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【V.D】


「・・・ふふっ」

手には、1枚のコンサートチケット。
自然と笑みがこぼれてしまう。
まさか土浦くんに誘ってもらえるなんて思ってもいなかったから。
それも今日・・・バレンタインデーに。
ドキドキしながら、ふとバッグの中を探る。
手に触れるモノ。
・・・うん。大丈夫。
今日こそはちゃんと伝えるんだから。

「・・・おい、日野?何一人で百面相してるんだ?」
「つ、土浦くん!? いつの間に・・・!」

隣に立っていたのは、土浦くん。
驚いた。いきなり土浦くんが隣にいたことも。彼の私服姿にも。
制服じゃない姿を見るのは初めてじゃないけど、何でこんなにもドキドキするんだろう。

「驚かせちまったのなら、悪い。待たせちまったか?」

私が驚いた様子にびっくりしたのか、済まなそうな顔をして謝っ
てくる。
こういうところ、優しいんだよね。

「ううんっ!私も今来たところだし。ちょっと考え事してたら、驚いちゃっただけだから」

慌てて顔の前で両手を振りながら説明すると、

「そっか。・・・んじゃ、行こうぜ」

土浦くんは安心したようにふと笑みを見せると、すたすたと歩き出す。

「ちょっと待ってよー。この靴、歩きにくいんだってば」

今日はコンサートだから、それなりにしないとって思って、ヒールの高い靴を履いてきたんだ。
慣れない靴だけど、それも今日のためって思えば・・・!
急いで走り出そうとすると、数歩先を歩いていた土浦くんが、くるっと振り返って、

「じゃあ、これでいいだろ」

ほらっ、と手を差し出してくれた。
え?と問い返すと、

「今日は、こうしてた方が自然だろ。それに、俺が誘ったんだし、な」

耳まで真っ赤にしながら、そう言った。
・・・ずるい、と思う。
そっけない振りをしながら、女の子には優しいんだ。
どうしたら、私を見てくれる?
・・・伝えなきゃ伝わらない。
バッグの中。私の貴方への想い。

「あのね、土浦くん。これ・・・」

受け取ってもらえる、かな・・・そう呟きながら、土浦くんへと差し出す。
どうか、手が震えていませんように。
どうか・・・受け取ってくれますように。
そう願いながら。

「・・・サンキューな」

私の手の中の重みが消えて、代わりに温かい手の感触。
繋いで、くれるの?
私の想いを。

「土浦くん・・・?」
「ホワイトデー、覚悟してろよ?」

ふざけたように言うのは彼なりの照れ隠し。
ぎゅっと握られた手。
こういう不器用な土浦くんが、好きなんです。

「・・・うんっ」

そう言って、土浦くんの頬に掠めるようなキスを送る。

「・・・っ」

呆気にとられて言葉もでないみたい。
そんな土浦くんも愛しくて。
繋いだ手を握り返して、走り出す。

「早く行こ!」

今、この瞬間から、新しい物語が始まる。


なんでかな?
私、火原先輩が本命だったはずなのに、乙女の祭典バレンタインデーにつっちーで書いてたorz
そんなわけで、ホワイトデーもつっちーです(笑)

何かありましたら、以下からどうぞ。
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