【傍にいてやる】
「誕生日、おめでとう!」
そう言って、花梨はオレの前に現れた。
手には、丸い形の…甘い、いい匂いがするものを持っていた。
…ってか、誕生日って何だ?
「あ、ごめんごめん。驚かせちゃった?
今日はイサトくんの生まれた日なんだよね?
私の世界ではね、生まれた日をお祝いするんだよ!」
「へぇ~…生まれた日なんて、あんまり意味ねぇけどな」
「そんなこと言わないの!
イサトくんが生まれてこなければ、私と出逢えなかった。
だから、今日という日に感謝するのは当たり前でしょ」
そういや、生まれた日のことなんて、考えた事なかったな。
今までずっと、新しい年を迎える度に、
ただ歳を重ねていくだけだと思ってたからよ。
だから…驚いた。
お前が、オレの生まれた日に感謝してくれるってこと。
「ふぅん。
ま、祝ってもらうのも悪い気はしねぇな。
お前が手に持ってるものは何だ?」
「あ…これ?
けぇきって言うんだよ。
これで誕生日をお祝いするんだ!
ね、一緒に食べよ?」
お前が微笑んで言う。
…そういうところ、弱いんだよな。
気付いてないから言ってやらないけどよ。
だって、悔しいじゃん。
「…これ、お前が作ったのかよ?
ま、食ってやってもいいかな」
素直じゃないオレ。
でも、お前はきっと受け入れてくれるから。
信じても…いいよな?
「だ、大丈夫だもん。
味見もしたし!
ほら!」
そう言って、けぇき…を一欠片、オレに差し出してくる。
「じ、自分で食えるから、寄越せ!」
くっそ…餓鬼みたいじゃねぇか。
でも、こういうとき、お前も譲らねぇんだよな…
「いーやーだ!
食べてくれないと、捨てるから!」
「……分かったよ。
これでいいんだろ?」
観念したオレは、お前の手を掴んで、けぇきを食べる。
……手は、離さない。
「イサト…くん?」
「お前がここにいることに感謝したいのはオレの方なのに。
どうやったら、伝わるかわかんねぇ…
だから、これで我慢してくれよ?」
「え…」
「オレがお前を守る。
この手を離したりしないって誓う。
オレが…お前の傍にいる」
お前の手に、口付けを…
誓いと、愛おしい想いを込めて。
久々にSSを書いたので、こんなんですみません;;
しかも、イサトのくせにエロi(黙れ)
一応イサト生誕記念SSのつもり…ですorz
ブランクがあると、なかなか書けないもんですね…
1ヶ月以上放置して、すみませんでしたー!!!!!!
何かありましたら、以下からどうぞ。
最終更新:2007年10月22日 23:28