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【一輪の花より】




月に照らされる後姿。
花のない桜の木を眺めていた貴方は、私の声に振り向く。

「…銀」
「はい、神子様」

淀みなく答える。
ただ、私の命に従うという、それだけのこと。

「これを貴方にあげようと思って来たの」
「私に…ですか?
 どなたかから頂いたものでは?
 それに、私などよりも神子様の方がお似合いですよ」

優しく微笑んで、そう言うから。
私は、ふいに零れ落ちそうになる涙を堪えて言った。

「違うの。
 これは、銀にあげるために手折ってきたの。
 今日は…貴方が、この世に生を受けた日、誕生日なんでしょう?」

銀は、少し思案を巡らせ、思い至った顔で言う。

「…あぁ、そういえばそうでしたね。
 私が生まれた事を祝ってくれる人間なんて、
 今まで誰一人としていませんでしたから」

悲しげな様子もなく、淡々と言葉を紡ぐ。
私は、そんな銀が悲しくて寂しくて。
思わず、彼に手を延ばしていた。

「神子様…?」
「ねぇ、銀…生まれてきてくれて、ありがとう」

一輪の花を渡すより。
たった一言で貴方に伝わるのだと…

貴方の腕に込められた力で、私は理解した。




およそ一ヶ月ぶりの更新が銀の誕生日SSですorz
しかも、銀は初書き(死)
絵茶してたとき、ふと思いついた小話ですので、
適当に読み流してやってください。


何かありましたら、以下からどうぞ。

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