ブレイド(マーベル)


+ 日本語吹替声優
西凜太朗
『スパイダーマン(1994年アニメ版)』
菅原正志
実写映画3部作(ソフト版)
大塚明夫
実写映画3部作(テレビ東京版)、マッドハウスアニメ版
江川央生
『ブレイド ブラッド・オブ・カソン』
安元洋貴
『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』
諏訪部順一
『マーベル・シネマティック・ユニバース』

アメリカ・マーベルコミック発刊の漫画『ブレイド(Blade)』の主人公。ラッツ&スターの歌手?違う違う、そうじゃない
初出は1973年の『The Tomb of Dracula #10』。
マーベルに縁のあるメーカーの格ゲー同名の中ボスがいるが、名前の由来だとかそういう関係は恐らく無いと思われる。
そもそも「ブレイド(ブレード)」とは「刃、刃物」と言う意味の一般名詞でしかないので、同名キャラは多数いる
件の中ボスの武器を刃物と呼んで良いのかは気にするな!
人類の天敵としてヴァンパイアが存在する作中世界において、ヴァンパイアハンターを名乗り日夜ヴァンパイアを狩り続けている。

本名はエリック・ブルックス(Eric Brooks)。身長188cm。体重82kg。
1929年にロンドンに生を受ける
母は妊娠中にヴァンパイアに襲われ絶命、胎内にいたエリックは半人半吸血鬼(ダンピール)として産まれた。
そのためヴァンパイアでありながら日光の下でも自由に活動することが出来るようになった。
やがて成長したエリックは母を殺したヴァンパイアへの復讐を決意し、吸血鬼狩りを開始、現在に至る。
その性質からヴァンパイア達には「デイ・ウォーカー(日の下を歩む者)」と呼ばれ恐れられている。

戦闘では吸血鬼としての高い身体能力を活かし、徒手空拳や火器・刀などの様々な武器を使って戦う
主に使う武器はチタニウム製の剣と、ニンニクを詰めた弾丸を発砲する銃。
モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイアに噛まれて血を欲する体質になった際、
罪の無い人々を犠牲にしない為に、自ら切り落とした左腕の部分に銃を装備した義手を着けている。
また超回復力、老化遅延や人間の数倍の超感覚などの様々な力を持っている。
一応世界観が繋がっているため、原作ではゴーストライダーなどの他のヒーローと共闘することもある。

過去にウェズリー・スナイプス主演で映画化され、ドニー・イェン指導のアクションが受け、シリーズ化するほどの人気作となった。
特に1998年に公開された1作目は『スパイダーマン』に先駆けるマーベルスーパーヒーロー初劇場公開作品である。*1
同時に『ブラックパンサー』より20年早いマーベル黒人ヒーローとして最初の映画化作品でもあり、
全世界で1億3,120万ドルの興行収入を叩き出し、子供向けとされがちだったヒーロー映画の常識を塗り替えた大ヒット作である。
そして『3』はライアン・レイノルズが初めて出演したヒーロー映画である

映画版ではブレイドは1967年生まれの30歳。
出生と能力については同じだが、少年期にダンピールとして目覚めてしまい吸血衝動に抗えず暴れていた所を、
吸血鬼ハンター・ウィスラーによって救われ、以後彼のパートナーとして師弟・相棒・親子のような関係で吸血鬼狩りをしていた。
此方での装備は代名詞でもある鹵獲防止ギミック付きのチタニウムブレードを筆頭に、銀のスローイングブレードや、
銀の杭を発射するショットガン、銀弾を装填したMAC11ブレイドカスタム、ベルトに仕込んだ銀のワイヤー、紫外線照射装置など。
しかし吸血衝動を抑制する血清を長年に渡り投与し続けていたため効果が薄れ、吸血衝動に悩まされつつあった。
そんなある時、吸血鬼狩りに検死官にして血液学者のカレンを巻き込んでしまい、吸血鬼に噛まれた彼女を保護観察する中で、
吸血鬼評議会の中でメキメキと頭角を表しつつある宿敵フロストが、吸血鬼の神「マグラ」を復活させようとしている事を察知。
逆に本拠地を襲われ大きな痛手を負いながら、カレンの開発した切り札「血液抗凝固剤」*2を携えて最終決戦に挑む。
+ 映画版ネタバレ
フロストの拠点で相対した女吸血鬼の存在にブレイドは驚愕し、一度は敗北を喫してしまう。
彼女こそは妊娠中に吸血鬼に襲われ死んだと思われていたブレイドの実の母であり、フロストは彼の吸血鬼としての父だったのだ。
フロストはブレイドが吸血衝動抑制の血清に頼っている事を嘲り、彼を失血させて完全な吸血鬼へと堕とそうと仕向けてくる。

しかしカレンが自ら身を差し出してブレイドに吸血させたことで、ブレイドは辛うじて自我を取り戻し、誘惑する母を滅ぼして復活。
血の神マグラとの合一を果たしたフロストとの激闘の末、フロストが血液抗凝固剤を血清と誤認していることに気が付くと、
油断した隙をついて血液抗凝固剤を叩き込み、フロストを爆発四散せしめて勝利を掴んだ。
その後カレンにいつか吸血鬼を滅ぼした時に取りに来ると吸血鬼治療薬を託し、今日もどこかでブレイドは吸血鬼を退治している……。

そして『2』では吸血鬼を襲う吸血鬼「リーパー」、『3』では蘇った始祖「ドレイク」との戦いが繰り広げられる。
また映画シリーズの続編『ブレイド ブラッド・オブ・カソン』としてテレビドラマ化もしている(主演:カーク・ジョーンズ)。
こちらでは弟を殺した吸血鬼を追う女兵士クリスタと共闘し、純血種のみを滅ぼす生物兵器製造を目論む吸血鬼マーカスと対決する。

更には2011年にマッドハウスによりテレビアニメ化。
アニメ版は映画版とは無関係で、吸血鬼化した父を殺されたことでブレイドを仇と狙う日本人少女ハンターのマコトと共闘し、
吸血鬼社会への復讐を果たすべく日光を克服せんとデイウォーカーの血を求める宿敵フロストとの戦いが繰り広げられた。
以後『アルティメット・スパイダーマン』、『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』といったアニメにも出演。
さらにMCUでは『エターナルズ』にもゲスト出演し、マハーシャラ・アリ主演の単独映画化も決定するなど、
映像化の機会には比較的恵まれていると言える。

  生まれながらの…《地獄之鬼(ばんちょう)》だぜッ!
映画シリーズアクションシーン詰め合わせ
番長を怒らせた罪で全員死刑!
ドラマ版PV
アニメ版OP

なおこのウェズリー・スナイプス版ブレイドの格好良さは凄まじく、原作コミックスにも多大な影響を与えている。
というのも原作コミックス版ブレイドは黒人の吸血鬼ハンターという要素こそ映画版と共通しているものの、
吸血鬼を殺さねばならないという執念に取り憑かれた狂人といった雰囲気を漂わせており、杭を手に吸血鬼を追いかけ回す、
泥臭くてスタイリッシュさの欠片も無い、今のイメージを知っていると目を疑ってしまうようなヒーローだったのだ。
+ 衝撃の初期デザイン
この頃は代名詞である刀も持っておらず、「吸血鬼を殺す者」という意味でブレイドを名乗っていただけであった。
それと「ナイフ曲がってね?」は禁句

ただ、割と勘違いされるが別に初登場から映画版までずっとこのスタイルだった訳ではなく、
90年代には既に「角刈りで黒い革ジャンを着込み、刀を持った黒人」というスタイルになっている。
+ 中間期デザイン
画像は1994年刊行のコミックでのコスチューム。
映画版に比べるとスタイリッシュさは控えめだが、中々世紀末らしい格好良さがある。

その後、映画版が公開された事でイメージが逆輸入され、コミックでも実写版と同じようなスタイルに再度イメチェンしたのである。
「コミックを完全に無視したアレンジ」ではなく、あくまでも「当時のコミックにおけるイメージの先鋭化」と言った方が正確だろう。

コミックボンボンで連載された漫画『スパイダーマンJ』でも登場。
同時期に公開されていた『ブレイド3』のタイアップと思われる。
「B・ロード」に改造されたヴァンパイア「モスキラー」を追って来日し、失敗作として捨てられていたモスキラーを守るスパイダーマンJと戦い、
一度は取り逃がしてしまう。
後にモスキラーはJを騙していた事を明かし吸血しようとするも、ブレイドによって焼き尽くされた。
子供向けという事もあり、基本的に人が死なない本作において明確に死亡描写があるヴィランとなった。
最後はJに自分が完全にヴァンパイア化したら始末してもらう様に頼んで去っていく。
ちなみに本作は英訳版も発売されているが、何故かこのエピソードは収録されなかった。客演回はあるのに……。
やっぱ子供向け漫画で明確に人死が出たのがいけなかったのかしら……

「ガキってなぁできなかったことでも一瞬のちにやってのけることがあるからな
 甘ぇってだけでかたづけられねぇヤツもいる…か ふふふ…」

幾度も映像化されている事からも分かる通り人気は高く、ゲーム情報サイト「IGN」が開催した「The Top 100 Comic Book Heroes」では、
ガンビットアイアンフィストを抑えて63位となった。




MUGENにおけるブレイド (マーベル)

海外製作者のFede de 10氏によるものが存在。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」にて代理公開されている。
DopeFiend氏が製作したDCヴィラン、オノマトピア(Onomatopoeia)の改変キャラで、MUGEN1.0以降専用。
ヴァンパイアハンター繋がりからか、イントロの一つでは別作品の吸血鬼バイトで登場する。
…それ以外のイントロは改変元そのままだったりするが気にしてはいけない

マヴカプを参考にしたコンボゲー風のシステムをしている。6ボタン式。
チェーンコンボ・エリアルレイブが可能で、デフォルトではコンボ成功時に画面に英字(YES、GOODなど)が表記される。
また必殺技キャンセルして超必殺技に繋げることも出来る。
なお、通常技及び必殺技・超必殺技の多くは改変元であるオノマトピアのものを踏襲しているが、
バイクで相手を撥ねる超必殺技など、ブレイド独自の技もしっかり搭載されている。

コンフィグテキストが付属しており、数値をいじることでコンボ表記の有無、ライフルの変更、その他各種設定の調節が出来る。
デフォルトでAIも搭載済み。一般的なランクキャラと闘わせると立ち回りでやや押されがちであるが、
超必のバイクがAI殺しなのか、連続で使用し逆転勝ちすることもある。
旧バージョン紹介動画(公開先へのリンクは無効なので注意)

2022年にはClint氏とCandido159氏が共同製作した新たなブレイドが公開された。
こちらは『ドラグーンマイト』の主人公・ヤマトのドットをベースとしている。
並程度の強さを持つAIもデフォルトで搭載済み。
紹介動画(DLリンク有り)



「我らヴァンパイア一族は世界中に散らばっている!
 私を封じたところで、お前の戦いに終わりはないぞ!!」

「ならば、この剣が折れるまで戦い続けるまで!
     (ブレイド)》の名……伊達に背負っちゃいない!!」

出場大会

  • 「[大会] [ブレイド(マーベル)]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
ただしこれは「スーパーヒーロー物として」の話で、MARVEL作品の実写映画としては『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』が一作目となる。
勿論、映画としての出来に関しては何も言わないお約束である。日曜洋画劇場等で度々放映されたのでそれなりに好きな人もいるけども
また、実は『キャプテン・アメリカ/卍帝国の野望』という作品が90年頃に劇場公開予定だったが、
様々な事情から2年延期した末に結局TV映画として放映され、ビデオスルーとなっている。
当然だが、こちらも出来は言わずもがな

一応、これら以前にもかの東映版『スパイダーマン』の映画が1978年に作られているが、
同作は劇場短編集『東映まんがまつり』内で上映された、TV版とほぼ変わらない尺の短編映画である。
そのため、単体の長編映画としてはやはり『ハワード・ザ・ダック』や『ブレイド』が先駆けに当たる。本国でも上映されてないし

*2
実在する血栓を溶かす薬品なのだが、これを注入された吸血鬼は……なんか……その……爆発四散する。
どうやら吸血鬼は遺伝子に異常を来しており、変異した血液が血液抗凝固剤に過剰反応するためらしいが、その他一切のことはわかりません!

本作の吸血鬼は唾液が血管に侵入することで感染、72時間で発症して遺伝子を変化させて新たな器官を体内に作ると同時に、
超人的能力と引き換えに紫外線アレルギーやニンニクアレルギー、銀アレルギーなどを発症する、ある種の遺伝子病として設定されている。
吸血鬼はその代謝能力の高さに対してカロリーが不足しており十分な量のヘモグロビンを生成できないため、本能的に血を欲するのだとか。
そのためタイプによっては十字架を恐れる者もいるが基本的には通用せず、手足を切断しようと全身を焼こうと治癒してしまうので、
首を落としたり心臓を貫いて確実に殺すか、ガーリックエキスや銀製品などでアナフィラキシーショックを起こし灰化させるのが対抗手段。アレルギー?
紫外線を浴びても炎上してしまうが、これはライダースーツで全身を覆ったり、日焼け止めなどである程度防ぐことができてしまう。アレルギー????
まあ『1』時点で「血の神マグラ」など超常的な存在も描かれているため、あくまで「科学的に説明する事もできる」というだけなのかもしれない。

そして生まれながらの吸血鬼は純血種、そうでない人間から吸血鬼になったものは下等な雑種として扱われ、
吸血鬼達は人間社会と密かに協定を結び、純血種の評議会「暗黒院」統治下のもと、数千年に渡って社会の影で人を襲って血を啜ってきていた。
そのため警察をはじめとする国家機関にも多くの吸血鬼に付き従う人間が所属しており、標的とされた人間は孤立無援に追い込まれる。
とはいえある種の統治体制が整っていたのも確かで、『1』にてフロストが純血種達をマグラの生贄に捧げたことで評議会が崩壊。
『2』『3』と吸血鬼社会にも混乱が広がり、人間社会にも多大な影響を及ぼす事件が頻発するようになってしまう。

一方、ある種の病気でもあるため、カレンによってブレイドのためにDNAをレトロウィルスで書き換える吸血鬼化治療薬が作成されており、
『2』冒頭では吸血鬼化したある重要人物の治療・人間化を成功させるなど、ダンピール垂涎の薬品となっている。

と、ここまで説明したが、血液抗凝固剤で爆発四散する理由は一切不明。ホント何故なんだろう……?


最終更新:2023年08月24日 09:36