと釈明。未来トランクスが慌てて土下座をして「悪いのは自分、裁く(破壊)なら自分」と間髪入れ(この場面ではトランクスはウイスに向かって土下座をしており、ビルス本人は、「そっち(ウイス)じゃないこっちだ」と言わんばかりの動作をしており非常に可愛らしい)、尚且つその場にいた悟空からのフォローもあり結果として今回の件は特例として許している。
ただし、その後のブルマ(現代)がタイムマシンを開発しようとした場面ではそれを改めて咎め(この時点でブルマは「御免なさい、もう作りません」と土下座していたので本人への懲罰は見逃し)、未完成のタイムマシンと完成に必要な水晶のような鉱物を破壊で事なきを得ている。
ちなみにゲーム作品『ドラゴンボールゼノバースシリーズ』(ビルスも登場する)においては「未来トランクスの件については(本来は)処罰する必要はない」と語られている。パラレルゆえの相違点なのか、自分もトランクスを責められなくなるのを想定していたのかは不明。

なお悟空達に対しては本当に稽古をつけている感覚であり、破壊神の職務として彼らと同等の実力者に対応するとこうなる*4
「図に乗るんじゃあないぞ・・・、『破壊』!!」
ちなみにこれ以外にも「『Dr.スランプ』のドクターマシリトの幽霊」(世界の発明科学者の中から最優秀者を選出する授賞式への招待状が来なかった上、自身のライバルである則巻千兵衛が最優秀賞を受けたことを聞きつけそれを妨害するために地獄から脱走してきた)もこの方法で破壊している。こちらは「コラボ回のオチ要員」ゆえかなりあっさりしたものであった。
ウイス曰く「宇宙に存在する物では(本気を出した)ビルス様に破壊できない物はない」「たとえ幽霊でも破壊できる」とのことで対象がギャグ漫画キャラであろうとも問答無用である*5
そのシーンがこれ↓

その破壊神の専用破壊(=処刑)BGM。

なお正式曲名は「Beerus Madness」(ビルスの狂気)。

なお説明文や活字等で恐ろしい力を持つという表記はあるものの、神という立場から戦闘における自身の見せ場は殆ど無く
コメディタッチな場面が非常に多い為、いつしか視聴者から「萌え神様」呼ばわりされてしまう事態に・・・。
先述通り自身の責務はしっかりと果たしており、必要と判断した場合を除き無闇矢鱈に破壊行為は行っていない。
逆にいえば、必要とあれば容赦なく破壊神として力を行使するため、普段とのギャップが非常に恐ろしくもあるのだが。
それ故に作中で敵役のゴクウブラック(上記のザマスとは別の並行世界のザマス)から「最も厄介な存在」と挙げられている。
先述通り現時点に於ける第7宇宙では最強の実力を持つものの、唯一の弱点は上述通り生命を共有している第7宇宙の東の界王神(シン)である。
作中でウイスも悟空達にこの事をカミングアウトしている。しかしながら悟空達は正々堂々と立ち向かうと即答している(最も悟空たちなので「どうせ教えてもそういう方法で勝ちに来るだろう」と容易に推測できるだろうが)。
敵側から見た場合、そこを突破口に向けられてしまう事が確定的に明らかである。
事実、魔人ブウが界王神と戦っている時には趣味で眠っており危うく誰も知らないうちに死ぬところだった。

MUGENにおけるビルス様

ここで紹介したキャラの他にも、海外産のものが数種類確認されている。

+ FRS GAMES氏製作・Bills

+ 工場長2621氏製作

+ SHELD氏製作・破壊神ビルス

+ kenshiro99氏製作・MVCビルス

出場大会



*1
ただし後にウイスから「(ビルスの師匠という事はビルスより強いのではないか?という質問に対して)さあ、どうでしょう」との言がある。『破壊』などを考えるに、おそらくはあくまで「悟空たちに合わせた形での戦闘」についての話なのだろう。

*2
アラビア風の衣装ということもあり品種改良で体毛がなくなった品種スフィンクスがモデルと思われがちだが、
実際のモデルは鳥山氏の飼い猫でもあるコーニッシュレックスという品種。ただしこちらは毛が生えている。

*3
これについては原作ストーリーも担当した鳥山明先生曰く
「東日本大震災があったりしたので、ポジティブな話にすることにした」
「ビルスの性格付けもその辺の考えがあったためああなった」
「ドラゴンボールの物語において、敵は「負かす」ものではあるが「倒す」必要性は薄いんです。ストーリー展開によっては悪人と言い難い人物が敵役でも構わないのです」
…との事。
事実、最初は敵だったが後に味方になった人物は少なくない。
その一方で「惑星ベジータ消滅に関わった」「フリーザを悪党と知った上で破壊業務に利用、命令していた(ちなみに次の映画で再会)」など、
悪役と言われても仕方ない(或いは善悪を超越した)側面や、映画の敵役としてふさわしい強さも備えている。

*4
ちなみに『神と神』の冒頭において、ウイスからフリーザ討ち死にの話を聞いたビルスが彼の戦死に驚くとともに「フリーザを倒すなんて一体どんな戦士だろう?(意訳)」として興味を示すシーンがある。
予知夢でスーパーサイヤ人ゴッドの存在を知ってわざわざサイヤ人の生き残りに会いに行ったり、また項目冒頭のセリフなどから考えても、
悟空との戦いで「本気を出さなかった」のは、いずれ本気で戦えるような強い相手に成長することを望んでいるともとれる。

強い相手と戦う事そのものを楽しむ」と解釈すれば、彼と悟空はある意味似た者同士なのかもしれない。

*5
なぜこういう表現をしたかというと、ベジータが『超』のこの回も含めた複数回 「ギャグ漫画の登場人物にはどうしたって勝てない」 と発言している上、実際にそれを体を張って示している(フリーザ項の両津勘吉との関係についての部分も参考にされたし)ため。
ビルスも最後の攻撃ではその直前で『宇宙一美味しい食べ物』と呼ばれる大体肉まんサイズぐらいの大きさの食べ物を食したことのよる謎の(?)腹痛(≒食当たり?or食中毒?)に襲われて撤退したため、
ギャグ漫画のキャラを破壊することはできても、ギャグ漫画の持つ空気までは破壊できなかったようだ。

もっとも彼らの創造者・鳥山明先生はギャグ漫画も得意とするので、同作者コラボの相手はギャグ漫画のキャラ(『Dr.スランプ』のアラレちゃんなど)になる事がしょっちゅうなのだが…
また、この問題については「(比較的ギャグ要素もあった時期にあたる)少年期の悟空であれば太刀打ちできる」と解釈されることもある。


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