ビクトル・フォン・ゲルデンハイム






「おれは 『じんぞうにんげん』
    さいきょうのおとこだ」

初出作品: ヴァンパイア The Night Warriors
出身地: ドイツ
生年月日: 1830年製造 誕生日は不明。
身長: 249cm
体重: 230kg
種族: フランケンシュタイン

「怪力の屍」「哀を抱く人造人間」
ヴァンパイア』シリーズに初代より登場する人造人間。
フランケンシュタイン(正確には「フランケンシュタインの怪物」)というだけあって、それらしい外見をしており、
全部で37のパーツを縫い合わせて作られたという設定どおり、筋肉質の逞しい体の至る所に縫い合わせた傷がある。
「ビクトル」という名は元々は製造者であるゲルデンハイム博士の名前。
これはモデルとなったフランケンシュタインの製造者の博士の名前を指していたものが、
いつの間にか作り出された人造人間その者の名前になってしまっていることに由来する。
性格は温厚で純粋。だが知性に乏しく単語を並べたような喋り方をし、その為か彼の台詞は全て平仮名で表記される。
CVは登場するゲーム作品全てにおいて徳丸完が出演。ドラマCD及びカセット等では千葉一伸が演じた。

キャラクター設定

+ゲルデンハイム博士の研究とその成果
*1



「おい おまえしってるか はかせは えらいんだぞ」
ゲルデンハイム博士の研究は、そのどれもが人道的・倫理的に問題のあるものばかりであった。
また彼は、当時の学会の実力者たちが結託して作り上げた評議会の利権を脅かす存在として、危険人物扱いを受けていた。
「細胞の蘇生」に関する研究は、医学界を革新する画期的なものだったが、それにより利権を失う者たちにとっては邪魔者でしかない。
もともと異端児として知られてきた博士だったが、「非人道的」「売名主義者」
はては「麻薬常習者」といった根も葉もない噂を流され、学会はおろか世間からも猜疑と侮蔑の眼を向けられるようになる。
学会の圧力によって徐々に発言の機会を奪われていった彼は、やがて存在そのものも社会から忘れられていく。
しかし、彼は名声のために研究を続けていたわけではない。むしろ純粋な研究のためには世間の関心などないほうがよいのだ。
彼は研究所を田舎町の古い病院の廃屋に移し、地下の実験室にこもる日々を送る。
新たな命の創造。それこそが、彼の心を捕らえた究極の目標であった。
彼はそれまでの研究により、適切な素材と膨大な電力さえあれば、自説を証明しうる実験が可能だと確信していた。
あらゆる手段を講じて入手した素材をもとに、各種調合品や薬品を調達し、きたる「生命創造の日」に向けて準備に没頭した。
屋敷に移ってから20数年間、彼の姿をまともに見た者はいなかった。
すでにこの時、博士の精神は尋常ではなかった。執念が彼を動かし、奇跡を招いたのだ。

  • エミリーが作られたのはいつか?
博士は、本格的な実験に入る前に人体構成のテストを何度か行った。
自力で発電できない、いわば1回だけ動かすことのできるプロトタイプとして、彼女……エミリーは作られた。
何十回と失敗を繰り返し、ようやくエミリーは起動に成功した。
しかし、それはあくまで研究所の発電装置によって動くあやつり人形にすぎなかった。
一時的に電流を増幅してやることで手足を動かすことはできたが、その状態は30秒ともたない。
しかし、生命創造という目標に一歩近づく成功であったことに変わりはない。
博士はこれをもとに、自家発電とそれにともなう体躯の大型化の必要性を見いだし、ビクトルの設計にとりかかるのだ。
なお、なぜプロトタイプであるエミリーが、事後まるでビクトルのように自由に動くことができたかは謎である。
おそらく、ビクトル誕生の際に充電された大量の電力が、エミリーにも供給されたのであろう。
偶然にも彼女は、体内に一定量の電力を蓄えることに成功したようである。

  • 人造人間の製造法
ビクトルは、ゲルデンハイム博士が残した最高傑作である。彼を製造する過程を、博士の残した記録を元に、できる限り忠実に再現してみた。
1 素材となる人体を集める
 できる限り新鮮なものが望ましい。
 膨大な蓄電量に見合う体躯を保つため、人体パーツを組み合わせて標準人体サイズより大きくしている。
2 骨格・筋肉・神経等の縫合
3 神経及び筋肉に帯電性の特殊合成有機繊維を移植。壊死した細胞の活性化のために欠かせない準備。
 合成繊維の製造法および原材料は極秘。
4 特殊蘇生液に素材をひたし、-18度以下で200時間待つ。
 この作業により素材の完全防腐がなされる。(なお蘇生液の凝固点は-20度)
5 心臓の不随意筋に電極とペースメーカーをつなぐ。
6 帯電液(=血液)を循環させる
 蘇生液と同じく、研究のすえに調合に成功した奇跡の液体。
 人間一体分を用意するのに数年はかかる。
7 高圧電流によって刺激を与える
 博士が最後で行きづまった問題点。1ミリ秒あたり10万KWに達する電力を20ミリ秒以上電極ユニットに供給しなければならない。
 大規模な施設を使えない博士にとって、落雷のみが頼りであった。

  • ゲルデンハイム博士は、生前に何冊かの著書を残している
現在、これらの書を入手することは非常に困難である。
「電磁波と壊死細胞の再活性化に関する考察」
「新たなる生死の境界」
「アーケンの定理」(ゲルデンハイム博士が提唱した霊的電気エネルギーについて記したもの)
「特殊条件下における脳波増幅現象の原理と応用」
「蘇生学の未来」
「完全版ルーゲンドリッヒ報告書1、2」(有機細胞研究界の権威ルーゲンドリッヒ博士の論文等をまとめたもの)
 なお、晩年はもっぱら実験体(=ビクトル)の実験記録をつけていた。
 すでに狂気の域に達していた彼の文字はたいへん判読がむずかしく、一部は謎の記号を用いた化学式が延々とつづられており、
 「生命の創造」という偉業を成し遂げた博士の遺産はいまだ闇に包まれている。

電波新聞社『ALL ABOUTヴァンパイアセイヴァー』より

+ゲルデンハイム博士
ビクトルを作り出したマッドサイエンティスト。
墓を掘り起こしては死体を集め、時には自らの手で殺人を犯してビクトルのパーツを集めていた。
既にこの時の博士は闇にどっぷりと浸かっていたのである。
ビクトルを起動させる際、落雷を受けて絶命しており、
ゲーム中では特定の技や『ハンター』までのビクトルのホームステージに、幽霊として現れる。

+エミリー
ビクトルのプロトタイプの人造人間だが、彼女の風貌は普通の人間の少女と変わらない。
しかし、本人は人造人間の自覚が無く生活していた。
『セイヴァー』以降は、戦闘前デモや勝利ポーズの際に幽霊のような姿で現れる。
CVは吉住梢。

+ストーリー
ある嵐の夜、狂気の科学者ビクトル・フォン・ゲルデンハイム博士は、ある実験を行った。
それは、人の手で生命を作り出すという、神をも恐れぬ行為であった。
博士はこの実験のために人との接点を断ち、30年の間研究に没頭してきた。
博士宅に落ちた一筋の雷光により、その実験は成功し人造人間は起動した。
しかし、同時にその雷光は博士を絶命させた。人造人間ビクトルは、父である博士の死を理解できずにいた。
「はかせ・・・ いつになったら おきるんだろ?」
そして、父に己の力を認めてもらうという無邪気で純粋な欲望のために動き出す。
初代のエンディングでは、ダークストーカーズとの戦いの果てに最強であることを証明したが、やはり博士は何も語りかけてはくれない。
「はかせ どうだ おれ つよい せかいでいちばん」
「はかせ ほめてくれない おれ さみしい」

そこに現れた、博士の娘を名乗る少女「エミリー」と共に幸せに暮らすというものだった。
「はかせ しんだ でもおれ もうかなしくない」
しかし『ハンター』で追加されたエピローグでは、ある日エミリーが突如動かなくなってしまい、
実はエミリーも博士によって造り出された人造人間であったことが発覚。
動かなくなったエミリーの再起動のために嵐を待ち続けるという急転直下な展開になった。
そして『セイヴァー』では、「全ての魂よ一つに還れ」というジェダの囁きを聞きつけ、「魂の収集=生命の再生」という認識のもとで魔次元へ赴く。
「エミリー もとにもどるまで おれ たたかうの やめない」
そのエンディングでは、何とかジェダは倒したものの、結局エミリーの復活は叶わなかった。
「おれ さいきんわかった おれのパワーは でんきパワー」
「エミリー しんでない でんき たりないだけ……」

そして、寂しさを募らせた末に彼女のために自らの電気エネルギーを全て放出し、
彼女を再起動させて動かなくなるという悲劇とも取れる結末を迎える。
しかし、目を覚ましたエミリーの傍らに横たわるビクトルの表情は穏やかだった。


ちなみに、何故かシリーズ初期の頃にはデミトリを差し置いて『ヴァンパイア -終末の使者ビクトル-』(作:若宮弘明)と言う漫画の主人公に抜擢されている。
…のだがこの漫画、他のヴァンパイアのコミカライズとは違い、 かなり原作を投げ捨てた内容となっている。
+漫画版の設定
あらすじ(eBookJapanより)
工事現場で地下要塞が掘り出され、そこから旧日本軍が研究中だった秘密兵器・人造人間が発見された。
検査をしてみると、驚くべきことにその人造人間は睡眠状態なだけで、生きていた。
人造人間を巡って、人類の破滅を信じる謎の団体「ビシャモン」が動き出す。
落雷のショックで蘇った人造人間・ビクトルはかつて破壊王だったが、少女・エミリーと出会って…!?
…この時点で色々原作からかけ離れているが、
「修道院のシスター・エミリー(この物語の実質的な主人公)」、
「生物工学の研究者・森教授として人間界に潜り込み人造人間の研究をするモリガン」、
「CIAのトップエージェントGALLONこと、日本人高校生・月影正人」、
などなど原作とは違うオリジナル設定が多く、ヴァンパイアキャラの設定を使った別の話という感じのストーリー。
登場するのはエミリー、ビクトル、モリガン、ビシャモン、デミトリ、ガロン、ザベルフォボスで、
原作ラスボスのパイロンは一切登場しない。
話自体はシリアスで、ビクトルと心を通わせたエミリーが、秘密兵器とビクトルを巡る騒動に巻き込まれていくというもの。

キャラクター性能

  • 『ヴァンパイア』
下位グループではあるが、見た目通りのパワーキャラで(コンボがきっちり決まれば)かなり火力が高い。
しかし反面、機動力が致命的に無い(ダッシュも無い)ため、相手に近づくまでが苦労するキャラ。
無敵技などを駆使して相手に接近し仕留めるという、下位の中でもロマンあふれる単純明快なキャラとなっている。
まあそれでもカッチやモリガン等上位グループの強さには全く敵わないのだが…。

「どうかんがえても おれ さいきょう」
  • 『ハンター』
「終わっている。以上。」
と、ある攻略サイトに本気で書かれてしまうほど弱い。
ダイヤグラム上ではドノヴァンを抜いてぶっちぎり最下位と言う散々な結果だった。

まず必殺投げである「メガスパイク」は高威力のため主力として狙っていきたいが、特別間合いが広い訳ではないので、飛び込みから直接狙っていく事が多くなる。
しかし、肝心の飛び込み自体が遅く落とされやすい上に、ビクトルはこのゲームで唯一「前ダッシュ」が無いキャラなため、
飛び道具や牽制の強力なキャラには飛び込みの間合いに近づく事すら難しい。
間合いを詰めるのに適した技として「ギガバスター」や「ギガハンマー」などもあるが、
残念ながらこれらはタメ技なので、飛び道具や牽制の強力な相手には出す暇がない。
一定時間「前ダッシュ」が可能になる「グレートゲルデンハイム」と言う技もあるが、
「グレートゲルデンハイム」中は主力となる「メガスパイク」が使えなくなるため、使う意味がない。
ぶっちゃけてしまうと、他のキャラが持っていなくてビクトルのみが持っている強み、というのが見当たらない。
強いて言えば電撃の通常技の判定が強いことのみ。
電撃中攻撃はカウンター気味に相手の通常技を潰すことが出来るし、
電撃立ち強Pはリーチが長く上下に判定が厚いため、動こうとした相手に当てる事が出来る。
だが、前述したようにこれらの技が当たる間合いに入ることさえ難しいキャラが多いため、あまり意味が無い。

『ハンター』ビクトルの絶望のダイヤグラム(攻略サイトより)
ビシャ ガロン パイ フォボ モリ オル ザベル カッチ アナ デミ フェリ レイ ドノ 合計
ビク 1 2 1 1 2 2 1 2 2 2 3 3 4 26
まさに絶望。
二番目に弱いと言われるドノヴァンですらダイヤグラムの合計は「41」である。
このため某攻略サイトではとうとう「ビクトルは勝つことを想定していないキャラ」とまで言われてしまった。

現在ビクトルを使うプレイヤーはほぼ存在しないので、試合では相手の対策不足に付け込んでわからん殺しをするのがセオリー。
しかし相手がビクトルとの戦い方をわかっていた場合全く何も出来なくなる。
「どうやってダメージを取るんだビクトルorz」

「おれ さいきょう これ あたりまえ」
  • 『セイヴァー』
システムの救済のおかげで弱キャラでも頑張れば上位キャラを食えると言う事が可能になり、
その使用率は格段に増加。『ハンター』から考えれば充分すぎるほどの強化がなされた。

ビクトルの強さで一番光るものと言えば電撃チェーンからの強力な二択。
まずは電撃チェーン。電撃食らいモーション中の相手はヒットバックしないため、ほぼ確実にフルチェーンを叩き込むことが可能。
近距離なら食らい判定は小さく攻撃判定は大きいため割り込みに適した近弱Pから電撃チェーンへと移行し、
中距離なら多少リスクは伴うものの電撃遠中P or 中Kから電撃強攻撃へとつなぐチェーンが強力である。
これらの締めを電撃遠強Pにすれば相手を吹き飛び状態に、屈電撃強Kにすればダウンを奪える。
そこからの二択として、発生した瞬間から投げが成立するコマンド投げと、強い判定を持った飛び込みという二択がかけられる。
起き上がりに空ジャンプ2回転という選択が単純かつ強力なのは言うまでもないし、
飛び込みはそう簡単に落とされないのでガードされても攻めを継続出来る。
このほか、非常に判定の強い対空技、発生さえすればほぼノーリスクなGCなど、戦える要素は増している。

しかしそれでも下から1~2番目の弱キャラであることに変わりはない。
飛び込みは強いが落ちないわけではないし、割り込み性能は高いがモーションが悉く大振りでガードないし外すとフォローが難しい場面が多く、
コマンド投げは強力だが、外すと投げスカリが出てしまい、そこから死に直結する反撃を喰らう可能性のある『セイヴァー』では、無闇に頼れるわけではない。
長所とされた要素がハマれば強いが、空回る可能性も高いため、安定性が皆無なのである。
また機動力は相変わらず低いので、相手に逃げに入られた時はもちろん、一歩距離を置いて待たれただけでも追い込めない場面が普通にある。
「はかせおれをつよくつくった だからおれ ぜったいまけない」
スタッフは強く作ってくれなかったようである。

そんなハンデだらけのキャラであるにも関わらず、キャラ差にビクともしない隠しキャラこと「ビクトル」。

ダークフォースは「グレートゲルデンハイムS」と「グレートゲルデンハイムL」。「S」は効果時間中、全ての立ちPが掴み動作になり掴めると専用の投げ技が出る。「L」は立ち状態の基本技が全て近距離版になり、地上で出せる中と強の基本技が全て電撃版になる。ただし、遠距離弱技が出せず、通常版の中or強も出せないため使い勝手はあまりよくない。

MUGENにおけるビクトル

  • CNGSOFT氏作
ハンターのアレンジで、セイヴァーで削除された技と追加された技が同居している。
サシの勝負ではそれほどでもないが、タッグになるとその判定の強さと広いリーチから繰り出される火力の高い攻撃が無類の強さを発揮する。
デフォルトでAIが搭載されている他、cafe氏が大会用にAIを作成し後に公開したことがあった。(現在MUGEN引退により抹消)

  • TIN氏作
基本はセイヴァーで、コンフィグで「ハンターっぽいモード」との性能切り替えができる。
他にはオリジナル技の有無の設定、グレートゲルデンハイム3を簡易コマンドにするかどうかを設定可能。
AIは入っていないが、ホルン氏のAIが公開されている。

出場動画

削除済み
更新停止中

登場ストーリー


*1 :ビクトルがしばしば鼻に指を突っ込むのは、パーツの元となった人間の癖だとも、
鼻の縫合が甘く、それが気になるからだとも言われている。