趙熊

カプコンの傑作ベルトスクロールアクション『天地を喰らうII 赤壁の戦い』に登場する敵キャラクター。
赤を基調とした服を身に纏い、半裸に素手で戦う巨漢である。
ゲーム中の表記はピンインで「Zhao-Xyong」で、発音は「ジャオ・シィォン」だろうか。
日本語読みをするなら「ちょうゆう」あたりと思われる。

原作の漫画『天地を喰らう』は古代中国の三国時代の争乱、所謂『三国志』を元ネタにしているのだが、
この趙熊という人物は正史にも演義にも(たぶん原作漫画にも)登場せず、カプコンがゲーム化する時に創作された人物と思われる。

曹操軍の兵士(武将?)で関羽張飛に匹敵する巨体を誇り*1、突進パンチやダイビングエルボーや投げを駆使して*2襲い掛かってくる。
要するにファイナルファイトにおけるアンドレ枠で、攻略サイトでも名前ではなく「巨漢」とか「マッチョ」とか属性で呼ばれることが多い。
偉大な先人の印象が強すぎる。

名前が異なる兄弟が総勢5名おり、アンドレ一族でも成し遂げられなかった五兄弟総登場で襲い掛かってくるシーンでは、
あまりの画面のシュールさと、こいつらの耐久力のためにうんざりした人も多いだろう。*3

+ 5人揃って!
  • 趙熊(Zhao-Xyong):本項参照。ROUND2から登場する。なおトップの画像だと分かりにくいが肌の色と似ているだけでズボンはちゃんと穿いている。
  • 趙紳(Zhao-Shen):青を基調とした服を着ている。趙熊とコンビでROUND2から登場。
  • 趙錘(Zhao-Chui):黄緑を基調とした服を着ている。ROUND4から登場。
  • 趙明(Zhao-Ming):兄弟の中で一際目を引く褐色肌の持ち主。ROUND6から登場。
  • 趙触(Zhao-Chu):若紫を基調とした服を着ている。ROUND7から登場し、これで兄弟揃い踏みとなる。

兄弟総登場は下の動画の12:00あたりから。
この中華アンドレ×5を撃破した後、次のステージではまた中華アンドレ×3が待っている……。

+ 外部出演?
中国が作ったAndroidアプリ『逆轉三國』に兄弟共々出演している。なんか一人足りないような……。

彼らの他にも曹操軍の女刺客三姉妹や、『天地を喰らうII』バージョンになった武将達が数名登場していたり、
淳于導というマイナーな武将が大斧持ったハゲという99%間違いなく『天地を喰らうII』からのビジュアルであろうと思われる格好で登場していたりする。
何故かそのハゲが美形化されているという謎の待遇も加えて。

+ 見ると絶対驚く

※『天地を喰らうII』ではただのオッサンです

どうも「いかなるザコだろうと美男美女にする」という方針があるらしく、
霊帝劉宏とか荊州四英傑とかまで無茶苦茶かっこよく描かれている。
イラストのセンスは日本でも通じるというか日本向けみたいな感じで、武将一覧を眺めていると中々楽しめる。
武将はかっこいいしSD化されて可愛いし、女性キャラはエロかっこよく、武将の女体化なんてのもある。

……が、この『逆轉三國』というアプリ、ゲーム内容はバズドラのパクリと言われていたり、
武将一覧の中にどう見てもポケモンとか悟空とか黄金聖闘士がいたりして、
本当に版権取った正式なコラボなのかどうかよく分からない……。
「無断借用である」というソースも無いので断定的な事は言えないが。MUGEN界隈が著作権について他人をとやかく言えた立場じゃ無いしね……


MUGENにおける趙熊

キャノン娘氏が製作。
原作のスプライトを使用し、原作で行ってきた攻撃を必殺技として作っている。
ボイスも原作のもの…と言っても趙熊に限らず雑魚敵は断末魔の「ぐぁっ!」位しか声がないので、プレイヤーからも流用されている。
そのため投げを仕掛ければ力強く「うおりゃあぁー!!」、勝利時には「敵将、討ち取ったりぃ~!」と決めてくれる。
なおダメージボイスも複数あり、連続技を叩き込むと「グァッ!ウアァァー!!ウウウウアァァー!!」と暑苦しい
もとはベルトスクロールアクションの雑魚敵なので技数は少なく、普通の格ゲーキャラのように多彩な行動はできない。
まず下段技が一切無い、というかしゃがみ技が全く存在しないあたりが苦しい所。
一応「しゃがむ」という行動はあり、しゃがみガードも可能。
原作にはガードモーションも無いので他の画像を流用し、レスラーのように堂々と肉体で相手の攻撃を受け止める格好になっている。

体格はヒューゴーと同等の巨体、体力は1150あり、攻撃はどれも当たれば2割5分くらいは持って行くパワーを持つ。
その反面、連続技はまるで無く(基本技キャンセル必殺技すらできない)単発の攻撃が当たったら凄く痛いという形の戦力構成。
ほとんどの技は大ぶりで、ガードされると大きな隙ができる。必殺技の削りも大きいが、対戦する時は落ち着いてガードして技の隙に反撃しよう。
前述のように下段技が存在しないので、立ち/しゃがみの揺さぶりは無い。
そのため、相手のガードを崩すための通常投げは間合い・威力共に強烈。流石はアンドレ系という破壊力を持っている。

公開当初はカラーパレットが青だけしか無かったが、その後の更新で兄弟5人分のカラーパレットが揃った。
AIはデフォルトで搭載されており、持ち前のタフさと凄まじいパワーを活かした接近戦が得意。

出場大会



*1
このゲームの設定では関羽は245cm、張飛は250cmということになっている。
曹操軍の猛将達は関羽達よりさらに大きく2.5m~3m級の巨人は当たり前、
呂布に至っては窮屈そうに体をかがめているのに超巨体という3m以上は確実の化け物。
この世界の曹操軍の武将達は拳王軍よりもでかいのである。
まぁ本宮ワールドにこのへんの突っ込みを入れても追い付かないので仕方がない(なにせあのミヤレの師匠である)。
原作漫画はもっと凄いからとにかく読むべし。

……尤も元ネタの『三国志演義』でも関羽がも210cmぐらい、呂布が230cmぐらいと記されており、
兀突骨(ごつとつこつ)に至っては280cmぐらいあったそうな。
そもそも『三国志演義』は歴史書ではなく奇書(娯楽小説)なので、誇張表現が凄かったのだろう(要は『暴れん坊将軍』等と同類である)。
青龍偃月刀(関羽の武器)も50kg越えと言う無茶苦茶な重さだし
ただし歴史書の方でも劉備が175cmぐらいと書かれており、関羽の身長は明記されていないが、劉備よりは大きいはずである。
まぁ歴史書だとしても数字を盛っている可能性はゼロではないが。

*2
実は天地2において数少ない、武器を一切使用しないキャラである。
作中では基本素手で戦う関羽や張飛、夏侯惇や女刺客といった連中でさえ、騎乗すると何故か武器を持っていたり、短剣や爆弾を隠し持っていたりする。
他に武器を使わない者は夏候恩がいるが、彼は攻撃手段自体を持たないいわばボーナスキャラ。
しかも倒すと演義と同じく青釭の剣を落とすので、彼とて武器を持たずに戦場に来ているわけではない(グラフィック上でもしっかり背負っている)。
本当に己の肉体一つで戦っているのは趙熊とその兄弟だけなのだ。・・・・すごい漢達だ。
だが、一番すごいのはこんな連中がひしめく曹操軍百万にゲーム上仕方ないとはいえ単騎(最大でも三騎)で殴り込むプレイヤー武将の皆さんであろう。
上記の通り原作漫画も大概ではあるのだが、それにしたってこんな無茶ぶりをやらせて来るとか孔明はか。

*3
同じような敵が5人いるだけなので、難易度としては『ファイナルファイト』の最終防衛地帯
(アンドレ×2、エルガド×2、ポイズン×2、突進デブ×2の総攻撃)の方がきついと思われる。
古代中国の軍隊より強いメトロシティのチンピラ達はまさに驚異としか言いようが無い。


最終更新:2022年07月21日 02:49