阿部高和








 「やらないか」

恐らく日本で最も有名な成人向け漫画『くそみそテクニック』に登場したいい男。
名前の読みは「あべ たかかず」。通称「阿部さん」
主人公・道下正樹をして「ウホッ! いい男…」と呻らせたチョイ悪ないい男であり、
職業は自動車修理工。全身を包むツナギとインパクト溢れる台詞回しが強烈な存在感を放つ。
『くそみそテクニック』短編の中にしか登場しておらず、
多くを語っていないため、実は男専門のゲイなのか男も女もいけるバイなのかは分かっていない。
本人は「ノンケだってかまわないで食っちまう(悪い)人間」と嘯いている。

+ 『くそみそテクニック』アッー!らすじ(ネタバレ&ホモ&18禁ギリギリ注意)
導入部
予備校に通う「男に興味がある以外はごく一般的な男の子」である道下正樹。
ある日、帰宅途中に尿意を催した道下が、公園のトイレ目指して急いでいた所、
公衆トイレの近くのベンチに座っていた道下のタイプの1人の男性、阿部高和を見かけ、
思わず「ウホッ!いい男」と思ってしまう。
すると彼は突然ツナギのホックを外し始め、自らの逞しいミシャグジ様を道下に見せ付け「やらないか」と誘うのだった。
このトイレがハッテン場として有名であったことが道下の脳裏によぎった……。

トイレにて
正樹は、阿部さんに誘われるままホイホイとトイレの個室に連れ込まれ裸に剥かれ、
阿部さんの口技により出る寸前まで導かれた所で尿意を思い出す。
すると阿部さんは「いいこと思いついた お前俺のケツの中でションベンしろ」と正樹に命じると、
あっという間に裸になり正樹を促す。
戸惑う正樹だが、阿部さんのケツの格好の良さに感じ、意を決して背後から阿部さんの中に侵入し、
ションベンし終ると共に別の液体も発射する。
正樹のションベンを排出した阿部さんは、
自らの「キ○タマ」(文字通りの意味ではなく、恐らく竿の方の婉曲表現)がすごく…大きいことを正樹に確認させると、
有無を言わさず正樹に挿入する。しかし正樹は便意を訴え……

エンディング
便意を訴える道下に阿部がツッコミを入れた後、「クソまみれでやりまくるのもいいかもしれない」と言って、
道下に驚かれた所で物語は終っているので、その後どうなったのかは不明である。

(以上、Wikipediaより一部抜粋・改稿)


+ 阿部さんブレイクに至るまで
「あやしいわーるど」といった掲示板サイト群で局地的に『くそみそテクニック』を始めとする、
山川純一氏(通称「ヤマジュン」)による成人向け漫画作品のセリフが人気となっていたが、
2003年ごろに「ふたば☆ちゃんねる」内にそれが輸入され、更にそこから2ちゃんねるなどへ波及した。
これにより作中の台詞「ウホッ!いい男……」「やらないか」などの「ヤマジュン語」が大ブームとなり、
ネットミームとして他のヤマジュン作品の台詞も流行っていくこととなる。
あまりの大ブームぶりから『個人授業II』というTBS系列の番組でも紹介されたり、
後に復刊ドットコムより氏の作品集『ウホッ!! いい男たち ヤマジュン・パーフェクト』が発売されたりした。

ニコニコで爆発的なブームとなったのは2007年~2008年頃となるが、
オールスター入りした後もその人気は一向に衰える事なく、2010年を跨いでからも様々な作品でパロディされたり、
公式コラボとしてアダルトビデオが制作されたりもしている。何故か女×女モノになってるけど

海外でも日本初のミームとして「yaranaika」が定着したが、
言語の壁を挟んだ結果元ネタや意味を理解しないで使っている場合も多い。
また、ヤマジュン作品関連で「アッー!」を見掛けることも多いが、これは元来はヤマジュン語ではなく、
ゲイ向けアダルトビデオ『真夏の夜の淫夢』発祥の用語であり、ホモ繋がりで逆輸入された形になっている。
その後は「フタエノキワミ、アッー!」といったように、主にニコニコを通してジャンルを超えて使われるようになったのは周知の通り。

…が、こうした現代ネット上での大人気に反し、ヤマジュン作品がゲイ向け雑誌『薔薇族』に連載されていた当時は非常に評価が低かった。
同誌で80年代に連載されていたゲイ向け成人漫画では男臭く、がっしりとした体つきで濃い男達が登場するものが好まれていたため、
細身のイケメンが登場するヤマジュン作品は読者からは「絵が淡白すぎる」「キャラ造形が掲載紙と合わない」として酷評されており、
少なくとも同誌読者の嗜好とは噛み合っていなかった。編集部でもそれを受けてあまり高い評価はなされていなかったとされる。
ヤマジュン作品にはロン毛のイケメンもよく登場し、「少女漫画のようだ」と評されていたが
1990年代に入るとロン毛ブームが起こり、ロン毛のイケメンという図式が一気にメジャーとなった事を考えると先見性がありすぎたのかもしれない。

こうした評価だったためか、1988年には作者である山川氏は『薔薇族』の編集部に姿を現す事もなくなり、消息が分からなくなってしまった。
あまり多くを語るタイプではなく、いつも編集部の玄関先で原稿を渡して原稿料を受け取るとすぐに帰ってしまうという人物だったため、
住所や連絡先どころか本名すらも定かではなく、編集長としてもそれ以上のコンタクトのとりようがないまま数十年が経過する事となる。
『薔薇族』読者の中でも自殺や様々な要因で亡くなってしまった人が多いため、これを受けて、
「生きていれば今は50歳前後と思うが、もしかすると亡くなってしまっているのかもしれない」と編集長は死亡説を強く否定しない見解である。

また、単行本に関しては1986年から1988年にかけてけいせい出版より3冊が出版されたものの、けいせい出版は倒産。
『薔薇族』の発行元である第二書房で在庫を引き取った際に、その大量の返品単行本を見て編集長は唖然としたと言うが、
その後徐々に売れ始め、2~3年が経つ頃には山のようにあった単行本は完売したと証言されている。

インターネット上で人気となってからは、むしろ『薔薇族』側でも乗っかる形で阿部さんをデザインしたTシャツや抱きまくらを制作したり、
コラボカフェなども開催されるなどして人気を博している。正に「時代がヤマジュンに追いついた」のかもしれない。
編集長の自著タイトルとしても「やらないか」が前向きな挑戦を表す言葉として使われている
(以上のエピソードは編集長がネット上でのブームを受けて当時を振り返って語ったものだが、
 細かい年代については微妙に記憶違いなどで食い違っている部分も多いと思われる)。

+ 二次創作における阿部さん
やる夫を主人公にした物語、通称「やる夫スレ」やVIPで制作されたゲーム作品:VIP RPGなど、
ストーリー性のある作品ではその人気の高さから高確率で阿部さんが登場していた。

主なキャラクター付としては本項で解説しているようにチョイ悪な雰囲気のあるゲイであり、
厳しくも優しく後輩や部下を見守る先輩/上司…と色々な意味で「いい男」として表現される事が多い。
コメディ系の作品では原作をリスペクトしてやる夫のやらかしが発覚する→「しーましェーン!!」というオチが付く場合もある。
悪役として登場する場合でも、筋を通した男らしい武人タイプだったりする事が多い。
歴史・大河系ではしばしば同性愛者である事が有名な歴史上の偉人の代役として登場する。

やる夫系のスレではやる夫のケツを狙ったり性行為に誘うというのが一種のテンプレネタであるが、
本気で誘っているものとやる夫がノンケである事を知っていてからかっているものの両方パターンがある。
ラブコメ系の作品ではやる夫が告白する手助けをしてくれたり、それとなく仲を取り持ってくれるなど、果てしなく「いい男」である。

+ くそみそMADシリーズ
ニコニコで大人気となった事で、多数の手書きMADなどが作られている。
既存曲の歌詞をヤマジュン語に改変したものや、映像をコラ・手描きで制作したものなど、
非常に手の込んだウホッ!いいMAD…と言わざるを得ないものが多い。

また、タグは「くそみそ」となっているものの、『くそみそテクニック』だけではなく、
ヤマジュン作品のキャラクターが幅広く登場するオールスターのものも多い。

だいたいあってる(タグより)

+ いさじ兄貴
元々は2ちゃんねるのカラオケ板で活動していたいさじ氏だが、
ニコニコ動画黎明期には氏の歌った音声を勝手に使ったものが無断でニコニコにアップロードされ、
本人不在の状態で人気の歌い手となっているという奇妙な現象が起こっていた。
人気が高まる中、2007年7月15日に本人が「組曲『ニコニコ動画』を漢らしく歌ってみた[いさじ]」というタイトルで動画を投稿するものの、
何故かこの動画は3日ほどで権利者削除となってしまい、惜しむ声も非常に多く聞かれた。

「いさじ氏=くそみそテクニック系のネタ」という認識が定着したのは、
同年9月3日投稿(投稿者はいさじ氏本人ではなく阿部ダンサーズ超監督氏である)の「バラライカ PV いさじ with 阿部ダンサーズ」であり、
この動画以降は「いさじ兄貴=阿部さん」という扱いが多くなった。
「歌ってみた」動画のコラボ作品においてのアバター(イメージ映像)ではこうした背景から阿部高和が使用されることが多い。
この動画を発端に「踊ってみた」系がバラライカの替え歌「やらないか」一色に染まるというムーブメントも巻き起こった。
ニコでは本家より有名
2:53辺りからいさじのターン!

2014年には「ニコニコ町会議全国ツアー2014 in 宮崎県西都市」において行われた企画、お一人様カラオケの放送カメラ前にいさじ氏が突如として現れ、
上記の替え歌の原曲である「バラライカ」を歌った事で会場とニコ生視聴者は騒然となった。
メイン生放送側で慌てていさじ氏の姿をカメラが追ったものの、
その際には既に現場から姿をくらましており、「神回避」「怪盗」「ヤリ逃げ」などと賞賛された。
また、2017年7月15日という最初の動画投稿から10周年を迎える日に本人が「【10周年】やらないかを歌ってみた [いさじ]」として、
再びバラライカの替え歌を歌ったもの+今までに投稿された踊ってみた動画の映像総集編を投稿。多くのファンが感動にむせび泣いた。


MUGENにおける阿部高和

写楽保介の作者であるmaruhen氏が3Dモデルから製作した、阿部さん強襲型「アサルト阿部」が存在する。
一時DL不可になっていたが、レーシングミク公開と共に公開再開。最新バージョンはver2.1。

「アサルト(強襲)」という名前の通り、突進技や高速移動を伴ったスピード系のキャラクターとして仕上がっている。
演出面・性能面共に作り込まれており、レベル調整可能なAIもデフォルトで搭載されている。
ストライカーとして『 男狩り 』の日高良二、『 僧衣を脱ぐ日 』の英恵、『 地獄の使者たち 』の嶋本も呼び出せる。
※苦手な人&18禁注意

注意点として、1P~6Pカラーでは阿部さんのすごく大きいモノがポロリするスプライトが一部に含まれている。
勿論このまま動画に使った場合は動画自体が削除を食らうであろう事は言うまでもない。
7P~12P(スタートボタンを押しながら決定)カラーで使った場合はモザイク処理の入ったスプライトになるので、
動画で使う際はうっかり忘れて1P~6Pカラーで使用しないようにしておくこと。何故そちらがデフォではないのか

この動画自体もうっかり運営に知られたら間違いなく消されるらしい。
……しかし投稿から10年以上経っているにも拘らず、未だに削除されていない。
流石阿部さん、ニコニコ動画を支える1人として運営のお気に入りなのかもしれない……。


「ああ…つぎはションベンだ」

出場大会

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【アサルト阿部さん】

出演ストーリー

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+ おまけその3
スーパーマリオRPG』において、リップルタウンの町人達に化けていたヤリドヴィッヒから5つ目のスターピースを渡すよう強要され、
これを断ると人質の長老をアッー!…ではなく、くすぐることでマリオを脅すイベントがあるのだが、
3回目の場合に表示される長老の台詞に『くそみそテクニック』の題名を髣髴とさせるものが含まれている。
19:57~

『マリオRPG』自体に(主にマロの「なにかんがえてるの」による)パロディやどう見てもR-18なネタが揃っていることと、
発売時期から考えてこのテキストを担当した者にヤマジュン作品の知識があった可能性は否定できないが、勿論確認が取れた事実というわけでもない。


最終更新:2023年08月24日 11:51