かばん


「どこここー!?なんでー!?」

アニメ『けものフレンズ』における主人公。
作中でもファンからも「ちゃん」付けで呼ばれるが公式表記は「かばん」。
『けものフレンズ』は複数の媒体からなるメディアミックス作品だが、
このキャラクターはアニメのオリジナルキャラクターであり、アニメ版以前のアプリ版やコミック版には登場しない。
アニメ以降に始動した『けものフレンズぱびりおん』にも未登場。
担当声優は 内田彩 氏。『2』でも同氏が引き続き演じているが、
大人になっている設定のためか『1』の時と比べてやや低めの声になっている。

概要

名前や出自を含む記憶を無くした状態で彷徨っていた所を、サーバルと出会い、
自分のルーツを探して彼女と行動を共にする事になる。
「かばんちゃん」という呼称も、本名が判明するまでの仮の名前として、
背中に背負っていた鞄から付けられたものである。
他のフレンズと異なり、尻尾や獣の耳、羽やフード(蛇のフレンズが被る)といった動物的な身体特徴を持っていない。

一人称は「僕」で、中性的な出で立ちをしている。その為正確な性別は不明。TCGでも性別不明とされている。
胸の谷間がある、話し方などから女性とする意見が多いが、まつ毛が上向きでない等の理由から男性とする意見もある。
ってゆうかサーバルのページに「少女」って書かれている時点で大体分かると思うが…。
序盤では「臆病だが頑張り屋な性格」として描写されており、他のフレンズ達が持つような高い身体能力や動物由来の特殊能力などを発揮せず、
カバに答えた通り「飛べず、泳げず、早く走れない」。
一方で高い学習能力や知性、投擲能力、持久力を持っており、劇中ではそれらを駆使して様々な問題に取り組んでいく。
驚いた際に「食べないでください!」と叫ぶ癖があり、これに対してサーバルが「食べないよ!」と返すのが半ばお約束となっている。
しかし、サーバルが恐怖に怯えていた時は「食べるなら僕を」と願い出た事もある。
自身にそうしたものが無いからか、フレンズが持つ尻尾や羽根などに強く興味を示す傾向がある。

また、どういうワケかボスことラッキービーストはかばんとだけ会話をするため、
サーバルらフレンズとボスとの通訳のような事もやっている。

旅の最中、各ちほーのフレンズ達が抱える問題をその頭脳を用いて解決していく事で、
フレンズ達との友情を深め、自身も心身共に大きく成長を遂げる事になる。

+ ネタバレ注意
第7話「じゃぱりとしょかん」にて博士ことオオコノハズクから「ヒト」であると教えられる。
それ以前にもハシビロコウツチノコがそれらしい事を言っているほか、第一話の時点で「貴方は此処の ひと ですか?」とサーバルに尋ねたり、
文字が読める、地図で紙飛行機を作るなど「人間又は人類のフレンズ」の伏線は多々あった。
また、投擲能力や高い排熱能力とそれに伴う持久力の高さも人間の生物的な長所である。

しかし、同時に「ヒトはもう絶滅した」「(少なくとも)パークにはいない」と言われた為に、
他に残っている仲間あるいはその痕跡を探して旅を続ける事に。
が、「人間達が出て行った」とされる港を目前にして超巨大セルリアンが立ちはだかる。
+ 『けもフレ』11話・12話ネタバレ厳重注意
その圧倒的な能力によってパークを脅かす超巨大セルリアンを見過ごす事が出来ず、対抗手段を模索するかばんとサーバル。
そこにかばんを「帽子泥棒」だと勘違いしたアライグマとフェネックが現れ、一悶着があったものの、二人の誤解を解き、和解。
アライグマが持っていた「帽子の羽根飾り」によって本来のカタチになった帽子と、
「もうお客さんじゃない」「皆に助けて貰った恩返しがしたい」という言葉でラッキービーストから「暫定パークガイド」としての権限を付与される。
アライグマらの協力もあって超巨大セルリアンの弱体化に成功するも、依然として脅威であったために「光や火に向かう」性質を利用して、
「火やジャパリバスのライトで船まで誘導したあと、セルリアンを船ごと海に沈める」計画を立てる。
が、それは「船で海の向こう側に仲間を探しに行きたい」というかばんの願いが潰える事も意味していた。
サーバルからは心配されるが、それでも助けてくれた皆にお礼がしたいと計画を実行。
順調に行くかに思われたが、超巨大セルリアンの予想外の攻撃によって誘導をしていたジャパリバスは横転。
衝撃で一時気を失ったかばんとボスを庇ってサーバルが超巨大セルリアンに取り込まれてしまう
「もう助けるのは無理」「かばんとボスがいないと船を動かせない」と撤退を促すヒグマにボスを預け、
自身は単身サーバル奪還の為、超巨大セルリアンに挑む。
サーバルから「逃げるのに便利」として教わったキノヴォリ木登りからの大ジャンプでセルリアンに取り付き、
セルリアンの中を泳いでサーバルを見事救出したあと、自身を囮にしてサーバルからセルリアンを遠ざける。

「サーバルちゃん……
 見るからにだめで……なんで生まれたかもわからなかった僕を受け入れてくれて……
 ここまで見守ってくれて……
 ありがとう、元気で」

セルリアンの巨大な腕が、かばんの頭上に振り下ろされる*1

+ ...
サーバルが目を覚ました時には既に時間が大分経過しており、ヒグマらハンター達からはかばんを諦めるよう説得される。
が、諦めきれないサーバルの意思の強さと、「ヒト」であるかばんに危害が及んだ事によって制限が解除されたボスからの言葉で、
ヒグマとサーバルはかばんの奪還を決行。
しかし、弱体化しているとはいえ依然として強大な力を持つ超巨大セルリアンの前に圧倒される二人。
サーバルすら諦めかけたその時、パークの危機を救うため、
何より友達であるかばんを助けるため、各ちほーのフレンズ達が集結
実はボスが他のラッキービーストを通じて救援を要請しており、事態を重くみたハカセ達が長として召集をかけたのだった。
集結したフレンズ達による見事な連携攻撃によって、セルリアンに取り込まれたかばんは無事に救出される。

助け出されたかばんは当初、長時間セルリアンに取り込まれていたためか、虹色に光る玉のような姿だったが、
サーバルの呼び掛けに応じるようにヒトの姿をとり、無事に「かばん」として元気な姿をみせた。

「かばんちゃんだよね?分かる?一番最初に会ったときにしたお話覚えてる?」
「たべないでください、かな」
「もう……!たべないよぉ!」

その後、ボスがその身を呈して船ごとセルリアンを海に沈めて撃退、パークの危機は去った(ボスも形は変わってしまったが無事であった)。
船が無くなった事で海の向こうに行く事が出来なくなり、内心では残念がるかばん。
そんなかばんの心中を察した皆が大破したジャパリバスを修復、更に水陸両用へと改良を施し、サプライズプレゼントする。
かばんは皆にお礼を言い、皆のお陰で強くなれた事を披露した後、
笑顔で見送られながらボスと二人で新たなエリア「ごこくエリア」へと旅立っていった。

+ 正体に関する補足
厳密に言えば、かばんはヒトそのものではなく、「ヒトのフレンズ」(ヒトがヒト化した存在)。人間だって動物だ!
パークガイドのミライさん*2がセルリアン騒動によってパークから退去する際、
誤って風に飛ばされた帽子に付着していた毛髪に、サンドスターが触れた事で誕生したのが「かばん」である。
アライグマは帽子を偶然発見したものの、帽子に反応したラッキービーストが記録内容を再生し始めた事、
サンドスターが発生する山が大噴火を起こし、サンドスターの結晶が降り注いだ事に驚いて崖から転落した事で、
事の全容を断片的にしか把握出来ておらず、その為に「帽子を持ち去った黒い影→帽子泥棒」だと勘違いしたのだった
(この黒い影こそが誕生したばかりの「かばん」である)。
そのため、記憶喪失なのではなく、生まれたてなので記憶そのものが無い
一方で「種としての能力を発揮出来る」のがフレンズであるため、文字を読めたり出来るのだと思われる。
セルリアンから救出された際、無事に再生されたのも別段奇跡でも何でもなく、
セルリアンの「取り込んだフレンズのサンドスターを奪い、元の動物に戻してしまう」という能力が発動しただけで、
つまり、「ヒトのフレンズ」から「ヒト」に変換された為である。
ただし、サンドスター由来である衣服は完全再生されず、手袋と靴下はその後時間をかけて再生していった
(「手足の先端だけが黒い」為に、「かばんちゃんは黒いセルリアンになってしまうのでは?」と危惧された事もある)。
毛髪にサンドスターが触れたんだから、それが奪われたら毛髪だけが残るんじゃ?とかツッコんではいけない

+ 二次創作などにおけるかばんちゃん
正体不明であるために、その正体が判明するまで様々な考察がなされた。
驚いた際に「食べないでください!」と叫ぶために、「実は動物(フレンズ)から襲われ喰われかけて記憶を失ったのでは?」とか、
動物がヒト化するなんてあり得ないから、フレンズはかばんの妄想なのでは(あるいはゲーム世界や夢オチなのでは)」等。
逆に「ヒトが動物化」した可能性から、フレンズは人が半人半獣に改造されたキメラ説もあり、
かばんちゃんは難を逃れたが脱出の際に記憶喪失になったのではないかという考察もあった。

人類の叡智を凝縮したようなキャラクターであるためか、
人類の叡智の結晶たる「兵器架空実在問わずどこからともなく取り出して大暴れしたりする通称「ばんちゃん」ネタ、
かばんちゃんの代わりに記憶喪失になった他作品の版権キャラがジャパリパークで冒険を繰り広げたり、
逆にかばんちゃんが他作品世界にお邪魔したりといったクロスオーバーものも作られている。
料理の腕前も一流からまで極端に変わり、上記の「やばんちゃん」と組み合わせてとんでもない物を生み出すなど 料理すらしていない 事もしばしば。

性別が不明だった頃は、ソレを利用して描き手によっておねショタ、けも百合、けもホモ何でもアリなのでアッチ方面でも人気。

また、ニコニコ静画ではフレンズ的な姿をしたキャラクターとの絡みも多く(一部男のフレンズも混じっているが…)、
本来いないはずの魚介類虫のフレンズなども登場。
黒いセルリアンに潰される直前の彼女を蛇のフレンズが颯爽と助けたり、前記の黒セルリアン化した絵もいくつか投稿されている。春画ではかばんくん化も


MUGENにおけるかばんちゃん

+ Dark ruler氏製作
  • Dark ruler氏製作
『けもフレふぁいと!』のスプライトを用いて作られたかばんちゃん。
CVは『けもフレふぁいと!』でのもので、トキアルパカも兼任しているMEGA女史。

原作再現ではなく、コンボ性能はそれほど高くない代わりに、
四次元ポケットかばんから次々と物を投げ付ける遠距離攻撃が強いキャラとなっている。
これらの飛び道具は連射が効くため弾幕のごとき攻勢が可能だが、かばんから取り出す動作を挟むので発生が若干遅いのが難点。
強化版と言うべき超必殺技「スーパーマジカルかばん」は持続・削りダメージ共に凄まじく、更には若干のゲージ回収も可能と強力。
10~12Pは特殊カラーとなっており、それぞれ凶上位~狂中位の強さとの事。

AIはParticle氏によるものが搭載済み。
遠距離から物を投げまくってゲージを溜め、超必殺技をガンガンぶっ放してくる。
迂闊に距離を離したが最後、対応出来ないキャラならばそのまま削り殺されてしまうだろう
反面、上記の様に飛び道具の発生が若干遅いため、相手次第では逆に封殺されてしまう事も。

+ Nanachi氏製作 やばんちゃん
  • Nanachi氏製作 やばんちゃん
二次創作ホラーゲーム『けものフレンズ.exe』のスプライトを用いた凶悪キャラ。
こちらはカラー差で性能が違い、想定ランクとしては1P:狂中位、11P:狂最上位、12P:準神となっている。
余談ではあるが12Pカラーは即死での撃破が隔離未満で不可能になっており、
強さの参考としては狂(笑)のアザゼルを即死させる事が出来る。すっごーい!
現在は凶悪ロダで公開されている。

元ネタのゲームでは銃を入手するまで一切の攻撃手段がなく、落下死どころかアルパカのツバでダメージを受ける程度に脆い。
また、ボスキャラクターの造形・攻撃パターンやアライグマの言動、不具合が発生した際のイベントなどから『Under Tale』のパロディも見受けられる。


これらの他に、道端氏製作のサーバルもストライカーとしてかばんちゃんを呼び出してくる。


「た、食べないでください!」

出場大会



*1
それまで『けものフレンズ』の雰囲気にある種の癒しを求めていた視聴者にとっても大変な衝撃であり、
放映後のツイッターでは長時間けもフレ関連のワードがトレンド上位にランクインし続け、
ニコニコの一話には混乱した視聴者が殺到、ナメクジサバンナシマウマやしんざきおにいさん、
果ては木にまで助けを求める(アニメの監督が「たつき」である事から、たつき→「立つ木」というシャレ)コメントや、
セルリアンへの憎悪コメントなどで埋め尽くされる阿鼻叫喚の地獄絵図となる(「 けもフレ11話ショック 」)。
また、ニコニコ生放送で11話が放映された際は、その日の昼からサーバーが不調であった事と、
あまりに多数の来場者が押し寄せた事が重なり、プレミアム会員ですら視聴が困難であるという異例の事態が起こったりもした。すっごーい!

その後、朝アニメとして再放送された際には、
12話の放映直前に北朝鮮が日本領空に向けてミサイルを発射したために(ミサイルは領空を通過、本土に被害無し)、
緊急放送で12話が放映されないのでは?とファンを不安がらせる事態も発生。
一部ではL字テロップ付きではあるものの、無事12話は放映されている。すっごーい!

*2
アプリ版でゲームの案内役の女性ガイドという設定で登場する女性。CVは同じく内田彩氏。
アニメ版では、10話でホログラムとしてだが登場を果たす。
このホログラムの記録映像は、ミライの言動からセルリアン騒動が起きてパークが閉鎖された時期のものだったと推測される。
ミライは何とかフレンズとともに事態の解決を図ろうとしたようだが、巨大セルリアンの出現により職員は退去せざるを得なくなり、
不本意ながら島を離れた事が判明している。
「パビリオン」のプロローグでもパークがセルリアンの襲撃を受け、来場者の避難を促している。

また、かばんちゃんはミライさんの毛髪から生み出されたはずなのだが、声以外(体格や髪質等)でミライとの類似性が見当たらない。
この事については明言されていないが、ファンの間では整形疑惑がかかったり
昔はかばんちゃんみたいな黒髪だったけど染めた説が浮上している。

『2』での成長した姿もミライとは似ても似つかず、更にはラッキービーストを雑に扱ったりフレンズの犠牲すら顧みないなど、
言動も『1』とはまるで別人のように変わっていた。
この事から視聴者の間では最終回で危惧されていたセルリアン化の他、「自分以外のヒトに出会うも人間の醜い部分を見た事で絶望した説」、
共に旅立ったはずのサーバルが『2』ではパークにいた事から、
「旅先でサーバルと死別し、再会するも他の女に寝取られていた自分の事を忘れられていたショックで病んでしまった説」
髪型と色が違う事から「自分をかばんちゃんだと思い込んでる海藻のフレンズ説」などが考察されている。
一応、サーバルについては代替わりで生まれ変わった個体だったという考察もされており、
最終話では名前を呼んだ事から、少しずつ記憶が蘇っているかのような描写もあった。

…尤も、類人猿以外まで人間(獣人ではない)化させてしまうどころか、
オスでも問答無用で人間の少女の姿にしてしまうサンドスターに整合性を求めるだけ無駄だが。
そもそも髪の色を気にするならトキも、本物の飾り羽が白一色なのに対し、
(頭頂部の羽は「翼代わり」と言う設定から大目に見るとしても)もみあげが朱鷺色ピンク系)と言う時点で間違いなので。
本物準拠なら朱鷺色なのは腋毛腕の内側の毛だけになるだろう。


最終更新:2020年05月27日 10:08