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*【笑顔】 涙は哀しいとき以外にも流れるのだということを、知った。 「譲くん・・・どうしたの?」 「俺は、悔しいんです。先輩を守れるのが俺だけじゃないことが。  たとえ俺がいなくなっても、他の誰かが先輩を守れる。  どうして俺だけに与えられた使命じゃなかったんだ・・・・!」 悔しくて悔しくて。 溢れる感情が止まらない。 そんな俺を見る先輩は優しい目をしていた。 まるでそっと包み込んでくれるような。 先輩が俺に一歩ずつ近づいてくる。 「あのね、譲くん。私は誰にも守ってほしいなんて思ってない。  ただ守られるだけのお姫様なんて嫌なの」 落ち着いた声色。 俺から視線を外さない。 「だけどっ・・・・俺は貴女を守りたいん・・・」 「私も譲くんを守るよ。  譲くんだって、見てるとけっこう冷や冷やしちゃうんだから」 にこっと笑って先輩は続ける。 「私が弱いところを見せられるのは譲くんだけなんだよ?  君が守ってくれなくて誰が守ってくれるっていうの?」 と言いながら、人差し指で俺の額をつんっと突く。 「だから。泣かないの。ね?」 「・・・・はい」 先輩の優しさと想いに。 思わず涙が流れそうになったけれど。 先輩が笑っているから。俺も笑おう。 ---- 上手く手のひらで転がされている譲です(笑) これを書いたときは、ヒロインが泣いてるのばっかり書いてたので、その反動でこんなSSになった気がします。 先輩らしく、ね。 何かありましたら、以下からどうぞ。 #commnet
***【笑顔】 涙は哀しいとき以外にも流れるのだということを、知った。 「譲くん・・・どうしたの?」 「俺は、悔しいんです。先輩を守れるのが俺だけじゃないことが。  たとえ俺がいなくなっても、他の誰かが先輩を守れる。  どうして俺だけに与えられた使命じゃなかったんだ・・・・!」 悔しくて悔しくて。 溢れる感情が止まらない。 そんな俺を見る先輩は優しい目をしていた。 まるでそっと包み込んでくれるような。 先輩が俺に一歩ずつ近づいてくる。 「あのね、譲くん。私は誰にも守ってほしいなんて思ってない。  ただ守られるだけのお姫様なんて嫌なの」 落ち着いた声色。 俺から視線を外さない。 「だけどっ・・・・俺は貴女を守りたいん・・・」 「私も譲くんを守るよ。  譲くんだって、見てるとけっこう冷や冷やしちゃうんだから」 にこっと笑って先輩は続ける。 「私が弱いところを見せられるのは譲くんだけなんだよ?  君が守ってくれなくて誰が守ってくれるっていうの?」 と言いながら、人差し指で俺の額をつんっと突く。 「だから。泣かないの。ね?」 「・・・・はい」 先輩の優しさと想いに。 思わず涙が流れそうになったけれど。 先輩が笑っているから。俺も笑おう。 ---- 上手く手のひらで転がされている譲です(笑) これを書いたときは、ヒロインが泣いてるのばっかり書いてたので、その反動でこんなSSになった気がします。 先輩らしく、ね。 何かありましたら、以下からどうぞ。 #commnet

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