ポケットモンスター


不思議な不思議な 生きもの
動物図鑑には 載ってない
ポケットモンスター ちぢめてポケモン

『ポケットモンスター』(またの名をポケモン)とは、ゲームフリーク開発の携帯ゲームシリーズ及びそれらに登場する架空の生物の総称である。
なお、漢字表記では「携帯獣」と書くという設定が存在している。


概要

舞台は、不思議な生き物「ポケモン」が生息する現代風の世界であり、プレイヤーはポケモントレーナーとして、
ポケモンを戦闘・収集しながら「ポケモン図鑑」の完成を目的として旅に出て、その過程で悪の組織と戦ったり、
ジムリーダーや四天王などの強力なトレーナー達に挑む、というのが大まかな物語の流れである。

生みの親である田尻智が、少年時代に趣味としていた昆虫採集及び『ウルトラセブン』のカプセル怪獣から着想を得て、
既存のRPG作品の要素に加えて、主人公がモンスターを収集し、他のプレイヤーと交換したりする作品を構想した結果、誕生した。
当時のRPGにおいて「キャラクターの収集」「他プレイヤーとの交流」は革新的なアイデアであり、後のゲーム作品にも大きな影響を与える事になる。
『ポケットモンスター』というタイトルも当初は『カプセルモンスター』だったのだが、登録商標に引っかかったので現在の名前になったとか。
更に海外で売り出す際、英語でのポケットモンスターにはとある意味(隠語)があった事から、
今度は『モンスター・イン・マイ・ポケット』*1という商標に引っかかったので、海外では『ポケモン』が正式名称になっている。
なお、「Pokemon」だと英語圏の人にはポキモンと読まれてしまいかねないためか、
公式表記は「Pokémon」とeの上に(エと発音することを示す)アクセント記号を打ったものになっている。
それでもポキモン読みが後を絶たないらしいほか、『サウスパーク』でも「チンポコモン」とネタにされた

2バージョン同時発売という前例のない販売形態は当初こそ賛否が分かれたが、口コミによって徐々に人気が広がり、
コロコロコミックの宣伝やアニメなどのメディアミックスによって人気が爆発して、20年以上続くヒットコンテンツとなった。

2010年代に入ってからは、2016年に配信開始されたスマートフォンアプリ『Pokemon GO』のヒットが印象深いものと思われる。

+ ポケモンそのおさらい

先述した通り、『ポケットモンスター』はゲームフリークが開発した蒐集&対戦RPGである。
本作の主な目的は全てのポケモンの入手、その他RPG定番の要素として全国を戦い回りポケモンリーグ殿堂入りも並行して目指す事になる。
通信プレイに対応しており、その促進戦略として入手可能ポケモンの異なる2バージョン展開を行った初のタイトルとして有名。
発売当時縮小しかけていた携帯機市場を回復させるモンスターヒットを飛ばした。
また「幻のポケモン」などといった隠しキャラをプロモーションとして限定配信、
という戦略もポケモン発で、これらの戦略を引っくるめ「ポケモン商法」という販売スタイルとして確立するに至る。
本作の登場以降に発売された収集系RPGのほとんどが通信対応になるなど、ゲーム業界に大きな影響を与えている。
その通信機能も大本を辿れば、「とりあえず」付けられ「なんとなく」残されたものだというから驚くばかりである。

多彩なポケモンと「わざ」の存在から、ポケモン毎に制約はあれど脳筋から博打まで戦術の自由度は非常に高く、
また、運と相性が絡みやすいシステムから格上を読みや事故で喰いやすいため、能力が強いだけでは勝ち残れない大味さも併せ持つ。

成長率はランダムではなく、個体毎に能力が微妙に異なり相手を沢山倒すほど基礎ポイントが蓄積し更に強くなる、というシステムも特徴の一つ。
…この仕様から廃人育成向けのシビアな理論値厳選ゲーの道を歩む事になった事は、相応に経験を持つゲーマーならば知っていよう。
公式のやりこみ面での情報開示の少なさや
(種族値の数値公開は初代攻略本のみ、対戦育成で重要な基礎ポイントに至っては非公開な点が非常に多いため、
 ほぼ「努力値」という通称でしか呼ばれていない)、
「元より戦闘向けでない」「環境に恵まれない」「技が足りない」ポケモンの強化要望など、
対戦ツールとしてシフトされたが故の課題点も少なからず抱える繊細で大味なゲームである。
『BW』では新ポケモンやシナリオなどの面でバトル向けにシフト。
『BW2』ではこっそり基礎ポイント252調整が手軽になっているなどの調整により「対戦ツール」としての比重が更に高くなっている。
しかし、忘れてはいけないのは、こうしたマニア向けのプレイは飽くまで「隠し要素的なもの」であり、
こうした遊び方をしている人は全国のポケモンプレイヤーの中でほんの一握りでしかないという事。
そのため、あまり所構わず「バランス云々」「○○の技が云々」と言うと迷惑になる場合があるので注意しよう。
対戦だけが全てではないのだ(尤も、プレイヤーの多いゲームなので「ほんの一握り」でも結構な数ではあるが)。
とにかく!みんな、楽しくポケモンしようぜ!

また、ゲームを原作としたTCGも遊戯王と並んで国産TCG屈指の売り上げを誇る。
GB時代にはそのTCGのゲームも発売された。


ちなみに版権(株式)は任天堂、株式会社ポケモン、ゲームフリークの3社で3等分しており、任天堂は他より1%多いという構成である。
そのため、任天堂本体は『ポケモン』にはあまり大きく口出しできない立場であるので、
『ポケモン』に関する意見はゲームを製作しているゲームフリークや株ポケに進言しよう。


シリーズ

+ 各シリーズの簡単な詳細
基本的には1世代ごとに2バージョン同時に発売され、
後になってからシナリオや仲間にできるポケモンの変化だけでなく
新たな要素や施設を追加したマイナーチェンジ版が発売されるというパターン。
第3~6世代ではその世代に合わせた仕様でリニューアルされた旧世代のリメイク版も登場している。

なお、「第〇世代」という呼称はプレイヤー間での便宜上の物であり、公式では特に定義されていないので注意されたし。

第1世代(赤・緑・青・ピカチュウ)

記念すべき1作目。通称初代。
当時は、現在の特攻・特防が「特殊」で一本化されていた他、ニドラン以外は性別の概念が無かった。
戦闘システムは、エスパーが同タイプ以外では半減できないため猛威を振るった。
また、裏技が多く発見されており、以降の世代でもユーザーがいかに裏技を発掘するかが一種の様式美となっている。

フシギダネフシギソウフシギバナヒトカゲリザードンゼニガメカメックス
キャタピースピアーオニドリルアーボックピカチュウニドラン♂プリン
ディグダコダックフーディンヤドンゴローニャコイルドードー
ベトベトンゴーストゲンガーイワークビリリダママルマインマタドガス
ラッキーサイホーンサイドンスターミーカイロスケンタロスコイキング
ギャラドスメタモンイーブイシャワーズサンダースブースターオムナイト
プテラカビゴンサンダーミュウツーミュウ
【ポケモン以外】けつばんナツメポケモントレーナーモンスターボールゆうれいロケット団

第2世代(金・銀・クリスタルバージョン)

前述の特攻・特防が分割された事に加えて、新システム「タマゴ」、「色違い」が追加された。
新たにはがね・あくタイプが追加されエスパー一強は終わりを迎えた。


第3世代(ルビー・サファイア・エメラルド/ファイアレッド・リーフグリーン)

新要素「特性」の追加によって、単なるカタログスペックだけに由来しない戦闘の奥深さが増した。
また、データ上のポケモンの才能とも言える個体値が規格化したのもこの世代である。
加えて、「性格」という形で能力値の伸びしろが表示されるようになり、強いポケモンの育成計画が立てやすくなった
(具体例として、特殊アタッカーは実戦で使い道のない「攻撃」にマイナス補整がかかる「ひかえめ」「おくびょう」の個体にして長所だけ伸ばす、等)。


第4世代(ダイヤモンド・パール・プラチナ/ハートゴールド・ソウルシルバー)

それまで、技がタイプによって物理と特殊に分かれていたのが、技ごとに個別に判定されるようになった。
これにより、タイプと種族値が噛み合わないケースが激減する事になる。
また、あまり環境で活躍できなかった既存のポケモンに大量に進化体が追加されるなどのテコ入れが行われた。


第5世代(ブラック・ホワイト/ブラック2・ホワイト2)

『ブラック・ホワイト』は「殿堂入りまでは新ポケのみ」というコンセプトで制作されており、クリアまで既存のポケモンが一切登場しない初の試みが行われた。
新たに「隠れ特性」という要素が追加され、特にそれまで伝説の専売特許だった「永続天候操作」の特性を持つポケモン達が大活躍した。
またインターネットと連動したサイト「ポケモンドリームワールド」が存在していた(2014年1月14日を以て終了)。


第6世代(X・Y/オメガルビー・アルファサファイア)

本作を以て、ステータス画面や戦闘時などポケモンはほぼ3Dで表現される事になった
ドットが完全に廃止されたわけではなく、手持ちやボックスで表示されるミニドットは全てのポケモンがリニューアルされている)。
また、『金・銀』以来となる新タイプの「フェアリー」が登場。完全新規のポケモンはもちろん、
既存のポケモンでも複合となったサーナイト、それまでのタイプから変更されたプリンなどがいる。
さらに一部のポケモンには戦闘時のみパワーアップして姿が変わる新要素「メガシンカ」が追加された。
また、この世代から6文字の名前のポケモンが追加されるようになった。


第7世代(サン・ムーン・ウルトラサン・ウルトラムーン)

ストーリー面ではジム制やひでんマシンが廃止され、それぞれZクリスタルを集める「島巡り」と「ライドポケモン」がその代りを担うように。
対戦面では多くのポケモンの特性が見直され、それまで強力だったポケモンが弱体化されたり、逆にマイナー気味だったポケモンが強化されたりした。
さらに戦闘中に1度のみ技を超強化する新要素「Zワザ」も追加され、より戦局が多様化した。
前世代で新参だったフェアリーはこの世代で大幅な強化が行われた。
また、既存のポケモンの亜種に相当する「リージョンフォーム」の概念が登場した。
リージョンフォームは見た目だけでなくタイプや特性なども異なり、ある種のEXキャラクターのような位置付けになっている。


第8世代(ソード・シールド/ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール)

番外である『ポケモン Let's Go! ピカチュウ・イーブイ』に続き、対応機種がNintendo Switchとなった。
メガシンカ・Zワザが廃止された代わりに、新要素「ダイマックス」が登場した。
ジム制が復活し、サッカースタジアムのような試合会場、試合中は専用のユニフォームに着替えるなど演出面が強化されている。
前世代と同様にリージョンフォームが登場したが、既存の進化体のリージョンフォームだけでなく、
そのリージョンフォーム特有の分岐進化が登場した。
また、性格補正を変更させる新アイテム「ミント」が登場した
(性格は変わらないので、ポケモン預かり屋でタマゴを作るとそのポケモン本来の性格が遺伝する)。
他にも特定の場所で進化するという要素が廃止され、これにより一部のポケモンの進化方法は変更になった。
一方で一部の技・ポケモンがゲームへの実装を見送られる(後に一部はDLCで復帰)というポケモン史に残る出来事も起きた。


第8世代番外(LEGENDS アルセウス)
後にシンオウ地方と呼ばれる地に存在した太古の「ヒスイ地方」が舞台で、
従来と異なるアクションロールプレイングゲームとなっている。
まだ、バトルや捕獲のノウハウが確立されていない時代が舞台という体裁で、
プレイヤーはフィールドアクションを行いつつ、戦わず捕獲したりバトルを行う従来とは完全に異質なシステムとなっている。
ポケモンで番外作品はいくつかあるが、極めて特殊な事例であるメルタンの一件を除けば、
番外作品でありながら既存の作品(現代のシンオウ等)に生息していない新顔のリージョンフォームが複数登場するなど、シリーズ初の試みが行われた。

第9世代(スカーレット・バイオレット)

従来のノウハウを継承しつつ『LEGENDS アルセウス』のシステムを改善・発展させた、オープンワールド形式のRPGとなっており、
さらにストーリーもポケモン作品史上初の学園ものとなっており、学校の課外活動という名目で、
ジム制覇「チャンピオンロード」、ヌシポケモンとの戦い「レジェンドルート」、悪の組織であるスター団に挑む「スターダスト☆ストリート」、
の3つのルートのイベントをある程度順不同で勧められるなど、自由度が高い作品となっている。
また、これに伴いトレーナー同士は目が合ったらバトルというこれまでのお約束も、強制ではなく任意に話しかける形式に変更された。
その他、シリーズでは初となる単体の女性のライバルキャラが登場した。
選ばなかった性別の主人公キャラのライバル枠流用や男女混合の複数ライバルキャラなどは前例があったが、固定かつ単身の女性ライバルは何気に本作が初である。
加えて、従来ではストーリーの要として扱われる本作の伝説枠に相当するポケモンがライドポケモンとして序盤から主人公の旅に同行しているという点もシリーズ初。
ついでに、挿入歌を世界的に有名なシンガーのエド・シーラン氏が担当したのも話題になった。
戦闘面では天候「あられ」が「ゆき」に差し替えられた他、新要素「テラスタル」が新規登場。
さらに、異なる時間から現代の世界に出現した「パラドックスポケモン」が登場している。

+ 用語
  • タイプ
一般的なRPGで言う「属性」に相当する概念。
ポケモンでは第8世代現在、全部で18種類存在しており、それぞれが有利、もしくは苦手な相性を持つ。
使い手のタイプと技のタイプが同じだった場合、「タイプ一致」という補正が発生して、威力が1.5倍になる。
ポケモン1種類につき2つまでタイプを持ち防御相性が複合する、攻撃面と防御面で有利不利が必ずしも一致しない、
特定の技や特性でタイプ相性に干渉できるなど、数の多さも相まってこの手の属性相性では随一の複雑さを誇る。

  • 特性
一般的なRPGで言う「パッシブスキル」に相当する概念。
常時、もしくは特定の条件を満たす事で発動する、自動効果。
戦闘に関連するものが大半だが、中には強すぎるパラメーターを持つポケモンを抑制するデメリットしかない特性や、
捕獲、アイテム収集、エンカウント関連などに干渉するものも存在する。
ポケモンの種族ごとに持ちうる特性の候補が複数あり、各個体ごとにそのうちどれかひとつをランダムに持っている。
特に、「隠れ特性」という特性の個体は入手にやや手間がかかる。
基本的に生まれつき決定されているものだが、後に後天的に特性を変更できるアイテムも登場した。

  • 状態異常
RPGでは定番の要素だが、ポケモンでは戦闘後も持続する「ねむり」、「まひ」、「どく(もうどく)」、「やけど」、「こおり」を「状態異常」、
戦闘終了後は効果が消える「こんらん」、「メロメロ」は「状態変化」と呼ばれる。
また、戦闘不能に相当する「ひんし」も一種の状態異常に含まれる。
「状態異常」は原則として1種類受けると他と重複する事は無い。
本来は受けるとデメリットしかないが、一部の特性は状態異常をトリガーに強力な補正を発揮するものが存在している。
MUGENで一部が拘束技やスリップダメージなどで再現されている。

  • 進化
レベルアップなど特定の条件を満たす事でポケモンに起きる現象。
種類にもよるが、姿が変わり種族値が上昇する。一度進化すると、進化前の形態に戻す方法は存在しない。
また、複数の進化先があるポケモンも存在する。

  • 通信交換
お互いのポケモンを一匹ずつ選び、交換するシステム。
バージョンによって出現するポケモンが違うので、図鑑完成には必須の行為であり、
かつ一部のポケモンは通信交換で進化する種類も存在しており、やり込み勢には欠かせない存在である。
特に、第6世代で実装された「ミラクル交換」は気軽に交換できる利便性から話題になった。

  • ジムバッジ
ゲーム中で遭遇するジムリーダーを倒した際に入手できるアイテム。
交換などで入手したポケモンは一定のジムバッジを入手していないと、戦闘中に指示を効かない仕様となっている他、
特定のバッジを入手する事でフィールドに干渉する「ひでんわざ」が使用でいるようになり、行動範囲が広がる。
初期世代では所持しているとポケモンの能力値に補正がかかる効果もあったが、この機能は後に廃止されている。
第4世代以降は所持するバッジの数に応じてショップで上位のアイテムが購入できるようになる。
現実における資格・免許のような代物。

『LEGENDS アルセウス』ではナワバリの頂点に立つ「キング」「クイーン」と称される強力なポケモンと、
人間代表としてこれらの世話係・共存の窓口係である司祭のような「キャプテン」と呼ばれる役職があったことが判明しており、
この体制が共存が進むにつれて本編時点におけるジムの形に変遷していったことが示唆されている(アローラ地方は例外)。

  • メガシンカ
第6世代より追加された要素。
特定のポケモンに「メガストーン」という道具を持たせる事で戦闘中に実現できる。ただし、1戦につき1匹限定。
メガシンカしたポケモンは姿が変わり、種族値が大幅に上昇するだけでなく、種類によっては、タイプ・特性も変化する。


  • Zワザ
第7世代より追加された要素。
各タイプごとに存在する「Zクリスタル」を持たせるとそのクリスタルと同じタイプの技を強力な効果を持つものに変化させられる。
メガシンカ同様、使えるのは1戦に1匹まで。
攻撃技はタイプに応じた高威力の大技(威力は変化前の技によって100~200で変動)が派手な演出で繰り出され、
補助技は「Z○○」となって通常よりも効果が強化される。
例えばノーマルZをもたせてクリスタルを発動、通常は何も起きない「はねる」を使うと、自身の攻撃力3段階アップという破格の強化技に。
また、特定のポケモンには専用のクリスタル及びZワザも存在する。


  • ダイマックス/キョダイマックス
第8世代で登場した新要素。
8世代の舞台となる地方における「特殊なエネルギーでポケモンが巨大化する」という現象をバトルに取り入れたもので、
1戦に1匹まで使用でき、3ターン持続する。
ダイマックスしたポケモンは「ダイマックスレベル」に応じてHPが最大2倍に増加し、
技はタイプごとに用意された「ダイマックスわざ」へと変化。
これらの技はタイプごとに能力変化、天候操作、フィールド生成など様々な効果を持っている他、
「まもる」「みきり」を貫通してダメージを与えられる。
また、一部の種族には「キョダイマックス」という形態も存在。
通常のダイマックスとは異なる見た目になるだけでなく、独自の「キョダイダイマックスわざ」を使用可能である。
入手にはマックスレイドバトルで登場するキョダイマックスポケモンを捕獲するか、ある条件を満たすことでキョダイマックスに変化させることもできる。


キョダイマックスポケモンの中には、バタフリーダストダスなど、怪獣のオマージュとして枠に入ったと思われるポケモンもちらほら見られる。
また、「出現→巨大化→最大化」とぐんぐんカットのような3段階の出現シークエンスや、
3分間もとい3ターン限定など、ウルトラシリーズのオマージュと思わしき要素が多い。

  • テラスタル
第9世代で登場した新要素。
使ったポケモンはトレーナーが持つ「テラスタルオーブ」に貯められたテラスタルエネルギーの影響を受け、
全身が宝石のように光り輝き、頭に各「テラスタイプ」を象徴した鉱物のような装飾「テラスタルジュエル」を出現させ、
発動中ポケモンは保有していた「テラスタイプ」と同じタイプに変化する。
元が複合タイプでも別のタイプでも保有していたテラスタイプ単一に変化して、
さらに特性「へんげんじざい」や「はねやすめ」「もえつきる」などの技を使用しても変化することは無い。
元々のタイプとテラスタイプが一致していた場合、特性「てきおうりょく」のように威力が2倍にまで強化され、
異なっていても元のタイプの一致補正も失われないため、最大3種類のタイプを一致技として使う芸当も可能。
「テラスタイプ」は全てのポケモンが従来のタイプとは別に1つずつ持ち、
さらに、テラスタイプはポケモンの種類ごとに決まっているわけではなく個体により異なる。
大半のポケモンのテラスタイプは自分の元のタイプと同じで、孵化や通常エンカウントなどで入手するポケモンは、
タイプ1かタイプ2がランダムでテラスタイプとして備えられているが、特定の条件下で本来のタイプとは全く異なるテラスタイプを持つ個体が出現する。
このため、初見ではどのポケモンがどんなテスラタイプを備えているかを判別するのが難しいだけでなく、
長所の部分をさらに強化したり、タイプ変化で弱点を変化させて短所を補ったりと、同じポケモンでも全く別の戦い方をさせることが可能になり、
メガシンカやダイマックスのような切り札感は薄れたものの、戦略性は従来の世代よりも広がった。
また、連動技に使用者の攻撃と特攻の高さに応じて物理特殊判定が変わる「テラバースト」がある。

アイテムを持たせる必要はないが、一度使うとオーブ内のエネルギーが空になり使えなくなってしまい、
パルデア地方に点在する結晶体に触れたり、ポケモンセンターに行ってチャージするまで再使用できない。
テラレイドバトルや四天王戦及び学校最強大会など一部のバトルでもチャージ無しで再使用可能だが、
前者は上記の結晶体がチャージする、後者は施設内なので描写外でチャージしていると解釈可能。
ただし、原理は不明ながら本編「ザ・ホームウェイ」の最終局面にてこれらに該当しない状況で、
チャージなしで複数回テラスタルを使える「例外」が起きている。
後のDLC『藍の円盤』後はチャージなしで無制限にテラスタル可能になるが、
最終決戦の一件も永続的ではなかった点を除けば理屈は同じでその伏線・前振りと思われる。
また、同じくDLCクリア後に、テラスタルによってのみ得ることができる、
19種類目のテラスタイプ「ステラ」が解禁される。

  • 努力値
正式名称は基礎ポイント(努力値はネットスラング)。
ポケモンを倒したり、アイテムを使用する事で溜まる隠し数値。
現実で言う「修練の伸びしろ」に相当するもの。
倒したポケモンやアイテムの種類ごとに、HP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さのどれかに溜まり、
溜まれば溜まるほど、能力の伸びしろが高くなる。ただし上限あり。
普通にポケモンと戦いを重ねるだけで経験値とは別で溜まるものではあるが、無計画に戦わせると、
「物理アタッカーなのに特攻にポイントが入ってしまう」という事態も起こり得る。
前述したとおり、努力値には上限があるため、強いポケモンを育てたい廃人達はきちんと計画を立ててこれを振り分ける必要がある。
上限がある以上、「苦手な種族値に振り分けて補う」という使い方には限界があるため、
原則として「そのポケモンの得意分野」に努力値を振り分けてひたすら長所を伸ばす型が望ましい。
なお、世代を追うごとに努力値をリセットするアイテムや施設の登場、ゲーム内での可視化が行われたりするなど便利化が進んでいる。

  • 個体値
前述の6値ごとに、全部で0~31まである隠しパラメーター。努力値同様、ファンの俗称だがこちらは正式名がない。
同じ種類のポケモンでも、原則として個体ごとに6値のそれぞれの個体値は異なっており、
個体値が高ければ高いほど、その値は高くなる。
身も蓋も無い言い方をしてしまえば、「データ上におけるポケモンの才能」である。
「最大個体値」等の呼称では長ったらしいので、ユーザーの間では個体値31の能力を「V」、個体値30の能力を「U」、
逆に最も低い個体値0を「逆V」と略するスラングが使用されている。
サブウェポンとしてメジャーな技「めざめるパワー」のタイプ(第5世代までは威力も)もこれによって変わってくる。
余談だが、マーキング機能で6つあるマークを6値に見立ててメモ代わりに個体値最大の能力をマークしておけば、
複数同じポケモンを所持していてもどの能力が個体値最大かすぐに見分けることができる。
ゲーム中では、「ジャッジ」という人物などにより測定する事が可能だが、ポケモンが出現した瞬間決定するので、
上記の努力値と異なり、個体値を上げるアイテム「おうかん」が登場する第7世代より前はプレイヤーにとって干渉が不可能な領域だった。
※誤解です

  • 種族値
前述の6値ごとに存在する隠しパラメーター。個体値同様俗称で、正式名称は存在しない。
努力値や個体値と違い、こちらはポケモンの種族ごとに決められている数値であり、
このポケモンならHPが高い、こちらのポケモンなら素早さが低い、といったもの。
全てのポケモンで固定であり、変化させる方法は存在しない。


『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』



『ポケットモンスター』は多くの派生作品が作られたが、意外にも格闘ゲームと言える関連作品は『大乱闘スマッシュブラザーズ』くらいであった。
しかし、2015年に『鉄拳』シリーズのコラボレーション作品として初の格闘ゲームが制作された。
家庭版は2016年3月18日にWiiU版、2017年9月22日にNintendoSwitch版『DX』が発売。

登場キャラクター

  • バトルポケモン
ピカチュウルカリオスイクン、カイリキー、サーナイトゲンガーリザードン、マニューラ、バシャーモ、マスクド・ピカチュウ、
ジュカインシャンデラガブリアステールナーミュウツー、ダークミュウツー、ダークライ、ハッサム、グレッグル、エンペルト

  • 『DX』より参戦したバトルポケモン
ジュナイパー、ギルガルド、カメックス

フェイズ

本作のバトルは「フィールドフェイズ」と「デュエルフェイズ」の2つのフェイズを移行しながら進行する。

フィールドフェイズ
基本となるフェイズ。キャラクターが立体的なフィールドを自由に動ける3Dのフェイズ。
移動範囲の関係上、遠距離攻撃が真価を発揮する。特定の条件を満たすと、後述のデュエルフェイズに移行する。

デュエルフェイズ
オーソドックスな格ゲーの2Dバトルとなるフェイズ。十字ボタンの左右が前後の移動になり、コマンド技が可能になる。
こちらも、条件を満たすとフィールドフェイズに移行する。

わざ

通常攻撃
所謂格ゲーの基本技。

つかみ技
格ゲーにおける投げ技。
セオリー通りガードやブロックを突破できるが、通常技などの打撃判定には発生前に割り込もうとも相殺される。

ブロック攻撃
隙は大きいが相手からの割り込み攻撃を耐えつつの反撃もできる攻撃。
攻撃強度も高い傾向にあり通常攻撃とのかち合いでは基本有利。
仕様は『ストIV』のセービングアタックに近く、最大タメでの相手のブロック状態を崩したりタメ中からキャンセルしたりもできる。

      通常攻撃

     ↙     ↖

つかみ攻撃   →   ブロック攻撃

ゲーム中では上記のように技の相性の3すくみがあり、
この技の応酬に勝利するとクリティカルが発生し、与ダメージが上昇するうえ共鳴ゲージが増加する。

サポートポケモン

キャラセレクト時に選択できる、いわゆるストライカー・アシストの類。
各サポートは2体1組のセットとなっており、ラウンド開始前ごとにどちらか1体を選択する事になる。
アシストゲージが最大まで貯まるごとに使用可能、個々のサポートによってゲージの貯まりやすさは異なる。

共鳴バースト

共鳴ゲージが満タンになった状態で発動できる状態。
攻撃力や防御力が大幅に強化され、超必殺技に相当する『バーストアタック』が発動可能になる。


MUGENにおけるポケモン

国内外問わずMUGENユーザーにもポケモンのファンは多く、多数のキャラが作成されている。
ドットは主に、原作のもの(3Dモデル含む)を使用・改変したキャラと、手描きで製作されたキャラの2種類に分類されるが、
システムは『ポケモン』の格ゲー自体が少ない事もあり、前述の『スマブラ』風などを除けば、製作者ごとに独自要素が多い。

また、ニコニコ動画ではポケモンを意識した大会が何度か開かれている。
中には、ポケモンと無関係なキャラにタイプを定義して戦わせるシステムやルールを用いているものもある。

公式の作品ではないが『タイプ:ワイルド』という格闘ゲームも作られていた。
2D格闘ゲームツクール2ndで作られたPC専用の作品だが、滑らかに動くドット、アニメ版を意識した演出など作者の拘りが窺え、
加えて大手ポケモンファンサイト「ポケ書」発という事もあって一定の知名度を持っている。
このゲームに参戦したポケモン達も、同作のスプライトや仕様(アレンジ含む)でMUGENに移植されているものが存在するので一見の価値あり。

関連大会

関連項目



*1
'90年代初頭に発売されていたモンスターのフィギュアシリーズ。
NES(北米版ファミコン)でアクションゲーム化もされており(発売元はコナミ)、
任天堂としてはこれは無視できなかったと言える。
この経緯から分かる通り、古くから流布していた「隠語が理由」というのは間違いである。


最終更新:2024年04月23日 13:19