狂オシキ鬼








 「我、遂に鬼と成る!」


豪鬼が殺意の波動に曝され続けた結果、完全に人外へと成り果てた姿である。
「くるおしきおに」と読む。間違っても狂オシオキ(お仕置き)鬼ではない。
英語表記はOni)。
『スーパーストリートファイターIVアーケードエディション』で隠しボスとして初登場した。

+ 乱入条件
•ノーコンティニューかつセス戦まで1ラウンドも落とさない
•規定回数(2R先取なら2回)以上パーフェクト勝利する
•ファーストアタックを規定回数(2R先取なら10回)以上
•セス戦の最終ラウンド以外でスーパーコンボまたはウルトラコンボでラウンド数設定+2回以上相手をK.O.する
•セス戦の最終ラウンドであけぼのフィニッシュを決める
これらを全て満たせば、セス撃破後に乱入する。
また、性能がプレイヤー版に比べ、
  • 体力増加(950→1050に)
  • 移動速度向上
  • 豪波動拳がタメ無しで2ヒットし気弾も途中で消滅せずEXは3ヒットする。また、技後の硬直時間も10F程短縮
  • 轟雷波動拳は発生と弾速が早い
  • 豪昇龍拳は着地硬直が1F、弱には無敵時間が存在する
  • 羅漢断塔刃は回転終了後の硬直が10F程短縮
  • 赤星地雷拳は攻撃速度が向上
  • 瞬獄殺がガード不能技に変更されてコンボパーツへ組込可能になり、のけぞり状態or空中やられ状態の相手も吸込可能
と大幅に強化されている。

容姿は豪鬼から大きく変更されている。
ザンバラとなった頭髪は白く輝く焔のように揺らめいており、肌は紫(公式イラストなどでは青)で、眼は眼球が赤く瞳が黄色い。
殺意の波動を開放したときには肌は黒く、眼が赤くなる。それまで着用していた黒い胴着は上半身が滅失している。
さらに全身から青白い炎のような殺意の波動を常時噴出させている。
加えて通常技及び特殊技(いずれも強)そして必殺技以上の一部になると自身の攻撃部位(Pでは二の腕まで、Kでは踝まで)が滾ったマグマの様な色に変わり、
背中には「天」或いは「无」を象った紋様が現れる。

同作の殺意の波動に目覚めたリュウが赤鬼なら、こちらは青鬼といった所か。

かつての自分に「我は既に汝に非ず 鬼也」と言ったり、勝利ポーズで「我、人間(ひと)に非ず…」と発言するなど、
最早人間としての肉体や感情がほとんど残っておらず、純粋な闘争本能だけでその形態を保っている。
その余りの禍々しさと強さの前に、彼の前に立った者は死力を尽くして戦うか、諦めて死ぬかしかないといわれる。まさにオシオキ。
まぁ、鬼にならなくても隕石やエアーズロックを素手で砕いたり、森林を一面焼け野原にしたりしてるけどね

なお、豪鬼はストーリー上後の作品となる『V』や『III』でも健在であるため、時系列を考慮するとこの狂オシキ鬼はイレギュラーな存在である。
ローズを使用した時に聞ける乱入時の台詞でも、自身を「宿命(さだめ)を外れし者」と語っている。
予知能力を持つローズも、狂オシキ鬼の出現を全く予知できていなかった。

『IV』の開発陣は、この狂オシキ鬼について、あの真・豪鬼を超えるキャラクターとして作ったと語っており、
同時に真・豪鬼はプレイヤーに超えて欲しい存在であり、決してプレイヤーキャラとしての解放は無いとも明言している。


「天地の隔たりを見極められぬとは、哀れ也」


原作中の性能

以上の設定から、豪鬼を進化させたような性能に見えてしまうが、実際にはむしろ剛拳に近い。というか剛拳を基にして作られている。
体力は増えたものの気絶値は低いままで、「斬空波動拳」や「阿修羅閃空」など、
豪鬼の攻守の要だった技の多くが削除され、代わりに「斬空波動掌」という空中移動技や自動めくり攻撃「羅漢断塔刃」、
さらに即座に空中判定になる「赤星地雷拳」などの奇襲性能に優れた技が追加されている。

また後ろ歩きの速度が速く相手の牽制を外しやすく、ゲージを絡めたコンボ火力と蓄積するスタン値がかなり高い上、
ゲージ効率も良く、さらに空中で瞬獄殺を使用可能になっている(空中で使用した場合は空中の相手しか掴めない)。

しかし、前歩きとフロントステップの速度が遅く、こちらから近づくのが大変であり、セービングアタックの間合いが狭く、
さらに剛拳以上に大振りで隙の大きな技が多く、豪波動拳に射程制限があるため波動昇龍には向かず、
また切り返しやセットプレイも弱いため、弱キャラとされる。

ウルトラコンボは「滅殺豪波動」「天魔豪斬空」の強化版にあたる「冥恫豪波動」と金剛國裂斬に似たモーションの「天地双潰掀」。
「冥恫豪波動」は真横に滅殺豪波動を放つ技だが、至近距離でヒットすると逆の動作でもう一度発射して追撃する演出に変化する。
2発目は相手の肉体を貫通し、背中側で黒い天をイメージさせる爆発を起こす。
また、この技で相手をK.O.させると狂オシキ鬼の高笑いが聞こえる。
ちなみに『IV』における殺意リュウは、リュウがこの技を受けた後、殺意の波動に目覚めた存在である。
対空版にあたる滅殺豪天破は真上に、空中版の滅殺豪斬空は空中から斜め下に滅殺豪波動を放つ。これらには演出変化によるダメージアップはない。


「死屍凄愴、此処に極まれり!」

+ 外部出演
『ストリートファイター クロス 鉄拳』の豪鬼のエンディングにも登場。
豪鬼は「我を招いた者」「影より生まれし者」と呼んでいる。
後者は、『スパIIX』の豪鬼のエンディングにおける、
敗北したCPU豪鬼の「オレはキサマのかげ……。かげにみいられし者は死す……キサマも終わりよ!」というセリフからのセルフオマージュとなっている。
また、ここでの狂オシキ鬼はパンドラの力さえ取り込んでいると示唆されている。

CAPCOMのアクションゲーム『アスラズラース』にもDLCで豪鬼の第2形態として参戦。
豪波動拳連射や巨大な轟雷波動拳など、『ストIV』シリーズとは比較にならない強さを発揮し、
主人公のアスラ大気圏を超える500年にも渡る激闘を繰り広げた。

+ アメコミでは
『III』の時期を描いたシリーズに登場。ストリートファイター達がギルを倒した後でリュウと戦う。
しかし殺意の波動を完全に克服……というかギルの力で右半分が通常リュウ・左半分が殺意リュウと化した究極状態のリュウには敵わず、
リュウが剛拳から受け継いだ不動震によって瞬獄殺を打ち破られ、正に完全敗北を喫した。



MUGENにおける狂オシキ鬼

再現系

+ Borewood氏製作 スパIVAE仕様
  • Borewood氏製作 スパIVAE仕様
MUGEN1.0以降専用。
セスハン・ジュリ同様根性キャプで製作されたと思われる原作3Dを用いて製作されたもの。
ウルコンゲージやセービング、技演出などかなりの再現率を誇るが、その分容量も凄まじい(SFFだけで170MB)ため注意。
ちなみに音声は英語。

ホルン氏による外部AIが存在し、恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルに加え、ウルトラコンボの選択が設定可能。
想定ランクは強とのこと。

+ chuchoryu氏製作 CFJ_Oni
  • chuchoryu氏製作 CFJ_Oni
かつては下記の動画および海外サイト「The Mugen Multiverse」から入手できたのだが、
前者は現在リンク切れ、後者はデータが後述のLESSARD氏製に差し替えられているので注意。

CVSドットの豪鬼を改変して製作されたと思われる狂オシキ鬼。
ドットの完成度が高く、『スパIV』の狂オシキ鬼の特徴が史実に再現されているが、
阿修羅閃空や金剛國裂斬が搭載されているなど多少のアレンジが加えられている。
初期に公開されたものはEX必殺技が未搭載で、波動拳の溜めが行えず、音声は英語となっていた。
2016年8月に本体が更新され、原作に合わせ体から殺意の波動が出るようになった。
他にもEX必殺技の追加、必殺技の羅漢断塔刃の動作がより原作に近くなる、波動拳の溜めが可能、音声が英語から日本語に変更と、
大幅にバージョンアップしている。

2017年6月に再度本体が更新された。この更新でキャラ本体のデザインがマイナーチェンジされ、
併せて立ち姿勢及び体から出ている殺意の波動の色が変更されている。
また羅漢断塔刃ではエフェクトが追加された。
音声は日本語と英語の2種類が用意されており、好きな方を設定することが可能(デフォルトでは日本語)。
強力なAIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

+ LESSARD氏製作 ONI By LESSARD
  • LESSARD氏製作 ONI By LESSARD
MUGEN1.0以降専用。
2021年11月に公開された狂オシキ鬼で、現在「The Mugen Multiverse」から入手可能なのはこちら(ただし画像はChochoryu氏製のまま)。
chuchoryu氏の狂オシキ鬼をベースにドット絵やエフェクトの追加・調整を行い、より原作に近い性能になるよう改変されている。
システムは改変元と同じくPotS氏風で、音声も日本語。
ただし、AI戦時に技表に無い阿修羅閃空を使ってきたり(改変元の名残?)、
コンボを食らっている途中に復帰して反撃してきたりと、未調整の部分が残っている模様。
また、大ポトレの仕様が標準と異なるため、気になる人はchuchoryu氏のものと差し替えても良いだろう。
強~凶レベルのAIがデフォルトで搭載されており、PotS氏の神人豪鬼と対等以上に戦えるレベルとなっている。
紹介動画

アレンジ

+ Borewood氏製作 Omni(全鬼)
  • Borewood氏製作 Omni(全鬼)
WinMUGENでも動作可能だが、MUGEN1.0以降推奨とのこと。
Werewood氏改めBorewood氏お馴染みの、根性キャプチャによるアレンジキャラ。狂オシキ鬼というよりほぼ別キャラに近い。
セービングアタックなど『IV』の各種システムに加え、オリジナル技まで搭載されており非常にクオリティが高い。
また、設定で原作の溶岩ステージを背景にすることも可能。なお、音声は英語である。
しかし容量も尋常ではない(SFFだけで200MB以上)ので、PCに相応のスペックが要求される点には注意。

ベガギルセスサガットを倒して彼らの能力を吸収し、超人「Omni(全鬼)」と化した豪鬼。
今や彼は、殺意の波動と轟鉄の数珠の力を完全にコントロールする術を身に付け、MUGEN界の名だたる強者達を葬り去らんとしているのだ!
(read meより)
……という設定らしい。轟鉄の数珠ってそんな設定あったっけ?
ギルのパワーの影響か、体色がセンターマン赤と青の2色に分かれ頭髪も金色に。だが氷の力は備わってはいないようだ。
イントロでシリーズ初登場時の演出の如く上記の4人を瞬獄殺で葬り、この姿へと変身する。
…が、試合の間中ずっと4人の死体が放置されるのでシュールである。そして2Dドットのギルが1人浮いている

技のラインナップは基本的に豪鬼をベースとしているが、上記の通りオリジナル技も多数搭載されている。
一際特徴的なのは「轟鉄の数珠」で、この技はコマンド入力1回につき数珠を1つ、最大7つまで身に纏う、というもの。
纏っている個数によってチェーンコンボやガードキャンセル、果てはリザレクションといった要素が解禁され、
更に最大まで纏うと「滅殺豪波動」「滅殺豪昇龍」「滅殺豪螺旋」の3つのスーパーコンボ及び、後述のウルトラコンボが強化される。
他には豪鬼の姿をした影の様なものを出現させて盾にする「修羅之影」や、暗転演出だけを発動してフェイントをかける技といった変わり種も。
更に「金剛國裂斬」は地面へ拳を打ち込み、衝撃波で相手を空高く吹っ飛ばす通常必殺技になっている他、
お馴染みの瞬獄殺は従来の正面からのものに加え、なんと背後から襲いかかるバージョンまで身に付けた。まさしくである。

オリジナルのウルトラコンボはどれもド迫力のカットインと共に発動し、中でも数珠全開時に使用可能な相手を溶岩に突き落として即死させる技は必見。
火山弾を降らせる技もあるが、こちらの強化版は自身も火口へダイブし、バカでかい火山弾と化して特攻する、というちょっとシュールなものになる
いずれもリベンジゲージが溜まり次第放てるようになるため非常に強力。

AIもデフォルトで搭載されており、起動すると一部性能と必殺技がAI専用のものになる。
具体的には数珠を一気に7つ纏い、豪波動拳が2ヒットする「灼熱波動拳」へ変化する(しかも攻撃を2発当てないと相殺出来ない)他、
滅殺豪波動も2発連続で放ってくるようになる。
また、修羅之影を使用すると影がっぽいモーションで本体を攻撃し、少量のダメージと引き換えにゲージを溜める技へ変わる。
溜まる量はゲージ1本分で、全鬼の最大ゲージは1本であるため実質ゲージが満タンになる。
ただし影の攻撃がヒットしなければ意味がなく、相手にヒットした場合は相手のゲージまで増えてしまうという欠点も。
AIは「金剛國裂斬でバウンド→灼熱波動拳で拾う→金剛國裂斬で(ry」というお手玉を頻繁に狙ってくるので、対応できないと削り殺されてしまう。
その上隙あらば修羅之影でゲージを溜めてから高確率で瞬獄殺をぶっ放してくる。しかも背後から
…こう書くといかにもボス仕様といった感じではあるが、修羅之影のゲージ溜めは上記の通り妨害可能だったり、
ガードがやや甘かったり、何よりウルコンの使用頻度が低いこともあって、意外にもその強さは控えめ。
プレイヤー操作で挑んでみるのも有りかも知れない。運が悪いといきなり即死技が飛んでくるが
ちなみにAIの起動がやや遅いため、対AI戦時は常時起動にしておいた方が無難。

この他にホルン氏が外部AIを公開しており、恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルに加え、
ブロッキング頻度や数珠の解放率などが設定可能。想定ランクは強~凶上位とのこと。


「軈ては死すら、消え果てん…」

出場大会

【全鬼】


関連項目



最終更新:2022年12月13日 20:05