チャールズ・バベッジ






「我が名は蒸気王。
 ひとたび死して、空想世界と共に在る者」


 身長:250cm / 体重:500kg超(どちらも鎧込み)
 出典:蒼天のセレナリア史実
 地域:欧州
 属性:混沌・中立 / カテゴリ:人
 性別:男性
 CV: 稲田徹
ソーシャルゲーム『Fate/Grand Order』に登場するキャスター(魔術師)のサーヴァント(英霊)。
重厚な鎧に身を包んだ男……というよりスチームパンクロボットにしか見えない
キャスターのサーヴァントである
(大事な事なので二回言いました)。

デザインモチーフは山高帽と燕尾服英国紳士

+ 史実のチャールズ・バベッジについて
19世紀のイギリスの数学者。
分析哲学者、計算機科学者でもあり、世界で初めて「プログラム可能」な計算機を考案した。このため「コンピュータの父」と言われる事もある。
しかし、研究に没頭するあまり信用を失って資金難に陥ったため、プログラム可能な「解析機関」はおろか、
その前身にあたる「階差機関」(いずれも蒸気機関で動作)もバベッジ自身は完成させられなかった。
彼の没後1世紀以上を経た1991年に、遺された設計図を基に階差機関二号機が製作され、設計の正しさが証明されている
(はっきり言えば図面通りに作って動かしてみたらちゃんとバベッジの想定通りに動作した)。
その脳は死後縦に二分割され、一つはロンドンサイエンスミュージアムに、もう一つはイングランド王立外科医師会に現在も保管されている。

  • ステータス
マスター:主人公 (Grand Order)
筋力:B++ 耐久:B++ 敏捷:D++ 魔力:A 幸運:E 宝具:A++

変化球なキャスター達がFateシリーズで度々登場しながらも、
「直接戦闘は(程度の差はあれど)他のクラスに比べて苦手で、魔術系で相手を陥れたり搦め手をしたりする」
という共通点があった中、それを豪快にぶち破ってきたのがこの人チャールズ・バベッジ。
というのも、彼の戦闘手段は完全に肉弾戦。巨大な杖剣を振り回し、攻撃は鋼鉄のボディで耐え抜き、蒸気高圧噴出で縦横無尽に飛び回る。
筋力と耐久の高さがキャスタークラスの常識に完全に当てはまらない。

英霊としてのバベッジは解析機関の完成により実現するはずだったと夢見る 「蒸気文明により悪が駆逐された世界」を聖杯に望む。
この蒸気文明の理想を具現化させた固有結界が機械鎧と一体化したバベッジ自身であり、
彼の宝具「絢爛なりし灰燼世界(ディメンジョン・オブ・スチーム)」である。キャスターにあるまじき身体ステータスの高さもこの宝具によるもの。

存在が内包する固有結界そのもの、という点ではネロ・カオスの同類といえる。
鎧内部が具体的にどうなっているのかは不明。少なくともバレンタインイベントではチョコレートを摂取する事が可能という旨が明かされているが
(ある別のキャスターからチョコの試食を頼まれて実食している描写がある。その結果バベッジ先生イノシシになっちゃったけどな!)、
「魔力源として」というニュアンスも滲ませており、中の人がどうなっているのかはやはり謎。
「彼の夢見る蒸気文明の世界」という発動条件を見る限り、少なくとも人間時の脳が内部にあるのだろうか。
死後にその脳だけを保管されている逸話(※史実参照)もある事だし。
見た目が見た目である為期間限定イベント等ではド真面目にギャグをやっている事が多く、
「からくりバベジン」「ヤカン鶴*1など、名前による出オチ担当が多い。
また、イベント時には特殊形態に変形して礼装などに顔を出す事もある。
これも「絢爛なりし灰燼世界」のちょっとした応用、なのだろうか…?

見た目がギャグ、とは書いたが本人のキャラクターとしては至って常識人
…というか、むしろサーヴァント達の中でもトップクラスに「よくできた良識人」でさえある。
学者系サーヴァントの登場がFGOを境に増えたが、ほぼ全員と面識があり、何より敬意を持たれているのが彼の人徳を窺わせる。
ニコラ・テスラやトーマス・アルバ・エジソンなど、一癖も二癖もある科学者系サーヴァントが揃ってバベッジを称えているあたり、
「コンピュータの父」という肩書は伊達ではない。
蒸気機関ではなく電気技術により発展した現代文明とそこで生きる人々に関しても、
「自分の望みとは異なるが、これはこれで悪くはない」という感想を持ち、それを壊す事は望まないなど、
人類の発展と幸福を心から願う科学者としての姿勢は全くブレない。

重厚なロボットの戦士」という見た目から一部のユーザーには絶大に支持される人気を得ており、
「バベッジのフィギュアとかプラモデルの発売はまだか!」とか、
某戦国最強がDVD・ブルーレイの付録としてペーパークラフトが作られていたのだからバベッジも…」など熱烈に立体ファングッズ化を待望されているとか。

キャラクター強化クエストという名の「幕間の物語」も、そのカオスさというかぶっ飛びっぷりから語り草となっている。
そのチャールズ・バベッジ幕間の物語のタイトルは…「鋼鐵機動戰記C・バベッジ」。このタイトルだけで察していただきたい。

「故に、行こう。私を目覚めさせた選ばれし者よ。
 蒸気の勇者(スチーム・ブレイブ)よ!」

+ ゲーム中の性能
レアリティは星3(銀レア)のサーヴァント。
FGOにおけるキャスタークラスは味方の支援や敵の妨害に特化しているものが多く、自身の攻撃性能は低めなものが多い。
キャスター内でも異様な外見のバベッジだが、性能も支援をほぼ投げ捨てた耐久力と宝具火力に特化したサーヴァントである。
カード構成はバスター2枚、アーツ2枚、クイック1枚とバスター宝具で、
宝具を併せて自身だけでバスターカードを三枚揃えたバスターブレイブチェインが可能。
これは2017年夏イベントで限定登場した水着ネロが登場するまでは、キャスター内で唯一バベッジのみが出来た特徴である。
HPは同じレアリティ、クラスの中でトップである一方でATKは最低で、所持スキルが全て自身のみを強化するもので構成されている。
「一意専心」は自身のスター集中率を1ターン、NP獲得量を3ターン強化する。
クリティカルをするために必要なスターだが、キャスターはその集中率が非常に低くクリティカルを狙いにくい。
これを利用して普段は味方にスターを譲りつつ、必要に応じて「一意専心」でスターを集め、
アーツクリティカルでNPを一気に溜めるのがバベッジの基本的な運用となる。
「機関の鎧」は1ターン無敵+攻撃力強化、「オーバーロード」は1ターン宝具威力強化で、自身の火力を大幅に伸ばす。
これらを利用し宝具を強化して戦う。

宝具「絢爛なりし灰燼世界」は防御ダウン効果のある全体宝具。
ボス戦前にNPを溜めておき、ボスの周りの敵を吹き飛ばしつつボスの防御を下げる事で、攻めの起点となる事が可能。
スキルを育てれば全体宝具持ちキャスター内でも上位の威力を発揮する。
さらにバスター宝具のため、バスターチェインで火力の底上げが出来る。

欠点はスキルを使用していない時の火力が致命的なまでに低く、ボスに宝具を撃った後は耐久力も高いため場に残りやすく腐る点。
また、宝具はスキルあっての威力かつNPの溜まらないバスター宝具のため連発には向かない。
威力があるとは言ってもあくまでキャスターとしてはであり、ほぼ全てのクラスに大ダメージを与えられるバーサーカーと比べたらどうしても汎用性に劣る。
スター生産性能が低いため、味方の補助が無いと一意専心だけではNPを溜めにくいなど、上手く使うにはパーティー単位での工夫と愛が必要。

しかし、パーティーさえしっかりしていればNP0からでも宝具まで溜める事は容易であり、耐久力も相まって、
相性面で得意な対アサシン戦では、集中して攻撃を喰らっても生き残り、宝具まで持っていける安定感があるのは脆いバーサーカーには無い魅力。
また、強化クエストの実装で「機関の鎧」の攻撃力アップが3ターンに延びたため、3ターンだけなら攻撃力のカバーがある程度可能になった。
更には下項の「地獄界曼荼羅平安京」配信から1週間後に2度目の強化クエストが実装、「オーバーロード」が「蒸気機関出力上昇」に変化し、
宝具威力強化の持続が3ターンに延長、1ターン最大100%のクリティカル威力強化と最大30個のスター生成という魔改造が施され、
晩成型ながらも非常に強力なメインアタッカーへと大変身。
念入りな計画と準備、そして頼れる味方さえいれば活躍が見込めるという辺りが、なんだかんだで彼もキャスターであると思わせる、
そんなサーヴァントである。

+ 「第四章 死界魔霧都市ロンドン」にて
産業革命の時代、イギリスは目まぐるしい科学工業の発展を遂げ、世界の覇者となっていきつつあった。
しかし、その蒸気と煙の立ち込める鬱蒼としたイギリスのロンドンにて、サーヴァント達は霧から次々と現れた。
ある者はロンドンの人々を襲い、またある者はそれらから人々を守る為に召喚された。
主人公マシュ・キリエライトはそんな捻れた人類史へとレイシフトでやってきた。
「P」「M」「B」という謎の黒幕がロンドンで暗躍している事を突き止めた主人公一行は、それらを打倒する為霧の街を駆け抜ける。
ある屋敷で仲間にフランケンシュタインも加わり、また彼女の何らかの直感で人々を襲う蒸気人形「ヘルタースケルター」の軍団の出所を探っていった。
ちなみにこのヘルタースケルター、後の第五章で星条旗柄のヘルタースケルターをエジソンが量産してたり、
ハロウィンにカボチャカラーのロボット兵士(このイベント専用カラー)が大量に発生するなど派生種が豊富。

そんな中判明する「B」の正体…それは、チャールズ・バベッジその人であった。
魔力を帯びさせたロンドンの霧により、彼の固有結界「絢爛なりし灰塵世界」が拡大変容され、
バベッジの分身としてヘルタースケルターが無数に生み出されていたのだ。
魔力の霧により「自分が実現出来なかった蒸気機関による科学文明の世界の実現」への妄執に固執した状態で、正気を失っていたバベッジ。
生前の知己たるヴィクター・フランケンシュタイン博士の作品である娘フランの物言えぬも叫ぶような訴えと、
主人公達の実力行使と説得で正気を取り戻すも、既に魔霧によりその身は変質・瓦解寸前となっていたのだった。
彼は、自分を誑かした残りの黒幕の手がかりと、ロンドン地下にある巨大蒸気聖杯アングルボダの存在を告げ、
フランケンシュタインらへ申し訳なさそうに謝罪しながら、消滅した。

+ すこし昔、はるか彼方、サーヴァント・ユニヴァースの何処かで……
別時空「サーヴァント・ユニヴァース」では、
新円卓に属する正義のヒーロー、賢人バベジンとして存在している。
正義のサーヴァントを育成する「コスモカルデア高等学園」の講師をしており、教え子には謎のヒロインXえっちゃんが居る。
また、ヴィラン(悪役)との戦いでも活躍しており、その独特な蒸気ノイズ音はヴィランにとって恐怖の象徴である

+ プロフェッサーM「蒸気大変形!」

「何と。既に私にこのような変形機能が搭載されていたとは……!」

2017年夏イベント「デッドヒート・サマーレース 夢と希望のイシュタルカップ2017」では、
「レースの風で涼みたい+マスターにカーレースで優勝して褒められたい」フランケンシュタインの頼み、
そしてバベッジ自身が「真夏のカルデアに貴方の蒸気が地獄過ぎる」という理由でロンドンに追い出されていた事もあり、
カーレースにフランのパートナーとして参加する事となった。
だが、マシンの用意の頼みの綱であったエジソンやテスラはエレナ・ブラヴァツキーのチームのマシン担当として既に名乗り出ており、
さてどうしたものかと二人は悩んでいた。
しかし、突如現れた謎の犯罪紳士プロフェッサーM
(公式仮称「新宿のアーチャー」。1.5部シナリオ「悪性隔絶魔境新宿」のある地点まで真名は明かされないキャラクター
の突然の手助け(という名のバベッジへの催眠術と事前無断改造)により、
なんとレースマシンへの変形機構「ロコモーティブフォーム」を手に入れていた事が判明。
これにはバベッジ自身は異論はなかったが、フランは思わずプロフェッサーMにその場で物理的制裁をかましている。
ちなみに、これ以前にも「サマーメモリー」のイベント限定礼装カルデア・ライフセーバーズで潜水艦に改造されたバベッジの姿が描かれている。

その後はフランがプロフェッサーMに悪の道に引きずり込まれないか監視もしながら、イシュタルカップを蒸気の力で駆け抜ける事となった。
なお、フランの搭乗位置は正面の穴。ビジュアル的には南斗人間砲弾とかそして、さらば。のようだが、特に射出機構などは無いようだ。

+ 「地獄界曼荼羅平安京」にて
生前の紫式部のサーヴァントとして召喚されるが、
マスターが聖杯戦争に乗り気ではないことを知り、その意を酌んで戦争への不参加を決める。
しかし、紫式部の意志とは無関係に聖杯戦争は進み、渡辺綱により次々とサーヴァントが脱落したため、
稲荷神社にある地下の洞穴に身を隠しつつ、夜のみ紫式部を護衛しており、
その行動により「鋼の怪」として都の噂になっていた。
最終的に綱に発見されるが、先んじて接触していた主人公及び坂田金時と戦ってわざと負けることで、
「脱落者となった」紫式部に危害が及ぶことを回避した。

+ 出典の『蒼天のセレナリア』ってなんだ?
実は『FGO』でもメインストーリー二章や四章を担当しているシナリオライター桜井光氏が、
かつて所属していたゲームメーカーのライアーソフトから発売されているADV「スチームパンクシリーズ」、
その作品群の一つが『蒼天のセレナリア』である。
そして、その『蒼天のセレナリア』にはチャールズ・バベッジという同名のキャラクターが登場している(同じく史実の偉人が元ネタ)。
「蒸気王」という肩書きや蒸気機関で飛び回る鋼鉄の体の学者紳士という姿、そして同じく後年の学者キャラ達に師として慕われていたりと、
要するに桜井氏によるセルフオマージュが『FGO』のバベッジと言われている。


MUGENにおけるチャールズ・バベッジ

仮面ライダーキックホッパー仮面ライダーギャレンなどを作成したjaki氏による手描きのバベッジが存在。
最新版は2017年12月3日更新のver1.10。
『Fate/Grand Order』出身のキャラクターは主人公(漫画版)・マシュ・清姫沖田スカサハなど女性陣数名がMUGEN入りしているが、
男性陣ではバベッジが初である。

デカキャラであり、ニュートラルの状態(上記のドット絵)の前に伸ばした手が通常の画面サイズ(4:3)の半分を超えた位置にまで及んでいる。
というか、試合開始時に対戦相手のデフォルト位置まで届いている。
そのため、凄まじいリーチの長さを誇るが、同時に巨大な喰らい判定という弱点を抱えている。
攻撃は弱中強の3ボタン+へビィアクション(ふっ飛ばしや大足払いに使用。ガード割り効果は無い)の計4ボタン。
エスケープ+弱同時押しで投げ。
ちなみに、投げ間合いは見た目よりだいぶ狭い。
+ 特殊システム
バベッジ特有のシステムとして「スチームゲージ」及び「オーバーロードゲージ」「令呪」が搭載されている。
スチームゲージ
強ボタンでの必殺技使用時に必要な独自ゲージ。1回の使用ごとに50%消費され、非コンボ中に自然回復する。
オーバーロードゲージ
機動力の増加などを行う自己強化技「オーバーロード」の使用に必要。時間経過とともに貯まって行き、オーバーロードの効果持続中は常に消費する。
オーバーロードゲージが尽きると強化が強制解除される上にダメージまで受けてしまうので、適切な手動解除などゲージ管理には気を使う必要がある。
令呪
「霊基修復」(所謂喰らい抜け)使用時に消費する。
ラウンドごとに1画増加し、3画までストック可能。
3画ある状態で体力が0になると、自動で3画消費リザレクション技「霊基復元」が発動する(体力回復は2割強。ゲージは全回復)。

AIは当初未搭載であったが、ver0.80よりAir氏が外部AIを製作し、現在は本体にデフォルトで同梱されている。
ニコニコ動画での出番はまだ少ないが、見た目のインパクト、キャラとしての完成度、
そしてストーリーに組み込みやすい人柄と設定などから、今後の活躍が大いに期待される。

『FGO本編』で因縁のあるキャラの相手役として登場。
実際に動くと迫力が凄い

出場大会



*1
Type-moonの過去作の主人公遠野志貴が文化祭でこの妖怪に扮し、親友の有彦扮するお化けキノコとジョグレス進化して分福茶釜になった、
という逸話が元ネタと思われる。


最終更新:2024年03月02日 23:24