リック・テイラー


ナムコの名作ホラーアクションゲーム『スプラッターハウス』の主人公。
断じて某13金の殺人鬼ではない。リックだからといってボクサーでもピンクの悪魔下僕仲間でもない。


原作ストーリー

大学で恋人のジェニファーと共に超心理学を勉強する平凡な学生、リック・テイラー。
2人はある日、かつて超心理学の権威と謳われた天才、ウエスト博士の研究所への訪問を計画する。
しかし突然の雷雨に見舞われた2人は、誘われるようにして近くにあった古びた廃屋へと足を踏み入れる。
そしてその屋敷こそ、突如として謎の失踪を遂げたウエスト博士の研究所だったのだ!
邸の中に蠢く、博士の作り出したおぞましい怪物達によってジェニファーはどこかへ連れ去られ、
果敢に立ち向かったリックもまた、なす術もなく打ちのめされ、牢屋へと放り込まれてしまった。

だが、瀕死の重傷を負ったリックに手を差し伸べる存在もまた、その邸には存在していた。
古代の精霊を宿し、装着者の力を増幅させる伝説の仮面「ヘルマスク」!
その精霊に導かれて仮面を被り、強大な力を得たリックは、ジェニファーを助ける為、怪物達との闘いを開始する…。

+そして、その果てに…
血と臓物に溢れた狂気の館を這いずり回り、怪物達との絶望的な闘いの末、
遂に最愛の恋人であるジェニファーを、奴らの魔の手より助け出す事に成功したリック。
しかし――その時既に、彼女は何者かの手によっておぞましい化け物へと改造されていたのだ。
醜く歪んだ口から聞こえる「ヘルプ・ミー!」という悲痛な恋人の叫びと、怪物の哄笑。
襲い掛かってくるジェニファーに対し、リックは他の怪物達同様、鉄拳を打ち込むしかなかった。
そしてジェニファーは「サンキュー、マイダーリン」と言い残して、リックの手により息絶える…。

今までは素手の他にも鉈、斧、ショットガン、槍、果ては角材や石までと、館にある様々な武器を駆使して戦っていたリックは
赤子の姿をした化け物を躊躇い無く殴り潰し、僅かに残っていた理性さえ失ったかの如く怪物達を蹂躙する。
しかし怪物達の母体を抹殺し、ウエスト博士の館に火を放ったリックを待ち受けていたのは、
自らが復活する為にリック、ジェニファー、そしてウエスト博士を利用していた「ヘルマスク」の裏切りであった。
完全体である邪神「ヘルカオス」として蘇ったヘルマスクを相手取り、常人に戻ってしまった筈のリックは、拳1つで立ち向かう。


…或いはそれは、新たな怪物が誕生した瞬間であったのかもしれない。

+だが―――――……。
「ハーッハッハッハ!! ハーハッハッハ!!」



原作ゲームについて


折りしもホラー映画ブーム真っ盛りの当時に登場した、ナムコの横スクロールアクションゲーム。
コンセプトとしては見た目通り『殺人鬼になって暴れまわる』という物が挙げられるのだが、
敵キャラを怪物とし、また様々なホラー映画のストーリーや演出を盛り込んだ結果、単なるグロい作品に終わらず、
上記のあらすじ通り、当時としては考えられないほどハードかつトラウマに残る傑作に仕上がった。

スプラッターハウスの発売された1988年以前のゲームといえば『ドルアーガの塔』や『ドラゴンクエスト』など明るいものが多く
暗い雰囲気の物でも『悪魔城ドラキュラ』、『魔界村』と言った感じで、最終的にお姫様を助けてハッピーエンドのものが全てだった。
そこに登場したのがこの『スプラッターハウス』という事を鑑みると、子供たちが受けただろう衝撃はかなりのものだったと思われる。
尚、同年には小島秀夫監督による『スナッチャー』も登場しており、両作ともハードコアゲームの先駆けだったと言える。

アクションゲームの出来栄えとしてはパンチ、ジャンプ、スライディングと言った基本的なものから、
ショットガン、鉈、角材、槍など様々な武器を駆使する事も可能と、行動の選択肢は幅広く、
ホラー映画風の演出も多彩で、絵画から抜け出してくる幽霊や、鏡を割って登場する自分の偽者
ボスとして登場する「ポルターガイスト」や、「チェーンソーを持った怪人」など様々な敵キャラと、
プレイしていてもユーザーを飽きさせず、また怖がらせ驚かせる事に成功している。

全体の様相は異常だが、内容はごく標準的なジャンプアクションゲームである。
このゲームは敵の配置や攻撃方法等がすべて固定されており、それを頭に叩き込んで攻略する
「覚えゲー」であり、その計算しつくされた設計が攻略意欲を沸き立たせるようになっている。
余談だが、角材で敵をぶん殴り壁に叩きつけたり、鉈で頭をカポーンと吹っ飛ばす時の爽快感はまさにクレイジー。

加えてステージ構成とストーリーとが丁寧に調整、擦り合わせられているのも特徴であり、
序盤は様々な武器が登場したり、ホラー映画のパロディを行ったり、
敵もグロい中にすこしばかりユーモラスな点を見いだせるキャラが多かったりと、凄惨ながらもまだまだ余裕があったのだが、
ラスボスステージの手前になるとガラッと雰囲気が変わり、赤子の姿をした怪物や、胎児を生み出す化け物などを相手に、
ひたすら拳を叩き込み続けるというリックの憎悪を体感させる構成になっている。
そして全てを終えて流れる、作曲者の1人である田島勝朗氏のED曲は屈指の名曲として今なお有名である。

尚、その他のBGMも名曲揃い(特にステージ4ボス戦は神曲の評判が強い)のでお勧めである。

現在ではWiiのVCアーケードでも配信されているため、興味を持った方は是非。*1
ってかこれでもCERO:Bなんだぜ…ありえん
恐らく、アーケードタイトルからの審査ではプレイ層、購入層からの観点での誤差から生じているのかもしれない。

アーケード版とそれを移植したPCエンジン版・FM-TOWNS版・Windows版の他、正統な続編として制作されたメガドライブ版、
そしてFC版『スプラッターハウス~わんぱくグラフィティ~』が存在する。

全年齢向けにした結果がこれだよ!


子供向けということだが、普通の少年少女には分からないであろうパロディがそこら中に散りばめられており
例えば1面のボスはドラキュラマイケル・ジャクソンサタデーナイトフィーバー
手下のゾンビたちといっしょにスリラーを踊るというはっちゃけぶり。他にも犬神家の一族、ジョーズ、ザ・フライなどなど…
しかしまあ、これはこれで中々よくできている良作である。
+と思いきや、実は…(ネタバレ注意!)
更に実は映画の撮影だったというどーしようもないオチなのだが、
EDでピクニックにでかけたリックとジェニファーは、突然の豪雨に遭遇。
2人は近くにあった廃墟に駆け込み、そして…!

という、いわばスプラッターハウス・ゼロとでも言うべき作品なのだ。
とはいえ平凡な学生が何故に映画出演をしているのかとか、そこら辺はあまり突っ込まないほうがいい。
きっと知り合いのツテかアルバイトか何かなんだろう。

+続編について
ホラー映画ブームによりヒットした作品であるため、前述の通り幾つか続編も作られている。
ただしアーケード、ファミコンから、セガのメガドライブへとプラットフォームが移された。
その理由は当時、ナムコにおいて大型筐体以外のアーケードゲームは縮小傾向にあったことと、
特に人気の高かった北米市場を占拠していたのがメガドライブであった為だと言われている。

スプラッターハウスPART2


あの惨劇から3ヶ月。
リックは恋人ジェニファーを救えなかったばかりに、悪夢に悩まされ続けていた。
そんな彼の目の前に、あの忌まわしいヘルマスクが再び姿を現した。
ヘルマスク…。それは不滅の魂を宿し、過去あまたのものに力を与えし仮面。
あの悪夢の引き金ともいえる呪われた仮面である。
「ジェニファーは死んではいない。彼女を助けたければ、あの呪われし場所を再び訪れるのだ。
 そして“隠された館”を探すのだ。
 館にたどり着けば、すべての魂を解放する“復活の秘儀”を見つけられるだろう。
 さあ、再び私が力を貸そう。お前がそれを望むならな」
リックの脳裏をすべての過去が通り抜けた。
もはやリックにはジェニファーを救い出すことしか見えていなかった。
そして、その古代の仮面をゆっくりと自分の額へ押し当てた。

ジェニファーは生きていた!
という、1の悲壮なストーリーが一気にダイナシになるようなストーリーの為、
ゲームとしては秀逸であり正当な進化形なのだが、ファンからは賛否両論色々分かれる作品である。
……まあ、正確には冥界の恋人を救い出すために邪神と殴りあう事になるわけで、
イザナギやオルフェウスも驚きのハードなストーリーなのだが。
ついでに前作では行方不明であったウエスト博士との対決も……本当についでだけど。
あっさり燃やされるために復活した博士かわいそう

とはいえ、このストーリーの方向性は上記の「北米市場」をメインと据えており、
ハリウッド映画の続編のお約束の1つ「実は生きていたor助けることが出来る」という流れを意識したものなのだろう。
その為、こういった流れに賛否を起こす日本市場では致し方ない事かも知れない。

余談ではあるが、エンディングでマスクが取れた状態でのリックの素顔のシルエットが見られる。
シルエットではあるものの髪はちゃんとあるし顔の輪郭を見る限り結構なイケメンっぽい風貌。
またジェニファーの素顔もエンディングのシルエットの他、
ステージ7のオープニングデモ(こちらはシルエットではない)で見られる。
ちなみに流石に色々と拙かったのか、2以降はヘルマスクのデザインが変更されている。

現在ではこれもWiiのVCで購入、プレイが可能となっている。こちらはしっかりCERO:C指定。

スプラッターハウスPART3


あのおぞましい惨劇から5年。リックとジェニファーの間には、1人の息子が誕生していた。
彼の名はデイビッド。そして、彼らの平和な日々はいつまでも続くと思われた…。
リックとジェニファーによって封印を解かれた邪神の一族は、
最終目的である『究極邪神』の降臨をもって、完全なる復活を遂げんと暗躍を繰り返していた。
『究極邪神』復活の鍵は2つ。その霊媒となる人間と、時である。
霊媒にはリックとジェニファーの息子であるデイビッドが選ばれた。
時は邪神の祭壇に満月が影を落とすとき、即ち『月食の夜』が選ばれた。
そして、月食の夜、帰宅したリックが見たものは、おぞましくも変わり果てた我が家だった。
建物の全ては、邪悪なものたちに占拠され、ジェニファーやデイビッドの姿さえ見えない。
リックは茫然と立ち尽くした。
「助けなければ…」と、心に誓ったとき、あの忌まわしき仮面は、3度その姿をリックの前に現した。
『さあ、我が力をお前に貸そう。我が宿敵を破るために…』

3では、更にリックとジェニファーの子供が攫われる。
ジャンルも大幅に変更され「横スクロールアクション」から、「フロア切り替え式ベルト格闘アクション」へと変更となった。
(言うなればスプラッターハウスで『ファイナルファイト』を作ったという代物である)
まあ、1もほぼ敵を全滅しないと進めないベルトスクロールな感じだが…なんなんだこの続編。
その思い切りすぎた変更のため、前作・前々作のファンからも正直、受け入れるにも躊躇われる怪作へと変貌してしまった。なんてこった。
ただバランスは結構な難があるが、それなりに遊べるものには一応なっている。
余談だが、こちらのデモで見られるリック一家の姿は実写取り込みの姿で登場している。

さらに3では敵が手強くなったのに合わせ、一定時間リックをさらに怪物化させる能力も追加された。
筋肉がさらに盛り上がり、硬質化した内臓を突き出して敵を貫く姿はもはや完全に人間ではない。
ちなみに3はマルチエンディングであり、ジェニファーや子供の危機に制限時間内に間に合わなければ
容赦なくバッドエンド一直線という大変シビアなバランスであった。
そうした血みどろの運命の果ては、やっぱり復活したヘルマスクとの殴り合いである。またお前か。
……続編が出来るたびにグダグダになるのは、やっぱりホラー映画的かもしれない

しかしそれでも、このゲームの潜在的な人気というのは根強く、近年でもXBOX360とPS3にて新作が作られた程。
まあ、日本未発売なのがファンとしては悲しい所ではあるのだけど。
おまけにリックが完全に化け物な外観となっており、ヘビメタをBGMに暴れまくるアクションゲームに……どうしてこうなった。
ただゲームとしては上手く纏められており、やや単調ではあるがしっかりと遊べる秀作になっている。
ただし、あまりにも派手すぎる演出はもはやスプラッターというには些か大袈裟すぎな面も否めない。

兎にも角にも、ホラーゲームのパイオニアとして今なおその知名度を持つタイトルである事は間違いあるまい。
海外人気は日本以上に強く、以下の様な自主製作PVを作る人がいるほど。

NAMCOxCAPCOM』では彼自身は出演はならなかったものの、装備アイテムとして「リックのマスク」が登場する。
装備するとブランチ数(=攻撃回数で火力に直結する)が2つもUPするというかなり強力なアイテムである。

+全くの余談
東方Projectの二次作品に、これをパロった『 スプラッターフェイス 』というFLASHゲームがある。


MUGENにおけるリック・テイラー

Guadalajaraman氏作のメガドライブ版ベースの手書きのもの(ANDRÉS BORGHI氏のサイトで公開中)と、
MUGENキャラ辞典で紹介されている『スプラッターハウス3』ベースのもの(Sir Tigol & Lord Paul氏作)と、
キャラ作成動画で作られたアーケード版ベースのもの(おつかい氏作)の3つがある。
本項ではおつかい氏によって、ニコニコ動画内で制作されたリックを主に解説する。

原作ゲームのグラフィックを使用し、性能は完全再現。
鉈で相手を切った時の「スコーン!」という心地よい音もしっかり再現。
ちなみにこの鉈や斧等で攻撃する技「クリティカルストライク」は武器の種類によって攻撃判定や、
相手の攻撃中にカウンターで攻撃を当てると発生するクリティカルヒットの際のふっとばす方向が変わる。
更にゲームに登場する様々な敵達を全て呼ぶことができ、
リックと同じ姿の敵「ミラーリック」も召喚可能とファン感涙の出来となっている。
また投げるものはランダムで変わり、なぜかパックマン等のナムコキャラも出したりする。
またスライディングは強力で、対戦相手を画面端から反対側まで運送可能なほど。

そして、MUGENのリックを語る上で外せないのが特殊イントロの豊富さである。
何故かハンバーガーフライドチキンを相手に投げつけ、それをジョーカー(女性の幽霊)に盗られたり、
上から来るぞ気をつけろと言われ撃たれたりとその他現在も増加中である。
さらには同じリックの名を持つボクサーにも対応している。

ただ勝利時の演出の殆どは敵に攻撃されてリックが死んでしまうという悲惨なものだが
(ちなみに敗北した場合はダウンしたところをゾンビ犬に喰われる)
特定の条件で勝利した場合には生存エンドを見ることができる。
しかし、ある意味1番悲惨なのはこの生存エンドかもしれない……。
MUGEN動画でも貴重な生存エンド。12:00くらいから

なお、おつかい氏のリックは動画で使用する際にあたってガイドラインが設けられている。
ガイドラインは美樹さやか公開に伴って変更された為氏のサイトで確認すること。

カサイ氏によりウエスト邸ステージも作られている。

リック製作者おつかい氏HPより。

出場大会

削除済み
更新停止中

出演ストーリー

MUGEN町 任侠伝
狂って踊れ
女神異聞録アルカナ(邪神の呪いを受けし男「魔人」リック・テイラー)


*1
余談になるが、VC配信時に『ゲームセンターCX有野の挑戦 番外編』で本作が取り上げられた。
しかし、時間切れによってステージ5ボス途中で終了。つまり状況は不明瞭のままであった。
そして最後のテロップが 「ジェニファーの救出は、皆さん自身の手でお願いします」

何も知らない子供たちに、新たなトラウマを植えつける気満々 である。