イカルス星人


「ここは四次元の世界だ。お前たちのいた三次元の世界を飛び越えた、未知の世界だ」

円谷プロの特撮作品『ウルトラ』シリーズに登場する宇宙人。別名「異次元宇宙人」。
身長2.5~40メートル、体重300キログラム~18000トン。
四次元空間を自在に行き来する能力を持ち、全身から発する針状のアロー光線が武器。
初登場は『ウルトラセブン』第10話「親愛なる怪しい隣人」。

人間に化けてアンヌ隊員の友人の別荘の隣家に異次元コントロールマシンを使って四次元空間を繋げ、
防衛軍の攻撃が届かない所から地球へ攻撃を仕掛けていた。
四次元空間に基地を作り上げ、そこに自分の同胞達を送り込むことで侵略活動を行っていたのである。
この四次元空間ではウルトラアイやカプセル怪獣が使用できず、迷い込んだモロボシ・ダン(=セブン)を苦しめた。

しかし、ダンが覚悟の上でコントロールマシンを破壊したことで四次元空間は解除され、正体を現し巨大化。
セブンとの戦いでは円盤との連携や、野山の木々をも焼き尽くす威力のアロー光線を駆使するが、
最期はアイスラッガーを腹部に受けて怯んだ所をウルトラ念力で谷底へと放り投げられ、円盤もウルトラ警備隊によって撃墜された。

+ その後の映像作品におけるイカルス星人
『ウルトラファイト』では「イカルス」名義で登場。必殺技(?)は殺法破れ傘や三段拳法など。
ただでさえ滅茶苦茶な行動が多い本作のキャラの中でも一際やりたい放題であり、
ライフルを持ち出し乱射していたかと思えば、別の回で「本当に強い男は素手で戦うんだ」と言ったり、
貰ったプレゼントが食べられないからとキレて暴れたり、話によって性別が違うことすらあったり。なんなんだアンタ

『レッドマン』にもウルトラファイトでの着ぐるみが流用され登場したりしていたが、
その後は耳がタイラントのパーツになったことが言及されたり、
「イカルガさんはイカルス星人でも使ってろ!」といった具合に、
作中人物の台詞に名前が出てきたりしたくらいで、長らく映像作品への登場は無かった。

しかし、『ウルトラマンギンガ』劇場版にて実に46年ぶりとなる映像作品への登場を果たす。
それに先駆け『新ウルトラマン列伝』にも顔を見せたり、『ウルトラマンギンガS』にも引き続き登場した。
間延びした口調、一人称が「吾輩」、「~じゃなイカ」といった語尾など『セブン』の時に比べ大分コミカルなキャラ付けになっている。
声優は 関智一 (ウルトラシリーズではガルト星人、グレンファイヤー、『ウルトラゾーン』のザラブ星人として出演歴有り)氏が担当しており、
同氏が出演している某妖怪アニメのパロディネタを披露したこともあった。

後に『ウルトラマンX』第9話「われら星雲!」にも、声や口調、性格のよく似た「イカリ」という個体が登場。
本作では、シェアハウス「星雲荘」でバルキー星人ハルキ、ナックル星人ナクリと共に地球人に化けて暮らしているという設定。
「ギンガ」で声を務めたキャストが人間態も含めてそのまま演じているが、同居人含め「ギンガ」に登場した者と同一人物であるかは明言されていない。*1

劇場版『ウルトラマンデッカー』では、プロフェッサー・ギベルス配下の宇宙人として登場。演者は引き続き関智一。
GUTS-SELECTの主戦力とウルトラマンディナスを四次元空間へと幽閉した上で、巨大化した個体が二体出現。
一体はデッカーへの変身能力を失ったアスミ・カナタを追い回し、もう一体はディナスと交戦した。
しかし、拘束していたGUTS-SELECTの戦闘機が自力で脱出し、カナタを追っていた個体をハイパーソーンレーザーで撃破。
ディナスと交戦していた個体も、ゼットンとケルビムの力を借り炎を纏ったウルトラかかと落としで撃破された。
ストーリー的には中ボス扱いだったものの、四次元空間で縦横無尽に繰り広げられる戦闘シーンは劇場版相応の迫力があり、
「異次元宇宙人」の名に恥じない活躍だったと言える。あと執拗なイカ発言は演者が他社でイカの怪人を演じていたからだと暴露された

+ 映像作品以外でのイカルス星人
『PDウルトラマンバトルコレクション64』では必殺技のアロー光線が水属性になっているが、なにゆえ水属性かは不明。
知っての通り、イカルス星人に水にかかわる要素は無い。強いて言うなら名前に「イカ」があるくらいなのだが。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも登場。
使用後に次のフェイズ終了時まで、味方全体の攻撃力を上昇させる必殺技「アロー光線」、
自分以外の味方が倒された時、次のフェイズ終了時まで味方全体の必殺技攻撃力を中アップさせる固有スキル「異次元からの報復」、
など後方支援に特化した性能をしている。


SFC版の性能

SFC版ではSTAGE3の敵として登場。
必殺技のアロー光線はバリアで跳ね返すことができず、加えてハイジャンプキックや投げ技を使用したり、
テレポートでかく乱してくるため、難易度は高め。
ただし、テレポートする場所は元に居た場所かセブンの背後なので、パターンにさえ気を付ければ問題はない。


MUGENにおけるイカルス星人

muu氏製作のSFC版『ウルトラセブン』のドットを使用したものが存在。
これによりSFCセブンの登場キャラ全てがMUGEN入りを果たしたことになる。
2016年11月26日の公開中当初はツイッターにてDL先が告知されていたが、現在は移転したmuu氏のサイトにて公開中。

『セブン』や『ギンガ』シリーズの他、『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』の要素も組み込まれている。
1Pと2Pでボイスが違い、前者が関氏のもの、後者が『ウルトラセブン』でのものになる。
技としては「アロー光線」による遠距離攻撃、ワープしながら殴り掛かるなどといった奇襲向けのもの、
真下に光線を放つ円盤を呼び出す援護攻撃などを備えている。
通常技は地上空中含め4種類あるが、基本的にどれも出が遅く、特に地上のものは使いにくい。
リーチも優れているとは言えないので近接戦闘は避けた方が無難か。ただし当身技があるので乗り切れないことはない。
もっとも、前後ダッシュをはじめワープ系の動作も多いため、そういった状況にはなりにくいかもしれないが。

超必殺技の「ハイパーアローシュート」は範囲が広く、ダメージは低いが距離によって相手は長いよろけか、ワイヤー吹っ飛びのいずれかになる。
これをはじめアロー光線系の技はガードされても当たれば画面端まで押し戻せるということもあり、遠距離で固め封殺していくのが主な戦い方となるだろう。

この他、挑発ではイカルスPADを取り出したり、ダークライブしたりするが、
ダークライブでは一定の条件が揃うとあることが起こる。シリーズのファンなら何となく予想は付くかもしれない。

出場大会



*1
ただし、先述した演者を始め、同話の提供における煽り文では「あの『元』エージェント3人組」と書かれたり、
過去に3人が組んで侵略をしていたことを示唆する台詞があったりするなど、同一人物と思わせる要素が散見されるのも事実で、
ファンの間では「『ギンガ』のエージェントと同一人物」や「性格、境遇のよく似た別人」、はたまた「並行世界の同一存在」など様々な解釈がされている。
最終的に本編中では言及が無いまま終わったため、各々の解釈に任せて楽しむのがベターなのだろう。


ウルトラシリーズではマルチバース理論が公式で語られており、実際に「別の世界線だけどキャラとしては同一人物」が結構登場している。
外伝作品や客演の多い初代マンセブンティガが好例。


最終更新:2023年12月27日 12:55