ミミッキュ


 「ミタアーッ!?」

  • タイプ:ゴースト・フェアリー
  • 分類:ばけのかわポケモン
  • 高さ:0.2m
  • 重さ:0.7kg
  • 特性:ばけのかわ(相手のダメージ攻撃を一度だけ無効化する)

恐ろしい 姿を ボロ布で 隠し
人や 他のポケモンに
近づく 寂しがりや。

任天堂のRPG『ポケットモンスター』に登場するポケモンの一匹。初出は第7世代(『サン・ムーン』)。
自身の能力で目や口のような模様を浮かび上がらせたボロ布を被り、ピカチュウに擬態しているポケモンであり、
名前の由来も「擬態」を意味する「ミミック」であろう。
本来の目は胸にあり攻撃時は目つきも変わるのだが、初見でピカチュウの「メガシンカ」とか「アローラの姿」と誤解したファンの中には、
縦長の黒い乳首と間違えた人も少なくない。

本来の姿は常に布で覆われているため不明。見た学者が恐怖でショック死した、見ると謎の病に苦しむことになるなど、
ゴーストタイプならではの物騒な逸話が語られており、ミミッキュの本来の姿を見ることはタブーとされている
(攻撃の際に、僅かだが腕らしき部位が見えることはある)。
だが、ミミッキュという種族は非常に寂しがり屋であり、ピカチュウに擬態するようになったのも、人間に人気者のピカチュウ達を真似ることで、
人間達と親密になるために行い始めたらしい。

一方でアニメ版に登場するロケット団のムサシの手持ちであるミミッキュは(ニャースの通訳によると)、
好きでこんな姿をしているわけではないし、むしろピカチュウを憎んでいる」という意思を示しており、
そのためファンからは冗談交じりで「中身はこのポケモンの一族なんじゃないか?」と言われたりしている*1。目つきが違うけど
ゲームの図鑑説明との乖離が指摘されていたが、
別のミミッキュが登場した時は普通にピカチュウと仲良くしていたので、この個体のみの事情だったのかもしれない。
このロケット団のミミッキュは上述のピカチュウへの憎悪の他、味方であるはずのニャースにトラウマを植え付けたり、
基本的にやられ役だったロケット団のポケモンとは一線を画する戦闘力を持つなど、これまでにない異様な存在感を放っている。

公式テーマソングが存在する他、キャラクターグッズも多く作られており、そちらではピカチュウ以外のポケモンにも擬態している。

また、公式でこんなアニメも作られたりしている。

実はポケモン全体で見ても人気は高く、2020年2月に行われた「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」人気投票ではなんと3位
ゴースト・フェアリータイプ中共に最高であり、アローラ地方のポケモンの中でも1位である。


原作中の性能

HP:55
こうげき:90
ぼうぎょ:80
とくこう:50
とくぼう:105
すばやさ:96

その個性的な設定で発売前から注目されていたポケモンだったが、
いざ世に出ると、第7世代出身者の中でもトップクラスの実力者であることが判明した。

まず、特徴的なのがゴースト・フェアリーという複合タイプ。
この複合タイプが絶妙に噛みあい、格闘ドラゴンノーマルの計3種類ものタイプの技を無効化できる他、
それぞれのタイプが苦手などく・あくの弱点を打ち消し合い、耐性に優れている。
それだけでなく、フェアリーとゴーストは、単タイプであれば片方の技を半減する相手でも、
もう片方の技なら等倍かそれ以上の威力で喰らわせることが出来るため、非常に優秀な攻撃範囲を持っている。
参戦当時、ミミッキュのメインウェポンを両方半減以下にできるのはカエンジシ(ノーマル・ほのお)のみだったことも大きい。

そして、もう1つの強みは、どれだけ高威力であろうと初撃を必ず無効化する特性「ばけのかわ」。
通常は「まもる」を使っても25%分は喰らってしまうZワザであっても、この特性なら無傷で受けられる。
一度攻撃技を受けると「ばれたすがた」になり、回復しようが交換しようが蘇生しようが再度使用することは不可能だが、
それでも1ターン確実にアドバンテージを取れるという特徴は非常に強力。
積み技や「トリックルーム」などで確実に起点を作るチャンスを得られるのは大きなメリットである。
また、「まきびし」や「どくどく」といったスリップダメージでは「ばけのかわ」が剥がれないのも強み。

メインウェポンはタイプ一致の「じゃれつく」と「シャドークロー」。
それに加えて小回りの利く先制技「かげうち」が採用されることが多い。
技スペースが厳しいがサブウェポンもそれなりに充実しており、体力回復が可能な「ドレインパンチ」と「きゅうけつ」、
反動があるが高威力の「ウッドハンマー」、Z技化することで苦手なパルシェンを返り討ちにできる「かみなり」などを習得できる。
また、積み技が豊富で「つるぎのまい」、「ビルドアップ」や、Z技の追加効果が攻撃3段階アップと強力な「はねる」などを持つ。
加えて、『ウルトラサンムーン』では「じゃれつく」をトリガーとしたミミッキュ専用のZ技「ぽかぼかフレンドタイム」が追加された。
その上攻撃一辺倒というわけではなく、「のろい」、「おにび」、「いたみわけ」、「みちづれ」等、ゴーストタイプらしい搦め手も豊富。
これらの補助技を駆使した変則型も一定数存在しており、刺さる相手にはとことん刺さる。

以上から、デビュー当時の第7世代におけるシングルバトル対戦での使用率は全ポケモンでも最上位に属し、
かつてのガブリアスのような環境の中心として君臨した。
ミミッキュ自体の種族値は決して秀でたものではなく、メインウェポンも威力100以下の技ばかりなのだが、
優秀な複合タイプと強力な特性、取得技の特徴が見事なシナジーを持ち、高い立ち回り性能を持っている。

弱点としては「ばけのかわ」は状態異常や追加効果までは防げないこと(解除まではされない)が挙げられる。
また、連続技を受けた場合は最初の1発しか無効化できず、それ以降は普通にダメージを受けてしまう。
更に特性「かたやぶり」等で、ばけのかわを無視して弱点を突かれると一発で落ちかねない。
ミミッキュが得意とする物理攻撃に強く、特性スキルリンクにより「つららばり」を確実に5発撃てるパルシェンや、
禁止伝説解禁下のルールだと特性を無視できるソルガレオやルナアーラ、ネクロズマなどが苦手な相手。
逆に言えば固有の特性くらいしか有効な対策が無いとも言える。
また、上述のように攻撃種族値もメインウェポンの威力も高くないので、素の火力はアタッカーとしてはやや低め。
そのためまずは積み技で攻撃力を高めるのが定石なのだが、相手に1ターン自由な行動を許すことになるため、その隙に対策をされることも。
フルアタにすることが殆どないため、変則型はもちろん基本型も先制での「ちょうはつ」は苦手としている。
また、弱みというほどではないが、単純に相手の行動ポケモンが多くなるダブルバトルで「ばけのかわ」1枚に甘えるのは厳しめ。

シナリオ中では第6の試練のぬしポケモン(通常の個体より大型のポケモンで、所謂中ボス的存在)として戦うことになる。
前述した特性や素早さの高さに加え、さいみんじゅつを使うゴーストを仲間として呼んでくるなど、ぬしの中でもかなり厄介な相手。
…しかし、それ以上に登場時や戦闘後の演出が非常にホラーじみている点が最も恐ろしいかもしれない。

『ウルトラサン・ムーン』では特定の条件を満たすと、このぬしミミッキュを入手できる。
種族値こそ通常のミミッキュと同じだが、高さは図鑑の2倍、体重は4倍の大型な個体である。
個体値もランダムながらも高めになる設定であり、野生のミミッキュの出現率が低いこともあるため、入手しておいて損は無い。

あまりに大暴れしたため続く第8世代で「ばけのかわ」が弱体化され、発動時に最大HPの1/8ダメージを受けるようになった。
しかし自身がダイマックスとの相性が良く、「ばけのかわ」によるターン稼ぎで敵のダイマックスを無駄にできるため、依然として上位に入る強さを誇った。

第9世代では大きな変更点は無かったが、新要素「テラスタル」との適正は一長一短。
ゴーストにテラスタルすれば威力2倍の「かげうち」を実現可能で、他タイプに変化してもただでさえ広い攻撃範囲がさらに優秀になるが、
元々の耐性が優良なので変化させるのは少々勿体ない。無論、ミミッキュ対策の相手への対策として使うことはできるのだが。
あと、ゴースト技を半減させる特性もあるキョジオーンはテラスタイプ次第では厄介な敵になる可能性がある。
なお、テラスタルを使用すると本体と思しきばけのかわの胴体部分ではなく、
ばけのかわの頭部の部分にテラスタルジュエルが出現する……何故か斜め向きだが。

このように、参戦以降常に第一線で活躍している対人戦でも攻略でも人気なポケモンなのだが、
実は対戦ではある不遇扱いされがちなポケモンを極端に苦手としていたりする。

大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』ではモンスターボールから出てくるポケモンの1体として参戦。
近づいてきた相手ファイターを覆いかぶさるように捕獲し、「ぽかぼかフレンドタイム」で大ダメージを与える。
この時、相手ファイターが90%以上だと即撃墜となる。
担当声優はアニメのムサシの手持ち同様、 浪川大輔 氏。


MUGENにおけるミミッキュ

えんたーく氏の製作したキャラが公開中。
第7世代出身では最初のMUGEN入りとなった。
氏曰く、人が操作する前提で作っていないキャラで「動画使用は全然問題ありません。自己責任でお願いします」とのこと。
通常技扱いである「シャドークロー」で攻撃するのが基本的な戦術になるが、
他にもスリップダメージを与える「おにび」や、一定回数攻撃を受けると消失するみがわり人形を出す「みがわり」、
隙が大きい代わりに火力を高められる「つるぎのまい」など、数々の個性的な技を持っている。
5段階に調整可能なAIもデフォルトで搭載されている。
ミミッキュの紹介は50秒辺りから

出場大会

  • 「[大会] [ミミッキュ]」をタグに含むページは1つもありません。

*1
原作でミミッキュが自分の姿をピカチュウに似せているのは20年ほど前にピカチュウのグッズが流行った際との情報が出ているが、
『サン・ムーン』発売より20年前とはまさに第1世代流行真っ只中の時期であると同時に「でんのうせんしポリゴン」が放映された頃のため、
「事件の影響でアニメに出られなくなることを察したためミミッキュになった」という噂がユーザーの間でネタ交じりで囁かれたのである。


最終更新:2024年03月19日 22:41