素晴らしきヒィッツカラルド


「手伝ってやろうか?ただし・・・真っ二つだぞ」

横山光輝原作の特撮テレビ番組『ジャイアントロボ』を原案としたOVA作品
『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』に登場するキャラクター。CVは 原康義 氏。*1
秘密結社BF団に所属するA級エキスパートにして最高幹部である十傑集の一人。
監督の今川泰宏が師匠から継承した電波な演出がイメージ映像を超え作中の現実にも表れ始めた時期の作品であり、
生身ヒーロー物ならともかく、ロボットアニメには出ちゃいけないぐらいの戦闘力を持つ
(実際、本作のジャイアントロボは活躍の場がほとんど無い*2)。
まぁ首領BF(ビッグ・ファイア)の元ネタが超能力ヒーロー『バビル二世』だから仕方ないね。
逆に国際警察機構の最高責任者・黄帝ライセの元ネタは『バビル二世』の悪役・ヨミだったりする(創始者は托塔天王・晁蓋)。
そして本人の元ネタはヨミの名も無き部下である。

しばしば間違えられるが、「ィッツカラルド」でも「ヒィッツジェラルド」でもない。
前者に関しては「Fitz」の発音表記揺れで、この作品においては「ヒ」が公式である。
また、同作における英語表記は「Fitzgerald the Wonderfull」だが、
これだと名前がヒィッツジェラルドな上に形容詞の「Wonderfull」を名詞として用いていて不自然なため、
英語圏では「Fabulous Fitzkarald」もしくは「Fabulous Fitzcarraldo」となっている。*3

指を弾く動作(指パッチン)で、一種のかまいたち現象である真空波を発し、あらゆる物体を切り裂く事が出来る。
「素晴らしき」の二つ名も、この力を駆使して素晴らしい舞を演じるかのように戦う様から付けられたもの。
ただ、一方で破壊と殺戮を楽しむ残忍な性格で、女子供にも容赦しない
最高幹部に至れるだけの実力を有してはいるものの、こうした残忍性や任務を優先するあまり仲間の事などを軽んじる人物であり、
上下関係が無い十傑集の中でも明確な「格下」「鼻つまみ者」として扱われている。

作中においては国際警察機構の本部「梁山泊」を同じ十傑集である「マスク・ザ・レッド」「直系の怒鬼」と共に襲撃。
国際警察機構のA級エキスパートである九大天王が出払っている中、梁山泊を守っていたB級以下の好漢達を一方的に蹂躙、主人公の草間大作も危機に陥るが、
それを阻止するべく瞬間移動能力者の銀鈴が命をかけて広域テレポートを敢行。
そのテレポートに巻き込まれ、半身を岩に飲み込まれてしまった。*いしのなかにいる*
難を逃れていたマスク・ザ・レッドに助けを求めるものの、以前から疎まれていた事が祟り、
「生き恥を晒すのも恥ずかしいだろう」と罵倒されつつ、胸にクナイを突き刺されてトドメを刺されてしまう
断末魔として真空破を放ち直後に死亡するも、マスク・ザ・レッドに背を向けられたまま刀で弾き返され、自分自身の力で手をバラバラに切り刻んでしまう事に。

なお、この「指パッチンで真っ二つ」というのは今川監督が『ジャイアントロボ』制作当時指パッチンにはまっており、
コンビニに行った際に指を鳴らすと同時に自動ドアが開いた事に「これだ!」とインスピレーションを受け作品に採用すると決めたとか。
しかしヒィッツカラルドの登場は数年先だったのでそれまで誰かが映像化しないか気が気でなかったらしい。普通そんな事思いつかねーよ!

漫画版にも登場。
OVAと同時期に連載された漫画版ではよりにもよって誤って首領BFを攻撃してしまい、必死の懇願も虚しくBF直々に制裁された。
リメイク漫画版では『地球が燃え尽きる日』の続編である『バベルの籠城』が主な活躍の場となる。
こちらでは気のいい兄ちゃんといった感じのキャラ付けになっており、仲間意識も強い。
ある理由で行動を共にする事になった大作にとっても良き兄貴分と言える存在になっている。

ゲーム『スーパーロボット大戦α』では非戦闘キャラながらボイス付きイベントがあるなど優遇されており、
スーパー系主人公用の後継機として開発されていたスーパーロボット・グルンガスト参式すら真っ二つにして破壊してしまった
また没データの中には彼のパイロットデータも存在するため、
本編で連邦軍や使徒相手に大暴れした衝撃のアルベルト同様生身ユニット化する予定もあったのかもしれない。


MUGENにおける素晴らしきヒィッツカラルド

能美クドリャフカ神戸小鳥など、key作品のキャラを製作したしーぽん氏による手描きキャラが存在。
最終的な完成度は2017年12月7日更新のver1.20。
同氏のMUGEN引退に伴い公開を終了していたが、現在は弾丸マックス氏が最新版を、
hamer氏が古いバージョン(2017年5月21日更新のver1.00)をそれぞれ代理公開している。

性能は原作宜しく指パッチンによる真空破を用い、あらゆる敵を一撃で切り裂く狂キャラ。
通常攻撃も超必殺もすべて指パッチンで統一されており、威力は999999。ガード時は250と良心(?)的。
この設定でガードされると、ほぼ間違いなく相手側のゲージがMAXになるためゲージ技の強い相手にはチャンスを与える事になる。
通常攻撃はすべて飛び道具判定。ほとんどの発生が遅いため潰す事は比較的容易だが、
ライフが少なくなると無敵が付与されていき、最終的には攻撃発生直前まで無敵が付くようになる。
必殺技は移動技1種、超必殺技が4種搭載。
1ゲージ技に投げが、2ゲージ技の一部に打撃属性がある。もう一つの2ゲージ技はどこかで見たmがあるような…
3ゲージ技に即死当身。即死当身は10P以上のカラーで超即死当身になる(氏のキャラでは超即死は初めての実装)。
また、指パッチンの威力・ガード時の威力は変更可能である。
即死当身を除くゲージ技も攻撃のダメージを参照し、設定によっては即死級のダメージではなくなる。

簡易AIが実装されており、設定の一つに「慢心モード」なるものがある。
これを設定すると「設定した時間が経過するorライフが4分の1になるまで攻撃をしない」というもの。
原作でさっさと攻撃していれば勝てたところを舐めプしたため敗北した性格の再現との事。

慢心モードあり、設定時間を600フレーム(10秒)設定の場合、
狂の門番であるエルクゥに7:3で有利、マスターギ-スには5:5の五分。
性能に対する相性が特に出易いキャラのため、狂下位上限~狂中位のどこかと考えられるがこの結果だけではランクの判断は難しい。
慢心モードなしの設定ならば試合開始からノーリスクで一撃を放つ性能上、間違いなく狂中位以上だろう。
指パッチンの威力変更と慢心モードの時間変更を併用すれば、凶ランクの大会にも出られるかもしれない。
7P以上のカラーで無敵追加・ゲジマシ等の性能が追加される。


「私の名は、素晴らしきヒィッツカラルド!」

出場大会



*1
原氏は元々「オロシャのイワン」という別キャラの役で出演していたのだが、
このキャラが本来甲高い声色で喋るところをうっかり渋い声を出してしまうNGを出した事があり、
今川がその声を気に入ってヒィッツカラルド役にも抜擢したというエピソードがある。

前述の『スーパーロボット大戦α』での活躍も、このオロシャのイワンとの兼役故に実現したと思われる
(ちなみにイワンは普通に「ウラエヌス」というロボットに乗って戦う貴重なロボ戦要員なので、当然声も付いた)。

余談だが、ドリームキャスト移植版ではマスク・ザ・レッド(当人はスパロボ未登場。元ネタは『仮面の忍者赤影』)の音声が、
同じ市川治氏が演じる『超電磁マシーン ボルテスⅤ』のプリンス・ハイネルの声に混ざるという謎のバグが存在する。
移植版では『ジャイアントロボ』と『エヴァンゲリオン』を中心とした新シナリオがあるため、
専用機のビッグゴールド(元ネタは『赤影』の敵である金目教の御神体・金目像)共々登場する予定があったのだろうか。
え?ビッグゴールドなら スパロボwiki に記事あるって? そりゃ『戦え!!イクサー1』のキャラだ

*2
一応、設定上では巨大ロボの方が強いのだとか。大怪球フォーグラー戦を見るとそうは思えないが
実際漫画版では巨大ロボにあっけなく負けるシーンも存在する。
とは言え、人間が巨大ロボに匹敵する強さを持っているのは十分脅威であり、十傑集による梁山泊襲撃時、ジャイアントロボは出撃さえ出来なかった。
たとえ出撃出来たとしても、味方ごと蹴散らすつもりでもなければ役には立たなかったであろう。

*3
Fabulousも「素晴らしい」を意味する英単語。
Wonderfulではないのは、あちらのニュアンスではFabulousが「驚異的素晴らしさ」なのに対し、
Wonderfulだと「夢の国的素晴らしさ」となり、強さや凄み恐ろしさ等を感じてもらえないからだろう。
ちなみに「Wonderfull」という表記は誤植ではなく古語として存在しているのでそれ自体は一応間違ってはいない。
でも「Greatful」じゃ間違いだ


最終更新:2023年08月22日 01:31
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