ゴルドー(UNI)









「『最強』か…。願えども遠く叶わず、

 遙か幽玄に聞こえる甘美な響きだねぇ」



  • 身長:191cm
  • 体重:80kg
  • 誕生日:6/23
  • 血液型:O型
  • 能力名:強欲のEXS(イグジス)「スナッチャー」
  • 武器名:ディバウアー

能力者達の界隈では『常勝の傭兵』と恐れられるケンカ屋。
肩書き通り、傭兵として常に誰かの側について戦うことが多いが、その真意はまったくの不明。
次の『虚ろの夜』を前にした不穏な空気。『偽誕者』を超越するという『再誕者』の影。
この騒動の恐らく中心であり、昔馴染みである
ヒルダ達「忘却の螺旋(アムネジア)」の下らない企みを知ったゴルドー。
彼はその企みを止めるため、誰に雇われるでもなく、
1人この夜の『深淵』に向けて奔走させられることとなる。
((UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st] 公式サイトより)

フランスパンによる2D対戦型格闘ゲーム、『UNDER NIGHT IN-BIRTH』(アンダーナイトインヴァース)に登場するキャラクター。
星のカービィ』シリーズのウニみたいな敵でも、『マーシャルチャンピオン』の三節棍使いでもない。
上半身裸コートで身の丈以上の大鎌「ディバウアー」を引っ提げる変態のおっさんダンディズム溢れるお兄さん。
CVは 鳥海浩輔 氏。

本作のストーリーにおける敵の集団「忘却の螺旋(アムネジア)」側のメインキャラとでも言うべき存在。
『BLAZBLUE』とのクロスオーバー作品である『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』においては、
主人公側のメインキャラであるハイド、リンネ、ワレンシュタインと並ぶ、4人の初期参戦キャラクターの内の一人に選ばれている。

+ 忘却の螺旋とは
最近登場し始めた、偽誕者で構成された新興勢力。
その中でも特に強大な勢力を誇る集団が「忘却の螺旋(アムネジア)」である。
新興勢力故の小回りと勢いを利用し、かなりの短期間で実力を付けてきた。

その目的はトップとそうでないメンバーで異なる。
トップたるヒルダの目的は「再誕(リヴァース)」を目指す事だが、
他のメンバーは基本的に優れた力の誇示、及びそれを楽しむという事。
基本的に好きなようにしていい、という事になっているものの、「相手の命を奪う事」は禁止となっている。
とある事件以降は「ヒルダ以外が「再誕(リヴァース)」を目指す事」も禁止となっている。*1

かつて忘却の螺旋に所属していたが、とある事件をきっかけに組織を去った。
現在は公式の説明文の通り、どの組織にも属していないフリーのケンカ屋をやっている。
組織を去りはしたものの、相棒のような間柄であるケイアスを筆頭に、現在でも忘却の螺旋とは交流がある。
特にケイアスには住居に居候させてもらっている等非常に世話になっており、
彼を「女房」、自分を「旦那」と呼び、その度に「誰が、じゃなくて、誰のだ」と突っ込まれている。

口は悪いが思慮深く、物腰は落ち着いている。
特異な性質を持つらしい少年「アゼル」が普通ではない事にもすぐに気付くなど、洞察力も鋭い。
ケイアスが参入する前の忘却の螺旋では参謀的な役割も担っていた。
…まあ、これはヒルダがとても短絡的な思考をしている(言ってしまうとバカ)という理由もあっての事だが。
加えて、本人曰く「友達思いで損な性格」。ストーリーにてヒルダを止めようとするのも彼女の身を案じての事である。
説教臭い面もあり、これが原因でおじさん扱いされる事も。ゴルドーはまだ若い方であり、本人も心外に思っている。

ポケットにしまっている右手の爪がかなり長くなっており、これを用いて「相手から力を奪う」というEXS能力を持つ。
この能力から収穫者(ハーヴェスター)という異名を持っている。
彼の武器である大鎌ディバウアーもこの能力に関係したものである。
頭が切れるのに加えて元々の能力も強力であり、戦闘能力は非常に高い。
かつては忘却の螺旋の関係者の中でも最強を謳われていたらしい。

+ 過去の事件について。クロニクルモードのネタバレ注意!
忘却の螺旋の結成後程なくして新興勢力が多数登場すると、それらによる勢力争いが起きるようになった。
その頃、既に忘却の螺旋は新興勢力としてはトップの実力を誇っていたが、
オーガという人物によって結成された組織である「万鬼会」が急速に勢力を拡大。
名実ともに忘却の螺旋に次ぐ勢力となっていた。
そしてある日、ついに新興勢力の頂点を決める直接的な対決が行われる事になる。

当時のゴルドーは忘却の螺旋の幹部であり、直接万鬼会のトップと戦闘を行う忘却の螺旋のトップことヒルダ、
ゴルドーと同様に幹部のケイアス、この時点では新参者だが幹部級の実力者であるエンキドゥらと並び、
当然だが参加する事になっていた。
ところがこの時に、ゴルドーの親友であり、忘却の螺旋ともある程度交流があった「ロジャー」という人物が、
ゴルドーが誘った事で現場に来てしまった事が事件の引き金となってしまう。

オーガとヒルダの戦闘の最中、ロジャーは深淵(虚ろの夜の核とも呼ばれている場所)の近くに人影のようなものを発見。
向かった先で深淵に起きている異変を察知、すぐに知らせるためにその場を離れようとした。
しかし突如として発生した大量の黒い触手のようなものに取り込まれ、ロジャーは逃げられずに「虚無落ち」*2してしまう。

双方大いに消耗したものの、勝負はヒルダが勝利。
ゴルドーは万鬼会の幹部を引きつけておくために別の場所に居たが、決着の少し前にようやく現場に現われた。
オーガは異変に気付いており、なるべく早く事を終わらせようとしたが間に合わず、虚無落ちし自我を完全に失ったロジャーが出現。
エンキドゥはヒルダと共に避難し、ロジャーをここに連れてきた事で発生した事件の責任を取ろうとしたゴルドー、
及び激闘のダメージで動けないオーガがその場に残る。
しかし、「殺さなくてはならない」と同時に「友を殺したくない」という相反する感情に迷うゴルドーは攻撃できず、
その隙にオーガと共に一撃を喰らった事で大量の顕現を流し込まれ、思うように体を動かせなくなってしまう。
さらにその後の一撃からゴルドーを庇ってオーガが虚無に飲み込まれ、そのまま行方不明に。
大量に顕現を流し込まれたゴルドーも既に逃げられなくなっており、まさしく絶体絶命。
もはやここまで…と諦めていたところで、突如としてリヒトクライスの第四位執行官である「赤騎士」ワーグナーが場に乱入、
虚無落ちしたロジャーを殺害する事で事件を収束させた。

結果として忘却の螺旋は勝利したが、複数名の偽誕者が行方不明になる、という非常に後味の悪いものとなってしまった。
虚無に飲まれて消えた者が出たという噂が広まった事で忘却の螺旋以外の新興勢力が急速に消えたりと、
周囲の勢力に与えた影響も非常に強いものだった。

過去の事件以降、虚無化した友人にとどめを刺した張本人である「赤騎士」ワーグナーを仇として追っており、
彼女の所属するリヒトクライスとも敵対している。
特にワーグナーに対しては非常に強い憎悪を抱いており、実際に相対した際にはいつもの余裕が消え去り、
普段のゴルドーからは想像もできない程に荒々しい態度になる。

+ ゴルドーの感情について
事件の欄を見てもらった方は察している事と思うが、ゴルドーが抱いている憎悪はただの逆恨みである。
友を殺したとは言うが、その友は既に友では無くなっていた(ロジャーという意識は既に消滅していた)上に、
ゴルドーを殺しかけていたという事を考えると、実質ただワーグナーに虚無から命を救われただけである。
さらに虚無落ちによる被害がこれ以上広がる事がないように誰かが食い止めなければならなかったため、
代わりに手を汚してくれたという事でもある。
ゴルドーにとってのワーグナーは、本来感謝すべき恩人でしかない。

そして上記の事はゴルドー自身も理解している
しかし理解はしていても納得する事ができず、ワーグナーに対しては半ば自暴自棄になりながら戦う事になる*3
開幕演出における「許さねえ…」という台詞は、もしかしたら自分に向けられた言葉でもあるのかもしれない。

同じように身の丈並の武器を持っているユズリハとは異なり、立ち絵、戦闘前・戦闘後の演出、
及び攻撃モーション以外ではディバウアーを持っていない。
ではどのように使うのかというと、攻撃モーションに入ると突然何もない虚空からディバウアーが出現し、
攻撃し終えると再び何もない虚空に消えていく。初見だとびっくりするかもしれない。
また、身の丈以上もある大鎌はなんと基本的に片手で振るう。
もう片方の手はスナッチャーの対象技でのみ使用し、それ以外ではポケットに突っ込んでいる。
ダッシュだろうとジャンプだろうと、果ては喰らいモーション中だろうとポケットに突っ込んだまま
非常に高い戦闘力を持ち、常に余裕を崩さないという設定を考えると、普段は全力を出していないという事でもあるのかもしれない。
唯一の例外として、IWEの演出でのみ両手で鎌を持って攻撃する。

対ケイアス戦用として専用戦闘BGMが用意されている。『UNI』で他に専用BGMを持っているのはハイド対セト、ワーグナー対ロンドレキアのみ。
また、ワーグナーと対峙した際の態度の変化が実際の対戦においても再現されており、
対ワーグナー戦では開幕演出や勝利・敗北演出だけでなく、一部の戦闘ボイスが専用の荒々しいものに変化する。
『UNI』において特定の相手の時に開幕演出や勝利・敗北演出でボイスが変化するという事は珍しくないが、
特定の相手の時に戦闘ボイスが変化するのは、なんと全キャラ中で唯一ゴルドーのみである。
主人公であるハイドですらこのような仕様は持っていない。

本編の前日譚であるクロニクルモードでは前述の事件を筆頭に忘却の螺旋の話が多いため、
かつて忘却の螺旋の幹部だったゴルドーはかなり出番が多い。
忘却の螺旋のためにカーマインを勧誘しようとして彼や彼と共にいたアゼルという少年と漫才のようなやり取りを繰り広げたり、
前述の事件に直面して大いに苦悩したりと、様々な姿を見せる。


原作中の性能

通常技はA(弱)、B(中)攻撃では素手での攻撃、C(強)攻撃で鎌・ディバウアーを使用して攻撃する。
鎌を用いた攻撃は総じて攻撃範囲がかなり広く、5Cは溜める事で中段にもなる。
横にリーチが長く、追加入力によって相手を引き寄せる技に派生する「モータルスライド」により、間合いの調節が可能。
そしてゴルドーの代名詞とも言えるのが、鎌を大きくぶん回しながら前進する技「グリムリーパー」。
縦にも横にも非常に広く、誇張抜きに画面の大半を制圧するほどの圧倒的な攻撃範囲に加えてなんと空中ガード不能
さらに真後ろにも判定があって二段技で持続は短いが頭属性無敵も付いているという凄まじい性能を持ち、
相手の不用意な空中行動やバックステップを狩りやすい。
加えて『Exe:Late[cl-r]』では派生技の「ダウンクローズ」が追加。
相手を叩きつけダウンさせるため追加ダメージに加えて当てた後の状況が良くなった。
また接近戦では、発生は少し遅いが踏み込むためリーチが少し長く、ヒット・ガードを問わず必殺技キャンセル可能、
加えてヒット時は目押しで通常技が繋がるという強力な地上中段6Bを筆頭に、
下段突進でありヒット確認が簡単に可能、かつ先端ガードさせるとゴルドーが有利になるスライディングの3C、
投げ抜け不可能で相手のガードを無効化できるコマンド投げいただきだ(アシミレイション)」、
発生は遅めだがガードされても有利を取れるA版「エイムオーペニング」による攻めの継続など、遠距離とは違った独特な強さを持つ。
防御面では対空技の2Cが強力。
二段技なのだが初段は下段でC技でありながら発生が8FとB技並に早いにも拘らずしっかりC技相当の非常に強い判定を持ち、
二段目が前方は二キャラ分ほど先まで、上は画面をほぼ縦断するレベル、真上はもちろん後ろ寄りまでカバーする非常に広い判定を持つ。
しっかり頭属性無敵を持っており、若干めくり気味の空中攻撃も落としやすい、優秀な対空技となっている。
…が、初段が前述の通りの性能であるため、対空技でありながら地上戦における暴れの他、下段であるため崩しにも使えてしまう。
しかも『UNI』の対空技としては珍しくしゃがみガードを維持したまま使える上に、当たれば当然のようにコンボ直行という無法っぷり。
ノーゲージでは無敵技を持たないものの、ゲージがあれば3種類のC技に無敵が付いている。

キャラクターごとに与えられている特色として、
前述の「いただきだ(アシミレイション)」や「ラスティネイル」等、爪を用いた攻撃を当てる事で、
相手のGRDゲージを一定量奪い、自分のものにできると言うものがある。
ちなみに奪うと表現されるものの、相手がGRDを持っていなくても自分のGRDは増やせる。
このGRD吸収を利用してヴォーパル状態を発動させ、「グリムリーパー」などをCSしてゲージを回収しつつ自分のターンを作り出し、
さらに回収したゲージを使ってC版「モータルスライド」などでさらに攻めの継続を狙ったり、切り返しのゲージを確保する
…と展開していくのが主な戦略となる。
特にCSやゲージがある時に強いキャラであるゴルドーにとっては、それらの確保を能動的に狙えるこの能力の使い方が大きな鍵となるだろう。

ゴルドーの持つ大きな弱点としては、C攻撃は総じて技が大振りで隙が大きく、
弱・中攻撃のリーチが非常に短いために中距離での差し合いが苦手な事、
また、無敵技がゲージ限定でかつ小技の発生が少し遅いためにゲージが無いと切り返し手段に乏しい事、
身長が高いため、昇り中段持ちが非常にキツイ事などが挙げられる。
とはいえ地味にライフが多かったり、空中食らい判定が若干特殊でコンボを落とされやすかったりと防御面で有利なところもある。
また、ノーゲージでの切り返しが貧弱な代わりにゲージを使う無敵技はどれも非常に優秀だったり、
高性能な2Cを使った仕込みグラップによる拒否が強力だったりと、光る部分も持っている。

初代『UNI』で一番長く対戦が行われたver.1.02では、守勢に回った時の脆さや火力の伸びからメルカヴァと並び最弱キャラとされてしまった。
が、続く『EXE:LATE』ではシステム面の大幅変更により他キャラがコンボルートなど弱体化を受ける中、
ほとんど弱体化を受けなかった事から(またしてもメルカヴァと並んで)一転して最強キャラに。
+ EXE:LATEゴルドーの恐怖
『EXE:LATE』のゴルドーの凶悪さを象徴するのが、A版「いただきだ(アシミレイション)」。
今でこそ普通のコマ投げだが、当時のこの技はモーションと投げ間合いが現在のEX版と同じだった。
具体的に言うとほぼゴルドー1キャラ分、なんとしゃがみ小パンのリーチより長い
さらに普通の必殺技なので当然ゲージは使わないし暗転もしないというとんでもない性能をしていた。
加えて現在のいただきだ(アシミレイション)と同様の、
  • 見てからの回避は困難だが、連携から出しても投げ抜け不能になりやすいという絶妙な数値の発生
  • 単体では安いがGRDを奪える上、チェインシフトでの追撃で打撃始動と変わらないダメージ+大量にゲージを回収
  • システム上の性質として投げ無敵が付いている
という性質も全て併せ持っており、「ゴルドー戦の防御は運ゲーになる」と言われる事すらある恐ろしい技だった。

その後は中堅から中堅上位と言った所。


MUGENにおけるゴルドー(UNI)

OHMSBY氏によるものが公開中。MUGEN1.0以降専用。
公開当初は英語ボイスのみだったが、現在はMister Fael氏による日本語パッチを更新したものが適用されている。
同氏製作のワーグナーとの特殊イントロも搭載されている。
システム・エフェクトSEは『ギルティギア』などを参考して作られている。バーストゲージがあるのが特徴。
原作要素として、ボタンを連打するだけで簡易なコンボが出来るスマートステアがある。
やはりというべきかグリムリーパーを始めとする必殺技のリーチは非常に長い。
MUGEN入りするに当たって幾分抑えられているが、それでも画面端またはその付近まで優に届く技が多く、通常のキャラからすれば十分脅威。
また技の判定上、対空性能も高い。
AIは搭載されていない。

出場大会



*1
虚ろの夜というものは未だに多くの事が解明されていない「謎に満ちたファンタジーなもの」であると同時に、
独立した異世界などではなく「あくまで現実世界の延長線上の出来事」である。
虚ろの夜で破壊されたものは当然現実でも破壊され、死んだ者は当然現実でも死ぬ。
特に人の死は現実側にも大きな影響を及ぼす。これが幾度も発生してしまった場合、
偽誕者の社会的な立場が危うくなってしまう事すら考えられる(ケイアスはこれを「魔女狩り」と表現していた)。
過去の事件以来再誕に関するルールが追加されたのは、再誕を目指し、深淵へと近付く事で、
虚無落ちという「実質的な死」の危険性が大きく増大するという事を、過去の事件にて幹部達が知ったからである。

*2
偽誕者が顕現の力に飲まれ、虚無へと変貌してしまう事。
ロジャーの場合、元々それほど強大な顕現も器も持っているわけではなかったのに、無理やり大量の顕現を注ぎ込まれてしまった事で虚無落ちしてしまった。

*3
曰く、「友を救ってやれなかった」「見殺しにした」というだけでなく、
「死ぬしかない」「死んでよかった」という、「最低な事」をも考えていたようだ。
さらに彼女を倒すのではなく、自身の命も彼女に終わらせてもらうのが本当の望みなのではないか等、
「色々と考えていたら解らなくなってしまった」らしい。


最終更新:2023年07月16日 12:30