コロッケ


「ハン!バー!グー!!」

コロコロコミックで連載された樫本学ヴ氏の漫画『コロッケ!』の主人公。担当声優は 加藤奈々絵 氏。
実在するモノマネタレント の方ではない。むしろそっちが作られてたらどうしたらいい

同漫画は作中の登場キャラや技名、果てはタイトルまでほとんどの元ネタが料理名から来ている。
知らない人には料理漫画と間違われやすいが、バリバリの能力系バトルマンガである。

+ 『コロッケ!』という作品について
2001年から2006年までコロコロコミックで掲載された樫本学ヴ氏の漫画作品。最後の「!」まで入れて正式タイトルである。
主人公コロッケが殺された父を蘇らせるため、集めるとなんでも願いの叶うコイン型のアイテム「禁貨」を求め旅をするという物語。
作品の特徴として、ほぼ全ての登場人物の名前が料理から取られているのが特徴。
バトルあり友情あり笑いあり涙ありの王道物語であり、第48回小学館漫画賞児童部門を受賞するなど評価された。
巻数は全15巻で、長くコロコロで掲載を続ける作者の作品の中でも息の長い部類だった。

男児からの人気は高く、アニメも2年間放送された他、ゲームも全部で8作発売されるなど、完全に樫本氏の代表作となった。
前作『学級王ヤマザキ』もアニメ化された上に評価も中々高いため、どちらを氏の代表作というかで世代がバレるとの噂。
前々作『やったね!ラモズくん』を知ってる人は完全にオッサン

…身も蓋もない話をすれば、「願いを叶えるためアイテムを求め旅をする」「能力を駆使したバトル」「主人公の持つ伸縮自在の武器」など、
様々な点が日本を代表する某作品に類似していることはよく突っ込まれる
(あちらものネーミングが良く出るし。
 また、前作からして連載終了したコロコロの人気作『おぼっちゃまくん』の後釜として作風を寄せていた感はある)。
番外漫画では主人公とライバルが合体したキャラが登場した上、ゲームでも隠しキャラとして使用可能だった。
尤も、ストーリー等はしっかり独自色を出して差別化出来ているし、
あちらの連載終了から10年以上間がある上、掲載雑誌や対象にした層の年齢の違いなどもあったため、
当の小学生達にはあまり問題にされることもなく受け入れられた。完全な盗作のコミックボンボンのクロスハンターですら騒ぎにならなかったし

+ 禁貨について
金色に光っていて、×印の波紋が入った金貨状の物体。これを「バンク」と呼ばれるものに貯めていくのが目標。
満タンになると「バン王(キング)」という神に願いを叶えてもらえるという噂があり、願いのため禁貨を集める者達は「バンカー」と呼ばれる。
作中では願いを叶えた人物は一人しか判明していない。

誰がどういう目的で作ったのか、どのくらい世界中にあるのか、どんなバンクでもいいのか、どれだけ貯めればよいのかなど根本的な部分は不明。
特にバンクの形は人によって様々であり、中には身の丈が丸々入るほど大きな棺桶形バンクを所持している人物もいる。
バンクの形で差が出るのかといったことも作中一切言及されない。
なお、禁貨を溜めてバン王を呼び出すとバンクは破壊され、使い物にならなくなってしまう。
原作では一切効果の無い「ニセ禁貨」の存在が、アニメでは「加工すると効力を失う」ことが判明している。

原作及びゲームでは禁貨の場所を探し当てる「禁貨ゴーグル」が登場するが、
禁貨を見つけやすくする便利なアイテムをバンカーが放っておくはずもなく、実際これを巡って様々な悲劇に繋がってしまっている。

詳細不明ながら亜種も存在し、中にはバンクに入れるとそのバンクの生まれた星を消滅させるといった、
とんでもないシロモノの「ブラック禁貨」まで存在する。
アニメでは1万枚の金貨を加工して国交の証とした「ドリーム禁貨」や古代神殿の扉を開くのに必要な「ゴースト禁貨」が登場している。
また、ゲームにも体力が減る代わりに禁貨数十枚分の価値を得られる紫色の禁貨、自身に都合のいい願いしか叶えない「バン女王」なども存在する。

熱血な性格だが、前作『学級王ヤマザキ』の作風が少し受け継がれており、平気で人前で小便をする下品な面も持っている。
というか初登場からして小便中である。
口癖、決まり文句として、禁貨を手に入れた時にどっかの歩く身代金のごとく「いただ禁貨~!」と言う
(実際、ヤマザキも髪型や服装、更には挨拶にダジャレを挟む等のリスペクトが見られた)。
意外と咄嗟の状況に頭が回り、落とされた際に壁にハンマーでめり込ませて復帰したり、
影に潜り込めるマグロに対し、空中戦に持ち込んで勝利するなどしている。
誰とも友達になれる性格で、最初は険悪な態度を取られていたリゾットとも親友になれた上、
黒マントの男(父親の仇)と勘違いしていたフォンドヴォーも誤解が解けた途端打ち解けた。

得意技は拳から炎を出す「ハンバーグー」、両手から炎を出す「ハンバーガー」、
大地からエネルギーを吸収して相手にぶつける「ウードン」超人的なおならで浮いたり攻撃にも使える「ハンバーブー」などがある。

所持しているハンマーは父の形見で、マンモス3頭分の重さを誇る。
さらに柄の長さは伸縮自在であり、基本的に接近戦主体のコロッケの重要な遠距離武器になっている。
ハンマーを使った技も持っているが(ハンマーの面で殴るハンマー掌、ハンマーの柄が伸びるハンマー伸)、
マンモス3頭分もあるこのハンマーを外すと力もスピードも格段に上がる。

黄色い豚の形をしたバンク「メンチ」を所有しており、なんと生きている
生きたバンクは珍しい存在で原作、アニメ、ゲーム全て合わせてもほんの数種類しか登場しない(生きたバンクが数多く生息する土地が舞台の『4』は除く)。

願いごとは黒マントの男と戦い命を落とした父・バーグを生き返らせること。


原作での活躍

+ バンカーサバイバル編
第1話で猫型の獣人であるウスターと出会い、そこでバンカーサバイバルのことを知り、彼と共に行動することになる。
初めは弱いが狡賢いウスターがコロッケの強さを利用しようと考えていたが、次第に本物の友情を育むことになる。
バンカーサバイバルを勝ち残っていく中で黒マントの男ことアンチョビと第2予選で遭遇。
そこでアリジゴクに落とされかけたコロッケはフォンドヴォーに助けられるが、直前までフォンドヴォーと交戦中だった黒マントの男が、
背後から「光の剣(デス・ライトニング)」でフォンドヴォーを突き刺し、アリジゴクに落としてしまう。
その後本戦の第1回戦でリゾットを破り、第2回戦でジャックと豆の木を髣髴とさせるほど高い蔓に上り、無事決勝戦の場に到着した。
決勝戦でT-ボーン(変身したアンチョビ)と対戦。
アンチョビが本体を現してからはで若干苦戦しながらもそれでもコロッケの方が強く、仇である黒マントの男に変身するように挑発
アンチョビは希望に応えて黒マントの男に変身するが、パワーが上がってもスピードが落ちているため、コロッケがより有利に。
そして究極体になったアンチョビの脱皮してダメージを無かったことにする「完全再生(パーフェクト・リバース)」に対して成す術なしかと思われていたが、
足の皮を結ぶことによって完全再生を封印。
リゾットの「108マシンガン」をヒントに編み出した新技「108ハンバーグー」でアンチョビを海に落とし勝利を納めた。
遅れてきたタロによって優勝賞金の禁貨を受け取り、バン王を呼び出したが、
バン王を呼び出す際に壊れたメンチを修理してもらうため「メンチをよみがえらせて」と願い、蘇生してもらう。
おまけにバン王の粋な計らいにより、メンチはどれだけバン王を呼び出しても壊れないバンクになった。
神龍といいバン王といい融通が利き過ぎである。願いを曲解する聖杯や女性限定でしかも歪んだ形で願いを叶えるスカルハートも見習うべきである

+ 王様だ~れだ大会編
王様だ~れだ大会編では一時的にリゾットに主人公を譲る形となる。(詳細はリゾットの記事を参照)。
プリンプリンの実家にて変装して匿われていたリゾットと再会し、紆余曲折を経て王様だ~れだ大会に出場。
予選では2番乗りで登り切った(1番はキャベツにとられてしまう)。
一方でウスターが脱落し、あわや失格扱いになるが、自分以外のチームメンバーを皆殺しにされたキャベツがリゾットチームに入り、特例で出場が認められた。
コロッケは副将戦(4戦目)で行方不明になっていたはずのフォンドヴォーと戦うことに。
最初は記憶喪失として振る舞うフォンドヴォーだが、コロッケがフォンドヴォーが本気を出していないことに気付き、
それを指摘するとフォンドヴォーが演技だったことを種明かしした。
が、わざわざ戦う必要がなくなってもただ「戦いたい」それだけで戦闘を再開。
父バーグの1番弟子であるフォンドヴォーにハンバーグー封じを喰らい、
絶体絶命かと思われていたが一か八かのウードンを出すことによりフォンドヴォーに勝利。
しかし、戦闘終了後にウードンのエネルギーが暴走し、観客及びカラスミに命中してしまう(カラスミは外装が敗れ落ちただけで無傷)。
リゾットとカラスミの大将戦では乱入してきたアンチョビに対してリゾットに加勢しようとした所、
両側から邪魔するなと言われ、アンチョビを抱きかかえて高台から飛び降りて地面に埋まった。
試合後は禁貨ゴーグルを不正に手に入れたXOを叩きのめし、ゴーグルを奪い取って装着。
まだ見ぬ禁貨を求めて新天地へと向かう。

+ 裏バンカーサバイバル編
新登場の敵役・レモネードと交戦するが実力差やウードンの暴走などから敗北。
その後はキャベツと共にウードンを自在にコントロールできると言われるオコゲの下に向かい、最終的にウードンをマスターする。
その修行内容は、T-ボーンの故郷で満月で獣人化し強さが何倍にもなる村人が住む「ウェルウェル=ダンダン村」にデコピンで落とされ、
オコゲが浮かべた満月の風船を見て獣化した村人何十~百人と戦うことであった。
そしてピザの斜塔に入り込み、裏バンカ―サバイバルに出場。
脱落者は塔の壁の一部になるという恐ろしい条件下で、第2予選においてキャベツと対峙。
第1次予選もそうだったがコロッケにとって最悪かつ悪意に満ちた試験内容で、このままではキャベツと共に脱落する所であったが、
キャベツが襲い掛かることによって返り討ちにし一応第2予選を突破した。
第4予選では最初に選択権が与えられ3回戦で出し抜かれたルッコラと戦うつもりが足を滑らせ、マグロンと戦うことに。
影に潜り込む能力のせいで苦戦するもの実質ワンパンで勝利。
第5予選でニガリ(主催者)によってリゾットと強制的に戦わせられるが、戦闘の途中でダイフクーが登場。無事にリゾットと共に生き残った。
最後はニガリことDr.フォアグラーとアンチョビの(本人達は知らないままの)親子対決を止めに向かうも弾かれ、
その悲しい結末を見届けることしかできなかった。
なお、禁貨ゴーグルはカラスミに渡すも反則クラスのアイテムであるために握り潰された。

+ ビシソワーズ家編
地中に埋まっていた鎖が引かれたことでピザの斜塔が倒壊し、壁に埋め込まれたバンカー達も復活。
禁貨も満タンになり、バン王を呼び出すが、かつて地球滅亡を目論みバーグやタロと戦った
マッシュ星人のビシソワーズ家も復活、バン王をさらわれてしまう。
アイスピック山の頂の館に向かい、そこでレモネードとタッグを組んでパーティに参加し、スズキと対戦。
戦闘中にレモネードもビシソワーズ家の一人「シトロン」であることが判明し、
レモネードはスズキの暖かい迎え入れに手を差し伸べるが、その手を「水のレーザー」に変えてスズキを不意打ちし、重傷を負わせる。
だがスズキは瀕死の状態でなおレモネードを道連れにし、残ったコロッケがレモネードの生きたバンク「チェリー」と共にグランドパーティに進出した。
グランドパーティではコロッケ、プリンプリン、ウスターとユバ、ブーケガルニが対戦。
プリンプリンとウスターは最初こそビシソワーズ家の強大な力に恐れをなして逃げようとするも
コロッケの馬鹿正直に友人を信じる心に二人はコロッケの前に立ち、戦闘に加わるが、あっさりやられてしまう。
コロッケが本気のウードンを放つも、熱い展開(プリンプリンのトラップウンチで足止めされた状態)をよそに、
あっさりとユバがウードンを止め(背中の自在に操れる触手を直撃する瞬間背負ってるハンマー刺して止める)、ハンマーを砕かれてしまう。
ここでハンマーの内部にブラック禁貨が仕込まれていたこと(コロッケは知らなかった)、
ブラック禁貨をバンクに入れるとそのバンクが作られた星が滅ぶこと、チェリーがマッシュ星のバンクであることが判明するが、
ブーケガルニがマッシュ星の真実を知ってブラック禁貨をチェリーに入れることを拒んだためにユバによって殺害される。
そのユバの非情な態度に激昂したコロッケは長距離に渡って燃え盛るハンバーガーを繰り出し、
途中反撃を受けて倒れるものの復活し、超特大のハンバーグーでユバを撃破。
ブラック禁貨は技の衝撃で飛んでしまいユバの手に渡ってしまうものの、
最終的にユバは自身の故郷のマッシュ星を破壊することを選択し、息を引き取る。
最後はコロッケの呼び出したバン王に願い、ビシソワーズ家を含むパーティで死んだ面々を生き返らせた。

エピローグでは心優しい性格のおかげで中々禁貨を集められずにいたが
影でプリンプリンやウスターを筆頭に数多くの仲間が協力してバーグを蘇らせていた。
そして父であるバーグと再会し、『コロッケ!』のストーリーは幕を閉じた……。

…こうして振り返ると、冒険物でありながら全編通して大会やパーティといった催しが舞台となっており、ある意味特異と言えよう
(アニメやゲームでは道中訪れた地で事件に挑むという冒険物らしい展開も存在するが)。

+ ……
そんな感じで『学級王ヤマザキ』と並ぶ樫本学ヴ先生の代表作として、
当時のコロコロ読者の子供達の間で楽しまれ記憶され終わった『コロッケ!』だったわけだが、
連載終了から11年後、それは再始動した。

コロコロコミック卒業済みの大人向け雑誌として創刊された不定期刊(後に季刊に定着)青年誌「コロコロアニキ」。
そこで『コロッケ!』の続編『コロッケ! BLACK LABEL』が樫本学ヴ氏執筆で連載開始されたのだ。
コロッケを含めメンバーも見た目十代後半の青年となり、何より作風がかなりシリアス。
すっかり笑顔を潜めてしまったコロッケがバンカーとして再び活動する理由が何より重い。

+ 青年となった姿がこちら

「オレの父、バーグを 殺すことだ!!」

何故バン王の力に縋ってまで蘇らせた父をコロッケは殺すことになったのか。
かつての読者は連載中の同誌で確かめてみて欲しい。


ゲームでの性能

KONAMIが制作・販売した対戦格闘ゲームシリーズでは当然の皆勤。
基本的に最初に使用するキャラである(3では最初の戦闘で敵(厳密にいうと違うが)として登場している)。
主人公らしくオールラウンダーで扱いやすい……わけではなく原作同様インファイターな性能。
実際他のキャラと比べると発生が若干遅いが攻撃力は高め。
特にこれが使えるというものはないが、空中強のハンマー伸はコロッケシリーズの数少ない中距離技
(が、実用性を考えると当てて降りてくる間に接近は可能なので特別有利になるというものではない。ガードでもされたら反確も有り得る)。

技はハンバーグー、ハンバーガー、108ハンバーグーにウードンなど原作に基づいた技もあるが、
ハンマーグーやギュードンといったゲームオリジナルもたくさん用意されている。さすが主人公。
使い勝手は全体的に高水準だが、逆に高水準であるが故、一番最初に覚えているハンバーグーが徐々に力不足になっていく。
密着戦が多くなる状況のため、とにかく出が早く通常技から繋がる必殺技が優先されやすい。
となると、彼の後半の必殺技であるウードンは一度消える性質上密着していると敵を通り過ぎてしまう嫌な欠点がある。
おまけにしっかりと溜めポーズも再現されているため、正直見てからガード余裕死に技になってしまっている。
『Great』で最後に習得する必殺技「ローストビーフ」は、最大まで強化するとラスボスのHPを8割持っていくという、
大門先生の「風林火山」に匹敵する猛烈な威力を誇る。


MUGENにおけるコロッケ

olt-EDEN氏(旧・ゼータ氏)によって製作されたコロッケが存在する。
操作方法は原作ゲーム同様必殺技はなく4ボタン式だが、全体的に高性能の部類。
原作再現カラーの他に金カラーも存在する。
カオス同盟氏による外部AIも公開されている。

出場大会



「いただ禁貨~!!」


最終更新:2022年10月29日 18:05