「【特別な日】…譲の誕生日に…」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

【特別な日】…譲の誕生日に…」(2008/01/31 (木) 00:40:34) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*【特別な日】 「…どうしたんですか、先輩」 今日は、譲くんの誕生日。 何を用意したらいいのか…何ヶ月も前から散々考えて。 結局、無難なものになっちゃった。 それでもいいかと思って、放課後、譲くんの教室まで来たのはいいけれど… 「えと、今日は、譲くんの誕生日…でしょ?  良かったら、一緒に帰らない…?」 意を決して、私は譲くんにそう告げた。 しかし、譲くんは…とぼけた顔でこう言ったのだ。 「…誕生日? あぁ…それで、プレゼントが…  いえ、あの…俺、今日が自分の誕生日だってこと忘れていたんです」 …そんなことだろうと思ったけど。 譲くん、ずっと忙しそうだったし。 でも、今…プレゼントって言った? 「だから、女の子がプレゼントを持ってきていたんですね…  俺、貰う理由が分からなかったので、全部断っていたんです。  …悪い事をしてしまったかな」 そんなに申し訳無さそうな顔をさせているのは、私じゃない。 でも、他の誰かのために、そんな顔をしているのも嫌。 「譲くん…」 「あぁ、すみません。気にしないでくださいね。  先輩…一緒に帰ってくれるんですか?俺と」 …意外に天然だったんだ、譲くん。 …ってそんな事言ってる場合じゃない! 譲くん、モテるし…他の子の事なんか構ってられないよ。 「うん。譲くんと一緒に帰りたい。  …私でいい?」 「もちろんです…俺も、先輩がいいって思ってましたから。  じゃあ、すぐに準備してきますね」 さらっとスゴイ事を言って、鞄を取りに行く譲くん。 譲くんと二人で帰るなんて、初めて…じゃないかな。 いつもは、将臣くんと一緒だったし… 急に緊張してきた…どうしよう。 そんな事をごちゃごちゃ考えてる間に、譲くんが戻ってきた。 「お待たせしました、先輩。…先輩? どうしたんですか、そんなに顔を赤くして。熱でもあるんですか…?」 「違う違う!大丈夫だから!」 首をブンブン振って、必死で否定する私。 だって、大人しく家まで帰る気なんてないんだもの。 「それならいいんですが…じゃあ、帰りましょうか」 譲くんは少しも照れた顔せずに歩き出すから、 何とも思ってないのかなって少しだけ不安になる。 でも…今日は、頑張るって決めたんだ。 「今日は、少しだけ寄り道していかない?  ね…いいでしょ?」 歩みを止めて、そう誘い出す。 心臓の高なりが止まらない。 だけど…今日でなくちゃ意味がないから。 「ええ、構いませんが…何かあるんですか?」 「たまには、ね。二人で寄り道っていうのもいいじゃない?  ほら、あの公園に行こうよ!」 「…えっ、先輩…?」 驚いたような譲くんの声を聞きながら、 私は彼の手を取って走り出す。 …恥ずかしいから、顔を見られたくないだけ。 この手の震えがどうか伝わっていませんように。 「昔は、よく遊んだよね。公園で3人でさ。  ふふ…懐かしい」 「将臣くんと私が無茶ばっかりするから、  譲くんの怒った顔しか見てなかった気がするなあ」 「それは…」 早く…早く。急かすのは私の鼓動。 心の扉を開けて、と。 「誕生日おめでとう…譲くん。  今日は、どうしても二人でいたかったの。  私からのプレゼント、受け取ってくれるかな…?」 「…っ…」 譲くんの口から言葉が発せられるのが怖くて。 矢継ぎ早に私は言葉を紡いだ。 「あのね…それで…えっと。  私……」 「待ってください、先輩。 俺の話を聞いてくれませんか?」 「え…?」 「子どもの頃、兄さんと先輩が無茶するのを見ていて…  …俺は、羨ましかったんです。  兄さんは、先輩を楽しませることができる。 俺はこんな性格だから、先輩を心配することしかできなくて。 だけど、俺にも負けたくないものがあるんです。 ずっと…先輩の事が好きです。兄さんには譲れない。 だから、先輩からのプレゼントを断るわけがないでしょう? 嬉しいです…俺」 「……」 突然の事に、何を言っていいか分からない。 えっと…好きって言った? 譲くんが私の事を…? …本当、に…? 「…先輩?」 言葉がない私を気遣う声。 顔なんて、まともに見れないけど。 私も伝えたい想いがある。 他でもないあなたに。だから、ちゃんとしなくちゃ。 私の瞳に映るは、愛しいその人。 「…私ね、譲くんの事が好きだよ。  将臣くんと比べた事なんてない。  だって、比べるまでもないんだもん。  私は…ずっと、譲くんだけだよ」 い、言えた…? …良かっ… 「え…」 身体が力強い腕に絡め取られた。 心地よい鼓動の音が聴こえる。 …そっか。私だけじゃなかったんだ。 「今日、俺にとって最高の日になりました。  ありがとうございます、先輩」 今日は、特別な日。 あなたが生まれてきたことに心から感謝するの。 そして…二人が始まった日。 これからも、二人で祝おうね。 大事な日だから。
***【特別な日】 「…どうしたんですか、先輩」 今日は、譲くんの誕生日。 何を用意したらいいのか…何ヶ月も前から散々考えて。 結局、無難なものになっちゃった。 それでもいいかと思って、放課後、譲くんの教室まで来たのはいいけれど… 「えと、今日は、譲くんの誕生日…でしょ?  良かったら、一緒に帰らない…?」 意を決して、私は譲くんにそう告げた。 しかし、譲くんは…とぼけた顔でこう言ったのだ。 「…誕生日? あぁ…それで、プレゼントが…  いえ、あの…俺、今日が自分の誕生日だってこと忘れていたんです」 …そんなことだろうと思ったけど。 譲くん、ずっと忙しそうだったし。 でも、今…プレゼントって言った? 「だから、女の子がプレゼントを持ってきていたんですね…  俺、貰う理由が分からなかったので、全部断っていたんです。  …悪い事をしてしまったかな」 そんなに申し訳無さそうな顔をさせているのは、私じゃない。 でも、他の誰かのために、そんな顔をしているのも嫌。 「譲くん…」 「あぁ、すみません。気にしないでくださいね。  先輩…一緒に帰ってくれるんですか?俺と」 …意外に天然だったんだ、譲くん。 …ってそんな事言ってる場合じゃない! 譲くん、モテるし…他の子の事なんか構ってられないよ。 「うん。譲くんと一緒に帰りたい。  …私でいい?」 「もちろんです…俺も、先輩がいいって思ってましたから。  じゃあ、すぐに準備してきますね」 さらっとスゴイ事を言って、鞄を取りに行く譲くん。 譲くんと二人で帰るなんて、初めて…じゃないかな。 いつもは、将臣くんと一緒だったし… 急に緊張してきた…どうしよう。 そんな事をごちゃごちゃ考えてる間に、譲くんが戻ってきた。 「お待たせしました、先輩。…先輩? どうしたんですか、そんなに顔を赤くして。熱でもあるんですか…?」 「違う違う!大丈夫だから!」 首をブンブン振って、必死で否定する私。 だって、大人しく家まで帰る気なんてないんだもの。 「それならいいんですが…じゃあ、帰りましょうか」 譲くんは少しも照れた顔せずに歩き出すから、 何とも思ってないのかなって少しだけ不安になる。 でも…今日は、頑張るって決めたんだ。 「今日は、少しだけ寄り道していかない?  ね…いいでしょ?」 歩みを止めて、そう誘い出す。 心臓の高なりが止まらない。 だけど…今日でなくちゃ意味がないから。 「ええ、構いませんが…何かあるんですか?」 「たまには、ね。二人で寄り道っていうのもいいじゃない?  ほら、あの公園に行こうよ!」 「…えっ、先輩…?」 驚いたような譲くんの声を聞きながら、 私は彼の手を取って走り出す。 …恥ずかしいから、顔を見られたくないだけ。 この手の震えがどうか伝わっていませんように。 「昔は、よく遊んだよね。公園で3人でさ。  ふふ…懐かしい」 「将臣くんと私が無茶ばっかりするから、  譲くんの怒った顔しか見てなかった気がするなあ」 「それは…」 早く…早く。急かすのは私の鼓動。 心の扉を開けて、と。 「誕生日おめでとう…譲くん。  今日は、どうしても二人でいたかったの。  私からのプレゼント、受け取ってくれるかな…?」 「…っ…」 譲くんの口から言葉が発せられるのが怖くて。 矢継ぎ早に私は言葉を紡いだ。 「あのね…それで…えっと。  私……」 「待ってください、先輩。 俺の話を聞いてくれませんか?」 「え…?」 「子どもの頃、兄さんと先輩が無茶するのを見ていて…  …俺は、羨ましかったんです。  兄さんは、先輩を楽しませることができる。 俺はこんな性格だから、先輩を心配することしかできなくて。 だけど、俺にも負けたくないものがあるんです。 ずっと…先輩の事が好きです。兄さんには譲れない。 だから、先輩からのプレゼントを断るわけがないでしょう? 嬉しいです…俺」 「……」 突然の事に、何を言っていいか分からない。 えっと…好きって言った? 譲くんが私の事を…? …本当、に…? 「…先輩?」 言葉がない私を気遣う声。 顔なんて、まともに見れないけど。 私も伝えたい想いがある。 他でもないあなたに。だから、ちゃんとしなくちゃ。 私の瞳に映るは、愛しいその人。 「…私ね、譲くんの事が好きだよ。  将臣くんと比べた事なんてない。  だって、比べるまでもないんだもん。  私は…ずっと、譲くんだけだよ」 い、言えた…? …良かっ… 「え…」 身体が力強い腕に絡め取られた。 心地よい鼓動の音が聴こえる。 …そっか。私だけじゃなかったんだ。 「今日、俺にとって最高の日になりました。  ありがとうございます、先輩」 今日は、特別な日。 あなたが生まれてきたことに心から感謝するの。 そして…二人が始まった日。 これからも、二人で祝おうね。 大事な日だから。 ---- お待たせしました…譲の誕生日SS(だったもの)です(苦笑) 私、プロットとか書かない人なんで、 書きかけの状態で置いてあると、どうしたかったのか理解できません。 なので、これも最初に思い描いていた結末とは違うかも。 けど…まあ、彼が幸せならいいんじゃないでしょうか。 誕生日だしね! そんなわけで、何かありましたら、以下からどうぞ。 #comment

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: